148 / 165
第四章 平穏
第三話 メモの続き
しおりを挟む
「うん~ん。僕寝ちゃってたんだね。兄さん何をやっているの?」
「おはようユアンっていっても夕方だけどね。これかい?これはお父さん達のメモを見ているんだよ」
ユアンと一緒に寝てしまった。
僕は起きるとすぐにカテジナさんからもらったお父さんからのメモを再生している。お父さんとお母さんが小さなころの僕を撫でている姿が映し出されている。
「とてもいい両親だったんだね」
「そうだね。ユアンのお父さんもいればよかったんだけど」
「母さんが言うには依頼を受けていなくなったって言っていたから遠征先で帰っちゃったんだね」
ユアンのお父さんは冒険者をしていて、依頼を受けていたんだ。その時に帰ることになってしまったんだろうね。だから、この動く絵の中にはいないんだ。でも、この動く絵はどういう仕組みなんだろう?
「どうやって、絵を記憶させているのかな?」
「さあ?それにこの紙もおかしいよね。グニャングニャンにしても切れないし、ガラスみたいに綺麗なのに割れないし」
僕とユアンは紙を触りながら首を傾げた。
「まあ、なんでもいいか。僕は両親が見れただけでも満足だし。この紙は僕の宝物だから」
「兄さんらしいや」
「それにしてもユアン・・・服が乱れているよ」
「えっ?」
ユアンはみんなに女だとカミングアウトしてから布で胸を縛るのをやめている。女の子らしい谷間がチラチラと僕の心を揺れ動かす。
「兄さん・・・まさか、動揺してるの?」
「そそそ、そんなことあるわけないじゃないか。ユアンはおと、妹なんだからさ」
「・・・」
ユアンが変なことを言うから動揺してしまった。だけど、兄としての威厳を保つために頑張ってみるけど、ユアンはニヤニヤして僕の腕に胸を押し当ててきた。
「僕も結構出てきたんだ~」
「こら、ユアン。兄を揶揄うんじゃない」
「とか何とか言って、兄さん動こうとしないんだね。こんな兄さん初めてで僕はもう・・」
「ユ~ア~ン~」
「「モナーナ!!」」
ユアンに揶揄われていると正義の味方モナーナ参上。モナーナはユアンの耳を引っ張って外へ出て行ってしまった。こりゃ、ユアンと寝るのはおしまいかな。
しかし、今まで一緒に寝ていたのに気づかなかったなんて僕はなんて鈍感なんだろうか。ユアンも苦しかっただろうな~。男と一緒の部屋で寝るなんて年頃の女の子にとって罰でしかないよね。うんうん。
『ルーク、まだいるか?』
「えっ?お父さん。あの後の続きがあったのか・・」
最後まで見たつもりだったメモ、そのメモが黒い絵からお父さんが小声でしゃべる姿に代わっていた。
『熟練度でスキルを得られるのはもう、知っているな。そこで注意が必要だ。この世界の人達は7レベルが最高だと思っているスキルだが、実は5が最高なんだ』
「ええ!」
お父さんは小声で話している。その言葉はこの世界の常識を覆す話だった。
『この世界で暮らしていたのなら、わかっているだろ?みんな7が最高だと思ってる。しかし、違うんだ。異世界からやってきた人たちは当たり前のようにおかしな力を持っている。それは特別な力だ。しかし、本当におかしいのはスキルにあったんだよ。勇者として召喚された異世界人が昔、世界を救った。その時のステータスが世界に知られたんだ。スキルの最高レベルが7だと分かったんだ。その前までは最高でも5がいるのみで7なんて言うのはいなかった』
えっ、まさか、異世界人しか7までいけないって事?
『察しの通り、異世界人でしか、7まで到達できないんだ。だから、やたらめったらスキルを7にしちゃだめだぞ。っていっても熟練度1000でスキル一個上げるのが関の山だから、そうそう上げられないと思うけどな。じゃあ、頑張れよ。俺の息子』
お父さんは少し潤った目で最後、手を振っていた。
「お父さん・・・色々、遅いよ」
魔法スキルなんか全部7だし、ほかだって凄いことになってるよ。だけど、おかしい事が・・・、
「熟練度1000で1しか上げられない?僕は熟練度1で1あげれているんだけど?これはどういう事・・・」
どうやら、お父さんの能力と僕の能力は少し違うみたい。
「じゃあ、熟練度が1000になったらステータスにプラスが付くのはお父さんと違うってことかな。まさかして、お母さんの能力も合わさってもらっているのではないだろうか?転生者の英雄の話も絵本にあったし、そういう人も特殊な能力をもっていた。カテジナ叔母さんに僕のお母さんの話をもっと聞けばよかった。お母さんの姿を見ただけで、僕は満足しちゃったんだよな~・・・まあ、スキルレベルはカード見せてもばれないし、大丈夫か」
僕は悩むのをやめた。この力を得てから色々悩んだりしてきたけど、悩むだけ無駄なんだよね。だって既にステータスはえらいことになってしまっているのだから、何もできない。下げることもできないし破棄することもできない。ということで考えるのをやめました。
この後、僕はお父さんのメモをアイテムバッグにしまって久しぶりの製作に取り掛かりました。この部屋での製作は久しぶりなので捗る捗る。しばらくして、夕飯にスリンさんが呼びに来てみんなと一緒に食事をしました。
思った通り、ユアンはモナーナと一緒に別の部屋で寝るそうです。ユアンも僕といつまでも寝てると甘えん坊癖が抜けないからね。いい機会だ。
「おはようユアンっていっても夕方だけどね。これかい?これはお父さん達のメモを見ているんだよ」
ユアンと一緒に寝てしまった。
僕は起きるとすぐにカテジナさんからもらったお父さんからのメモを再生している。お父さんとお母さんが小さなころの僕を撫でている姿が映し出されている。
「とてもいい両親だったんだね」
「そうだね。ユアンのお父さんもいればよかったんだけど」
「母さんが言うには依頼を受けていなくなったって言っていたから遠征先で帰っちゃったんだね」
ユアンのお父さんは冒険者をしていて、依頼を受けていたんだ。その時に帰ることになってしまったんだろうね。だから、この動く絵の中にはいないんだ。でも、この動く絵はどういう仕組みなんだろう?
「どうやって、絵を記憶させているのかな?」
「さあ?それにこの紙もおかしいよね。グニャングニャンにしても切れないし、ガラスみたいに綺麗なのに割れないし」
僕とユアンは紙を触りながら首を傾げた。
「まあ、なんでもいいか。僕は両親が見れただけでも満足だし。この紙は僕の宝物だから」
「兄さんらしいや」
「それにしてもユアン・・・服が乱れているよ」
「えっ?」
ユアンはみんなに女だとカミングアウトしてから布で胸を縛るのをやめている。女の子らしい谷間がチラチラと僕の心を揺れ動かす。
「兄さん・・・まさか、動揺してるの?」
「そそそ、そんなことあるわけないじゃないか。ユアンはおと、妹なんだからさ」
「・・・」
ユアンが変なことを言うから動揺してしまった。だけど、兄としての威厳を保つために頑張ってみるけど、ユアンはニヤニヤして僕の腕に胸を押し当ててきた。
「僕も結構出てきたんだ~」
「こら、ユアン。兄を揶揄うんじゃない」
「とか何とか言って、兄さん動こうとしないんだね。こんな兄さん初めてで僕はもう・・」
「ユ~ア~ン~」
「「モナーナ!!」」
ユアンに揶揄われていると正義の味方モナーナ参上。モナーナはユアンの耳を引っ張って外へ出て行ってしまった。こりゃ、ユアンと寝るのはおしまいかな。
しかし、今まで一緒に寝ていたのに気づかなかったなんて僕はなんて鈍感なんだろうか。ユアンも苦しかっただろうな~。男と一緒の部屋で寝るなんて年頃の女の子にとって罰でしかないよね。うんうん。
『ルーク、まだいるか?』
「えっ?お父さん。あの後の続きがあったのか・・」
最後まで見たつもりだったメモ、そのメモが黒い絵からお父さんが小声でしゃべる姿に代わっていた。
『熟練度でスキルを得られるのはもう、知っているな。そこで注意が必要だ。この世界の人達は7レベルが最高だと思っているスキルだが、実は5が最高なんだ』
「ええ!」
お父さんは小声で話している。その言葉はこの世界の常識を覆す話だった。
『この世界で暮らしていたのなら、わかっているだろ?みんな7が最高だと思ってる。しかし、違うんだ。異世界からやってきた人たちは当たり前のようにおかしな力を持っている。それは特別な力だ。しかし、本当におかしいのはスキルにあったんだよ。勇者として召喚された異世界人が昔、世界を救った。その時のステータスが世界に知られたんだ。スキルの最高レベルが7だと分かったんだ。その前までは最高でも5がいるのみで7なんて言うのはいなかった』
えっ、まさか、異世界人しか7までいけないって事?
『察しの通り、異世界人でしか、7まで到達できないんだ。だから、やたらめったらスキルを7にしちゃだめだぞ。っていっても熟練度1000でスキル一個上げるのが関の山だから、そうそう上げられないと思うけどな。じゃあ、頑張れよ。俺の息子』
お父さんは少し潤った目で最後、手を振っていた。
「お父さん・・・色々、遅いよ」
魔法スキルなんか全部7だし、ほかだって凄いことになってるよ。だけど、おかしい事が・・・、
「熟練度1000で1しか上げられない?僕は熟練度1で1あげれているんだけど?これはどういう事・・・」
どうやら、お父さんの能力と僕の能力は少し違うみたい。
「じゃあ、熟練度が1000になったらステータスにプラスが付くのはお父さんと違うってことかな。まさかして、お母さんの能力も合わさってもらっているのではないだろうか?転生者の英雄の話も絵本にあったし、そういう人も特殊な能力をもっていた。カテジナ叔母さんに僕のお母さんの話をもっと聞けばよかった。お母さんの姿を見ただけで、僕は満足しちゃったんだよな~・・・まあ、スキルレベルはカード見せてもばれないし、大丈夫か」
僕は悩むのをやめた。この力を得てから色々悩んだりしてきたけど、悩むだけ無駄なんだよね。だって既にステータスはえらいことになってしまっているのだから、何もできない。下げることもできないし破棄することもできない。ということで考えるのをやめました。
この後、僕はお父さんのメモをアイテムバッグにしまって久しぶりの製作に取り掛かりました。この部屋での製作は久しぶりなので捗る捗る。しばらくして、夕飯にスリンさんが呼びに来てみんなと一緒に食事をしました。
思った通り、ユアンはモナーナと一緒に別の部屋で寝るそうです。ユアンも僕といつまでも寝てると甘えん坊癖が抜けないからね。いい機会だ。
0
お気に入りに追加
5,465
あなたにおすすめの小説
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
転生したらやられ役の悪役貴族だったので、死なないように頑張っていたらなぜかモテました
平山和人
ファンタジー
事故で死んだはずの俺は、生前やりこんでいたゲーム『エリシオンサーガ』の世界に転生していた。
しかし、転生先は不細工、クズ、無能、と負の三拍子が揃った悪役貴族、ゲルドフ・インペラートルであり、このままでは破滅は避けられない。
だが、前世の記憶とゲームの知識を活かせば、俺は『エリシオンサーガ』の世界で成り上がることができる! そう考えた俺は早速行動を開始する。
まずは強くなるために魔物を倒しまくってレベルを上げまくる。そうしていたら痩せたイケメンになり、なぜか美少女からモテまくることに。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる