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一章 過去の過ち
十四話
しおりを挟む奴がシリアを見つめながら笑っている。シリアは彼女と瓜二つだ。本当なら奴の目にだって移したくないというのに、、、。
シリアはゆっくりと笑いながらあの男に近づく、男が何をしてもすぐ動けるようにしておく、シリアの手が奴の顔に触れると冷気が場を支配する。
「ふぅ、お父様、終わりました」
「あ、あぁ」
同じ表情のまま氷漬けになった男を哀れには思わないがまだ10にも満たない娘が少し末恐ろしくもなるが、将来が少し楽しくもある。
隣国に留学している際に義母さまの性格が似てしまったようだ。あの魔法もそうだがあの可愛らしく笑っていた娘がすこし恋しくなる。
「強くなったな」
「ふふ、はい!お婆様に色々と教わりました!将来、結婚する時もそうですが男性に舐められないようにどうやって尻に敷くのかも教えてくれました!そのための力も!」
そう嬉々としていってくる可愛い娘に俺も周りにいる奴らも顔を引き連れせた。
「そ、そうか、、、。あぁ、まずはそいつを地下牢獄へ幽閉しといてくれ、リンの中にある核を取り除けるまで閉じ込めておけ」
「「「は、はい!!」」」
俺の声に顔を引き攣っていたものは氷漬けになった男を浮遊魔法で連れ出していった。
「シリア、俺はリンに会いに行ってくるが、、、」
「「「俺/僕/私もいく!」」」
「お前たち、、、」
シリアと声を被らせたのはルアンとフレッドだった。
「まぁいい、ちょうどいい機会だ」
「本当ですか!やりましたねお母様!」
「本当にこの日をどれだけ待ち望んだことか、、、グレイスがヘタレじゃなければもっと早く会えていたんだから遅いくらいだよ!ささ早く行こう!」
グサグサと刺さることをいうルイスに文句を言ってやりたいが事実なのでなんとも言えない。リンに会いたいという2人に気まずくてずっと後回していたのは自分なのだから。
馬車を用意しリンが待っている城へと急いだ。
その頃城では、リンとユースト、国王、が対面して座っていた。今まで肖像画でしか見たことなかったが実際に見るとかっこよさも威厳もとてもすごかった。
「元気そうだな、ユースト。前にあったのは二ヶ月前だったか?」
「はい、フレイの呼ばれたお茶会に僕も参加して以来なので2か月ぶりですね」
仲良さそうに話す2人にやっぱり仲がいいんだなと思いつつきまづさだけが増していく。大事にしている子を殴ったものが隣にいるなんてどう思うのだろうか。先程の殺気のような威圧のようなものに倒れそうになったのを思い出すと体がわずかでも震えてくる。
「ふむ、君とは初めましてだな、私はアルベルト・エイール・ルワンダニアという」
「は、はじめまして、国王陛下。アルフォード家次男リン・アルフォードと言います」
「そんなに畏まらなくていい、これは非公式の対面だ」
「は、はぃ」
言われてすぐに座るが何を話していいか分からず下を見る。それでも国王陛下は俺を見ているようでますます気まずくなる。何か会話を探そうにも何を話せばいいのか全くわからない。
「ふむ、2人とも学園での生活はどうだ?フレイはユーストの話しかしないからなたまにはお前の話も聞かせてくれ」
「俺ですか?俺はそんな大したことはないですよ?大体はフレイと一緒にいますし、周りのみんなもよくしてくれます」
「そうか、リンはどうだ?久しぶりの学園だっただろう?」
「え、あ、はい。そのと、友達ができて、た、楽しいです」
もともとできるとは思わなかった友達と過ごせて、まだまだ周りの目は厳しいけど多少は柔らかくなってきてはいるのだ。
「お前の噂は聞いてるぞ、剣術がとても優秀らしいな?授業も免除になっているそうじゃないか」
「え?それはすごいね!うちの学校の剣術科ってとても厳しくて卒業までに残る人ってすごく少ないって聞いたのに」
「そ、そんな、俺がいると邪魔だから、、、それにそんな大したことは、師匠にはまだまだ幼児レベルとしか言われないので」
「師匠とはダリアのことだろう?あいつが長く剣を教えること自体が珍しいんだ。俺が何度頼んでも教えてくれなかったしな。幼児レベルといったが見込みがないと虫以下って言われるぞ?」
虫、虫はいいすぎなんじゃ、、、。でも師匠ならいいそうだ。それに国王陛下の知り合いなんて知らなかった。最近は隣の大陸にトカゲを狩ったって手紙に書いてあったけど、、、本当にすごい人なのだろうか?強さは本物だろうけど、、、。
「あ、あの」
「どうした?」
「師匠、ダリア様はそんなにすごい人なのですか?」
思い切って聞いてみると2人は目を丸くして俺は凝視していた。な、何かいけないことを聞いてしまったのだろうか。
「そうか、君は長い間外に出てきていなかったか、ダリアはもともとスラムの人間なんだ。魔力が多いことで学園に通うことができたがやはり貴族の多い学園では反りの合う人間がいなくてな1年もしないうちにやめて冒険者ギルドに登録したんだ」
「冒険者ギルド、ですか?」
「冒険者ギルドってのはね、依頼人がお金を払って依頼をするの。平民でも貴族でも国だって依頼できるんだよ?難易度によってランクがあってEランクからあまりないけどSランクがあるの。家の片付けから、草むしり、魔物や盗賊退治とかね。受けられるのは自分のランク一つ上だけどね。その中でもダリア様は数少ないSランクパーティーのひとつなんだ!ドラゴンスレイヤーの異名もあるんだ!」
「ど、どらごん?魔物って空想上の生き物なんじゃ?」
「「え」」
先ほどよりにも驚いたような顔をして、周りに控えているメイドも若干驚いた顔をしている。
「えっと、今まで聞いたことないの?魔物について」
「あ、えっと、ブラン様に魔物は遥か昔にいなくなって今は弱い動物しかいないって、ダリア様もたまに手紙をくれますがトカゲとかでっかい猪を狩ったとしか」
「トカゲ、、、はドラゴンだねでっかい猪は猪は猪でも魔力が変異して十倍ほどの大きさになった猪だね」
「これは色々間違ったことを教わってそうだな」
「そうですね。あ!じゃあ僕が色々教えるよ!いい機会だしね」
「え!?そ、そんな恐れ多いです!勉強を教えていただくなんて、、、」
「いいじゃないか、それに魔法科と剣術科の生徒が仲が少しでもよくなるかもしれないしな。まぁ何をわかって何をわかっているのかだけども確かめてみなさい」
流石に国王陛下に言われて仕舞えば断ることはできない。
「は、はい」
これからの学園生活がどうなるのか少し不安だ。
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