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あなたの隣に立ちたくて
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「はぁ……んん……」
着ていた服は早々に脱がされて、体中に口づけられていく。
いつもなら私の反応を伺いながらゆっくりと進められるが、今の彼にはなにかに駆り立てられるように急いている。
そんな普段とは違う碧斗さんに煽られて、まだ少ししか触れられていないのに全身が熱くなった。
深く口づけながら、足の間に手を入れられる。すでにそこが潤んでいることを恥じらう余裕などない。
おもむろに埋められた指を抜き差しされて、強い快感に甘い声が止まらなくなってしまう。
「あっ、だめ……あ、ああ」
快感は一気に高められ、あっけなく達してしまった。
「すまない、音羽。我慢できない」
息を落ち着ける間もなく、私の中に碧斗さんが一気に入ってくる。
敏感になっている体は、それだけで再び達してしまった。
痙攣が止まらず、呼吸もままならない。酸素を求めてひたすら口をハクハクさせているうちに、腰を強く引き寄せられた。
「まっ」
「待てない」
被せるように言い切り、碧斗さんが動き出す。
少しも手加減する様子はなく、最初から激しく突かれて無意識のうちに彼の背に爪をたてた。
小刻みの絶頂を繰り返し、高みに押し上げられたまま戻って来られなくなる。
過ぎた快感は苦しくもあるが、彼にこれほどまで求められるのは初めて心が満たされていく。
「音羽」
掠れた声に呼ばれて、閉じていた瞼を薄っすら開ける。その先に、彼の悩ましげな表情を捉えた。
これまでは、彼の本音がわからなくて不安に苛まれていた。
そんなふうに揺らぐのは私ばかりで、大人な碧斗さんはどんな感情もすべてのみ込めてしまうのだと、勝手に信じ込んでいた。
でもそれは私の思い込みにすぎず、彼だって私と同じように心が揺れていたのだ。
私を組み敷く碧斗さんが愛しくたまらず、力の入らない腕を必死に持ち上げて、彼の首に巻きつけた。
「好き。大好きなの」
あふれる想いがこぼれた瞬間、顔を起こした碧斗さんにむさぼるように口づけられた。そうしながらも、動きが緩む様子はない。
「愛してる、音羽」
耳もとでささやかれて、下腹部がぎゅっと疼く。
「くっ……」
碧斗さん小さな呻き声ですら私の快感を高める一因となり、彼を絞めつけてしまう。
まるでしがみつくように、強く抱き込まれる。それに呼応するように、私も彼を抱きしめ返した。
下腹部に集まる快感の波が、これまで以上に大きく膨れ上がる。
「あ、ああぁ」
「っ……」
頭の中が真っ白に染まり、体をぎゅっと縮こませる。
同時に碧斗さんも動きを止めて、私の髪に顔をうずめた。
「すまない。我慢できなかった」
呼吸がようやく落ち着いた頃、碧斗さんがささやいた。
体を起こした彼は、隣に横たわって私を抱き寄せながら手で髪を梳いてくれる。
一瞬で体に火をつけられて、私だって彼がほしくてたまらくなった。
それを知ってもらいたくて、彼の胸もとに顔をうずめながらぎゅっと抱きつく。
ずっとこうしていたい。
彼の温もりを直に感じながらそっと瞼を閉じると、吸い込まれるように眠りに落ちていった。
着ていた服は早々に脱がされて、体中に口づけられていく。
いつもなら私の反応を伺いながらゆっくりと進められるが、今の彼にはなにかに駆り立てられるように急いている。
そんな普段とは違う碧斗さんに煽られて、まだ少ししか触れられていないのに全身が熱くなった。
深く口づけながら、足の間に手を入れられる。すでにそこが潤んでいることを恥じらう余裕などない。
おもむろに埋められた指を抜き差しされて、強い快感に甘い声が止まらなくなってしまう。
「あっ、だめ……あ、ああ」
快感は一気に高められ、あっけなく達してしまった。
「すまない、音羽。我慢できない」
息を落ち着ける間もなく、私の中に碧斗さんが一気に入ってくる。
敏感になっている体は、それだけで再び達してしまった。
痙攣が止まらず、呼吸もままならない。酸素を求めてひたすら口をハクハクさせているうちに、腰を強く引き寄せられた。
「まっ」
「待てない」
被せるように言い切り、碧斗さんが動き出す。
少しも手加減する様子はなく、最初から激しく突かれて無意識のうちに彼の背に爪をたてた。
小刻みの絶頂を繰り返し、高みに押し上げられたまま戻って来られなくなる。
過ぎた快感は苦しくもあるが、彼にこれほどまで求められるのは初めて心が満たされていく。
「音羽」
掠れた声に呼ばれて、閉じていた瞼を薄っすら開ける。その先に、彼の悩ましげな表情を捉えた。
これまでは、彼の本音がわからなくて不安に苛まれていた。
そんなふうに揺らぐのは私ばかりで、大人な碧斗さんはどんな感情もすべてのみ込めてしまうのだと、勝手に信じ込んでいた。
でもそれは私の思い込みにすぎず、彼だって私と同じように心が揺れていたのだ。
私を組み敷く碧斗さんが愛しくたまらず、力の入らない腕を必死に持ち上げて、彼の首に巻きつけた。
「好き。大好きなの」
あふれる想いがこぼれた瞬間、顔を起こした碧斗さんにむさぼるように口づけられた。そうしながらも、動きが緩む様子はない。
「愛してる、音羽」
耳もとでささやかれて、下腹部がぎゅっと疼く。
「くっ……」
碧斗さん小さな呻き声ですら私の快感を高める一因となり、彼を絞めつけてしまう。
まるでしがみつくように、強く抱き込まれる。それに呼応するように、私も彼を抱きしめ返した。
下腹部に集まる快感の波が、これまで以上に大きく膨れ上がる。
「あ、ああぁ」
「っ……」
頭の中が真っ白に染まり、体をぎゅっと縮こませる。
同時に碧斗さんも動きを止めて、私の髪に顔をうずめた。
「すまない。我慢できなかった」
呼吸がようやく落ち着いた頃、碧斗さんがささやいた。
体を起こした彼は、隣に横たわって私を抱き寄せながら手で髪を梳いてくれる。
一瞬で体に火をつけられて、私だって彼がほしくてたまらくなった。
それを知ってもらいたくて、彼の胸もとに顔をうずめながらぎゅっと抱きつく。
ずっとこうしていたい。
彼の温もりを直に感じながらそっと瞼を閉じると、吸い込まれるように眠りに落ちていった。
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