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第9章 日常3:彼の部屋
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僕は悩んだ結果、バイトが終わったら、桜木くんの家に寄ることにした。
熱があるのに、一人ぼっちでいる桜木くんが心配で心配で、いても立ってもいられなかった。
途中、通りすがりの薬局に寄り、風邪薬とスポーツドリンクを買って、それから隣接するスーパーでフルーツの缶詰とかプリンとか……、熱があっても食べれそうな物を、自転車のカゴがいっぱいになるくらいに買った。
ただ僕……、自分でもすっかり忘れてたんだけど、超がつく程方向音痴なんだよね。
一応、店長に無理言って地図書いて貰ったけど、これがまあ何と言うか……雑もいいところで、それでも地図アプリとの併用でどうにかこうにか目的地に着いた頃には、僕の足はすっかり棒になっていた。
「それにしても……」
お坊ちゃんだとは聞いてたけど、でっかい家だな……
僕は立派な門構えの奥にある、まるで西洋のお城を模したような建物を前に、口をポカーンと開けた。
HIMEなら……、こんな建物を前にしたら、絶対大喜びするんだろうな。
「お姫様になった気分♪」なんて、スカートの裾ヒラヒラさせちゃったりしてさ。
ただ今の僕はHIMEじゃないし、当然お姫様気分にもなれないわけで……
僕は圧倒されつつも、インターホンのボタンを押した……けど、待てど暮らせど返事はなく……
「あれ?」
留守ってことはないよね?
だって高熱で唸ってるって言ってたし、とても外出出来る状態じゃない筈なんだけと……
僕は不審に思いながら、もう一度ボタンを押してみるけど、やっぱり返事はなく…
あ、もしかして救急車で運ばれたとか?
だとしたら一足遅かったかも……
不安になった僕は、最悪の事態を考えてしまう。
でももう一度だけ……もう一度インターホンを鳴らしてみて、何の応答もなかったら、素直に帰ろう。
僕は一人小さく頷くと、インターホンに向かって手を伸ばした。
熱があるのに、一人ぼっちでいる桜木くんが心配で心配で、いても立ってもいられなかった。
途中、通りすがりの薬局に寄り、風邪薬とスポーツドリンクを買って、それから隣接するスーパーでフルーツの缶詰とかプリンとか……、熱があっても食べれそうな物を、自転車のカゴがいっぱいになるくらいに買った。
ただ僕……、自分でもすっかり忘れてたんだけど、超がつく程方向音痴なんだよね。
一応、店長に無理言って地図書いて貰ったけど、これがまあ何と言うか……雑もいいところで、それでも地図アプリとの併用でどうにかこうにか目的地に着いた頃には、僕の足はすっかり棒になっていた。
「それにしても……」
お坊ちゃんだとは聞いてたけど、でっかい家だな……
僕は立派な門構えの奥にある、まるで西洋のお城を模したような建物を前に、口をポカーンと開けた。
HIMEなら……、こんな建物を前にしたら、絶対大喜びするんだろうな。
「お姫様になった気分♪」なんて、スカートの裾ヒラヒラさせちゃったりしてさ。
ただ今の僕はHIMEじゃないし、当然お姫様気分にもなれないわけで……
僕は圧倒されつつも、インターホンのボタンを押した……けど、待てど暮らせど返事はなく……
「あれ?」
留守ってことはないよね?
だって高熱で唸ってるって言ってたし、とても外出出来る状態じゃない筈なんだけと……
僕は不審に思いながら、もう一度ボタンを押してみるけど、やっぱり返事はなく…
あ、もしかして救急車で運ばれたとか?
だとしたら一足遅かったかも……
不安になった僕は、最悪の事態を考えてしまう。
でももう一度だけ……もう一度インターホンを鳴らしてみて、何の応答もなかったら、素直に帰ろう。
僕は一人小さく頷くと、インターホンに向かって手を伸ばした。
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