52 / 227
第6章 宿望…
3
しおりを挟む
僕はいつしか、大学に通う傍ら、二木君の実家でもあるカフェーに通い詰めるようになっていた。
勿論、勉学に勤しむことも忘れていなかったが、それ以上に身体の奥に溜まった、智子への深く尽きぬ想いを吐き出したくて、僕は二木君が留守の時間を見計らっては店を訪れ、給仕の女性を店の外へと連れ出し、安宿へと誘った。
明らかに智子よりもふくよかな乳房に顔を埋め、慣れた仕草で男を誘いこむ身体を、欲望のままに貪り、最後には必ず智子の顔を思い浮かべ、そして智子の名を叫びながら果てた。
男の身体なんて便利な物だ。
愛してもいない相手にでも、ちゃんと機能はするんだから…
でも結局最後に残るのは、そこはかとない虚無感と後悔、そして僕の醜い欲望のために、智子の純真で無垢な笑顔を穢してしまったことへ罪悪感、それだけだった。それ以外は、何も残らなかった。
どれだけ女を抱いたところで、智子の変わりなんてどこにもいないし、僕の空っぽになった心が満たされることなんて、ありはしないんだ。
寧ろ、満たされない感情は、サラサラと音を立てて零れ落ちて行くだけ。
そう、まるで砂時計のように、サラサラと……
ああ、智子……、君に会いたい。
その小さな身体をこの腕に抱いて、思いの丈を君に……
勿論、勉学に勤しむことも忘れていなかったが、それ以上に身体の奥に溜まった、智子への深く尽きぬ想いを吐き出したくて、僕は二木君が留守の時間を見計らっては店を訪れ、給仕の女性を店の外へと連れ出し、安宿へと誘った。
明らかに智子よりもふくよかな乳房に顔を埋め、慣れた仕草で男を誘いこむ身体を、欲望のままに貪り、最後には必ず智子の顔を思い浮かべ、そして智子の名を叫びながら果てた。
男の身体なんて便利な物だ。
愛してもいない相手にでも、ちゃんと機能はするんだから…
でも結局最後に残るのは、そこはかとない虚無感と後悔、そして僕の醜い欲望のために、智子の純真で無垢な笑顔を穢してしまったことへ罪悪感、それだけだった。それ以外は、何も残らなかった。
どれだけ女を抱いたところで、智子の変わりなんてどこにもいないし、僕の空っぽになった心が満たされることなんて、ありはしないんだ。
寧ろ、満たされない感情は、サラサラと音を立てて零れ落ちて行くだけ。
そう、まるで砂時計のように、サラサラと……
ああ、智子……、君に会いたい。
その小さな身体をこの腕に抱いて、思いの丈を君に……
0
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる