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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章六十七節 兄弟喧嘩・後編とミイラ取りがミイラ?と援護する観客!-

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もはや何度目となるか分からない睨み合いに衝突!…更には鍔迫り合いと続き!…

互いにそろそろTPや体力的に限界を覚えて行くのだが、それでも尚互いにぶつかり

続ける!…一歩も退かないインファイト状態にまで発展して居ると、その様子に

観客達も大歓声!…今までに見た事が無いとばかりに盛り上がる!…そしてそんな

中モツ達もあれらはいつになったら決着が着くのか?と考え続けると、その後の

事も考え!…と、その一方で当事者である二人!…またエリア中央にてこれまた

激しいぶつかり様を見せて行くと、そこからまた鍔迫り合いへ発展させる!…


「ハアアアアアアァァァァァァァァ!!!!」×2


__ガキイィィィィン!!!…


「ッ~~~!!…クッ!!…

TP切れ起こすとか言っておきながらまだまだ元気じゃねえか!!…

えぇ!?…オリハさんよぉ!?…」


「そっちこそ!!…負けた時の条件!…覚えているだろうね!?…」


今だ全力闘争を続ける二人も徐々に手加減など忘れ始め!…いい加減にケリを

着けようと躍起になり!…となると勿論消費も激しく!…それでも尚強がる

様にして互いに軽口を叩く余裕振りを見せて居ると、一方では観客席の方で

徐々に誰かが近付いて来る!…違う慌ただしさが見られようとしていた!…

そしてその正体と言うのもマサツグ達が競り合いに夢中になって見せて居ると、

ヒョコっと突如姿を現し!…


__……タッタッタッタッタッタ!…はぁ!…はぁ!…


「ッ!…ん?…ッ!?…お、王女様!?…」


「ッ!…え!?…王女様!?…」


「王女様!?…」


__ざわ!…ざわ!…ざわ!…ざわ!…


と言うのもその正体はシロとハティ!…その際出入り口付近の近くを陣取っていた

観客の一人が気配に気付き!…クルッと振り向いてその気配の正体を確認すると、

そこで若干息を切らす二人の様子を目にして行く!…となるとそんな居る筈の無い

皇女二人の姿にその観客もビックリした様子で言葉を漏らすと、途端にそれは伝染

する様に広がり始め!…それは当然モツ達の耳にも入って行き、一体如何言う事

なのか?と言った具合にその居るとされている方に目を向けると、そこで二人の

姿を見つけて行く!…


「…ッ!…え?…これは何の騒ぎ?…って、シロォ!?」


「な、何でシロちゃん達がここに!?…」


「…ッ!?…ご主人様!!…オリハ叔母さん!!…」


となると突然のシロ達の登場にモツ達も驚きを露わにすると、マサツグ達を

そっちのけでシロ達の方へ視線を向け!…が、その一方で戦っている二人は

その事に全く気付かず!…ただ目の前の敵だけに集中する様子を見せて居る

と、その様子にシロがとにかく慌てる様子を露わにする!…そして観客達も

そんな二人の登場に先程まで戦いに釘付けだったのが嘘の様にシロ達の方へ

視線を向けると、ただただ吃驚している様子で目を真ん丸に見詰め!…仕舞

には見えて居ようが居よまいが!…そのシロ達が居るとされて居る方向を

見詰めて行き!…手を合わせて拝む者まで現れ始めると、もはや信仰!…

どれだけ重要視されて居るのかがパッと見て分かる!…しかしその一方で

当の本人達はと言うと、勿論それ所ではない様子で慌て続け!…


__ダッ!!…


「ッ!?…お、お姉様!?…ッ~~!!…あぁん、もう!!…」


「……ッ!?…んな!!!…

何故あそこにスコルティナ様とハティビィエール様まで!?…

いつの間に姿を!…ッ~~~!!!…えぇ~い!!…

私の兵士達は何をしていたのだ!?…グググ!!…ッ!!…

何をしておる!!…早くお連れせぬか!!!…この役立たず共!!!…」


シロが二人の姿を見つけると途端にバッと駆け出して行き!…ハティもそれに

気が付いて文句の言葉を漏らして行くと、呆れながらに追い駆け始め!…

そうして二人は闘技エリアへと更に近付き!…展望デッキでその二人の姿を

見つけたマグダラスもハッと驚いた様な反応を露わにすると、次には怒りを

覚えた様子!…途端に近くに居た兵士達を怒鳴りつける!…そして早く捕獲

して来る様にも命令をすると、更に二人の動向に目を!…と、指示を出した

所で時既にお寿司!…シロ達は壁一枚を隔てて闘技エリアの近くにまでやって

来ると、次にはその壁を攀じ登り始める!…


__……ッ!!…バッ!!…ガシ!!……ヨジヨジ!…ヨジヨジ!…


「ッ!?…ちょ!?…フィ、フィロ!?…シロ達を止めて来てくれないか!?…

俺達が止めに行こうにもこの観客達の壁を掻き分けるのは難しいから!!…」


「ッ!!…えぇ~!?…

別に放っておいても良いのではないのかえ?…誰の迷惑にもならぬし…」


そのシロが壁を攀じ登る様子と言うのはモツ達の方からでもしっかりと見て取れ!…

そのシロの奇行に何か嫌な予感を覚えて行くと、モツが慌ててフィロに指示を!…

と言うのも勿論それは奇行を止める様に指示する内容のモノであり!…その際自分達

だと時間が掛かる事も付け添え!…とにかく急いでくれ!とばかりに話しをすると、

その指示を聞いてフィロは面倒臭そうに!…マサツグ達の戦いを見たい!と言った

具合にゴネて見せる!…そしてそうゴネた後スッと視線を闘技エリアの方に戻して

行くと、また夢中になって戦う二人の様子を見詰め!…となるとそんなフィロの

反応にモツもカチン!と来た様子…だがここは落ち着いて大人になって行き!…ふと

ある事を思い出させる様に言葉を更に口にし出すと、フィロに言う事を利かせて

行く!…


「……マサツグからのお願いは?…」


「ッ!?……ッ!……むぅ!…分かったのじゃ!!…

…モツの奴め!…最近狐使いが悪いのじゃ!!…」


__スッ…グググッ!…ピョ~ン!!…


「…言う程俺何もフィロの事を使って無いと思うが?……」


その際モツが口にした言葉と言うのはマサツグからの伝言!…と言っても簡単に

思い出させる様に!…ポソッと圧を掛ける様に呟いて見せると、そのモツからの

一言でフィロがビクッと反応して見せ!…何なら尻尾をバサァと逆立てる様子を

露わに!…そしてゆっくりモツの方へと振り向いて見せると、そこでモツが

満面の笑みを!…腕を組んではフィロに圧を掛ける様子を見せて行く!…この時

右手でマサツグ達の方を親指で指し示すようにクンクンと動かしもして見せると、

フィロは更に気圧された様子でビクッとして見せ!…問い、次にはそんなモツに

折れた様子で動き出し!…その場を後にする際モツに対して文句の言葉を残して

行くと、モツもそんなフィロの言葉に疑問を…誰かと比べる様に悩んで見せる…

さてそうして跳んで行ったフィロはと言うと、モツの予想通り簡単にシロ達の所

まで辿り着くと、不満げにシロの名前を呼んで行き!…


__……シュタ!!…


「……ったく!…やいシロ!!…」


「ッ!!…フィロ!?…丁度良い所に!!…」


「丁度良い所では無い!!…

お主のせいでわっちは今一番面白い瞬間を!!…」


すると名前を呼ばれたシロもピクッと反応をして見せ!…そして壁に張り付いたまま

フィロに返事を!…何なら丁度良い!と言って何か協力を仰ごうとして行くのだが、

勿論フィロはそんなシロに対して文句を口に!…シロのせいで邪魔が入った!と

零して行く!…そしてそこからクドクドとフィロの文句が続きそうな様子を見せるの

だが、シロは手慣れた具合にそれをサラッとスルーすると、御構い無しに自身の

話しを!…


「ご主人様達を止めて下さい!!…」


「じゃからお主のせいでわっちは!!……今何と?…」


「だからご主人様達を止めて欲しいのです!!!…

年のせいで耳まで遠くなりましたかフィロ!!!…」


まるでゴリ押す様にマサツグ達を止めて欲しい!と…依然として壁を攀じ登りながら

そんな事を口にすると、フィロも文句を続けて吐き!…しかし次には引っ掛かりを

覚えた様子で訳を尋ね!…一体如何言う事か?とその理由に疑問を持ったよう首を

傾げて見せて行くと、シロも続けて言葉を!…再度二人を止めて欲しい事を口に

する!…何ならフィロが気にして居る歳の事まで口にすると、当然フィロもそれを

聞くなりカチン!と来た様子で…


「な!?…なにょ~~!!!…

言うに事欠いてわっちを年寄り扱いしおったなぁ~!!!…グググ!!!…

…で!?…何故止めねばならんのじゃ!?…

まさか傷つく二人を見たくない!とか言う理由で止めると言うのなら!!…

わっちは絶対に手を貸さんからな!?…

正当な理由も無く闘技を止めに入ると言う事は!!…

戦って居る闘士達にとって凄く失礼で!!…」


パルシィの時同様おどろおどろしくキレた訳では無いのだが…それでもラインを

超えたな!?とばかりに反応をすると、目に見えて歯を食い縛り地団太を踏み!…

しかしそれより気になるのは止めてくれ!と言う言葉であり!…シロが慌てながら

こんな事を!…それも自ら止めようとして居る事にやはり何か引っ掛かりを覚えて

行くと、怒りながらも話を!…その止めるに当たっての理由を尋ねる!…何なら

生半可な理由では動かない事も口にするが、シロはやはり慌てた様子で簡潔に

理由を!…


「急がないとオリハ叔母さんが死んじゃうかもしれないのです!!!…」


「ッ!?…な、何じゃとぉ!?…

それは一体如何言う事なのじゃ!?…何故死が迫って!!…」


「とにかく急がないと!!…早くしないと手遅れに!!…」


「ッ!?…あっ!…ま、待て!!…ッ~~~!!!…

あぁ、もう!!!…ほんに手の掛かる小娘じゃ!!!」


それはシロだけが分かったのかオリハが危ないと言う事であり!…それを聞いた

フィロも当然いきなりの事で驚いた反応を露わにすると、更に詳しい話を求めて

行く!…しかしそんな時間も無いのかシロはただ急ぐ様に壁を登り急ぐ様子を

露わにすると、ただただ手遅れになる!と続け…と、それだけの情報でフィロも

戸惑い!…しかし声の感じから嘘を言って居る様に聞こえないで居ると、次には

苛立ちを露わにしながら動きを!…シロのバックアップに動き出す!…そして

一方の危ないとされて居るオリハはと言うと、更に興奮度が増して来たのか遂には

[狂獣人化ウェアバーサーカー]を発動する始末!…


「俺の!!…怒りが!!!…有頂天ーーーー!!!!!!」


__バシュウゥゥゥ!!!!…


「ッ!?…テ、テメェ!?…[狂獣人化ウェアバーサーカー]発動してまで戦うのかよ!?…」


「ヴヴヴヴヴヴヴ!!!!…」


「ッ!?…オマケにもう意識が飛びかけてるじゃねぇか!?…

…そっちがその気ならこっちももう手加減なんかしないからな!!!」


オリハが某・最終幻想のメイン盾騎士の様な事を口にすると、次にはその容姿が

変貌!…それは若干獣寄りの姿に変わってしまい!…マサツグもその姿を見て

オリハが何をやったのか?を直ぐに察して構えて行くと、オリハはマサツグに

対して歯を剥き出しにして威嚇!…その構えも獣寄りに寄せて行く!…となると

正真正銘手加減が出来ない!とマサツグも悟ると、オリハにツッコミを入れては

本腰を入れ!…二人の戦いはやっと最終局面に!…そして二人揃ってまた激しい

鍔迫り合いを繰り出し始めると、一方でモツがふとある光景を見つけ!…


「……ん?…ッ!?…ちょ!!…

止めに行けって言ったのに何をやってるんだ!?…」


「ッ!!…え?…き、急に如何したの?…」


モツが目にした光景は止めに行かせた筈のフィロがシロに協力をする様子で!…

その事をそのまま口にすると、席を立っては戸惑いようを露わに!…となると

突如席を立ち上ったモツに対してアヤもビクッと驚いて見せ!…モツに一体

何があったのか?と…困惑した具合にその光景について尋ねて行くと、モツは

シロ達の方を指差し!…フィロが真逆の事をしている!とばかりに慌てて見せる!…


「フィロの奴!!…シロを止めに行かせた筈なのに!!…

何でかシロの協力をしてるんだ!!…俺は止めろって言ったのに!!!…」


「ッ!?…えぇぇ!?……ッ!!…

フィロ、一体何をやってるの!?…」


となるとそれを聞いて他の面々もハッ!とした様子でそのモツの見る方を確認を

すると、そこにはモツの言う通りにシロの手助けをするフィロの姿が!…それは

壁を支えに肩車をして居り!…フィロが一番下その肩の上にハティが立って

乗っており!…それもつま先立ちでシロの事を更に壁の上に押し上げようとして

居ると、一生懸命に侵入を試みる!…そんな必死の様子が伺えて見えた!…

その際周りの観客達もそれに気が付いては居るのだが、止めに入るかどうかで

悩んでおり!…


__ザワザワ!!…どよどよ!!…ザワザワ!!…どよどよ!!…


「ふんぬぬぬ!!!…やいシロ!!…まだ届かんのかえ!?…

こっちもそろそろキツイのじゃが!?…」


「あ!…足がプルプルして来たのです!……」


「もう少し!…あと少しなんです!!…」


一方でシロ達は壁を登ろうと悪戦苦闘!…フィロが辛い!とばかりに言葉を

漏らし…ハティも地味に限界が来ている!とばかりに言葉を零すと、その

自身の足をプルプルとさせる!…その際一番上のシロはと言うと、必死に

腕を伸ばしてはその壁の淵に触るか触らないかの所でプルプルしており!…

と言うのもシロの言う通りにあと一歩!…ジャンプすれば届きそうな所では

あるだが、ジャンプをすればハティやフィロが危ない事を理解して居るため

出来る筈もなく!…因みにその闘技エリアの壁の高さは約2m80cm位ゆうに

有り、大の大人のモツやマサツグですら地味に登るのを苦労しそうな!…

階段下に立つフィロやハティからすると、まるで某・巨人漫画の壁の内側に

居る様な気分になる!…それでも諦めない!と二人が必死に足場になると、

そこへ漸くマグダラスの命令で駆け付けた兵士達が観客席の方へと到着し!…


__ガッシャガッシャガッシャガッシャ!!!…


「……ッ!!…居たぞ、あそこだ!!!…」


「ハティビィエール様も居るな!?…」


「間違いない!!…早く保護を!!!…」


観客席に辿り着いた兵士達は直ぐにシロ達を見つけた様子で、そのシロ達の居る方を

指差しながら全体で確認!…そこから急ぎ保護と言う名の捕獲行動にも移り始め!…

今度こそ逃がさない様に!…取り囲む様にしてシロ達の逃げ場を奪う展開も見せて

行くと、徐々に間合いを詰めて行く!…しかしここでも難点がぽつぽつ出て来ると、

その兵士達の動きを鈍らせ!…と言うのも観客席の通路自体が狭いモノとなって

おり、更には人も当然集まる様に座って居る訳で!…となるとやはり思う様に進むに

進めず!…四苦八苦しながら進み!…シロ達もあと少しで届かない壁にやきもきする

反応を見せて居ると、一方で更に戦う二人の勢いは増して行き!…


__ガキイイィィン!!!…ガキイイィィン!!!…


「ッ~~~!!!…グッ!!!……」


{…つぅ~~~!!!…

バフのせいであの馬鹿の一撃は重いし痛いしで色々と限界だな!!…

そろそろこっちも止めの一撃と行きたいが!…TPはギリギリだし?…

これ外したらと考えると打ち難いなぁ~!!!…}


互いに激しい弾き合いをしては歯を食い縛り!…マサツグもさすがに辛い!と

言った様子でその表情を歪めて行くと、心の中でその最後の一撃について考え

始める!…それは自身でも体力の限界が迫って来ているからこそ真剣に考える

モノであって!…相手がオリハである事も加味すると、ますますそのタイミングを

見計らい!…と、それは勿論マサツグを相手にしているオリハも考える事であり!…

この時オリハも息を切らし!…狂獣人化ウェアバーサーカーのせいで更に急速なTPの消費を感じて

行くと、同じく策を考え始める!…


「フゥ!!…フゥ!!…ッ!!!…」


{…不味い!…かなり不味い!!…

一気に削るつもりで狂獣人化ウェアバーサーカーを発動したのに思う様に削れない!!…

兄さんのガードは硬いし!!…

狂獣人化ウェアバーサーカーもタダで発動している訳じゃないからかなりシンドイ!!…

残りTP的にもフィニッシュブローの一撃分だけだし…

これを外したら本当に倒れるかもしれない!!……けど!!…}


{ここまで来て折れるのはなんか嫌だからいっその事ぶつけてやる!!!…
                                  ×2
そんで駄目だったらそん時だ!!!!}


それは度重なる弾き合いに掠った程度の被弾を重ね!…そして動けば動く程に

疲労感が二人を襲い!…思えば二人にとってこれが初となるPvPである訳で、

互いに如何言うペース配分で戦えば良いのかが分かっていない状態!…互いに

疲弊してはまるで魔王とやり合って居る様な感覚をヒシヒシと覚え!…

双方共に相手の事をシブトイ!と息を切らしながらに感じて居ると、これまた

一方ではまた兵士達が急ぎ人混みを掻き分け!…


「グッ!!…す…すまない!!…

道を開けてくれ!!!…」


「あと少し!…後少しなのだ!!!…」


徐々に詰めて来てはあと少し!…もうちょっとでシロ達の下へとやって来る事が

出来そうになって来ると、更に急ぎ人混みを掻き分ける!…その際観戦に夢中に

なって居る観客達へ声を掛けながら人と人との間に手を入れて行くと、力づくで

人混みをこじ開け!…と、その様子と言うはトーテムを組みながらでも分かる

様で!…徐々に近付いて来る兵士達にハティが嫌そうな表情を見せ!…ドン引き

しながら何か策が有る様子で話しをすると、フィロに声を掛けて行く!…


「ッ!?…後ろから暑苦しそうなのがゾロゾロと来たのです!!…

…こうなれば仕方がありません!!…一か八か!!!…

狐さん合わせて下さい!!!…」


「のじゃ!?…わ、わっちかえ!?…

って、狐はわっちしか居らぬか……で、如何すれば良いのじゃ?…」


この時まるでマサツグと修行した成果を発揮する様に一か八かと口にすると、

フィロに協力を求め!…と、突如ハティに指名された事でフィロも戸惑い!…

思わず自分かどうかを確認する言葉を口にすると、次には自分しかいない事を

ツッコミ…そこから何をするのか?と尋ねて行く!…するとハティはその

フィロの言葉に対して簡単と言って見せると、次には自身の考えを口に!…


「…簡単です!…合図をするので!…

その時に思いっきり足に力を入れて欲しいのです!!…

そしてお姉様もハティたちが支えますので!…

行ける!と思ったらハティ達の事は気にしないで行ってください!!」


と言うのもハティはシロの気持ちを汲んだ様で、自分達を踏み台にしろ!と…

その際合図で踏ん張るようフィロに願いをして行き!…シロにもその準備を

する様に!と言い聞かせて何か覚悟を決めて行くと、徐に踏ん張る様な体勢を!…

するとそんな様子にシロも戸惑った反応を見せて行く!…それは勿論飛んだ

後の二人の事を心配するモノで、そんな事をしたら!とばかりに躊躇いの色を

見せ!…


「ッ!!…え?…で、でも…」


「大丈夫なのです!!…

ジィジの兵士達に捕まるほどハティはトロくは無いのです!!…

…狐さんの方は大丈夫ですか?…」


「…安心せい!…元よりそう言う荒事の方が得意じゃ!!…」


しかしハティは大丈夫!と…シロの心配とは別の兵士達の事を口にすると、次には

フィロにも確認を取り!…それはフィロが一番重要!と言った具合に二つの意味で

尋ねて行き!…フィロもそれを理解して居るのか大丈夫!とハティに返事をすると、

何なら片手を離してサムズアップもして見せる!…それはもはやモツに頼まれた事も

忘れた様子で楽しむの反応を見せており、ハティもそんなフィロの様子に静かに

コクリと頷いて行くと、直ぐに準備に取り掛かり!…と、その一方で兵下達も後

ちょっと!言った様子…遂には手を伸ばして捕獲に掛かり!…しかしそれでも尚

届かないと言った微妙なラインを見せて居ると、ハティが分かり易い様にカウント

ダウンを!…


「ッ!…5!…4!…」


「ッ!?…何を数えているんだ!?…」


「ッ!?…お、おい!!…

ハティビィエール様と狐の娘がスコルティナ様を支えているぞ!?…」


「…ッ!?…ま、まさか闘技エリアに!?…食い止めるぞ!!!…」


この時ハティは五秒前からカウントをし始め!…それに合わせて二人も身構える

そんな反応を見せて行くと、突如ハティがカウントダウンをし始めた事で兵士達は

戸惑い!…となると次には一体何のカウントなのか?と…未だシロ達は壁の前で

トーテムを組み…異様な雰囲気を放ってただ踏ん張る様子を見せて行くと、次には

一人の兵士がハッ!と…そのシロ達の思惑を口にする!…するとそれを聞いた

兵士達も慌ててシロ達を止めに入ろうとするのだが、ここで思わぬ妨害を受け!…


「すまない、道を!!!…」


__ドン!!!…もふっ!…


「ッ!!!…キャアアアアア!!!…この人痴漢です!!!」


__どよどよ!!…ざわざわ!…ざわざわ!…


と言うのも兵士達は未だ人混みを掻き分け進行中!…その際申し訳なさそうに

道を開けてくれ!と頼むのだが…しかしそんなお願いとは裏腹にドン!と押し

飛ばされる始末になり…何ならその押し飛ばされた先で女性の人狼だろうか?…

うっかりその女性に尻尾を掴む事になってしまうと、痴漢の容疑を掛けられて

しまう!…この時女性も酷く動揺した具合に声を上げると、周りの者達の注目を

集め!…となるとこれは事案!とばかりに冷ややかな目を!…その兵士も慌てて

無実である事を訴え出すが、観客達は言う事を聞かない!…その兵士との間で

押し問答を始める!…


「な!?…ち、違う!!!我々は!!…」


「兵士の格好をした痴漢か!?…

それに一人だけじゃないぞ!?…ここに何人も居る!!!」


「集団で事を起こして!!…

更に女王様の栄えある兵士達を侮辱するとは何て奴等だ!!…

皆!!…畳んじまえ!!!」


__ワアアアアァァァァァァァァァァ!!!!…


運が悪いと言うか何と言うか…とにかくその兵士は観客達に囲まれ!…更には

近くに居た他の兵士達にまで飛び火すると、次には乱闘に近い騒ぎにへと

発展し出す!…それはマサツグ達の闘気に当てられてか興奮した様子を見せて

行くと、その兵士達の逃げ道を奪う様に詰め寄り!…と、観客達に囲まれた

兵士達も戸惑いを露わに!…途端にその場から一歩も動けない状態になって

行くと、この時一人の観客がチラッとハティ達の方を確認!…そして徐に

サムズアップをして見せる!…


__グッ!!…


「ッ!…ありがとうございます!!…

3!…2!…」


「ッ!!…ちょっと!!…待て!!…ッ~~~!!!…

えぇ~い!!…貴様等いい加減にしないと公務執行妨害で連行するぞ!!!」


如何やら観客達は何かシロ達が非常事態である事を察した様子で協力を勝手にして

いる模様!…するとそれを察したハティも気が付いた所で観客達にお礼を言い!…

そして観客達の手を借りて更にカウントダウンを進めて行き!…そのハティの様子に

更に兵士達も慌てた反応を露わに!…何ならその邪魔をして来る観客達に対して

脅迫とも取れる言葉を口にすると、観客達は更に兵士達へ対して反抗!…余計に

兵士達を取り囲んで行く!…


「やれるモンならやって見ろ!!!…この痴漢野郎!!!」


「だから違うと!!!…」


「1!…」


もはやそこから覆る事は無い様子で観客がその兵士を変態扱いして行くと、兵士も

必死に違う!と否定…と、そんな事をやっている間にもハティが最後のカウントを

口にして行き!…すると次にはフィロが足に力を入れて踏ん張り!…続けてハティ

も踏ん張る様にして更にグッと構えて行くと、シロのジャンプに耐える姿勢を

見せて行く!…そして更にその上に乗って居るシロも覚悟を決めた様子で脚に力を

入れて行くと、次にはハティの作戦通りに二人を踏み台にする構えを!…


「スゥ!……ッ!!…」


「ッ!!…えぇ~い!!!…邪魔だ退け!!!…

後で処罰してやるから覚悟しておけ!!!……」


「0!!!…」


「行って来るのじゃ~~!!!」


__バシュン!!!……シュタッ!!…ッ!……ッ……ヒョイッ!…


幾ら無実を言おうが如何も転ばず平行線!…次には堪忍袋の緒が切れた様子で

無理やりにでもその観客達を掻き分け前へと進んで行くと、次にはゼロの言葉が!…

と、同時にフィロがシロに行って来い!と言葉を口に!…シロもそれを受けて

出来るだけ二人に負担が掛からないよう飛んで見せると、遂に壁の上へと立って

見せる!…その際その闘技エリアの中央ではまだ勝負が着いていないのか二人が

ぶつかている様子が見られ、シロはそれに安堵するとそのまま闘技エリアへ侵入!…

となるとその一方でシロが行ってしまった事に兵士達は青褪め!…シロを送り出した

二人も如何逃げるか?で悩むそんな反応を見せて行くと、次にはフィロが咄嗟に

先導を!…


「……さて、どっちに逃げれば楽に誤魔化せるでしょうか?…」


「お主!!…こっちじゃ!!」


「…ッ!!」


__ダッ!!…


この時ハティは辺りを見回し逃走経路を模索!…しかしそれよりも先にフィロが

思い付いた様子でハティに声を掛けて行くと、次にはその手を掴み!…と、そこから

二人は人混みに紛れて姿を隠し!…兵士達も追い駆けること敵わずまたもや二人を

見失ってしまうと、更に慌てる様子を見せる!…さてそうしてシロを送り出した

二人はそのままモツ達の方へと戻って行くと、ハティは戸惑った様子で手を引かれ

続け!…一方でフィロは楽しかった!とばかりに笑って居り!…勿論完全にモツの

指示を忘れたまま嬉々とした反応を見せて行くと、ハティの事を褒めて見せる!…


「くふふふ!!…お主!…

中々面白い事を考えるではないか!!…

民衆を動かしてでもやり遂げるだけの度胸!!…

中々のものじゃった!!!」


「…あれはたまたまなのです…皆がハティの知らない所で協力をして…

…狐さんこそ何者なのですか?…

ハティの動きに合わせるだけじゃなくて…重心まで!…

只者では有りませんね?…」


観客達の間を縫う様に走り向けて行く道中、そのハティの度胸と人望の厚さに

認めた様子で言葉を口に!…と言うのも咄嗟に出来るモノでは無い!と言い…

そのフィロの言葉に対してハティも少し照れた様子で反応をすると、自分だけ

の力では無い事を続けて話す!…それは皆のお陰!と言った様子でチラッと

背後を確認すると、次には前を向き直し!…と、ここでハティもふと疑問を

持った様子で更に話しを!…何でもフィロの踏ん張り方が気になったらしく、

その際些細な変化にも気が付いた具合にフィロの正体について疑問を話すと、

フィロもその質問を受けて更に感心を!…それは興味を持った様子で笑って

見せる!…


「ッ!……ほほぅ?…小娘のクセに良く見ておる!……なるほど?…

あの時廊下ですれ違った時から妙な気を感じておったが…

…ふむ…実に面白い!…」


「………。」


その際初めて出会った時の事から振り返り始めると、ハティは無言でフィロを

見詰め!…それは紛れもなくフィロの答えを待っている様子の表情で有り!…

はぐらかされない!と言った確固たる意志を!…フィロに向けて若干の圧を

放つ様なそんな眼差しを向けて見せると、更にフィロは言葉を口に!…それは

子供!と言ってあしらう様に返事をする!…それは今のハティの表情を見て

くふふ♪となると、ハティの事を見通している様でも有り!…


「……とは言えまだ子供なのじゃ…

さっきの様に無邪気に笑っておる方が似合っている思うが?…

あの時点廊下ですれ違った時のお主はまるで…

狂犬のようじゃったからの?…」


「ッ!!…はぐらかさないで下さい!!…狐さんは誰!?…」


「そんな些細な事は如何でも良い!……まぁ…強いて言うなれば?…

マサツグのお嫁さんとでも思ってくりゃれ?…くっふふふふ♪」


まだまだ青い!と言った様子でフィロは笑い!…ハティもそんなあからさまに

はぐらかす言葉を口にされた事でムスッとすると、すかさず文句を口にし!…

そして再度フィロにその正体について尋ねて行くが、フィロは全然相手にせず!…

ただ強いて言うならマサツグの嫁!と…相変わらずそこだけはブレない様子で

不敵に笑いながら大人の余裕を見せて行くと、ハティは更に拗ねて見せる!…


「ッ!!…むぅ~~!!………こんなのじゃ駄目なのです…」


「ん?…何か言ったかえ?…」


「…別に…何も…」


「…ッ?…そうかえ?…」


この時その拗ねた表情と言うのはシロと瓜二つで膨れて居り!…その際ふと

気になる言葉を漏らして行き!…と、そのハティの言葉はフィロの耳にも

当然届き!…フィロとしても一応気になった様子で質問を…しかしハティは

答える事無くそのままへそを曲げてそっぽを向くそんな素振りを見せて行く

と、話を有耶無耶にしてしまう!…するとフィロもそれ以上の追及をする事

無く諦めて見せると、ハティをドナドナして行き!…と、この後二人は無事

モツ達と合流して行き!…そして指示を忘れたフィロは勿論!…モツから

しっかりとお説教を喰らう事になって行くと、シュンと丸くなるのであった!…

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