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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-
-第五章十五節 土壇場の奇策とオリハの想像と回線不良?…-
しおりを挟む「……一か八かの賭けに出る!!!…」
「ッ!?…ハァ!?…この土壇場で!?……な、何をすれば良いの?…」
「ッ!…話は簡単だ!!…俺がこの風圧を何とかするから!…
お前は突っ込んでアイツの頭を爆破すれば良い!!…
…恐らく俺の目算上それでアイツは倒せる筈!!…
逆に言えばお前が動けないと止めをさせない!!…
それだけの簡単なお仕事だ!!……出来るか!?…」
マサツグがいつもの様に自棄を起こし!…そしてまた合言葉の様に一か八か!と
口にすると、オリハもそのマサツグの言葉を聞いて戸惑って見せる!…勿論この
土壇場で何を思い付いたのかについて疑問なのだが、それ以上に一か八かと言う
言葉に呆れてしまい!…しかし他に方法が無い事は確かであり、オリハが恐る恐る
警戒をした様子でマサツグにその何をするのか?について尋ねると、マサツグは
簡単と返事をする!…その際風圧は自分達で何とかするよう言葉にすると、止めを
オリハに任せる!と…マサツグの計算ではそれで倒せるとの事らしく!…オリハに
その有終の美を飾る様に言葉を口にして行くと、オリハは更に呆れた様子で返事を
する!…
「……出来る出来ないじゃなくて!…
兄さんの場合はやれ!!……でしょ!?…ったく!!…
最初っから拒否権が無い癖に!…一々面倒な質問をしてぇ!!…」
「うっせぇ!!…とにかくその言葉だとやるって事で良いんだな!?…
…じゃあ俺がこれを何とかする!!…その後に続くようお前は動け!!…
…良いな!?…」
そのマサツグの回りくどい質問に呆れて見せ!…マサツグの言葉を質問、
ではなく!…命令と受け取った様子でウザイ!とばかりに返事をすると、
マサツグもそのオリハからの返答にツッコミを入れる!…その際改めて
やる方向で話を進めて行き出すと、マサツグは抜いて居た刀を一旦納刀!…
さも某・左頬に十字の傷が入った流浪人が如く、抜刀術を繰り出す構えを
静かに取って見せると、次にはオリハにやって貰いたい事を口に!…
その最後の止めの刺し方について説明をして行き!…オリハも呆れた様子
ながらも理解した具合に返事をすると、続けて小生意気な言葉を口にする!…
「……了解!!……お手並み拝見とさせて頂きます!…」
「ッ!?…テメェ!!……後で覚えてろよ!?……フゥ~……」
__…スゥ…チャキッ!!…
「……シロ?…ちょっと手を貸してくれるか?…」
「ッ!!…はいです!!!」
となると勿論それを聞いてマサツグの方も更にムッとして見せるのだが、当然
そんな事をしている場合では無く!…オリハに対して文句を言いたい所なのだが
グッと堪え!…再度ゼノスに向き合いその間合いを見計らう様に!…徐にスッと
柄に手を掛けて握り直し!…ゆっくりと何やら呼吸を整える様な素振りでグッと
刀を構えて見せると、次にはシロへ声を掛ける!…その際シロに口にした言葉と
言うのも力を貸して欲しい!と言うモノであって、シロもその言葉を耳にすると
ピクッと反応をして見せ!…直ぐにマサツグの右肩からニョキッと生えては元気に
返事!…マサツグ自ら頼ってくれた事が嬉しいとばかりに!…いつもの様に
手を上げてマサツグに嬉々とした様子で笑みを零し続けて居ると、マサツグは
シロに続けてある事を頼む出す!…
「……俺の攻撃に合わせてシロもカマイタチを!…
この突風を斬り裂く手伝いをして欲しい!…
…いいか?…1、2の3!!で攻撃だ!!…行くぞ?」
「ッ!!…は、はいです!!……ッ~~…」
「1…2の……3!!!」
__チャキッ!!…ッ!!…バシュン!!!…
マサツグはシロにカマイタチを要求!…その用途についても風圧を斬る!と…
タイミングについてもアバウトに説明をしてはぶっつけ本番とばかりに!…
その構えている刀へ更に力を籠める様に柄を握って行くと、シロも途端に
緊張をした様子で返事をする!…その際マサツグの微弱な動きも見逃さない様に
気を張り続けて見せると、マサツグも次にはカウントダウン!…さっき言った
通りに1、2の3!で動き始め!…その3でマサツグが抜刀!…シロも軽く飛んで
カマイタチを繰り出し、その二つの斬撃が合わさって連携技へと昇華すると、
そのゼノスの風圧を真っ二つにする!…
__カッ!!…ゴオオオオオオオオオオ!!!!…どよぉ!?!?…
「ッ!!…行けぇ!!!…オリハアァ!!!」
「ッ!!…本当に!?…ってそんな事を言ってる場合じゃ!!…」
__ババッ!!…タッタッタッタッタッタッタッ!!!…
あの強烈なゼノスの風圧を真っ二つにした事で冒険者達からもどよめきが!…
しかし当の本人達は戸惑って居る場合では当然無く!…マサツグが慌てた様子で
オリハにGOサインを出して行くと、オリハは跳び出す様にして駆けて行く!…
その際本当に風圧を何とかした事に正直驚いた反応を見せて居ると、そんな
オリハの目の前には斬撃が!…恐らくマサツグとシロが作り出した連携技で、
風圧を二つに裂きながら前進!…その斬撃がブレる事は決してなく、徐々に
徐々にとその宙に飛ぼうとするゼノスの元にまで近づいて行くと、ゼノスも
それに気が付いた様子で更に!…
__ッ!!…グオン!!!…グオン!!!…
「…ッ!!!…クゥ!!…ふ、風圧を強めて来やがった!?…
ッ~~~!!!…も、もう立つ事も厳しい!!…」
「ご、ごしゅじんさまぁぁ!!!…」
「ッ!?…シ、シロ!?……クッ!!…まだあんだけの元気が!!!…」
ゼノスは今より強く羽ばたき始めると更に風圧を強化!…その影響はオリハ達より
後ろに居る者達が立って居られなくなる程のモノであり!…となるとその洗礼を
マサツグとシロも浴びる訳で、マサツグは立って居られない!と感じるとデッキに
伏せ!…シロも吹き飛ばされそうになるも必死にマサツグの背中にしがみ付き
何とか耐え切って見せようとするのだが!…それでも危うく吹き飛ばされそうに
なってしまう!…と言うのもシロはもう駄目だ!と言った具合に危機を感じると、
マサツグに助けを!…するとマサツグもハッと反応してはパッと振り返ってシロを
見つけ、慌てて回収!…自身の懐へとシロを匿う様にして保護をすると、改めて
ゼノスの健在振りに驚いて見せる!…さてその一方でオリハ達の方にも異変が!…
__ゴオオオオオオオオオオ!!…
「ッ!?…い、勢いが落ちて来た!?……クッ!!…後ちょっとなのに!!!…」
オリハ達の方で起きた異変と言うのはその目の前を飛んでいる斬撃の事で、
ゼノスの風圧に圧されてかその勢いが徐々に!…前に進まなくなっては
その軌道がフラフラと細かく揺らぎ始め!…まだ霧散までは行っていない
もののもう直ぐでその加護が無くなってしまいそうになって居ると、オリハは
焦りを覚えた様子で戸惑って居た!…この時そのオリハ達の進行度と言うと、
残り数mでゼノスの元まで辿り着けると言った所で!…ギリギリの所で
オリハ達の射程範囲に入って行かず!…その停滞した様子でただ如何する事も
出来ずに手を拱いて居ると、フィロも焦りを覚えた様子でポツリ!と…
{…それもそうじゃろう!…
恐らくはマサツグとしてもあの勢いならば!と言った具合に振ったのじゃ!…
しかしそれ以上となるとさすがに!!…}
「ッ!?…如何しろって言うんだよぉ!!…」
「ッ~~~!!!…オリハァ!!!…諦めるな!!!…
まだお前には出来る事が有る筈だ!!!…
…よぉく見てみろ!!…感じてみろ!!…
…まだ!!…まだ最後の一撃は残ってる!!!…」
フィロも仕方が無い!と言った具合に言葉を!…これは想定外と言うとダメージを
覚悟し始め!…するとそんなフィロの反応に更にオリハは戸惑い!…任されたにも
関わらずこのままやられてしまうのか!?と言った生存本能に囚われてしまうと、
ただただ焦りの様相を見せて居た!…そして今すぐにでも逃げ出したい!と言った
感情に襲われてしまうと、次には辺りをキョロキョロ!…しかしそれを許さない!
とばかりに今度は背後から!…マサツグが某・炎の精霊と例えられるテニス
プレイヤーの様に!…オリハに向かって激励の言葉を口にし始めて行くと、その
最後の意味深な言葉にオリハは混迷を極めてしまう!…
「ッ!?…の、残ってるって何処に!!……ッ!?…」
__ゴオオォォ!!……
{……クッ!!…折角マサツグが道を作ったと言うにぃ~!!!…
…ッ!…ッ!?…オ、オリハ!?…その体は!?…}
もはやパニックにパニックが重なって正常な判断すら怪しくなって来るのだが、
オリハはふと自身の手に目を向けるとそこである事を目に…と言うのもオリハの
体は何故か赤いオーラに包まれており、それは闘気となって風圧にも負けない!…
まるで蒸気の様に自身の体を伝って立ち昇っている事にハッと気が付き!…
オリハが目を丸くして何か固まった様にまた戸惑って見せて居ると、その一方では
フィロが!…マサツグが折角切り開いてくれた!と口にすると、ゼノスに対して
文句を!…しかし次にはオリハ同様そのオーラに包まれている事にふと気が付き!…
これは何か!?と言って途端に戸惑った様な反応を見せて居ると、オリハは更に
ハッと何かを悟り出す!…
「……ッ!!!…そう言う事か兄さん?…
だとしたらもっと分かり易い指示が欲しかった!!…」
__…スゥ……ッ!?…
{な!?…何をするつもりじゃ!?……ッ!?…ま、まさかここから攻撃を!?…
無理じゃ!!…幾らわっちが憑いて居るとは言えまだそこまでの練度は!!…}
オリハは理解した様に突如冷静に!…そして改めてマサツグに対して文句を!…
すると次には右手で徐に銃を模り!…何か狙いを付ける様な素振りを見せると、
その照準をゼノスの頭へ向ける!…丁度眉間に当たるよう狙いを定めると、
そこから一歩も動かなくなり!…となると今度はフィロが慌てた様子でオリハに
言葉を!…だが次にはその狙いが分かった様子で否定し始め!…その理由にまだ
経験が足りない!と…オリハに別の策を練る様に言葉を口にして行くのだが、
オリハは決して銃を降ろそうとはして見せない!…さてそうこうしている間にも
徐々にゼノスが!…
__グオン!!!…グオン!!!…グオン!!!…グオン!!!…
「ッ!?…に、逃げようとしてる!?…って事は時間が!!…」
「クソ!!…ここまで来て!!…これで終わりとか!!!…」
「ッ~~~~!!!…チキショオォォォ!!!!…」
ゼノスはまるで時間が来たと言った様子で徐々に上空へ上昇!…しかし深手を
負って居る為かその速度は遅く!…だが冒険者達の心を折るには充分な速さで!…
そのゆっくりと逃げて行く様を見ている事しか出来ない!と…冒険者達が風圧に
耐えながら嘆き出そうとして居ると、辺りからはその悲嘆の声が広がり始める!…
しかしそんな中でもオリハだけは決して狙いを外さず!…遂に目を閉じて
イメージを!…自身が撃ち出すのは爆発する弾丸!…そして狙うのはゼノスで
有り!…更にあるモノを利用する様にそれを踏まえて技の構想を練って考え!…
その最終形を想像したのか!…次には目を見開くなり魔力を溜め!…その最初に
考えた弾丸を自身の指先に生成して見せると、あるモノに向けて発射する!…
__……ッ…カッ!!!…スゥ!!…コオオォォォ!!!…バシュゥゥン!!!…
{ッ!?…撃った!!…いやしかし何処に向かって!?……ッ!?…}
__カッ!!!…ギュン!!!…ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!…
オリハはその創造した弾丸をゼノスに!…ではなく!…マサツグとシロが
作り出した斬撃に向かって撃ち出して行く!…この時その斬撃も今だ存在
するとゼノスに向かって飛んでおり!…その撃ち出した弾丸が飛んでいる
斬撃の背後に接触!…するとその二つは交わる様にして突如奇妙な反応を
見せ出し!…また新たな姿を得て別の技へと昇華すると、その逃げようと
するゼノスを追撃する!…その際オリハの撃った弾丸にフィロも注目を
向けると、最初は何処に撃って居る!と文句を零すのだが!…しかしその
連携技の更に連携!…それを目にして酷く驚いた反応を露わにして見せると、
ただただ有り得ないと言った具合に言葉を零す!…
{ッ!?!?!?…こ、これはぁ!!!…}
__ギュオオオオオオォォォォォ!!!!…ッ!?!?!?…
「…な、何だアレ!?…」
「わ…分かる訳ねぇだろ!?…
只でさえ、連携技ってやるのが難しいのに!!……
あんなの見た事無い!!!…」
その炎の弾丸と交わった斬撃は十字の斬撃へと変化!…更に風と炎の両方を
纏うと回転しながら飛び!…今度は風圧など何のその!…逆に威力が
増したよう更にその回転数を増して行き!…真っ直ぐその滞空している
ゼノスに向かって飛んで行くと、その光景を見せられて居る冒険者達は
驚き戸惑う!…さもあんな魔法など見た事など無い!と言った具合に
言葉を漏らすと、当たり前!とツッコむ者が現れ!…何なら一応は連携技と
認識をしては居る様なのだが!…そもそも連携技自体が難しい!と…本来
有り得ない光景が目の前にある!と言った具合に言葉を口にして見せて
居ると、その一方でマサツグも驚き戸惑う!…
{ッ!?…オリハの奴!!…俺の想像の上を行きやがった!!…}
「魔王炎撃!!…旋空烈破斬!!!」
あの時マサツグとしてもそこからでも攻撃は出来る!と言う意味でオリハに
あの言葉を言ったのだが!…オリハはまさかの更に予想の斜め上を行き!…
撃ち出した斬撃?…銃弾?…はそのままゼノスへ向かって飛んで行き!…
オリハもふと思いついた様にその自分が繰り出した連携技の名前を口にすると、
遂にその時がやって来る!…その烈破斬は依然として回転しながらゼノスの
頭に向かって飛んで行くと、ゼノスもそれに慌てて更に羽ばたきで対抗をする
のだが!…やはり風を与える事によってその烈破斬は更に回転数を増して行き!…
勢いが治まる所か加速!…遂には避けるすら敵わなくなってしまい!…ゼノスの
顎下から貫く様にしてその烈破斬が直撃すると、次にはそのゼノスの居る上空で
トンデモナイ爆風が巻き起こる!…
__ギュオオオォォォ!!!!…カッ!!!…ボガアアァァァァンン!!!!…
「ッ!?…ッ~~~~!!!……あ、あのデカいのは!?…」
__ゴゴゴゴゴゴゴ………グオン!!!…グオン!!!…
「ッ!?…こ!…この羽根音!!…まさか!?…」
爆発が起きると同時に衝撃波と熱風が!…それは屋上デッキに降り注ぐよう
冒険者達を襲い!…マサツグとシロもそれに耐えるよう伏せた状態ながらも
治まるのをジッと待って居ると、徐々にその圧も消えて行く!…そして漸く
落ち着ける様になった所で次に気になるのはやはりゼノスの存在有無であって、
マサツグが体を起こしてそのゼノスが居たであろう方向に視線を向けて行くと、
そこにはモクモクと硝煙が!…しかしそれも長くは続かない様で風に流され
晴れて行き、その硝煙の中から羽根音が!…と同時にその黒い巨体が徐々に
姿を現し始め!…その光景を見てマサツグが!…いや!…冒険者達も目撃する
なり、マジか!?と言った様子で目を見開き戸惑った様な反応を見せると、ただ
ただ驚きを禁じ得ないで居た!…
「ッ!?…う、嘘だろ!?……あ、あれを喰らって駄目とか!?…」
「今さっきの奴完全にクリティカルコースだったじゃねぇか!!…
…一体どんな化け物を寄こして来てんだよ!?…」
「ッ!!……クッ!!…」
ただあの一撃をもってしても沈まないゼノスに一同騒然!…有り得ない!と
言った様子でその圧倒的存在感を見詰め!…その一方であの大技を放った
本人も静かにガックリと崩れ!…歯を食い縛る様にしてゼノスに届かなかった
事を悔やみ出すと、ただただ座り込んでは俯いて見せる!…そして誰もが
これで終わってしまった…と言った風に何やらお通やみたく沈んて居ると、
ふとマサツグがある異変を…
「……ン?…」
「ッ!…ご主人様?…どうかしましたかぁ?…」
「……シロ?…アレに向かってちょっとばかし…
カマイタチを撃ってみてくれねぇか?……もしかすると?…」
「……ッ?…はいです?…」
何か違和感を覚えた具合にマサツグは徐に立ち上がって見せる!…その際何事も
無くスッと立って見せると、更にマサツグの表情は疑問に満ち!…終いには
疑問を持った様子で声をポソッ!と…するとそのマサツグの言葉を耳にして
シロもピクッと反応をして見せ、次には気になった様子で何が有ったのか?と
不思議そうに首を傾げて質問をすると、マサツグはシロにある事をお願いする!…
と言うのもそのお願いと言うのはゼノスに向かって攻撃を!…カマイタチを
撃ってみてくれ!との事で…となると当然そんなお願いをされた事でシロは
更に戸惑って見せ!…しかしそれでも言われた通りに!…そのゼノスに向かって
空を斬るよう!…身軽にシロがゼノスに向かって回し蹴りを放って見せると、
次にはその回し蹴りからカマイタチが放たれる!…
「……てええぇい!!」
__バシュン!!!…コオオオォォォォ!!…ッ!?…
「な、何をしようと!?……ッ!?…も、もしかしてまだ戦う気で!!…」
__………ッ?…
いつのも可愛らしい掛け声と共にカマイタチが!…真っ直ぐゼノスに向かって
飛び!…そうすると他の冒険者達の目にも当然止まる訳であって、一体何を
して居るのか?と…疑問を持った様子でその飛んで行くカマイタチの事を目で
追い続けて居ると、ふと密かに何か策が!?と期待をする!…しかし幾ら期待を
した所でマサツグは腕を組んだままそれを見て居るだけで固まり、シロも依然
として首を傾げたままで!…そうしてシロの放ったカマイタチはゼノスの元に!…
それこそ滞空しているゼノスの頭に直撃と言った光景が見えそうになって居る
のだが、次の瞬間それとは別の奇妙な光景を目にしてしまう!…
__コオオオォォォォ!!……シュンッ!!…ッ!?!?!?!?………
「ッ!?…き、消えた!?…しゅ!…瞬間!?…」
「馬鹿な!!…だったら最初からそれを見せて居る筈だろう!?……
でも目の前で消えたのは事実!……」
この時その空を見上げている者達が目にした光景と言うのはとても奇妙なモノで、
先程のシロのカマイタチがゼノスに!…真っ直ぐ飛んではそのままゼノスの頭に
直撃!…と、行く事は無く!…突如としてゼノスが姿を消し!…何処にもその
姿形が見えなくなってしまったようその存在をふと消えてしまうと、そんな光景を
目にした者達は驚き戸惑う!…となると今度は何処に行ったのか!?と慌てて
ふためき!…辺りをキョロキョロとし始め!…しかし幾ら上空を探してもあの
巨体は何処にもなく!…誰もが変!…と言った具合にある事無い事を話して
居ると、更に今度は揺れが襲う!…
__ドオオオオオオオオオオオオンンンン!!!!!……ッ!?!?!?!?……
「ッ~~~!!!…な、な、な!!…なん!!…
…今度は何だって!!……ッ!?…」
__ズオオオオォォォォォォン!!!!………
「……ヘ?……何でここに?……しかも死?…」
__……ピロォ~ン♪……ッ!……ヴウン!!……ッ!?…
突如飛行船全体が落下するのではないのか!?と言う位に揺れ始めると、当然
そんな揺れに冒険者達は更に驚き戸惑い!…もはや呂律も回って居ない様子で
各々が青褪めオドオドと!…しかしそこでゼノスを!…何なら目の前で息絶えた
様に屋上デッキに倒れている光景を目にして行き!…これは何?と言った具合に
更に状況が飲み込めないで困惑して居ると、そんな冒険者達の元に一通のメールが…
そしてそのメールと言うのは如何やら運営から送られて来た物らしく、勿論
気になった様子で各々がその送られて来たメールの内容を確認し始めると、
そこでトンデモナイ文章を目にする!…
--------------------------------------------------------------------------------
件名:誠に申し訳御座いません!!!
現在、ゲーム内において本来出現しないモンスター及び多大なラグが発生
しております。このメールが届く頃には正常化に成功している為、ご安心
してゲームをお楽しみください。
そして、今回ヴェール号にご搭乗の皆様、誠に申し訳御座いません!!
まだテスト中のモンスターを間違って反映させてしまいプレイヤーの皆様に
混乱を招いていると思われます!なので、今回討伐に成功された場合は
オマケとして追加報酬を用意しております!討伐出来なくとも報酬は
二倍増しにさせて頂いておりますので振るって挑戦してください!!
---------------------------------------------------------------------------------
__………。
運営から送られてきたメールの内容はお詫びのメール!…何やら事故が有った
らしく!…本来出て来る筈の無いモノが出て来た事や多大なラグが起きている
事について申し訳が無い!と…しかしそれも既に改善された様に書かれて有り、
最後の方にその報酬が二倍になる様な太っ腹な事が書かれて有るのを目にすると、
それを読んだ冒険者達は固まってしまう!…と言うのも今まで苦戦しながら
戦って来たモノの正体と言うのがバグそのものであった!と…今知らされた様な
モノであって!…するとそんな冒険者達の余所にその一方ではシロが!…
その倒れているゼノスへと徐に近付き、右手でそのゼノスの鼻っ柱をツンツンと
突いて反応を確かめに掛かって居ると、クルッと振り向くなりマサツグにこう
話す!…
「……ツンツン!……ッ!!…
ごしゅじんさまぁ?…このおっきいのもう動かないです!!」
「ッ!……ふむ…
如何やらラグかったせいであんな奇妙な光景が見えて居たんだな?…
んでもってこれで討伐完了と……フゥ~…」
__ッ!……ッ~~~~~~!!!!!…
シロはゼノスの鼻っ柱を突きながら動かないと、面白がる様に連打をして見せ!…
するとそのシロの呼び掛けにマサツグもピクッと反応をして見せ!…シロが
鼻っ柱を連打する様子を見て本当に倒した!と…先程の瞬間移動した様な光景に
ついてラグでそうなったのか!と一人納得した様子で言葉を零して見せて居ると、
徐々に冒険者達もハッとする!…そして改めてその場に倒れているゼノスの
様子に目を向け始めると、徐に肩を震わせ!…と言うのもその様子はまるで
怒りに震える様にワナワナ!と…それは肩から始まって上半身へと!…そして
遂には全身を痙攣させる様にガタガタプルプル!…冒険者達一同は歯を食い縛って
徐々に空を見上げ始め!…そして何かを貯め込む様にして徐に握り拳を握って
見せると、次には天に向かって吠えて行く!…
__ッ~~!!!…それを早く!!!…言え~~~~~!!!!!…
「ッ!?……あ、あはははは……やっぱ普通に比べて可笑しかったのか…」
この時冒険者一同は空に向かって運営に文句を!…それも最初から企てていた
かの様にハモリ!…それは空に響いては何故か反響して辺りに響き渡り!…
マサツグもそんな冒険者達の不満を聞いて驚いた様に反応をすると、改めて
今回のイベントについて疑問を持つ!…と言うのもトータル的に考えると
イベントとしてはとても重い内容で、さも熟練者向けに設定がされて有る様に
感じ!…しかし雑魚で湧いて出て来たワイバーン達のレベルを見る限りそう
ではない様子が見受けられ!…思い返して見るとやはりチラホラ!…
可笑しかった様に感じられてはもう笑うしか出来なくなってしまい!…
マサツグが一人苦笑いをして居ると、オリハもハッと我に返った様子で
ゼノスを見る!…
「ッ……あ、あれ?…何で目の前にゼノスが?……ッ!?…」
{……オリハよ…如何やらわっち達の勝利の様じゃぞ?…
…最後にお主が繰り出したあの大技!…
見事に届いてこの結果を生み出したようじゃ!!…}
「ッ!!……そっか!…そうなんだ!…
…はあぁ~!…良かったぁ~!……」
オリハの目の前にはその倒れるゼノスの姿が!…そしてそのゼノスの巨体は
光りに包まれるとアイテムをドロップ!…その巨体だけにトンデモナイ量の
アイテムを排出して行き!…となるとオリハもその様子を見て一体何事!?
と慌ててふためき!…イマイチ状況が理解出来ていない様子で今だその場で
固まって居ると、困惑した表情を浮かべていた!…その際時たま聞こえて来る
冒険者達の怒号を耳にして更に戸惑って見せて居ると、フィロが終わった!と
声を…この時それは労わる様にして勝ったと言葉を続けて見せ!…更には
あの大技について褒める様にそれが勝因になった事を口にすると、それを
聞かされたオリハは安堵する!…さてそうなると後はお楽しみのアイテム回収
となるのだが、ふとシロが!…
__ツンツン!…ツンツン!……ガコンッ!…
「ッ!…んん~?…今何か重そうな?……ッ!…」
__……スッ…ゴトッ…ッ!……
「んん~!!…ちょっと重いです!…
…でもぉ……綺麗!……ッ!!…そうだご主人様にも!!…」
今だゼノスの鼻を連打するシロがある物を!…それは若干重そうな音を立てると
シロの足元に転がり、シロもその音に反応して視線を下に…するとそこには
まるで何か鉱物の様な棒状の物が落ちて居り、不思議とそれに興味を持った様子で
シロはそれを手に!…若干重く感じながらも拾い上げるとそれを天高く掲げて
見せ!…太陽に透かして見る様にふとその鉱物を下から覗き込んで行くと、その
太陽越しに見る鉱物の色に驚いて見せる!…この時胸を奪われる様な感動を
覚えると、ただただ綺麗と言葉を口に!…そして次にはその感動を共有する様に
マサツグの元へと駆けて行き!…その鉱物の棒を持って嬉々とした反応を見せて
行くと、上機嫌に尻尾も振って行くのであった!…
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たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
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目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
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