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-第四章-オータムクラウド国編-
-第四章六十九節 東門のラブコメ?とトラウマ鬼再来と犬猿の二人-
しおりを挟むマサツグとグレイは心配ながらもヴェルに送り出され、いざ三の丸へと向かって
居るその一方!…モツとアヤは他ぶ二組より早くに東門へと辿り着き、侵入を
試みていた!…すると以外にも北門の方を重点的に敵は守るよう指示を出して
居たのか、東門の警備はざるで…案外スンナリ侵入する事に成功すると、そのまま
三の丸へと侵入を果たす!…当然あまりにも上手く行っている事にモツとアヤの
二人は戸惑うのだが、止まっている暇など無く!…互いに異様と話しながらも
慎重に!…とにかく辺りに警戒しながら、先を進んでは兵士の動きを止めようと
動いていた!…
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…チラッ?…
「……うぅ~ん…何とか三の丸らしき所まで来れたが?…
静過ぎないか?…まるで罠でも張られている気になるんだが?…」
「…あんまり考えたくないモノね?…でも確かに上手く行き過ぎて居る様な?…
…とにかく警戒は密に!……にしてもやっぱり北門より兵士が…」
「…北門に突撃して行ったヤブが無事だと良いんだが……」
__スッ…パラァ……ッ!…
植え込みや物陰に隠れながら…とにかく影から影へと移動しては見張りの兵士達の
目を掻い潜り!…その警備の目が薄い事に何か奇妙な!…罠が仕掛けられている
様な風に感じて居ると、二人は自ずと嫌な気を覚え出す!…それは北門のあの
圧倒的ハザードを目にしたせいか、東門に配備されている兵士の数が少ないと!…
その兵士達の数も両手で数えられる程度にしか確かに立って居らず!…アヤも
警戒を強めるよう!…モツに注意を促し辺りの様子を探って居ると、モツもやはり
マサツグの事が心配なのかポツリと零す!…その際簡単にやられる訳が無い!…と
言った具合に言葉を零すと、徐にアイテムポーチからマップを取り出し!…すると
アヤもそれに気が付いた様子でモツのマップを覗き込み!…二人揃って今自分達が
今何処に居るのかを確認し出すと、次に進むべき道も確認する!…
「……ッ!…あった!…ここが秋雲城三の丸東門!…
で、俺達の居る場所がここ!…」
「…私達が入って来た場所に…ここが今の私達!…
となるとこのマップの通りだと?…」
「…そうだな?…誰かと合流する事になる!…
三の丸から二の丸へはこの北か南…何方かを通るしかないみたいだからな!…
…それこそ途中でやられて無ければの話だが!…」
「ッ!!…それこそ考えたくないわね!…」
モツはマップを指差しながら今までの経路を辿る様に指を滑らし!…アヤもそれに
合わせて再度復唱するよう確認の言葉を口にすると、更にその先の道についても
確認する!…するとそこから道の先には分岐が有る様で、二の丸へ行くには北門と
南門で別れて居るのを見つけてしまい!…モツもモツでそのアヤの言葉に肯定する
よう頷いて見せ!…何方へ向かうか!…更には誰かと合流する可能性についても
話すと、その逆も然りと敢えて話す!…となるとアヤもその言葉に若干眉を
ひそめて見せると、考えたくも無いと!…とにかくいつまでもずっとここで隠れて
居る訳にも行かず!…今まで通り戦闘を避ける事を考え出すと、モツは思わず
長考に入る!…
「……うぅ~ん!…」
「……ただ侵入するだけでもこんなに難しいなんて!……ッ!…モツ?…」
{……北門…いや、あの激戦具合だとそれこそ消耗が!…
それに恐らく事前に聞いて居た魔王の情報だって色々とある訳だし!…
もし戦う事になるなら!……天守閣!…そこしか無いと想像出来る!…
だとすると極力無駄な戦闘は避けるべきであって!…
…だがだからと言って南門?…確か南門にはレイヴンとシロちゃん…
オマケに西門から入って行ったライザやオリハの事を考えると
バランス的には!…で、ライザだってただの変人ってな訳じゃないし!…
そこら辺も考えて居るとしたら…}
{……改めてよく見るとモツの顔って私好み?……ッ!!…
って、何を考えてるの私!!!…今はそれ所じゃ!!!…}
悩む時間も惜しい!…だが悩まない訳には行かず!…モツは腕を組むなり小さく
唸って固まってしまい!…アヤもアヤで率直に難しいとモツに言葉を口にすると、
返事が返って来ない事に疑問を持つ!…するとそこで目を閉じ唸るモツの姿を
見つけると、そのモツの悩む姿に思わず見惚れ…何ならモツが自分の好みの顔で
ある事にハッと気付き!…自分でもふとその事を考えてしまった事に思わず顔を
赤くして戸惑って居ると、次にはモツが目を開くなり視線を合う!…
__……コクリッ…パチッ!……
「ッ!!…キャアアァ(うわあぁい)!!!…」
__フラァ……ッ!…パタタタタ!!…ドシャアァ!!…
「ッ!?…あぁ!…お、おい大丈夫か!?…」
「ッ!!……う、うん…大丈夫……」
突如自身の目の前にアヤの顔がドUPで有った事にモツは驚き!…アヤもアヤで
突如目を開き視線が有った事で戸惑いを露わにすると、思わず跳び退いては
バランスを崩す!…その際後ろに向かって傾くとアヤは手をバタバタと動かし
バランスを保とうとするのだが、その甲斐空しく尻餅を着き!…するとモツも
そんなアヤの様子を目にしては戸惑った反応を露わにし!…心配の声を掛けて
アヤを起こす様に手を差し出すと、アヤは恥ずかしそうにしながらもモツの
手を取って見せる!…さてそうなると如何だろう?…何かモツ達の辺りが桃色に
包まれ場違いな!…とにかく若干の異様な雰囲気を見せて居ると、モツは
戸惑った様子のまま質問をする!…
「……ふぅ…ビックリしたぁ~…
急に如何したんだ?…何か付いてたとか?…」
「ッ!?…い、いえ!…ただ!…モツの顔って…私好みだなって…」
「ッ!?…え!?…」
「ッ!?…ち、違!!…あぁ~違くなくて!!…
…あぁ~ん!!…私急に如何しちゃったのぉ~!?」
アヤに吃驚したと言うと何が有ったのかを尋ね!…その際選択肢として自身の顔に
何かが付いて居たのか?と続けて声を掛けると、アヤは顔を赤くしながら正直に
思った事を答えてしまう!…それこそ自身の頭の中はパニック状態!…今自分が
何を言って居るのかもイマイチ分かって居ない様子で!…すると突如アヤにそんな
事を言われた事でモツも顔を赤くして更に戸惑ってしまい!…アヤもそんなモツの
表情を見てハッとした反応を見せると、慌てて誤解と口にする!…だがその誤解と
言う言葉に対してもしどろもどろになると、完全に更なる混乱に陥り!…遂には
自分でも何故こんな事に!?と嘆き始め、腕をブンブン!…更には天を仰いで目に
若干の涙を浮かべ!…やはり顔を赤くしてただひたすらに困惑した様な反応を
見せて居ると、そんな騒ぎを聞きつけてか兵士達が集まり出す!…
__ッ!…ヴアァァァァァ……
「ッ!?…あぁアヤ!!…今はそれ所じゃなくなった!!…
とにかくここから逃げるぞ!!…完全に囲まれる前に!!…」
「ッ!!…う、うん!!…ッ~~~!!!…」
その時の兵士達の反応はまるでラブコメの波動を感じ取った様に!…クルっと
その気配を感じ取った方へ振り向くと、そこで植え込みに隠れているモツ達の
姿を見つけ!…槍を手に許さん!とばかりに!…徐々にその数も増えて取り
囲む様に兵士達が集まり出すと、唸り声を上げては徐々に包囲を固めて行く!…
するとこの時のその兵士達の様子からは、取りつかれたモノとは別に何か恨み
的なモノが感じられ!…となるとモツもそれに気が付いた様子で直ぐに反応!…
アヤに顔を赤くしながら逃げる様に声を掛け出し!…アヤも同じ様に顔を赤く
しながらモツに慌てて返事をすると、そのまま戦闘態勢へと入り始める!…
「…チッ!!…クソ正直に相手をするほど暇じゃない!!…
一点突破でここから脱出を試みる!!…アヤ!!…遅れるなよ!!!」
「ッ!!…わ、分かったわ!!!……落ち着いてアヤ!!…
今はそんな状況じゃないの!!…もっと冷静になりなさい!!!…」
__チャキッ!!…ババッ!!…
「ダッシュ斬り!!!」
それこそモツ達を取り囲む兵士達の数は然程多くは無いのだが、一々相手をする
のが面倒臭く!…モツは直ぐに一点突破を考えると試みる事も同時に口にし!…
アヤに付いて来るよう指示をすると、アヤも慌てながらに返事する!…この時
アヤは続けて冷静さを取り戻す様に自身へ言葉を言い聞かせ始めると、徐々に
落ち着きを取り戻し!…その間にモツは剣を構えるなり北門が在る方へ向かい
駆け出して行き!…その際目の前の邪魔な兵士を!…一気に薙ぎ倒す様にして
道をこじ開けて見せると、アヤに声を掛けては先導をする!…
__ゴオオォォ!!…ドゴオォォン!!……フォンッ!!…
「ヤブやオリハ程じゃないが出来るんだぜ!!…アヤ!!!…」
「ッ!!…今行く!!…」
__ババッ!!…タッタッタッタッタッタッタッ!!……ッ!…
やはり某・無双ゲーの如く兵士達を吹き飛ばすと道を作り!…剣を一振りして
アヤに付いて来るよう呼び掛けると、アヤも返事をしては駆けて行く!…そして
二人はそのまま兵士達を放置する様にして戦闘を離脱!…北門へ向かって走って
行き!…すると当然アヤはその事に気が付いた様子で戸惑い出し!…モツに
大丈夫なのか?と質問をしようとすると、モツはそのアヤの質問を聞くよりも
先に行先を答える!…
「アヤ!!!…俺達は北門に行ってマサツグと合流!!…
これが今の目標でOK!?」
「ッ!…え、えぇ!…分かったわ!!…でも!…」
「ッ!…如何した!?…」
「……いえ、何でも無いわ!!…急ぎましょう!!!」
モツは前を見ながらアヤに声を掛け出し、ただ単純に北門へ向かってマサツグと
合流する旨を話すと、アヤに同意を求める!…するとそのモツからの問い掛けに
対してアヤも戸惑いながらも返事をすると、やはり何かしら若干の不安を覚えた
様子で!…するとそのアヤの声音からモツは気持ちを察したのか、何か有るのか?
と心配気味に質問をすると、アヤは少し黙った後大丈夫と返事をする!…その際
そのアヤが言った大丈夫からは吹っ切れた様子が伺えると、モツも一応は安心を
した様子を見せるのだが!…やはり何か気になる事には変わらないモノで!…
若干の心残りを残しつつ!…とにかく先を急ぐ様に北門へ向けて走って居ると、
そこで出会いたくないモノと鉢合わせする!…
__タッタッタッタッ!!…ズウゥン!!…ズウゥン!!…オオオォォン!!!…
「ッ!?…う、嘘だろ!?…あの一体だけじゃなかったのかよ!?…」
「ッ!?…イ、イヤァ!!…何で!?…
確かに一体だけしか居ないなんて言ってないけど!!…
まさか!!…こんな!!…」
__オオオオオォォォォォンン!!!!……ズウゥン!!…ズウゥン!!…
北門へと進んで行くとその道中でまさかの苦戦したあの巨大鬼!…大喰丸と
遭遇する!…それは相も変わらず丸々と太っては何かを食べて居た様子で!…
モツ達の姿を見つけるなりそちらに向かって歩き出すと、餌を見つけた!と
ばかりに目を輝かせる!…するとこれにはモツも冗談は止してくれ!と言った
具合に狼狽えると、あの時の戦闘を思い出した様子で!…何ならアヤに
至ってはあの時の戦闘はもはやトラウマになって居る様で!…既にその表情は
恐怖に染まり!…またこれを相手にするの!?と言った困惑具合が伺えると、
腰が引け気味になって居た!…だがそんな様子を見せた所で大喰丸は当然
止まらず!…モツ達に向かって吠えながら近付き!…モツもモツで絶体絶命と
言った具合に大喰丸を睨み!…とにかく打開方法について考え出して居ると、
反射的に剣を構えて見せる!…
__…スウゥ…チャキッ!!…
{…クッソここに来てこれを相手にすんのか!?…
…不味い!!…不味い不味い不味い不味い!!!…
選択を間違えたってのかよ!?……今から逃げる!……ッ!?…
いや、逃げるにしても遅過ぎる!…何ならアヤが真面に動ける状態では無い!!…
やっぱトラウマになってる!!……クッ!!…やるしかない!!…
勝てるかどうか考える暇も無く!!…やるしか!!……ッ!?…}
一応剣を構えてはみるもののモツの頭の中は後悔の念!…選択肢を間違えたと!…
そして当然こんなデカ物を相手にしている暇などモツ達には無く、アヤを連れて
逃げる事をモツは考えるのだが!…その肝心のアヤの方へチラッと視線を向ける
と、そこで恐怖に染まっているアヤの姿を見つけてしまう!…勿論アヤを見捨てて
逃げるなどこの時モツには出来る筈も無く!…アヤを気遣うと戦うか!と覚悟を
決め!…負ける如何こうを考えるのではなくもう戦うしか無いと!…辺りを見回し
何か使える物が無いかと周囲に注意を払って居ると、その大喰丸の背後より
何者かが近付いて来る様子を目撃する!…
__…ドドドドドドド!!!……
「…こっちに向かって誰かが走って来てる!?…一体誰なん……ッ!?…」
「…ッ~~~~!!…
おぉ~れぇ~のぉ~ナァ~カァ~マァ~にぃ~!!!…」
「……ッ!!…もしかして!!!…」
それは物凄い勢いで走って来ては目の前の大喰丸など見えて居ないかの様!…
モツもその近付いて来る何者かに警戒を示し!…一体誰が近付いて来て居る
のかとその正体を目を凝らし確かめに掛かると、次にはハッと気が付いた様子で
反応する!…するとそれと同時にその駆けて来る方からも何やら聞き覚えの
有る声が大きく聞こえ、まるでモツ達の助けに入るよう!…するとその声に
アヤもハッと気が付いた様子で気を取り直し始め!…同時に助かった!…と
ばかりに安堵した様子を見せて居ると、次にはその駆けて来た者達は何やら
妙な行動に打って出る!…
__ンバッ!!…ババッ!!…コオオォォ!!!…ズバァッ!!…ッ!?!?…
「手ぇ出してんじゃ!!…ねえええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
__ガクンッ!!…ッ!?…ッ!?!?…コオオォォ…ズズウウゥゥゥン!!!…
「ッ!?…なっ!?…」
その聞き覚えの有る声の主が飛び出すともう片方も釣られて飛び出し!…
二人揃って勢いを付けた所で剣らしきものを抜刀すると、大喰丸の背後へと
斬り掛かって行く!…この時背後から斬り掛かって行くのだから当然背中や
頭を狙いそうなモノなのだが!…その者はモツ達が襲われて居るのを見ては
激昂したよう吠え!…ただとにかく飛び出し大喰丸の急所を狙うのではなく…
大喰丸の膝裏に向けて勢い良く斬り掛かって行くと、大喰丸に膝カックンを
仕掛けて行く!…すると如何だろう?…ただでさえ体型が体型なので見事に
技が決まって行くと、いとも簡単にバランスを崩し!…モツとアヤを押し
潰しはしないモノの前屈みに大の字!…その場で地響きを起こす様に倒れて
行くと、モツ達を驚かせて見せる!…さてそうして一応謎の者達がモツ達と
合流を果たし、その大喰丸を転けさせた者達の正体はと言うと!…
「……本ちゃん大丈夫か!?…アヤも!!!」
「ッ!?…ヤ、ヤブ!?…おま!!…アレを抜けて来たってのか!?…」
「……はあぁ~…美しくない!…
確かにこうもデカいモノを相手にするのならまず!…
足を如何にかするのが定石だが…
…この様な技で倒れたこいつには少し同情するな?…」
「ッ!?…んだよ!!…
じゃあ他に方法が有ったってのかよ、オウコラァ!?…」
二人の正体は言わずもがな北門より上って来たマサツグとグレイ!…マサツグは
合流するなりモツとアヤに心配の声を掛けては無事かを問い!…モツもそれに
反応して驚き戸惑い!…質問に質問で返すようマサツグの方こそ大丈夫なのか!?
と問い掛けると、今度はグレイが呆れ出す!…その際呆れた原因と言うのは
先程の大喰丸への膝カックンで有り、倒し方が美しくない!と言うとまるで他に
方法が有ったかのよう…マサツグの事を馬鹿にするとマサツグもその事を言われて
カチンと来て!…まだ大喰丸を倒して居ないにも関わらず!…その場で喧嘩を
始めたよう文句の言葉を口にして居ると、ふとモツがある疑問を持ち出す!…
「……な、何なんだこれ?……ッ!…って、そう言えばなんだが?…
北門からここまでって確か一本道の筈…何で今ここで合流したんだ?…」
「「ッ~~~!!!…ッ!…え?…」」×2
「いや…もし二人で北門を抜けて来たんなら…
もうとっくに本丸まで行ってるんじゃと?…」
__…………。
目の前で喧嘩をする二人にモツは戸惑い!…アヤはアヤで安堵したようとにかく
呼吸を整えると、大喰丸の動きに気を掛ける!…その一方でマサツグとグレイは
未だいがみ合い!…歯を食い縛り互いに睨み合って居ると、ここでモツにある
質問を受けては固まってしまう!…その質問と言うのも合流したタイミングが
可笑しいと言う事で、何故自分達より後からここに辿り着いたのか?と…先程
マップを見た限りでは北門からだとほぼ一本道で、合流するタイミング的にも
誤差がある事を口にすると、二人は途端に戸惑ってしまう!…それこそ困惑の
言葉を零すと二人揃ってモツに視線を向け、言って居る言葉の意味が理解出来ない
と言った具合に!…するとモツもモツでそんな二人の視線に戸惑ってしまい!…
追い打ちを掛ける様に再度タイミングが可笑しい事を口にすると、暫くの沈黙を
挟んだ後!…再度二人は喧嘩をする!…
「……ッ!!…おい!!…
やっぱりあの道で有ってたんじゃないか!!…
何がマップは完全に把握しただ!!…
ちゃんちゃら可笑しくて臍で茶が沸かせそうだ!!…」
「ッ!!…こ、このやろう!!…
そう言うテメェもさっき全然違う反対方向に進もうとしてただろうが!!!…
風の流れが…って!!…キザッったらしい事抜かしてよ!?…
その風は何処に向かって吹いてんだ!?…オォン!?」
__ぎゃいぎゃい!!…ぎゃいぎゃい!!………
「……はあぁ~…とにかく二人共方向音痴だって事はよぉく分かった!…」
如何やら原因はそれぞれにあった様で、互いに方向音痴らしく!…すると
互いに責任の押し付け合いをするようマサツグとグレイは突如ハッとした
様子で罵り合い!…美しくない光景をモツとアヤの二人に見せ始めると、
まるで犬が縄張り争いをするが如く更に口論を繰り広げる!…それこそ
周りの状況やそんな事をしている場合では無いと言う事を忘れた具合に、
ただギャンギャンと吠え!…するとモツはモツでそんな光景を見て呆れた様で…
溜息を吐いては理解!…とにかく二人が方向音痴である事を口にして居ると、
大喰丸が復帰したよう動き出す!…
__…オオオォォォォン!……ズダアアァァァン!!!…
「ッ!?…っと、あぶねぇ!!」
「ッ!?…チッ!!…こいつは城下で瘴気の壺を守って居た鬼だ!!…
まさか二体目が居るとは思っても居なかったが!!…
…とにかく弱点は炎!!…だがそれをすると!!…」
「急に激痩せして動きが機敏になるから気を付けて!!…」
「ッ!?…何それ怖い!!…」
この時大喰丸は地面を這う様にして移動!…喧嘩をしているマサツグ達に向かい
腕を伸ばし!…するとマサツグ達を捕まえようと思ったのか、その伸ばした腕を
マサツグ達の頭上から落とす様にして腕を叩きつけ!…間一髪のところで全員が
反応し逃げる事に成功すると、改めて大喰丸との戦闘を始める!…その際
マサツグが間一髪!…と言った具合に言葉を零して居ると、モツはモツで面倒
なのが動き出したと!…舌打ちをしては大喰丸について簡単な情報を語り始め!…
弱点が炎である事を話すと、アヤが続けて注意点を口にする!…この時その
注意点について激痩せして動きが機敏になるとマサツグ達に説明をすると、
マサツグはその話を聞いて驚き戸惑い!…だがそのアヤの忠告を聞くよりも
前に!…その大喰丸が振り下ろした腕に向かいグレイが剣を構えて突貫をして
行くと、炎を纏った斬撃でその腕を斬り裂いて行く!…
__ババッ!!…ゴウッ!!…
「情熱的な薔薇の民族舞踏!!!」
__スウゥ!!…ボバババババババアァ!!!……
「ッ!?…な、何アレ!?…切り口がトンデモナク鋭利!?…
それに血飛沫がまるで花びらの様に!?…」
グレイはその振り下ろされた腕に向かいまるで踊るかの様に!…三拍子のステップ
を踏みながらその炎の剣で何度も無数に斬り刻んで行くと、もう二度と使えなく
なる位にズタズタにして見せる!…それはまるでボレロを踊るかの如く!…一切の
容赦も見せずに連続でその腕を斬って見せ!…その際その切り口はまるでメスで
鶏肉を斬り刻んだかのよう!…とても鋭利な切り口を見せては血飛沫も美しく!…
まるでバラの花びらが舞っているかの様にとにかく攻撃にしては異様な光景を
見せると、その光景にアヤが戸惑った反応を露わにする!…そしてその光景を同じ
様に見ていたモツも驚きを露わにした様子で戸惑うのだが、モツが驚いたのは
その光景にでは無く!…
「ッ!?…あ、あの技は!?……お、おいヤブ!!…
何処であんな大物と面識を持ったんだ!?…」
「ッ!!…え!?…」
「え!?…じゃねぇだろ!!…
アレは完全にグレイ・レンボルトの技じゃねぇか!!…
んでもってあの技が使えるのはこのゲーム内に置いてただ一人!!…
ご本人様だけで!!…そのご本人様が何故ここに!?…」
モツはそのグレイの剣技を見て一発で誰かを理解した様子!…すると直ぐに
マサツグへ慌てた様子で声を掛けると、グレイの事を大物と言い!…だが
マサツグはそのモツからの問い掛けに対して戸惑ったよう…ただ「え?…」と
困惑気味に返事をし、一体何の事か分かって居ない様子で恍けた表情を見せて
居ると、そのマサツグの気の抜けた返事にモツが更にツッコミを入れる!…
その際改めてあの剣技が出来るのはご本人様だけである事を口にすると、
何処でそんな面識を持ったのかと!…何ならその大物様と先程口喧嘩をする
様な様子を見せて居た事で更に戸惑い!…マサツグの人脈について色々と
困惑する様な素振りを見せて居ると、マサツグはそんな事よりと言った様子で
話を切る!…
「ッ!!…あぁ~っと!…話すと長くなるから後でも良い!?…
とにかくこのデカ物を何とかしねぇと!!…」
「ッ!?…モツ!!…来るわよ!!!」
__オオオオオォォォォン!!!!…ズダアアァァァン!!!…
それこそ一から説明すると長くなると言った具合にマサツグは話を切り!…
先に目の前の障害を排除する様に言葉を口にして行くと、大剣を手に身構え
出す!…するとそのタイミングでか大喰丸も苦痛に悶えるようもう片方に
腕を振り上げて見せると、これまたマサツグ達へ向けて振り下ろし!…すると
アヤもアヤでモツに注意を払うよう言葉を口にし!…マサツグ達はその振り
下ろされた腕を回避!…また地響きを起こす揺れに耐えつつ!…マサツグの
言う通りに従ったよう一旦話を保留にすると、その目の前の大喰丸に対して
殺意を向ける!…
「ッ~~~!!!…クソッ!!…
やっぱ馬鹿みたいに暴れやがって!!!……ヤブ!!!」
「ッ!!…おう!!!」
__チャキッ!!…バババッ!!…
「火炎(氷結)!!!…斬り!!!」
勿論苛立ちを隠せない様子でモツが言葉をポツリと呟くと、マサツグを呼んで
協力を持ち掛け!…するとすぐさまマサツグも二つ返事で構え始め!…互いに
赤いオーラの様なモノを身に纏い出すと、次には協力技を大喰丸目掛けて
放って見せる!…マサツグが火炎斬りを放つとモツは氷結斬り!…二人の技は
混ざる様にして霧散して行き!…その場で蒸気の塊を作って見せると、それは
無数の刃を放つ凶悪な技へと昇華する!…
__ボシュウゥゥ!!!…ゴゴゴゴ!!!…ッ!?……ババッ!!…
「…久しぶりにやったけど!!…案外上手く行くモンだな!!」
「ッ!…本当にな!!…さぁて?…あの時みたいにはいかねぇぞ!!…」
__ゴゴゴゴ!!!…カッ!!!…ドシュシュシュシュ!!!…
「「スチーム!!!…ブリンガー!!!!」」×2
マサツグとモツが作り出した二つの斬撃は蒸気と化し!…その場で形状を
変える様に徐々に鋭利な形になって行くと、それを見たグレイも思わず
無言で驚いてしまう!…まるで初めてその技を見たかの様に!…それでいて
自ずと自身の身の危険を感じ!…するとその感覚を信じた様子でグレイは
スッと退いて見せ!…マサツグとモツも久しぶりにやった!とばかりに
笑って見せると、次にはその蒸気の塊より無数の刃が飛び出し始める!…
それは最初の頃にやっていた時の物より数段威力が上がっており!…
大喰丸の脂肪を易々と斬り削いでしまい!…
__ドシュシュシュシュ!!!…ッ!?…オオオオオォォォォン!!!!…
「ッ!!…これは!!……なるほど?…
一応は奴の友人と言う訳か!…中々にやる!!…」
__カッ!!…ギリィ!!…
「弾けな!…さい!!」
諸に大喰丸の顔面へ向けて放った技は大きく大喰丸を怯ませ!…その技を見た
グレイとしてもその技の威力と動きに関心を持ち!…何ならマサツグだけでなく
モツにも認めた様子で言葉を零して居ると、そんな二人の背後ではアヤが続け
様に弓を構える!…その際アヤが弓に番えた矢と言うのは特殊なモノで、先端に
火薬の様なモノが付いて居り!…アヤ自身それは爆発すると言った具合に弓を
引き!…狙いをその頭に向けて静かに呼吸を一度止めると、その爆薬付きの矢を
放って見せる!…すると!…
__カッ!!…キイィィィン!!!…ッ…ドゴオオォォ!!!…
「ッ!?…まさか!!…あの様に固まった化け物の頭だけを吹き飛ばすとは!!…
その狙いも正確さにも驚くモノだが!…まさかこの二人の動きを計算して!?…
…フフフ!…随分と!…心強い仲間を持って居るのだな?…アイツは!!…」
大喰丸は怯えた様に両腕で自身の頭を守り!…必死にスチームブリンガーに
耐える様な素振りを見せる!…だが完全に両腕で自身の頭を守るには少々難が
有る様で!…グレイがやった傷口がまるで狭間の様な役割を果たし、辛うじて
頭への攻撃が可能な状態になって居ると、アヤはそこを狙って矢を放つ!…
するとそのアヤの放った矢はまるで辺りに警戒を促すよう笛の音を鳴らすと、
吸い込まれる様にその間を潜り抜けては爆発!…更に大喰丸を追い詰めては
内側からこじ開ける様に若干両腕を吹き飛ばし!…グレイもその光景を見て
更に関心を持ったよう言葉を口にすると、思わず口角を上げてしまう!…
別にそんなサド的な性格と言う訳では無いのだが、ただ単純に腕の有る者に
興味が有る様で!…とにかく大喰丸を追い詰めに追い詰め!…徐々に倒せる
かもしれない!…と言った好転具合を見せると、更にマサツグ達は畳み掛ける
のであった!…
応援ありがとうございます!
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