上 下
366 / 782
-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章六十八節 クロエの波状攻撃と分散する戦力と思わぬ援軍!…-

しおりを挟む



一人飛び出して行くようライザが駆け!…その後を追い駆ける様にマサツグ達も

飛び出して行く!…そして冒険者の騎士達のラインを越えてそのゾンビの様な

兵士の前に!…ライザがまずその兵士に向かって拳を突き出そうとすると、それは

とっても奇妙!…いや!…ある種必然とも言うべき光景を見せるのであった!…

と言うのも!…そのゾンビみたいな兵士達は如何にも生気が無いよう歩いて居る

のだが…


__ザザァ!!…グッ!!…


「邪魔臭いわああぁ!!!」


__ギュン!!…ボッ!!!…ボゴオオォォォ!!!!…


「ッ!?…な、何やコレ!?……え?…」


ライザがその兵士達に向かい拳を握り!…自身の間合いにその兵士達が入って

来た所で正面突破を試みると、その拳はいとも簡単に兵士達を吹き飛ばす!…

それはさながら某・無双ゲーの如く兵士達はその一撃で宙を舞うと、次に

地面へ転がってはピクリとも動かず!…だが恐怖心は無いのか生き残った者達

はまた立ち上がって前に!…とにかく本当に生きて居るのかが怪しく思える

様な光景に!…ライザとしてもその手応えに何か不気味なモノを感じてしまうと、

戸惑ってしまう!…さてそうしてライザが固まって居るその一方で…マサツグ達も

ライザとの合流を図って行くと、突出して行ったライザに文句を言い出す!…


「…おいコラ、ライザ!!…勝手に飛び出して行くんじゃねぇ!!!…

ったく!…ちったぁ堪える事くらい覚えろ!!!……とにかく!…

城の天辺に辿り着くまでは全員!…[命を大事に!]で行くぞ!!!」


「ッ!……確かにパーティは組んでいるが!!…

あぁもう!!…とにかく!!…こいつら如何する!?…」


「…無駄に数が多いからなぁ!!…こりゃ相当な消耗も待ったなし!…」


飛び出して行ったライザを捕まえた所でマサツグが文句を!…この時とにかく

誰一人として欠ける事を許さない様子で我慢を覚えるよう更に続けて注意を

すると、今度は全員に対して注意を促す!…その際口にした注意の言葉と言うのも

某・大作RPGに使われている作戦名で、それを耳にしたモツは呆れた様子で

ツッコミ!…だがそんな事を一々ツッコんで居る暇など無い様で!…その間にも

徐々に兵士達が虚ろな表情で詰め寄って来ると、モツもそれに気が付いては

戸惑い!…考えるのも面倒になった様子で吠え始める!…そして次にはもう

如何でも良くなった具合に如何するか!?とその兵士達について尋ねると、

レイヴンもその言葉に同意したよう言葉を零すのだが!…


____……ピコォ~~ン!!…ピコォ~~ン!!……ッ!?…


〈…これより反撃戦に打って出る!!…

前線の騎士達は大盾を構えて前線を押し上げ!…

その後方からは弓や魔法での攻撃で敵を迎撃!!…

但し止めを刺す様な事はするな!!…

如何やらただ操られて居るに過ぎない様だ!…

力も通常の物より弱い!!…然程脅威にはならないであろう!!!…

だが不気味な事に変わりはない!!…最低限の火力で敵を迎撃せよ!!!…

……ッ!…そして飛び出して行った馬鹿者達にも告げる!!…

…被弾はするなよ?…〉


そんなモツやレイヴンの疑問に答えるよう突如クロエより通信が!…事態の鎮圧に

クロエも指揮を執るよう動き出し、冒険者全体に指示を!…その際既に敵の戦力を

全て確認し終えたのか、セオリー通りに部隊を動かす様に冒険者達へ指示を飛ばす

と、敵について大した事は無い!と豪語する!…だがそんな大した事の無い敵でも

止めは刺してはいけない様で、全員に兵士達を殺すなと!…それが一体如何意味を

差すのかは不明なのだが…とにかく何か不味い事になる!と言った具合に注意を

促すと、その指示を出している最中に何かに気が付いた様子で反応する!…そして

少しの沈黙を挟んだ後、まるでマサツグ達の事を差す様に馬鹿者達と言葉を口に

すると、巻き込まれるな!注意をする!…するとそんなクロエの通信に…


「……この馬鹿者達って俺達の事を言ってるのかな?…」


「……実際馬鹿だろ?…騎士団長に喧嘩売るわ魔王に喧嘩売るわ…

挙句の果てこの国との大乱闘!…

もう傍から見たら切れてる連中としか思われないだろ?…」


「……確かに!…」


マサツグが戸惑い疑問を持った様子で!…その襲い掛かって来る兵士達を

峰打ちに!…改めて先程の言葉が自分達に向けて言われた言葉なのか?と

若干ショックを受けた様子で言葉を口にして居ると、モツが当たり前!と

言った具合に肯定をする!…その際その理由に今までの事を振り返る様に!…

何なら今やってる事についても普通に可笑しい!と豪語し始めると、もはや

戦争の原因は自分達に有ると!…この時余所から見た時の自分達の様子に

ついても続けて話し!…マサツグもその話を聞いて思わず納得してしまった

よう!…一言呟いて肯定をしてしまうと、そんなマサツグ達を尻目に後方

支援が始まりを迎える!…


〈全弓兵!!…牽制程度で良い矢を放て!!…

魔法部隊は拘束魔法で兵士を行動不能!!…気絶に追い込め!!…

その他の戦闘職の面々は各地に展開!…まだモンスターの影が見られる!…

殲滅及び遊撃に徹しろ!!…そして機会を窺い次第!!…

一転攻勢に出る!!!……タイミングを合わせろ!!…

弓兵は弓を構えろ!!!…〉


__ザッ!…ザッ!……チャッ!…ギリィ!!……


クロエが最終確認をするよう全部隊に通達!…それぞれ役割に沿って動くよう

指示し!…冒険者達もそれに合わせて動き出すよう慌しさを見せて居ると、

徐々に統率の取れた動きを見せ始める!…それこそマサツグ達が善戦して居る

のを目撃しては大盾部隊が前線を押し上げ、弓兵達は弓に矢を番え!…

魔法部隊も今か今かと言った具合に杖を構え!…遊撃を指示された冒険者達も

各地に展開をし始める!…宛らその光景は一個の軍!…そしてクロエも攻撃の

準備の合図を取り出し!…弓兵は弓を構えて見せ!…その騎士達の頭上を

越える様に山なりに飛ぶよう狙いを定めると、マサツグもそんな様子に気が

付いてか慌て始める!…


「ッ!…本当に良く頭が働くな!?…てかこっちは如何する!?…」


「備えるしか無いだろ!?…ってか本当に貧弱過ぎて手加減が難しい!!…」


「ッ!?…来るぞ!!!」


全く持って迷いも淀みも無い指示にマサツグも感心!…だが自分達が危険な

事には変わらず!…途端にその攻撃の音頭が聞こえて来た事でモツに相談を

すると、モツもそれ所では無い!と言った具合にツッコミを入れる!…

その際襲い掛かって来る兵士達の手加減に追われて居る様子で更に文句の

言葉を口にして居ると、レイヴンが何かを感じ取った様子で!…突如ピクッと

反応しては後ろを振り向き!…その身構えて居る弓兵達の様子を目撃すると、

マサツグ達に注意を促す!…そして!…


〈…ッ…てええぇ!!!…〉


__カカカカカ!!!………ヒュウウゥゥゥ!!…ドドドドドドド!!!…


「ッ!?…どわあああぁぁぁ!!!…」


「ッ!!…落ち着け!!…矢じりじゃない!!!…

付いてるのは……ッ?…何だこれ?…」


「……木琴の…バチ?…」


通信越しにクロエの発射の号令が聞こえて来る!…するとそれに合わせて弓兵達も

一斉に射撃を開始!…その際マサツグ達が居ようとも関係無い!とばかりに矢の

雨を降り注がせると、マサツグも慌てて大剣を盾に身構え始める!…この時その

大剣に当たる矢はどれも鈍く響く様に大剣を襲うと、その周りでは兵士達を

圧倒し!…何ならモツがある事に気が付いた様子で!…特段危険じゃない事を口に

すると、その内の一本を回収!…矢の先端に目を向けると疑問を持つ!…すると

そんなモツの様子にライザも興味を持った様子で、それを見るなり簡潔に形状を

説明!…するとその言葉にアヤが反応して見せ!…二人の疑問に答えるよう話しに

参加をすると、如何言う事かを説明する!…


「…ッ!…あぁ!…的矢ね?…

えぇ~っと簡単に言うと競技用の鏃って所かしら?…

一応人に向かって撃っても貫通はしないけど…

それでも当たったら相当痛いわよ?」


「ッ!…え?…」


〈第二射!!!…てええぇ!!!…〉


__カカカカカ!!!………ヒュウウゥゥゥ!!…ドドドドドドド!!!…


そこはさすがアヤと言った所か!…そのモツの持っている矢を見るなり如何言う

モノなのかを説明して見せ、一応非殺傷である事を笑顔で説明をするのだが!…

それでも当たると痛い事を続けて話し!…その話を聞いてモツとレイヴンが

戸惑って居ると、容赦ない第二波が飛んで来る!…それもやはりクロエの号令に

合わせて!…すると第二射も効果覿面に兵士達を襲い!…マサツグ達に道を

開けるよう!…怯んだ様子を見せると、その背後からの矢に怯えながら

マサツグ達は先を進むのだが!…


__ヴァアアアァァァァ……


「クソがッ!!…こんなんじゃキリないで!?…如何する!?…」


「ッ!?…ど、如何するって言われても!!…

…ッ!!…分散するとか?…」


「ッ!?…は?…それって如何言う?…」


マサツグ達でも兵士達を薙ぎ倒し!…更には後方からの弓の支援!…その他にも

魔法使いによる拘束も行われて居るのだが、それでも兵士達は城から無限に

出て来るようマサツグ達の行く手を塞ぐと、呻き声を上げながら行進を続ける!…

そうなるとライザもさすがに草臥れて来た様子で文句を言うと、マサツグに

解決策を求め出し!…当然そんな無茶振りをされた事でマサツグも戸惑い!…

一体何をすれば!?とツッコもうとするのだが、ふとある事を思い付いた様子で

突如固まる!…それは集団で固まるのではなく敢えて分散すると言う事で、

マサツグは思った事をそのまま口にし!…するとこれにはライザも戸惑った

様子で返事をし!…その詳しい話を尋ねようとするのだが、先にレイヴンが

理解した様子で話に加わる!…


「…ッ!…て事はアレか!?…

北門・西門・東門・南門からそれぞれ入るって事か!?…」


「ッ!?…はぁ!?…そんな事したら余計不味い事に!…」


「だぁからぁらぁ!!!…

ツーマンセルでそれぞれの所から突入を試みるんだよ!!…

…少なくともこの兵士達は無限湧きじゃない筈だ!!…

誰か先に内部に入って!!…少しでもいい!…

塞き止める様に出来ればって!!!」


レイヴンは既に城周辺のマップを頭の中に叩き込んで居る様子で話しを進め!…

ライザにも分かるようそれぞれの侵入ルートがある事を話すと、ライザもそれを

耳にするなり正気かを疑う!…その際心配するは道中で倒れる可能性が高い事を

口にするのだが、マサツグはまだ話は終わって無いと!…それぞれ二人組で

各門からの侵入を試みてはその兵士達の足止めを!…何も最後までやる訳では

無い!とツッコむ様にしてライザに言葉を続けて行くと、モツが冷静にツッコミを

入れる!…


「…だとすると一人余るが?…」


「ッ!?…え?…」


「ヤブに俺にシモにかっつぁん!…んで、オリハにシロにアヤだろ?…

……うん…やっぱ一人足んねぇが?…」


__………。


モツは冷静に疑問を持った様子でマサツグにツッコむ!…その際一人足りないと

真顔で言葉を口にすると、マサツグもその言葉に戸惑った様子で!…すると

モツは冷静にその場に居る人数を改めて数え直し!…やはり七人!…一人人員が

足りない事を改めてマサツグに告げて行くと、その場の全員は時が止まったかの

様に固まってしまう!…それこそ周りに兵士達が居るにも関わらず、何なら現在

進行形で襲われて居るにも関わらず!…マサツグとしてもそれを考えていなかった

様子で、とにかくもう考えるのが面倒になった様子で突如吠え出して見せると、

最終的には自分が一人になる事を口にする!…


「………だあああぁぁぁ!!!…

だったら俺一人で越えてやらぁ!!!!…

…後は頼んだぞ!!!…」


「ちょっ!!…はぁ!?…マサツグ本気!?…」


「どうもこうも言ってる場合か!!…

編成は昨日の通りで!!…アヤとモツ!!…レイヴンとシロ!!…

残りはオリハとライザ!!…それで良いだろ!!!」


「ッ!?…な、投げやりにも程が!!!…」


さも自暴自棄になったよう吠えるとマサツグは一人で戦うと言い出し!…後の事は

丸投げするよう全員に言うと、当然周りからツッコミを受ける!…その際アヤから

正気かどうかと尋ねられると、マサツグも焦って居る様子で文句を言い!…手早く

編成を昨日のままと言うと全員の同意は聞かずに進み!…そんなマサツグの言葉に

勿論モツが慌てた具合に、ツッコミを入れて考え直すよう言葉を口にしようとする

のだが、更にまた後方から矢が飛んで来る!…


__カカカカカ!!!………ヒュウウゥゥゥ!!…ドドドドドドド!!!…


「ッ!?……あ、オイ!!……あぁ~もう!!!…

最初の作戦は何処に行ったんだよ!!!……とにかく!!…

もうこうなった以上散開するしかなさそうだな!?…」


「……じゃあ、俺とシロちゃんは南門から!…

出来るだけTPの節約をしたいからな!…」


「…じゃあ、俺と弟ちゃんは西から!!…

単純にこっからやと近いからな!…」


「……弟ちゃんは止めて下さい!…」


まるで後ろから急かす様に!…モツ達はその第三射を受けて怯むと足を止め!…

その隙にマサツグは兵士達を押し退けて北門の方へと進んで行き、モツ達が

止める間もなくそのまま姿を消して行くと、モツも苛立ちを覚えた様子で突如

吠え出す!…だがずっと怒って居る訳にも行かないので、マサツグの言う通りに

動く事を決めると役割分担を!…するとレイヴンは話を汲んだ所で南門から

攻めると宣言し出し、シロと共に行く事を口にしてはその理由を簡潔に語り!…

となると今度はライザが西門から攻める!と宣言して行き!…その理由に近い

からとこれまた簡潔に理由を話すと、それを聞いたオリハがツッコミを入れる!…

まぁツッコミを入れた所と言うのは自分の呼び方に対してなのだが…そうして

二組の行き先が決まると自ずとモツ達も行き先も決まり!…とにかく六人が

それぞれ行き先を決めた所で別れるよう分散して行こうとして居ると、その一方で

マサツグは!…


「えぇ~い!!!…邪魔だあああぁぁ!!!」


__ドガアアアァァァン!!!……ドサドサドサアァァ!!!…


「……だあはあぁ!!!……はぁ!…はぁ!…

チッ!!…一体どんだけ出てくんだよ!!…

いい加減底が見えても良いんじゃねぇのか!?…」


__タッタッタッタッタッタッ!!…


自身の目の前に群がる兵士達を吹き飛ばしては道を作り!…無理やりにでも

正面突破を試みると、ただ息を切らしながらぼやいていた!…それこそ

うっかり兵士達を昇天させないよう気遣い大剣は鞘を嵌めつつ!…ただ無気力に

襲って来る兵士達に向かい何処から湧いて来る!と文句を言うと、峰打ちに

仕留めては徐々に徐々にと北門へ近付いて行く!…そしてそれを繰り返す事

十数分!…何とかマサツグは北門へと辿り着くのだが、その時点で激しく

息を切らし!…


「ぜぇ!……ぜぇ!………な、何とかここまで来たやったぞこの野郎!…

…でも更にここからアレを……はあぁ~…」


__ゴゴゴゴゴゴゴ!!!…バリィッ!!…ピシャアァン!!…


「……瘴気が暗雲と化して雷まで生み出すとか!…

まるで漫画の世界だな!……あながち間違いでは無いが…」


何とか辿り着いた北門に手を着きながら呼吸を整え!…改めてその瘴気を

纏って居る秋雲城に目を向けると、そこで暗雲が立ち込めて居る様子を

目にする!…その際その暗雲からは稲光が!…ピカっと光ってはゴロゴロと

鳴り響いてマサツグを威嚇し!…まるで誰も立ち入らせない!と言った

雰囲気を全体で放って見せると、マサツグもその漫画みたいな光景を見て

今からこれに挑むのか…と脱力する…だが当然脱力している暇も無いので

呼吸を整え次第早速移動を開始しようとするのだが、そんな息つく暇をも

与えないとばかりに!…また何処からともなく兵士達を集まって来ると、

マサツグを襲おうと取り囲み始める!…


__ヴァアアアァァァァ……ッ!?…


「…まぁた集まって来やがった!!…

この分だとまだ他の奴らは中に入れてない感じか!…

…ってまぁ当たり前か?…距離的には一番近かったのは俺だし…

って!!…そんな事を言ってる場合じゃ!!…」


兵士達が三の丸の方向から歩いて来るとやはり虚ろな様子で…だがその足は

確実にマサツグの方へと向けられては槍を手に襲う気概を見せて居り!…

マサツグもその呻き声を上げながら集まって来る兵士達にしつこい!とばかりに

声を上げて居ると、徐に他の仲間達の事を気に掛け始める!…その際自分が

一番乗りでここに辿り着いた事を認識すると、それも当たり前と距離的に

考えては勝手に自己完結し!…と言うよりそんな事を考えている暇など全く

無く!…ただ向かって来るゾンビみたいな兵士達に慌てて身構えようとして

居ると、突如マサツグの後ろより何者かが!…


__ザッザッザッザッザッ!!…ババッ!!…


「…蒼薔薇の舞踊曲ブルーローズ・メヌエット!!!…」


「ッ!?…え?…」


__ズババババアァァン!!!……ドサドサドサドサアァ!!!…ッ!?…


それはマサツグを襲う訳でも無く突如背後から飛び出して行き!…マサツグの

目の前に群がる兵士達へ向かい駆けて行くと、剣を抜くなり踊る様に兵士を

斬って見せる!…それはまるで社交ダンスの様に!…敵の間を華麗にステップで

駆け向けては一太刀に兵士達を斬り伏せてしまい!…マサツグもそんな何者かの

登場に戸惑った様な反応を見せ!…何が起きているのかイマイチ理解出来て

居ない様子で居ると、更には背後より聞き覚えの有る声が聞こえて来る!…


「……やれやれ…少し野暮用が出来たから確かに参戦するとは言うたが…」


__ッ!!…クルッ…ッ!?…


「……あの馬鹿者目!…あの様に暴れては後が持たないじゃろうに!…

…全く!…何処までも馬鹿で可愛い弟子よ!…

さて、ワシも少しばかり運動をするとするか…たまにはちゃんと動かんと…

動かねば体が固まるでな?」


「ジッ!…ジッチャン!!…な、何でここに!?…」


その声はまるで呆れた様にただ目の前の事にツッコミを入れ…マサツグも突如

背後よりその声が聞こえた事で慌てて振り返りその姿を確認すると、そこで

本来居る筈の無いヴェルの姿を目撃する!…すると当然自身の背後にヴェルが

居る事でマサツグが驚いて居ると、ヴェルは恐らくグレイの事であろう者に

対し馬鹿!と…体力が持たない事と口にしてはしょうがない!とばかりに!…

自身も参戦する事をサラッと口にすると、徐に木刀を取り出し始める!…

その際周りの兵士達の様子をサッと見ると、準備運動程度にしか感じて居ない

様子で軽く振っては具合を確かめ!…その一方でマサツグは今だ驚いた様子で

ヴェルに声を掛け出し!…何故ここに居るのかについて尋ねると、ヴェルは

ピクッと反応するなりこう答える!…


「…ッ!…んん~?…なぁにを言っとるんじゃ?…

お主の切り崩した道を辿って来たに…」


「いやそう言う事じゃなくて!!…何でここに来たんだって言ってんの!!…

ジッチャンには無関係!!…」


ヴェルはさも恍ける様にマサツグの声に反応すると、徐に背後を振り返り!…

その通って来た道を指差し!…マサツグが作った道を辿ってと不思議そうに

答えると、マサツグもこれには戸惑った様子でツッコミを入れる!…この時

如何やら何故ここに来たのかその理由を尋ねられた事にヴェルは気が付いて

いない様子で、その経路をマサツグに誤解して説明し!…だがマサツグが

聞きたいのは当然そう言う事では無く、再度何故ここに来たのか?について

質問をすると、ヴェルも今度は理解した様子で答え出す!…


「…ッ!…何じゃそう言う事か!……既にワシの弟子の様なお主を置いて…

おのおのと隠れてる訳には行かんじゃろ?…

ましてはお主が起こしたこの大騒動!…既にギルドを通して話も聞いて居る!…

…その真偽!…自身の目で確かめねば気が済まなかっただけじゃよ?…

…見せてみい!!…己が信じるその心の先とやらをな?…」


「ッ!……ジッチャン!……ッ!!…」


ヴェルは来た理由についてマサツグのせいと答えると、マサツグを弟子認定し!…

弟子が戦っているのに自分が出て来ない訳には行かないと!…この騒動が起きた

理由についても既に把握して居る様子で改めて参戦の意思を伝えると、マサツグの

成長ぶりにも気に掛けた様子で話しを続ける!…その際ヴェルはマサツグの事を

信じて居る様子で言葉を口にすると、その実力を見せる様に目を見て話し!…

マサツグもマサツグでそんなヴェルの視線を受けて思わずハッと!…改めて闘志に

火を付いたようその表情を真剣なモノに変えて見せると、その進むべき道の方へ

視線を向ける!…すると…


__……スゥ…チャキン!…


「…フゥ…師匠!!…道はこちらに!!……おい貴様もボサッとするな!!…

こんな事に師匠を煩わせる等!!…本来在ってはならないんだぞ!!!」


「…はあぁ~…相も変わらずキャンキャンと!…

無駄吠えして居る暇が有ったら呼吸を整えんか!…

…お主の呼吸の乱れ!…肩で物語って居るのがバレバレじゃぞ!!」


「ッ!!…こ、これは!……武者震いです!!…この程度で息を乱す等!…」


そこにはやはりあの青い衣装を身に纏ったグレイの姿が!…少しヴェルと話して

居る内にグレイは兵士を全て撃退!…剣を鞘に戻しては一息吐き!…ヴェルと

マサツグでやはり温度差の有る声の掛け方をして見せると、ヴェルが呆れた様子で

ツッコミを入れる!…その際その声の掛け方についても少し触れては注意をする

のだが、何よりも先程言った通りに呼吸が乱れている事を指摘!…肩で息をして

居ると言っては飛ばし過ぎと注意し!…その指摘を受けた事でグレイも慌てた

様子を見せると、必死に言い訳を口にする!…だがその言い訳も第三者マサツグ目線から

見ればそうは見えず!…マサツグ自身もそんな苦しい言い訳に思わず笑いそうに

なって居ると、更に事件は起きようとする!…


「……ブフッ!!…」


「ッ!!…おい貴様!!!…何が可笑し!…」


__……ヒュウウウゥゥゥゥ!!!…


「ッ!!…如何やら更に面倒なのが来たようじゃな!!…」


それこそ必死に言い訳をするグレイが可笑しくてマサツグは噴出し!…グレイも

そんなマサツグの様子が気に喰わず文句を口にしようとすると、次には何かが

降って来る音を耳にする!…それは徐々にこちらへ向かい近付いて来ている様に

聞こえ、グレイから数m離れた所で黒い影が…それは徐々に大きくなって行くと

不穏な様子を見せて行き、ヴェルもそんな様子に気が付いたよう!…ただ面倒な

モノが降って来たと口にすると、木刀から杖に切り替え始める!…そして!…


__ズドオオオオォォォォォン!!!!…


「ッ!?…ぐわあああぁぁ!!!…

チィ!!…な、何だと言う!!…ッ!?…」


__……オオオオオオオォォォォォ!!!!…


「ッ!?…デッカぁ!!……」


それはグレイを踏み潰すと言った事は無いのだが!…その影の主が着地と同時に

土埃を巻き上げると、いとも簡単にグレイの体も吹き飛ばしてしまう!…そして

吹き飛ばされたグレイも気が抜けて居た様子で宙を舞うと、驚き戸惑った様子で

声を上げるのだが!…直ぐに空中で身を翻し受け身を取るとその自分を吹き

飛ばして来たモノの正体を確認し始め!…そこで鎧兜を身に纏った大男が立って

居るのを目撃!…マサツグもその突如現れた大男に驚き戸惑った様子で声を上げ、

不味い状況になった!と言った具合に慌てようとして居ると、ヴェルが二人に

声を掛ける!…


「……マサツグ…だったかのう?…そしてグレイ!…

ここはワシに任せて先に行け!…」


「ッ!?…はぁ!?…」


「ッ!?…し、師匠!?…しかし!!…」


「構わん!!…行けぇ!!!……ここはワシが引き受けた!!!…

なぁに!…これ位がウォームアップには最適じゃよ!…

…それよりお主達はさっさとこの騒動にケリを着けて来るのじゃ!!!…

…悪戯に民を混乱に落とす者に…ちぃ~っとばかし灸を据えて遣れ!…」


その大男はデカさにしてサイクロプスと同じ位!…明らかに人間とかでは無く!…

その手には刀らしき物が握られており、唸り声を上げると同時にまるでガッツ

ポーズをする様に眼下に居るマサツグ達へ威嚇をすると、ヴェルは不敵に笑うなり

一人で相手にすると口にする!…するとこれにはマサツグとグレイの二人も

目に見えて戸惑った反応を見せると、慌てて協力するよう声を掛けようとする

のだが!…ヴェルはそれを聞かない!と言った様子でマサツグ達を急かし!…

自分の事よりこの騒動にケリを付けるよう!…ただ事件解決を最優先にするよう

言い聞かせると、杖を両手で握り出して見せる!…


__ガッ!…チャキッ!!…スウゥ……フォン!!…


「ッ!?…し、仕込み刀!?…てかジッチャン無理は!!…」


「ッ~~~!!…おい馬鹿者!!!…急げ!!!…

ここは師匠の言う通りに動け!!!」


普段から愛用している杖は如何やら仕込み杖だったらしく、捻る様にして

鞘の部分を握ると!…そこから見事な刀身を露わにする!…そしてそれを

間近で見ていたマサツグとしても驚きを露わにするのだが、それよりも

ヴェルの事が心配の様で!…無理はしない様にと労わるよう言葉を続けると

マサツグも一緒になって身構えようとして見せ!…だがそれを阻む様に

グレイがマサツグに声を掛け出し!…ヴェルと同じく急かす様に移動を

促す言葉を口にすると、マサツグはそのグレイの言葉にも戸惑って見せる!…


「ッ!?…おい、良いのかよ!!!…

さすがにこれじゃあ!!!…」


「自惚れるな!!…我々が援護に回っても逆に邪魔になるだけだ!!!…

…だとしたら我々に出来る事は後から来る師匠の為に道を作ること!!!…

それにあの程度の敵なら師匠の敵ではない!!!」


「ッ!?…ッ~~~~……」


それこそグレイとしても本当は心配なのだろう!…だが師匠の言葉は

絶対の様で!…この時ヴェルの事を本当に信じて居る様子でマサツグを叱咤!…

自分達では逆に邪魔になる事を告げると更に出来る事を最優先にと!…とにかく

先を急ぐ様にマサツグを急かし!…ヴェルが絶対に勝つ!と言った言葉を口に

すると、マサツグもその言葉を聞いて葛藤する!…だが当然そんな悩んでいる

時間などある筈も無く!…その悩む時間をも急かす様に大男が動き出すと、

マサツグも遂に決断した様子で動いて見せる!…


__オオオオオオオオォォォォォ!!!…


「ッ!!!…ッ~~~!!!…ジッチャン!!!…

…絶対に死ぬんじゃねぇぞ!?…

アンタにはまだ教えて欲しい事が沢山有るんだ!!!…

……ッ!!…また後で会おうぜ!!!…」


「ッ!……フフフ!…あぁ、達者でな!!」


__バッ!!!…タッタッタッタッタッタッタッ!!!…


大男は唸り声を上げながら一歩踏み出し!…マサツグもそれに気が付いた様子で

反応すると、遂に決断した様子でヴェルに言葉を残して行く!…その際絶対に

死なない事や教えて貰いたい事!…再会の約束を口にしてその場を去ろうとする

と、ヴェルはマサツグに笑って返事をして見せ!…何ならこの時マサツグに

向かってサムズアップをする余裕具合もシッカリと見せて見送って行き!…

マサツグが大男の隣を駆け抜けて行く姿を見てヴェルも安堵すると、ふと真剣に

なったよう剣を構える!…そうしてマサツグはグレイと合流!…そのまま先の

道を進んで行くのだが!…


「…貴様ぁ、師匠を煩わせるな!!!…大体何故この様な事を!!!…」


「あぁ~ん!?…こっちだって起こしたくて起こした訳じゃねぇんだよ!!!…

大体前々からその態度が気に喰わねぇ!!…」


「……はあぁ~…何処までも賑やかな弟子達じゃな?…

全く…退屈せんわい!……さぁて?…こっちもこっちで始めるとするか?…

デカ物!…」


__オオオオオオオオォォォォォ!!!…


別れる最後の最後まで二人は喧嘩!…これにはヴェルに苦笑いをして見せ!…

だが元気が有って良い事と流してしまい!…改めてその目の前の大男に対して

剣を構えて見せると、ヴェルはその大男と一戦を交えようとするのであった!…

しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生騎士団長の歩き方

Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。 しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。 カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。 一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処理中です...