どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章九十七節閑話 アルスの不安と罪人リリーと有耶無耶の判決-

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この話はあのフィロネウスによる侵攻戦が始まる前日の話とその他の話である!…

マルティスによりアルスは自身の仇が十貴族に居ると分かり!…更にはその仇は

死んで居ると!…何ならそれを始末したのは自身の上司!…リリーがやったものだ

と聞いてから複雑な気持ちで居た!…じゃあ今まで自分は何の為に生きて来た

のか?…自身の仇は?…リリーは自分と同じ?…等と混乱しており、その真意を

聞く為に彼女はリリーの自室を訪れようとしていた。その際複雑な感情を抑える

為に腰に剣を佩いて行き!…いざその彼女の部屋の前まで辿り着くと、彼女の

部屋の扉を叩く事に躊躇を覚える!…


_……スッ……ッ……


「……そこに居るのは分かって居る…入って来たらどうだ?…」


「ッ!!……し、失礼します…」


__ガチャッ!!…キイイィィィィ!……ッ…


リリーの居ると扉に抜かい腕を伸ばすがノックが出来ず…ただ今だ自身の中の

困惑と戦って居ると、リリーが先に気配を察知した様子で扉の向こうへ声を

掛ける!…すると当然これにはアルスも驚くと、珍しくオドオドとしながらも

返事をし…リリーの言う通り扉を開けて中へと入り!…この時リリーもそろそろ

寝ようと思って居たのか、寝間着姿で椅子に座っている姿を見つけると、アルスは

その姿を見るなり慌てて謝り出す!…


「ッ!…も、もう休まれるところでしたか…

……申し訳ありません…」


「いや、いいんだ……それよりもこんな時間に……

何か緊急の事でもあったのかな?…」


「ッ!!…い、いえ!…そう言う訳では!!…

…ただ……ッ…」


「……ふむ……なら当てて見せようか?…」


この時リリーの姿はと言うとやはり際どく!…寝間着と言ってもネグリジェ姿!…

しかもベビードールと来ており!…そんな姿にアルスもタジタジ!…突如尋ねた

事に対して慌ててアルスが謝り出すと、リリーは微笑みながら大丈夫と返事を

する。その際続けてアルスに用件を聞き出すと、緊急か?と若干警戒した様子で

尋ねるのだが!…アルスはそれに対しても慌てて否定!…ただ自身の用件で来たと

ばかりに若干俯きまた黙り込んでしまうと、リリーの部屋に沈黙が訪れる!…

そうなるとアルスの表情はまた思い詰めたモノになり、リリーもその様子に

戸惑い!…そんなアルスの様子に気を利かせてか、色々とアルスの様子を見て

自身から話を振り始めると、そのリリーの言葉にアルスは戸惑った返事をする!…


「ッ!…え?…」


「……君もそろそろ寝ようと思ったのかな?…でも悩みがあって眠れない…

そしてその道すがら…少しでも不安を無くそうと思って腰に剣を佩いて来た…

……って、所かな?…」


「ッ!!…」


「…フフフ♪…話してごらん?…相談事だろ?…

遠慮は要らない!……私も…色々と覚悟はしているから!…」


アルスが目を見開き戸惑った反応を見せて居ると、リリーはアルスをマジマジと

観察し始め!…アルスは普通に肌着で腰に剣を携え!…そんな様子にリリーも

大体の推測が付いたのか口に開き始めると、アルスを驚かせる!…まず寝間着

姿である事から寝ようとしていた事を推測し、ここへ訪ねて来たのは悩みがある

と考え!…更にアルスの性格からか剣は護身用では無いと断定し!…イコール

何か思い悩んで居る事があると判断した様子で言葉を並べると、アルスはその

言葉を告げられた事で更に目を見開き戸惑って見せる!…その際思わず若干

後退って見せると、リリーはその様子に笑い!…次には全てを理解した様子で!…

自身も覚悟して居ると!…悟った様子でアルスに声を掛けると、アルスは更に

戸惑いながらも本題に入る!…


「ッ!!!………では、お言葉に甘えて…

……隊長があの[枯れ枝]を…殺したと言うのは…

…事実ですか?…」


「……あぁ、事実だ…」


「ッ!…何故!?…何故あの男を殺したのですか!?…

……やはり隊長も!!…」


「……そこまで知って居るのなら説明しなくても分かるだろう?…

私も…お前と同じで奴を仇としか見て居なかったからだ!…」


「ッ!?…」


本題に入る際も間を置き!…緊張しながらも口を開き始めると、率直にリリーへ

質問をする。その際やはり嘘である事を願う様に言葉を口にするのだが、事実は

変わらず!…リリーはその質問を受けても微笑む事を止めず、ただ静かに俯き

アルスの言葉を肯定すると、当然の如くアルスは若干錯乱気味に声を荒げる!…

この時更に事実を確認よう言葉を続けると、リリーは深くは語らず!…ただ

アルスの言う言葉は正しい!と言った様子で返事をし!…そのリリーの言葉に

アルスはもはや戸惑いを禁じ得ないで居ると、リリーはアルスに質問をする!…


「……それで?…副隊長は私を如何しようと言うのかな?…」


「ッ!…え!?…」


__コッ!……コッ!……コッ!……コッ!……


リリーが徐に質問し始めたのは自身の処遇について…もはや捕まる気で居るのか

スッと立ち!…アルスの前まで移動しスッと自身の両腕を差し出すと、自身から

捕まりに行く様な素振りを見せる!…勿論逃げようと思えば魔眼を使ってでも

逃げれる筈なのだが、そう言った素振りを全く見せず!…アルスもそんなリリー

の様子に全く付いて行けず!…ただリリーの様子に戸惑いっ放しの様子で思わず

後退りをして居ると、それを追う様にリリーも詰めて行く!…


「たった今私は殺人を自供したのだ!…

そうなると勿論騎士としては捕まえなくてはならない!…

君は私を如何しようと思って居るのかな?……私はそれが知りたい!…」


「ッ!?…わ、私は!!…」


「さぁ!…答えて見せろ!…

アルス・レオ・ダンディエル!!…

…君は!…目の前の罪人に如何罰を与える!?…」


それはちょっとしたドラマを見ている様!…逆にアルスが追われて行く様に

後退りをし!…リリーがそれを追い駆ける様に両手を突き出したまま向き合うと、

アルスに問い掛けを続ける!…まるでアルスの心を試す様に!…だが当然未だ

処理が追い付いていないアルスは戸惑いっ放しで!…自分でも如何したら良い

のか分かって居ない様子でただ逃げて居ると、遂に逃げ場を失ってしまう!…

それはアルスに名前を呼ばれてどうするか!と言われた際、後ろに逃げようと

思っても扉が!…


「ッ!?……ッ!!…」


{か、鍵が!!…如何して!?…さっきは何事も無く開いた筈!!…}


「………。」


「ッ!?……ッ~~~!!……」


__……フッ!……


何故か鍵が掛かって閉まっており!…アルスも逃げ場が無い事に気が付き更に

慌て様を見せて居ると、リリーもピタッと追い詰めるのを止めてはジッと

見詰める!…それはもはや捕まえてくれ!…と言って居る様に見えるのだが、

アルスは怯えた様子でリリーを見て居り!…それは普段の様子からは全く

考えられず!…とにかくそんな様子を見せるアルスにリリーもフッと吹き出し

そうになって居ると、アルスは徐に口を開く!…


「……隊長は何故?…」


「ッ!…如何した?…」


「隊長は何故…騎士になろうと思ったのですか?…」


「……枯れ枝と接触する為だ!…

全ては奴に復讐する為!…」


ふと震える声でアルスの口から絞り出て来たのはリリーに対する質問…だが

その内容についてはまだ漏れず!…しかしリリーはそのアルスの言葉に反応を

示し!…如何言う意味かを尋ね出すと、アルスは続けて言葉を口にし始める。

この時リリーに問い掛けた言葉と言うのは、騎士になった理由で…リリーは

その問い掛けに対して無表情…まるで呆れた様子でアルスの質問に答えると、

次の瞬間アルスから全否定をされる!…


「ッ!!…違う!!!…貴方はそんな人じゃない!!!」


__バシッ!!!…ッ!!……ッ!…


「貴方はもっと立派な方だ!!…それこそ私なんかよりずっと立派で!!!…

崇高で!!!…ただ復讐の為だけに生きたりはしない!!!…

確かに貴方はあの[枯れ枝]を殺したかも知らない!!…でも!!!…」


アルスはリリーの言葉を全否定しながら突如として情緒不安定になると、

そのリリーが差し出して来た両手を払い除け!…リリーもリリーで両手を

払い除けられた事で若干フラ付き!…それでもアルスに対して視線を

向けると、そこで何故か涙を流して居るアルスの姿を目撃する!…当然

これには若干戸惑った反応を見せて居ると、アルスは続けてリリーを

否定し!…それこそ尊敬を通り越して何か違う方へと行って居そうな!…

そんな感情の起伏具合を見せて居ると、リリーもそんなアルスの言葉に

続けて反論をする!…


「……だが現実なんだよ!!…これが!!……

私の手はあの[枯れ枝]の血で!…」


「だったら何故!!…何故私に相談をしてくれなかったのです!?…

私もその事を分かって居れば!!…この様な事には!!!…」


「……ハアァ~…君も大概馬鹿だな?…

自分の部下にそんな事相談出来る訳が無いだろう!?…

それにもしそんな事を話して!…

私が手を下すよりも前に君が手に掛けて居たら!!…

それこそ私は自分を責める事になる!!…だから!!!…

だから私は自分の手でケリをつけたのだ!!!…

……私の両親を奪っただけに飽き足らずこの眼も!!…

それだけじゃない!!…奴はその他にも色々な人を不幸に!!…

……そして私の役目もこれで終わった!…

後は牢獄に容れられて死罪を待つのみ…」


「ッ!!…そ、そんな事!!…」


リリーはもう遅い!…と言った様子で声を上げ!…悲しそうに自身の手へ視線を

向けると、ギュッと拳を作って見せる!…それは後悔の現れなのかそれとも別の

何かか、とにかく力強く握られ!…そんなリリーの言葉にアルスも負けじと言葉を

口にし!…自分を頼ってくれなかった事に対して文句を言うと、リリーは更に

呆れて見せる!…この時リリー自身も若干目に涙を溜めると、何故相談しなかった

のかを口にし!…自分でも後は死ぬだけと!…まるで捕まる事を最初から望んで

居た様にアルスへ話すと、アルスはショックを受ける!…そうしてその二人の居る

部屋が物凄く気不味くなって行く中で、二人も意気消沈し!…まるで大切な人を

亡くした葬儀場の様にとても暗く!…二人とも何も話せないまま固まって居ると、

その雰囲気をぶち壊す様に突如ノックの音が聞こえて来る!…


__……コンコンッ!…


「ッ!……今日は来客が多いな?……開いている!…」


__ガチャッ!!……キイイイイィィ……ッ!?…


「なっ!?…じょ、女王陛下!?…」


突然のノックの音に二人とも反応…それまでアルスは自分が気付けなかった事を

悔やんでは涙を流し!…リリーはそんなアルスの様子に重荷を背負わせる事に

なってしまった!と後悔する!…しかしその二人の考えも一度はノックで掻き

消され!…リリーがノックの主に対し入って来るよう気を改め声を掛けると、

その開いた扉から何故か女王様が姿を現す!…当然いきなり女王様が出て来た

事でリリーは慌てると、声を上げて驚き!…そんなリリーの驚き様にアルスも

戸惑い!…リリーの言葉が真実かどうかを確かめる様に振り返ると、アルスも

改めて驚き様を見せる!…


「ッ!…え?……ッ!?…じょ、女王陛下!?……」


「……話は聞かせて貰いました!…

通りであの野心家が尻尾を見せない筈です…」


アルスが振り返って見るとそこにはやはりリリーの言う通り女王様の姿が!…

その際女王様の隣にはルティナもシッカリと控えて居り、同じく二人の話を

聞いたのか悲しげな表情を浮かべると、若干俯いて見せて居た!…そして

部屋に居る二人が依然として驚き戸惑って居ると、女王様はしっかりと聞いて

居たと!…リリーに対して真っ直ぐな視線で話し掛けると言葉を続け!…

何やら意味有り気な事もチラッと言葉にして見せると、慌ててアルスが弁護に

回る!…


「じょ、女王陛下!!…これは何かの間違いです!!…

それこそ誰かに操られて!!……そう!!…あのダークエルフの連中!!…」


「ッ!!…止めないか!!!…

あれは私が自身で判断し手を下したのだ!!!…

無暗にダークエルフ達の事を貶めるな!!…そして!!…

そして私の決意を踏み躙るな!!!……」


__ッ!?…ッ!…ッ~~~~!……


この時弁護に回るのは良いモノの、良い言葉が見つからないのか!…咄嗟に

アルスが口にしたのはダークエルフ達の仕業と言う言葉で有り!…だが

それを聞いてリリーが直ぐにアルスに対して文句を言うと、更には自身に

対しても侮辱!と言う!…余程自身としても覚悟があったのか、視線を

逸らす事無く目を潤ませながらアルスに言い!…当然その言葉にアルスは

怯み!…自身が至らなかった!…無力を噛み締める様にその表情を歪ませると、

女王様はその二人の様子を見るなりこう告げる!…


「……確かにこの国の秩序を司る十貴族を殺害した事は重罪です!…

最悪死罪に問われます!…」


__ッ!?……


「…ですが、それもとなると話は別です!…」


女王様は改めて罪を突き付ける様に言葉を掛けると真っ直ぐにリリーを

見詰め!…その言葉にリリーも反論する事無く受け止め!…項垂れる様に

若干視線を落とすと、スッと目を閉じる!…それこそ罪を受け入れた様に!…

そんな会話にアルスも更に慌て始め!…何か打開策は無いか!と考えて

居ると、思わず持って来た剣に手を伸ばしそうになる!…だがそれこそ

やってしまったら最後!…アルスはグッと下唇を奥歯で噛み締め!…

すると女王様の言葉は予想していたのと打って変わり!…何か別の事件が

有ると言った様子で話が変わると、アルスは更に困惑の声を漏らす!…


「ッ!…え?…」


「……ルティナ?…礼のモノを彼女達に!…」


「はい!…女王陛下!…」


__……カサッ……ッ!!…


間違いなくリリーは処罰される!…そう思って居たのに何か違う様な雰囲気を

女王様が見せると、アルスだけでなくリリーも戸惑い!…女王様は話しを

続けるよう隣に居るルティナへある物を出す様に言うと、ルティナもそれに

返事をしては台帳らしき物から書類を一枚、リリーへ手渡す!…当然その

書類に何が書いて有るのやら?…リリー達は戸惑いつつも書類を受け取り!…

するとそこで目を通すと驚くべき事が書かれて有り、それを見てリリー達が

驚きを露わにして居ると、更に話は続けられる!…


「……残念ながら十貴族である[枯れ枝のアルデミトフ]…

彼は既に…今から500年程前に亡くなっています!…」


「ッ!?…バ、馬鹿な!?…でも私は確かに!!…」


「……これは恐らくですがリリー…

貴方が殺したと思われる者はその名を騙った国家転覆を謀る者…

つまりはだと思われます!…

本物の彼は既に病に伏しており、亡くなったのが500年前!…

何を思ってこんな事をしたのか?…それは今となっては不明ですが…

少なくとも貴方は十貴族を殺した事にはなっておりません!…」


「ッ!!…じゃ、じゃあ!!…リリー隊長は!!…」


女王が口にしたのはその肝心のアルデミトフは既に500年前に死んで居ると

言う事!…リリーは今現在243歳なので当然殺害できず!…本人では無いと

断定されると当然その女王様の言葉に戸惑って見せる!…それこそ確かに

その感触は今でも残って居ると言った様子でギュッと拳を握るのだが、

女王様は首を横に振り…リリーが始末したのは恐らく影武者と!…目的は

不明なのだがとにかく本人で無いと言う事を改めて告げ!…その女王様も

言葉にアルスも希望を見出した様に目を輝かせると、次にはルティナが釘を

刺す!…


「……ですが人を殺めたと言う事には変わりは有りません!!…

幾ら極悪非道の影武者であっても!…殺人は殺人!…

それ相応の罪は問われます!…」


「ッ!?…馬鹿な!!…

相手は十貴族を騙り非道を尽くした悪人だぞ!?…

寧ろ始末されて当然では無いか!!!…

なのに如何して隊長が罪に問われねばならん!!!

問われるのは奴の方では!!!…」


「……やめろアルス!…彼女の言う通り結局の所は殺人に変わりはない…」


「ッ!?…リリー隊長!…」


例え影武者であっても殺人は殺人!…ルティナも認めたくはない様だがそれでも

罪と改めて言い!…そのルティナの言葉にアルスはまたもや噛み付き始め!…

相手が改めて悪人である事!…十貴族を偽っていた事等を上げ出すと、始末され

ても可笑しくない!と言い出す!…それこそ必死にリリーの弁護に回るのだが、

リリーはそれを良しとはせず!…寧ろ止める様に声を掛けると自身の罪を改めて

認め!…アルスも止める様に言われた事で戸惑い!…ルティナと女王様もその

様子に何も言わぬまま悲しそうな表情を見せて居ると、リリーは徐に女王様へ

傅く!…


__……スッ……ッ!…


「……覚悟は出来て居ります!…

どうぞこの身をお好きに処罰なさってください!…

追放と言うのならこの地を去り!…

死罪と言うなら首を差し出しましょう!…」


「ッ!?…リ、リリー隊長!!……ッ~~!!」


突如リリーが傅いた事でルティナと女王様も戸惑い出し…一体何をする気?と

言った様子で見守って居ると、リリーは既に罪を受け入れる様子で言葉を口にし

始める!…それこそ女王様にその身をゆだねるよう好きにしてくれと言うと、

その言葉でアルスはまたもや不安げ…と言うよりも今にも嘆き出しそうな具合に

不安定になり!…女王様もそんなリリーの様子を見て若干悩み悲しむ様な表情を

見せると、ここでふと思いついた様に目を見開く!…そして!…


「……今の現状その罪についてはまた後程…とにかく保留とさせて頂きます!…」


「ッ!…女王陛下?………ッ!…」


「……貴方にはまだこの国でやって貰わないといけない事が山の様に有ります!…

ここで失う訳には行きません!……ですが罪を犯したのはまた事実!…

故に保留です!…現在進行しているこの敵襲に対し!…

その指揮を執って貰わないと困りますからね!……ルティナもその様に!…」


「ッ!……畏まりました女王陛下!…」


女王様はリリーの罪を今は不問とすると、決断を後伸ばしにし!…するとこの

女王様の言葉にリリーは戸惑った様子で顔を上げ出し…女王様の方へ恐る恐る

視線を向けると、そこで女王様の慈悲深い笑顔を目撃する!…それはまるで

我が子を見る様な柔らかくも優しい笑顔を向けて居り、リリーもその表情に

ハッと目を見開き驚いて見せ!…そんなリリーを余所に女王様は後伸ばしに

する理由について徐に話し始め!…とにかく今は国の存亡が掛かっている事を

最優先に気にするよう言葉を口にすると、ルティナにもその事を言い聞かせる!…

するとルティナもその女王様の言葉に若干だが驚いた反応を見せるのだが、次には

納得した様子で返事をし!…そんな二人の様子にリリーは困惑!…如何して

こうなった?…と言い出しそうな表情を見せて居ると、アルスはリリーに手を

差し出す!…


__……スッ……


「ッ!……アルス……」


「……まだ終わってません!…」


「ッ!…え?…」


「例え罪を背負って居ようとも!…

貴方は立派なエルヴンナイツの騎士隊長なんです!!…

貴方が投獄でもされない限りは!!…騎士隊長なんです!!!…

私達の指揮を!!…如何か!!!…」


差し出された手にリリーは戸惑い…アルスの方へ視線を向けると声を掛ける…

それこそ今だ困惑した様子でアルスの事を呼ぶのだが、アルスはまだ終わって

無いと!…当然このアルスの一言にリリーは更に戸惑い!…一体如何言う事

なのか?と言った様子で言葉を零すと、アルスは続けてリリーが必要!と口に

する!…その際傅いたままのリリーに対してアルスが頭を下げると、それは

まるで座り込んでいるお姫様をエスコートする様に見え!…思わずそんな風に

見えると女王様もニッコリ!…リリーもアルスにそんな事を言われたので目を

パチパチとさせながら戸惑ってしまうと、遂には思わず笑いが込み上げて

しまう!…


「……ッ~~!!…プッ!!…」


「ッ!?…リ、リリー隊長?…」


「ッ~~~!!!……全く!…

いつになったら私を安心させてくれるのだ?…

思わず呆れて笑ってしまったじゃないか!…」


「ウグッ!!…も、申し訳ありません…」


先程までのシリアスな展開も何処へやら!…突如リリーが噴き出した事でアルスも

戸惑い!…リリーはリリーで笑いを耐えるのに堪え切れず!…同時に呆れた様子で

まだ手の掛かると言った言葉でアルスをツッコむと、そのツッコミにアルスも

ショックを受ける…さてそうこうしている間にもいつの間にか時間が経ったのか、

徐々に夜が明けて行き!…暫くすると場内は何やら慌ただしくなり始め!…誰かが

駆け回る足音に女王様達もその異変?と気が付いた様子で部屋を出ようとする

のだが!…


__…ドタドタドタドタ!!!……ッ!…


「…急に慌しくなりました?…一体何が?…」


__スッ…グッ!…グッ!…


「ッ!…あ、あら?…ドアが開かなく?…」


それはアルスも体験した突然のドアロックである!…女王様は普通にドアノブに

手を掛けて扉を開けようとするのだが、何故か扉は開かず!…その際何度か

女王様はドアノブを捻り!…何度も扉を開けようとするのだが、扉は一向に開く

気配を見せないでいた。この時ドアノブには鍵が掛かっている手応え等は無く、

開かない扉に女王様も困惑し!…するとリリーが事の事態に気が付いた様子で、

傅きながらもハッとして見せ!…徐に女王様へ声を掛け出すと、ある事を話す!…


「ッ!…あぁ!…女王様!…その扉は如何も立て付けが悪く…

開ける際はコツが居るのです!…」


「ッ!…コツ?…」


「はい…ドアを若干持ち上げる様にして押し開けてみて下さい。

そうすれば開くかと…」


__……グッ!…ギギギッ…キイイィィィ!!……ッ!…


リリーは扉の開かない理由について立て付けが悪いと言うと、若干慌てた様子で

開けるコツがあると言い!…それを聞いて女王様はリリーの居る方へ振り返り、

そのコツを尋ねる様に言葉を一つ呟くと、リリーは女王様に扉の開け方を教え

始める!…何でもリリーが言うには歪んで居るらしく、持ち上げないと扉は

開かないと言い!…それを聞いた女王様は早速扉に向き合い実践開始!…非力

ながらも扉を持ち上げ!…体を押し付ける様にしてその扉を開けようとすると、

扉はリリーの言った通りに開き始める!…そして扉が開いた事に全員がホッと

安堵すると、漸くリリーの部屋を後にするのだが!…


{……あれ?…では何故入る時はスッと扉が開くのだ?…

立て付けが悪いのであれば入る時も開かない筈?…}


「……アルス…手を借りるぞ?…」


「ッ!?…は、はい!!…」


__スッ…グググッ!…


当然の如くアルスがある疑問を持ち出す!…その疑問と言うのは先程の

立て付けの話であり、何故入る時は何の抵抗も無く入る事が出来たのか

と思うと、扉を見詰めては不思議に感じていた!…別に特段何か可笑しな

仕掛けがある様には見えないのだが、如何にも疑問を持ってしまい!…

そんな様子を知ってか知らずか、リリーがアルスに手を借りると声を

掛けると、アルスのハッとした様子で返事をする!…そしてリリーは

アルスの手を借りて立ち上がると、徐に大きく伸びをし!…


「……んん~~~!!!……だぁ!…

この慌て様は何か有ったに違いない!…

今すぐ騎士を招集して緊急に備えよ!…」


__ッ!……


「……この国を守るぞ!…」


「ッ!!…は、はい!!!」


一息吐いた所で宮殿内の異常を察知してはアルスに向かって指示を出し!…

その突然の指示にアルスも慌てた様子でリリーに反応すると、リリーは構わず

続けて言葉を口にする!…その時のリリーからは元の騎士のリリーに戻った様な

気が感じられると、アルスもそれにハッと気が付き!…次にはまるで子供が

元気を取り戻した様に笑顔を見せ!…リリーの言葉に対して威勢よく返事を

すると、そんなアルスの様子にリリーは苦笑いをする!…そうして二人は急いで

騎士の制服に着替えると、あの会議室で事の顛末を聞き!…後のフィロネウスの

侵攻戦に参加!…無事マサツグ達の協力を得て勝利を掴み取ると、ホッと

安堵するのであった!…


「……にしても何と言う!…圧倒的力なのだ!!……」


「…こ、これが冒険者!!……一体何をすればあのような化け物に!!…」


「片やオークの族長に幼子とは言えフェンリル!…

それにあのクラウス殿のお弟子様に…我らが皇女様!…

…そして何より驚かされたのは!…」


「「あのフィロネウスを手懐けた人間の冒険者!!…」」×2


「本当に何者なんだ?…あのマサツグと言う人間は?…」


戦いを振り返る様にその戦場跡を見詰め!…改めて出鱈目な四人+アヤを入れて

戸惑うと、リリーとアルスの口からは驚きと困惑の言葉しか出ない!…その際

一人一人の能力?…肩書?…を振り返ると、マサツグだけが異質と!…とにかく

そんなマサツグを捕まえて本当に人間か!?と零し!…他の冒険者達も今だ残党

狩りをしている姿に目を向けると、自分達もまだまだと感じるのであった!…

因みにその後のリリーに対しての処遇は今だ未定で…後に免除されたのか?…

はたまた刑は既に執行されたのかは、本人にしか知り得ないのであった!…尚、

アルデミトフの影武者が行ったと思われる非人道的事柄に対しても徐々に明らかに

なって行き!…遺族関係者らには国から援助!…女王様が真摯に向き合っては

代わりに償いをする言った流れになり!…そしてまたある疑問も一つ!…あの時

マルティスが呼んだアルデミトフの霊魂!…アレは本物だったのか?については

誰も知る由も無いのであった!…

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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

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異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

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俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

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