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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章一節 脱出の経緯とユグドラドの闇とフィロネウスの愛称-

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さて逃げる様にユグドラドを後にしたマサツグ達は馬車に乗って新天地を目指し…

サマーオーシャン大陸の国境を越えようとしていた。その際次に目指す事になった

のは隣の大陸・オータムクラウド大陸!…常に秋ごろの様な気候・風光明媚な場所

として知られており!…そんな大陸を目指して馬車を走らせて居ると、馬車の中

ではある話題が持ち上がっていた!…それはユグドラドから逃げる時に揉めていた

マサツグの引っ掛かる言葉についてであり、アヤに問われたのでマサツグも説明を

するのだが…


__…ガラガラガラガラ……はあああああああああぁぁぁぁぁぁ~~~!!!…


「ッ~~~!!!…そないに叫ばいでも!…」


「これが落ち着いて居られますかって!!!…

じゃあ何!?…最初からあのだったって言う事!?…

だったら私が決意したあの流れは何!?…」


マサツグが説明したあの時の言葉の意味!…因みにあの時の言葉とはダーク

エルフの集落にて、マサツグが「既に話は済ませて有る」と言った事に

ついてであり…その説明を聞かされたアヤはまるで発狂!…馬車の中全体!…

それこそ御者や馬をも驚かせる勢いで叫ぶと、マサツグやシロの鼓膜を

破壊しに掛かっていた!…するとそんなアヤの叫び様にマサツグも堪らず

耳を押さえると、アヤにそこまで叫ばなくても!と文句を言い!…だが

アヤからすれば当然納得が行かないモノであり!…マサツグに対し逆に

詰め寄り怒った様に文句を言うと、マサツグもアヤに詰め寄られた事で

タジタジになる!…


「い、いやぁ~…それに関しても何とも言いようが?…」


「大体話が付いていたのならあんな大掛かりな事しなくても

あそこから出れたって事じゃない!!…何であんな事をしたのよ!!」


「そ、それに関しても女王様のご、ご指示でぇ!…」


「ッ!?…お母様の!?」


マサツグはアヤに対して両手を構えると防御の姿勢!…その際何故かシロも

釣られてマサツグの真似をすると、足を上げてコロンと丸まるのだが…アヤは

構わずマサツグへ更に詰め寄り!…もっと詳しく説明するよう文句を交えつつ

言葉を口にすると、マサツグもそんなアヤに対して戸惑いながらも説明を

続ける!…その際マサツグが次に口にした言葉と言うのは女王様と言う言葉で…

その言葉を聞いてアヤも一旦は落ち着きを見せ!…しかしマサツグに対しての

文句はまだ晴れていない!と言った様子で!…半歩後ろに下がり説明をさせる

よう上からジッと見下ろす様にマサツグへ視線を向けると、マサツグもそんな

アヤの視線に戸惑いつつ更に説明を続ける!…


「ッ!?…へ、へぇ!…

話の発端はロディちゃんにアヤが指名手配されているって話を聞いた時に…」


__三日前ギルドにて……


「……なぁロディちゃん?…今からでも女王様に連絡取れないかな?…」


__ッ!?………ポロン♪…ッ!……ヴウン!!…


[差出人:ロディ  件名Re: Re:Re:Re:Re:話せない理由]


ちょ!?…ま、まさか直談判でもする気!?…]


「いやいやいやいや!……ちょっと説明を貰いたいだけさ?…

なぁんか変な気がしてさぁ?…これって?…」


「ッ!……え?…」


事は遡り三日前!…あのロディを追い詰めアヤが指名手配されている話を聞いた

後の話に戻って来る!…この時マサツグはふと思いついた様子でロディにある

質問をすると、ロディは慌てた様子で反応を見せ!…これまた律義にショート

メールでマサツグへ返事を返し、マサツグもその返事を読んでロディに対して

首を左右に振って見せると、何やら疑問を持った様な表情を見せる!…その際

これは本当に女王様の考え有っての行動なのか?と考えると、変だとロディに

言い!…ロディもロディでそのマサツグの言葉に戸惑って見せ!…

一体如何言う事なのか?と考えて居ると、マサツグは更に続ける!…


「確かにあの女王様はアヤを逃がさない様に色々やってはいたみたいだけど?…

そんな職権乱用までして横暴を働く様な馬鹿には思えねぇんだよな?…」


「ッ!……」


「もしかすると何か裏がある!…

或いは裏で誰かに操作されているのかもって思ってな?…」


「……なるほどね?…確かにそうね?…

私もまた断絶されたらと思ってヒヤヒヤして居たけど…

よくよく考えたら可笑しいわね!!…

あの人がそんな事をする様なタイプではない!…

やるとしても裏がある筈!……って、あっ!…」


マサツグが言うには有り得なくも無いのだが、如何にも違和感を覚えると…

そこまで極端な事はしない筈と考えて居る様で!…ロディもそのマサツグの

話しを聞いてハッとした様子を見せると、次には同じ様に悩み始める!…

その際マサツグも続けて考えられる可能性について話し出すと、ロディも

理解を示した様子で!…ロディとしては関係を護る為にそこまで考えて

居なかった様子で、改めてそう言われて気が付いたと言った様子で言葉を

口にすると、自身が言葉を口にして居る事にも気が付く!…しかし明らかに

押さえるのが遅く感じられ、遂には…


「……ッ~~!!!…えぇ~いまどろっこしい!!!…

もう良いわ分かった!!…腹を割って話しましょう!?…」


「ッ!?……最初からそうすればよかったんじゃ?…」


「……のぅ主らよ?…わっちが既に念話でその女王とやらに

会話を繋げて居ると言ったらどう反応する?…」


ロディも遂に吹っ切れた様子で喋るのを解禁!…徐に席を立ち上りマサツグに

対し仁王立ちで会話をする様に向き合って見せると、マサツグもそんなロディ

に笑って見せるのだが!…マサツグの肩から顔を覗かせているフィロネウスが

何やら術を…それこそ話が有ると言った様子でマサツグ達に念話をして居ると、

それこそ件の女王様に話を繋げていると言い出すと、そのフィロネウスの言葉に

二人は固まる!…


__ビタッ!!……え?…×2


{……申し訳ありません!…お話は聞かせて貰いました!……}


__………ッ!?!?!?


何の悪気も無い様子で話に参加…そして突然のブッパと二人が固まって居ると、

次には自身の頭の中でその女王様の声が聞こえ始める!…その際女王様は

申し訳なさそうに二人に声を掛けると、二人もいつから?と考えては思考停止…

そこから再起動と時間を掛けては徐々に情報を整理し!…それと同時にヤバイ!…

と言った感情も露にすると、次にはフィロネウスに対してツッコミの言葉を

口にする!…


「フィ、フィロネウスちゃあぁ~~ン!?!?」


「くぉらフィロネウスゥゥ!!!…

おんどりゃさっきの話マルッと聞いてなかったんかいワレェ!?…」


「ッ!?…だってだってまどろっこしかったんじゃモン!!…

こういうのは本人に聞くのが一番速いと思ったんじゃモン!!!」


もう吹っ切れた様子から一転二人は途端に慌て出し!…ロディがフィロネウスの

名前を叫ぶと、マサツグはフィロネウスの首根っこを捕まえる!…そして先程の

話を聞いて居なかったのか!と慌てながら激しくツッコミを入れると、フィロ

ネウスは文句を言い!…まどろっこしいと言っては念話を切らず!…ただ駄々っ子

の様に腕を振り回し気を利かせたとばかりに文句を言うと、マサツグは続けて

説教をする!…


「だからって直接ホットラインを繋ぐか!?…

何かしら心の準備と言うモノがあるだろうが!!!…」


ひひゃい、ひひゃい痛い、痛い!!…ほほほひっはふへはい頬を引っ張るでない!!!」


{あ、あの…ベ、別に何か意見があると言う訳では……}


右手でフィロネウスの首根っこを捕まえ、左手でフィロネウスの頬を

引っ張る!…すると以外にも伸びが良いのか漫画の如くフィロネウスの

頬が伸びると、フィロネウスも頬を引っ張られている事で痛がり!…

引っ張られながらも文句を言い出し!…その様子も見えて居るのか

女王様が宥めに掛かると、フィロネウスも話を聞く様に文句を続ける!…


ほやふほほふひっへほふこやつもそう言って居る!!…はふはははひほひへぇまずは話を聞けぇ~!!!」


__……ぱっ…パチンッ!!…ッ~~~!!!……なでなで…


「…はあぁ~!…しゃーない!…

じゃあ単刀直入に聞きます!…指名手配の原因は?」


「……十貴族達による跡継ぎ問題の解決…でしょうか?…」


__ッ!?……


女王様の話を聞いてマサツグも一時は頬を引っ張ったまま考えるのだが、

聞き入れた様子でスッと手を離し…するとフィロネウスの頬はまるで

某・ゴム人間の様に!…パチンッ!と戻って赤く若干腫れた様になると、

フィロネウスは痛かったのか自身の頬を撫で始める…そうしてフィロ

ネウスに対しての折檻もそこそこに、マサツグも開き直ると単刀直入に

女王様へ質問をし!…すると頭の中から聞こえて来る女王様の声も

真剣みを増し!…簡単にだけ言葉を口にすると、当然その言葉にマサツグと

ロディが興味を示す!…


「ちょ!…ちょっと待って下さい女王様!?…

な、何か退座される予定でも!?…」


{いえ全く!…

恐らくは十貴族達による今後の悩みの種を摘みに掛かったのでしょうが…

…その裏は色々と!…何分今だ覇権を握ろうと躍起になって居る輩も居ますので…

お恥ずかしくも残念ながら一枚岩では…}


「……申し訳ないですけど…邪魔者の排除?…」


{……単純に言うとそうなります…

勿論全員が全員と言う訳では無いのですが……ニ・三名ほど…

私の身を案じ提案に乗った者も居るので…無下にも出来ず…

気が付くといつの間にかこうなって居ました!…

……私の力が及ばず!…ご心配をお掛けしております!…}


当然の様にその言葉にロディが不安を覚え始め!…まさか!…と言った具合に

女王様へ質問をすると、女王様はハッキリとその気は無い!と返事をする!…

その際こうなった原因についても話し出すと、如何やら今回の件には十貴族が

絡んで居るらしく!…更に細かく言うと如何やら良からぬ事を考えて居る者が

数名おり!…女王様としても反論はした様なのだが!…如何やら事は上手くは

運ばなかった様子で申し訳なさそうに言葉を続ける!…そしてその話を聞いて

マサツグも考える様に腕を組むと、言葉は悪いのだが質問をし!…その質問に

対して女王様は肯定!…この時全員が全員で無いと一部を庇う様な言葉も

一緒に口にすると、再度マサツグ達に謝り始める!…そうしてそこまでの話を

聞いてロディも再度悩み出す様な姿勢を見せると、女王様は言葉を続け!…


{……現段階でまだ過去の大戦を引っ張る者…

言い方が少々悪いですが毒抜きが済んでおらず…

私達としても苦労をしているところなのです…

…もし本当に娘に戴冠をさせる時が来た時!…

私としても出来るだけ障害は排除してから譲りたい所なのですが!…}


「……うぅ~ん!…さすがに証拠をでっち上げてそいつを消す!…

とかは出来ない物ねぇ~?…やったらやったで信用に関わって来るし!…」


「……今サラッとトンデモナイ事を言ったな?…」


女王様が言うには過去の大戦を引き摺る者が居るらしく!…そいつらが企てた

厄介事と!…女王様としてもそいつは目の上のたん瘤でしか無く!…合法的に

処罰できないと零すと、アヤが戴冠する時の事を話し出す!…そこには言葉の

節々に物騒さは感じられるものの、母親としての愛情が感じられ!…ロディも

ロディで事情が分かった所でその話に親身になり!…思わず暴挙を働きそうな

事を口にすると、マサツグがその言葉にツッコミを入れる!…さて現時点で

その指名手配!…及び十貴族を如何にかする事は出来ないと考えると、三人は

悩み!…ただ一人だけは暇!…と言った様子で欠伸をしており、何の気なしに

マサツグ達へ呆れの言葉を呟くと、その言葉にマサツグが閃く!…


「……くわあぁ~~~!!……あぁ!!…あぁ~、下らん!…

だったらさっさと秘密裏にその馬鹿共を始末すればよいだけの話では無いか!…

何をそんなに悩む必要がある?…或いは…」


「ッ!…?……ッ!!…そうかその手があった!…」


「ッ!?…きゅ、急に如何したの!?…」


やはりそこは魔王様!…障害は排除の意味を抹殺と教える様に言葉を口にすると、

更にはアヤの身を案じるのであれば余所へやれ!と!…本人の意向など全く気に

せず!…その時限りの回避方法について話し出すと、マサツグはその余所にやる!

と言う言葉で引っ掛かりを覚える!…そして少し悩んだ様子で俯き出すと、次には

閃いたと顔を明るくし!…当然突如そんな反応を見せた事でロディは戸惑い!…

閃いたマサツグに対して何があったのか?を尋ねると、マサツグは徐に女王様へ

確認を取り出す!…


「……女王様?…因みに何ですがぁ?…

娘さんの冒険者としての活動に関しては如何思われているのですか?…」


{ッ!…え?…}


「一応娘さんの窮地だけでも救う方法が一つ!…

何ならオマケで+αも付きますが?…」


{ア、アヤの冒険者としての活動?……ッ…}


マサツグが確認を取り出した事!…それはアヤの冒険者としての活動であった。

当然突如そんな事を問われたので女王様が戸惑うと、話を聞いていたロディも

不思議そうに首を傾げ…何ならマサツグの首元に居るフィロネウスも何を思い

付いたのか!?と興味を持った様な反応を見せ!…マサツグは続けて女王様に

アヤだけでも難を逃れる方法がある事を口にすると、更に特典も付く様な事を

付け加える!…そして改めてアヤの冒険者としての活動について問われると、

女王様は悩み!…親としても王族としても思う所が有るのか、何やら一呼吸を

入れるよな空気の漏れを口にすると、自身の思って居る事を正直に言う!…


{……確かに親としても…

そして王家の者としてもアヤの行動は些か不安しかありません!…

…ですがそれでもあの子が自分で選んだ道!…

なるべく否定する様な事はしたくないのですが…}


「ッ!…じゃあ、連れ出しても良いって事ですか?」


{っ!?…え?…}


「ッ!?…ちょ!?…マ、マサツグちゃん!?…」


女王様としてもやはりアヤの事が心配の様で、出来れば自分の元に留まる事を

願うよう言葉を口にするのだが…それでもアヤの意思を尊重するよう言葉も

続けて口にし!…その女王様の話を聞いた所でマサツグも変な解釈の仕方を

すると、女王様を更に戸惑わせる!…そしてこれまたロディも当然の様に話を

聞いて戸惑い出すと、慌ててマサツグに手を伸ばし言葉を選ぶよう身振り

手振り!…しかしマサツグはロディの事など御構い無し!…先程の話が如何

言う事なのかを続けると、こう簡単に説明をする!…


「いや何!…アヤを面と向かって家出させればいいんです!…」


{っ!?……}


「ッ!?…ちょ!?…ま、待って待って!!…

話が全然見えないんだけど!?…」


マサツグは依然として名案閃いたと言った表情を浮かべて居り!…次に女王様へ

トンデモ説明をすると、やはり当然の如く女王様を更に混乱ワールドへと導く!…

そしてロディも言う事を聞かないマサツグに対して更に慌てると、ちゃんと説明を

する様に求め!…そのロディの指摘を受けてマサツグも漸くハッと目を見開き!…

改めて詳しい説明をして居ない事に気が付くと、その細かい理由!…アヤを家出

させる理由を話し出す!…


「ッ!…え?…あっ…あぁ~!!…そうだったそうだった!…

何ならちゃんと説明をしてなかったっけ?…えぇ~っとだな?…

つまりはだ!…アヤを連れて俺が別の大陸に移動すれば事は

収まるんじゃないかと考えた訳だ!…その際女王様と喧嘩をして家出!…

ちゃんと表立った理由を作って!…その後の事はさすがに女王様次第

になるけど…それでも別の土地に逃げられたらさすがにその十貴族達も

追い駆けて来る事は出来ないだろ?…

なんせ軍隊を引き連れて別の領地に入れば当然いざこざが起きるんだから!…」


「……は?…」


「だぁ~かぁ~ら!!!…だよ!!

…まぁその際色々と人材が必要となって来るけど!…

それでもアヤを無事に逃がす事は出来るし!…

何なら突発だから対策も立てられない!…

オマケにその時にアヤの本心も聞けると思うし!…

一石二鳥って奴じゃねぇか?…」


__ッ!?!?……


マサツグが思い付いた真の思惑!…それは十貴族を騙して逃亡すると言う事で

あり、自らゲリライベントを起こしては相手を混乱させると言う手であった!…

その際自分達は別の大陸に渡る事で治外法権を行使し、追手を振り切り!…

女王様の不安の種であるアヤだけでも逃がせると更に説明!…その話を聞いて

ロディが今だ付いて行けて居ない様子で言葉を漏らすと、マサツグは更に続ける!…

この時呆れた具合に言葉を零すと、結果として何をするかを説明し!…この時

同時に人手が欲しいと付け添え始め!…それでもメリットは有る!と女王様や

ロディに説明をすると、二人はその説明を受けて漸くハッと驚いて見せる!…

一国を相手に嘘を吐く算段を考え、更にはその嘘に女王様を巻き込み!…普通では

当然考えられない大嘘に!…ロディは呆然、女王様も絶句!…フィロネウスは話を

聞いてケラケラと笑って見せて居り!…マサツグもその戸惑って居る二人に返事を

求めるよう黙って居ると、暫くして女王様が我に返る!…


{……ッ!!…ンン!!…た、確かに効果はありそうですが…

その嘘を吐くに当たってどの様にあの子へ接すれば良いのでしょうか?…

幾ら指名手配されているとは言え娘……辛く当たる訳には…}


「ッ!…あぁ~…いつも通りで良いんじゃないですか?…」


{っ!…い、いつも通り!?…}


「えぇ!…捕まえて折檻するノリで…

俺もきちんと向き合え!って言って連れて来るので、

女王様らしく振舞って下さい!…

…決して威厳を見せようとか、怪しい素振りは見せない様に!…

ただこっちは険悪になると思いますが…」


__………


「…ってな具合にこれが今回の話の内容!……どした?」


ハッ!と我に返ったのか念話の向こうで女王様が咳払い!…そしてやってみる

価値は有ると思ったのかアヤに対しての接し方について尋ね出すと、マサツグは

簡単に返事をする!…その際マサツグが言った言葉と言うのはいつも通り!…

そのマサツグの言葉に女王様はまた困惑し始め!…一体如何言う事か?を尋ねる

様に声を掛けると、マサツグは普段の女王様らしくと返事をする!…この時

ヘンに演技をしない様に注意をすると、こっちの状態についての予測を立て!…

それ以降はロディも困惑しつつも協力に乗っかり!…現にこうして逃亡に成功した

訳とマサツグが改めてアヤに説明をすると、アヤはやはり不服の様子でマサツグに

突っ掛かる!…


__今現在・馬車の中…


「ッ~~~~!!!…ま、益々気に喰わないわ!!!

まるで私がピエロみたいじゃない!!!」


「えぇ~!!…ピエロは何方かと言うと俺の様な気がするけどぉ~?」


幾ら緊急事態だったとはいえ自分がまるで踊らされて居た様で!…思いっきり

不服!とばかりにマサツグへ再度詰め寄ると、ガードの姿勢を見せるマサツグに

対して猛抗議する!…その際自分の事をピエロと言って馬鹿らしく思った様子で

言葉を口にすると、マサツグがその言葉に対して文句を言い!…自分の方が

道化だった!謎の張り合いを見せ始め!…そのマサツグの反論に対しアヤが

不機嫌な様子で一刀両断すると、今度はその文句の行き先を女王様に向ける!…


「だまらっしゃい!!!…何よそれぇ!!…

お母様もお母様よ!!!…何で相談の一つも!!!…」


「……逃げてたからだろ?」


「ウグッ!?……」


その時のアヤの様子はまるで思春期のJKの様で、元の自身の席に戻ると腕を

組み出し!…今だ怒りが治まらない様子で独り言をブツクサ!…たまたま

そのアヤの文句がマサツグの耳に届くと、マサツグもすかさずアヤにツッコミを

入れ始める!…この時呆れた様子でマサツグからツッコミを受けると、図星を

刺された様に言葉に詰まり!…それ以降はアヤも徐々に落ち着きを取り戻し!…

あとは馬車の旅を楽しむだけと言った雰囲気になり出すのだが、ここでまたある

問題が出て来る!…


__ガラガラガラガラ……ガラガラガラガラ……ポケェ~~…


「……ッ…。」


__……チラッ?…チラッ?……


「………。」


マサツグ達が直面した!…と言っても全然何の問題も無いのだが、先程から

フィロネウスの様子が可笑しく!…何処か遠い目をしてはまるで老いた年寄り

のよう黄昏れていた。それこそよく暇になって来るとマサツグに絡んで来る

のだが、今は物凄く大人しく!…だがその大人しさはマサツグ達からすれば

逆に不気味さを覚えるモノで!…シロもマサツグにくっ付いてはチラチラ!…

アヤも何か変と言った様子でフィロネウスを凝視して居ると、遂にはマサツグが

声を掛け出す!…


「………あぁ~…フィロ?…

さっきから何をそんなに枯れてるんだ?…」


「……なんじゃぁ?…わっちに声を掛けてぇ?…

お主の言うおばあちゃんに何の様じゃあ~?…」


「ッ!?…きゅ、急に老け込んで!……って、ん?…

おばあちゃん?…一体何の話だ?…」


恐る恐るマサツグが訳を尋ねつつ声を掛けると、フィロネウスは耳をピクっと

反応させ!…その後はゆっくりとマサツグの居る方へと振り向き始め、今にも

消えてしまいそうな…何なら若干不機嫌そうにも聞こえる声で返事をすると、

そのフィロネウスの変わり様にマサツグ達は戸惑う!…その際フィロネウスが

おばあちゃん呼ばわりされた事で不服そうに言葉を口にすると、マサツグは

その言葉に疑問を持ち!…フィロネウスに対して首を傾げて見せ!…そんな

マサツグの様子にフィロネウスも沸々と怒りを沸き立てさせるよう毛を逆立て

始めると、次には復活した様子で身を震わせ怒りを爆発させる!…


__カチンッ!!…プルプルプルプル!!…


「ッ~~~!!!…元はと言えばマサツグが悪いのじゃ!!!

ちょぉ~っと声に出して席に座った程度で老いぼれ等!!!…

幾らマサツグとて許せんのじゃ!!!…それに何じゃフィロとは!!!…

わっちの名前はフィロネウス!!!………ふぃろ?」


フィロネウスとしては老いぼれ扱いをされた事に対して怒って居るらしく、

その原因はマサツグに有ると!…だがマサツグにはそのフィロの事を

老いぼれ扱いした記憶など何処にもなく、一体何の話!?…と言った様子で

話を聞いて居ると、更にフィロネウスは文句を続ける!…その際自身の

名前を単略化された事に対しても怒って見せるのだが、次にはシュンと

鎮火し…暫く沈黙したのち確認をする様にフィロ?と…まるで気の抜けた

様子で突如落ち着いた事にマサツグ達も戸惑った反応を見せ始めると、

マサツグはその問い掛けに対して返事をする!…


「そ、そうだな?…フィロだな?…

…毎回フィロネウスって呼ぶのも他人行儀だし…長いし…

何より仲間な訳なんだし、フレンドリーにって…

…駄目だったか?…」


「ッ!…!…ふ、ふん!!…好きにすると良いのじゃ!!!…

……フィロ…フィロかぁ!……ッ~~♪」


マサツグは戸惑いながらも先程そう呼んだ事を口にすると、仲間だからと言い!…

勿論その他にも理由は有るのだが、一番の理由として仲間だからとフィロに返事を

すると、フィロは途端に機嫌を直した様子で落ち着きを見せる!…その際普通に

引き下がるのはフィロ的には違うらしく、マサツグにツンデレを見せては背を向け

始め!…しかしマサツグに愛称で呼ばれた事はしっかりと嬉しいのか、フィロは

尻尾に出て喜びを露わにしており!…一人ボソボソと嬉々とした様子で何かを呟き

出すと、その様子にマサツグ達はますます混乱するのであった!…さてここまで

来るのにアヤに詰め寄られたり、フィロに怒鳴られたり!…マサツグとしては

踏んだり蹴ったりで!…それでも何とか一息吐ける位に落ち着きを取り戻し!…

ふとフィロのステータスが気になったのかそのステータス画面を開き出すと、

思わずマサツグは噴出してしまう!…何故なら!…


{……ッ!…

そう言えばフィロのステータス今だ確認して無かったっけ?…

……どれ?…}


__……ヴウン!…ッ!?…ブホォ!?……ッ!?…


 ----------------------------------------------------------------------

「フィロネウス」

「マサツグのお嫁さん♥(自称)」

 Lv.40    「妖魔王」

 HP 3950          TP 750          装備 

 ATK 375    DEF 395+180      武器 素手 

 INT 395+80  RES 430+200          頭装 宝来の球簪
                     
 AGI 400       LUK 150       体装 春花彩る襦袢   

                    足装 花魁のこっぽり下駄

 MS [舞踏剣術Lv.7]  [炎魔術Lv.8]    装飾 思い出の首飾り

 SS [感知Lv.7]    [炎魔術のコツLv.8]     

      [千里眼Lv.7]  [魔王の毒気]                

        [妖狐の色香]  [舞踊回避術皆伝]         

        [白面金毛九尾]  [妖力羽衣の心得]

    [念話]

 EX [魔王覚醒]  [鉄血の意思]

                    

   [術技]

    狐火        TP 10   狐火連弾   TP 15   安寧の誘い   TP 20

  蠱惑の眼差し    TP 20   炎弾・鳳仙花   TP 25   炎刃・枝垂桜  TP 30

    炎撃・曼殊沙華 TP 45   炎波・雛罌粟 TP 35   炎雨・紫陽花  TP 40 

    炎舞・桜火戦乱 TP 60   炎突・胡蝶蘭 TP 75   炎断・紅椿   TP 60
  
  炎爆・牡丹   TP 55 炎星・天照    TP 80 

 -----------------------------------------------------------------------

{こ、ここでも名乗ってるのかよ!…}


「ご、ご主人様!?…」


「きゅ、急に如何したのよ!……」


マサツグがフィロのステータス画面を開くとそこには嫁の文字が!…何なら

ご丁寧にカッコで自称と書かれて有り、その他にも多少弱くなったとは言え

魔王らしい大技の数々を目にすると、戸惑ってしまう!…そしてマサツグが

突如噴き出した事でシロやアヤも驚き戸惑い、慌ててマサツグの心配をし

始め!…マサツグもそんな二人に対して大丈夫と返事をし!…改めて豪い者を

仲間にした!…と思うと、そっと画面を閉じるのであった!…

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