どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章九十五節 色々な誤解と港町と新たな旅路へ!- 第一章終話

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ギルド内がシロのトンデモ発言でどよめき!…一気に注目を浴び始めると

冒険者プレイヤー達が初めてシロを見ると言った様子で困惑の表情を見せる!…

ペットを連れて居る者は数居るのだが誰もが人型は見た事が無いと言った

様子で驚き、リンはリンでシロの言葉に驚いた表情でマサツグを見詰めて

戸惑って居た。そしてマサツグもシロのまさかの発言に驚き戸惑い…

開いた口が塞がらないと言った様子で青ざめその場で硬直して居ると、

カウンターの奥からクラリスが姿を現しては様子を見に来ていた。


「……ちょっとリン~?…一体何が起きたって…あら?…

マサツグさん!…こんにちは!…っと、この子は?…」


クラリスがカウンターから姿を現すと急に静かになった事に疑問を持ったのか、

リンに原因を尋ねるよう声を掛け出すのだが出て来て早々マサツグが

カウンターの前に立っている事に気が付くと、気さくに挨拶をし始める。

この時クラリスも久しぶりと一瞬悩んだ様子を見せたがとにかく挨拶!と

言った様子で言葉にし、マサツグの前に立って話をしようとする際マサツグの

足元で尻尾を振りこちらを見上げるシロの姿を見つけると、クラリスは

シロの方に視線を向けては誰なのかをマサツグに尋ね出す。そしてその

問いかけにシロが耳をピクっと反応させてクラリスに笑みを浮かべて見せ、

またもやいつもの調子で自己紹介をし始める。


「シロです!!!

ご主人様のペットで…」


「ッ!?…どわあああぁぁぁ!!!」


__ガッシ!!!…ッ!?…


シロが自身の名前を名乗っては笑顔で手を上げ尻尾を振り!…最後にアムネスの

入れ知恵を言葉にしようとするとマサツグがハッと意識を取り戻した様子で

慌てて止めに入る!…シロに襲い掛かるよう覆い被さっては運良く最後の部分を

聞かれずに口を抑え、その際奇声を上げて襲い掛かった事にクラリスが驚いた

反応を見せて居るとマサツグの挙動を見ていたギルド内の冒険者プレイヤー達が

不審に思い…人攫いなのでは?…とシステム的に無理な発想を思い浮かべては

白い視線をマサツグに向けていた!…


__ジィ~~……


{ッ!?…視線がめっちゃ刺さる!!…

それもこれもあの王妃様がシロに余計な事を教えたからだ!!…

ちくしょう!!…}


「え、えぇ~と…とにかく…んん!…今回のご用件は?…

見た所依頼を受けに来たと言う訳では無さそうですが?…」


「ッ!?…あ、あぁ!…そうなんだ!…実は…」


周りからの白い視線にマサツグが困惑しながらもシロの口を抑えては心の中で

アムネスの入れ知恵に文句を言う!…生まれたばかりのシロは何であろうと

興味を持ち言葉にする!…それが災いとなって今に至るとマサツグが嘆いて

居ると、クラリスはマサツグの気持ちを汲んだのかシロからそれ以上の事は

聞かず…困惑した様子で咳払いをしてはマサツグへ今回の要件について尋ね出し、

マサツグもそのクラリスの大人の対応に助けられる形で答え出すと今までの

話の流れを説明しつつ自身の目的を話し出す。


「………ってな訳で…そろそろ他の大陸にも行ってみたいな!って…

それでサマーオーシャン連合国に行こうと思うんだけど…」


「あぁ!…なるほど!…だとすればここからだと…」


「ッ!?…マサツグさんこの大陸から出て行っちゃうんですか!?…」


__ッ!?…バッ!……ッ!…バッ!…


「うおぉ!?…ビックリした!!」


シロが落ち着いた所で口を放し…クラリスにもある程度説明をしては別の大陸に

行きたいとマサツグが相談するとクラリスは納得した様子で頷き、いざその

サマーオ-シャン大陸への行き方について説明しようとすると、リンがハッ!と

意識を取り戻して、ちゃんと話を聞いていたのかショックを受けた様子で突如

マサツグに話し掛ける!…リンが突然飛び起きた事にマサツグが驚き後ろに

仰け反って居ると、何故かシロも同じ様にマサツグの真似をし…二人揃って

同じ様な格好をして居るとリンはカウンターを超える勢いでマサツグに迫っては

思い止まらせるよう説得をし始める!…


「マサツグさんがこの大陸から出て行っちゃったら!…

誰が先輩を止めるって言うんですか!?

マサツグさんが居ないと私!…私いつか先輩に絞め殺され!…」


「それはリンがちゃんと規則を守って!…

ちゃんと仕事をしていないから痛い目を見るんでしょうが!!!」


__ゴインッ!!…ッ!!…ッ~~~~~!!!…


「ッツッツッツ!……で、では!案内しますね?…」


「お、おう…」


リンはカウンター越しにマサツグの手を握ると若干恐怖に引き攣った表情を見せ、

クラリスを止めれるのはマサツグだけしかいない!…とヒロインさながらの

訴え様を披露し始めるのだがそれを見たクラリスが良しとする筈も無く!…

リンの勤務態度に問題が有ると逆に文句を言って怒った様子で遠慮無しの

拳骨を一発!…リンの頭部に向かい喰らわせるとリンはその場で頭を抱えて

悶え出す。そして殴った方も痛かったのか殴った手をプルプルと振って見せては

若干表情を引き攣らせ、その様子にマサツグが相変わらずと苦笑いをして居ると、

クラリスが寂しいと言いながら改めて案内をし始める。


「……でも寂しいですね?…リンみたいにとは言いませんが…

…あっ!…すいません!…では航路の説明をしますね?

ここから馬車で約二日…この大陸唯一の港町ラズベルズ移動して貰いまして、

そこから海路!…つまり船に乗って貰って約三日間の船旅を楽しんで貰って

サマーオーシャン大陸です!!」


「……え?…それだけ?」


「それだけです!」


クラリスもマサツグとの別れを惜しむ様な事を言い出すが、直ぐに話しが

脱線したと言った様子で謝り出し、サマーオーシャン連合国への航路を

説明し始めるとその説明が簡単な事にマサツグが戸惑い出す。旅にして約五日!…

しかしその旅路も交通の便が行き届いている様子で馬車に船と楽し放題!…

有り難い事なのだがこれって如何なんだろう?…と冒険者として思わず

色々考えて居ると、クラリスに再度航路について質問し…その質問に

クラリスが笑顔で返事をして居ると、馬車の手配をしているのか馬車手配の

用紙を書き出す。そしてその書き終えた用紙が光となって消えるとマサツグに

次の説明を始める。


「……よし!…馬車の手配も済みましたが……

如何します?…直ぐに出発しますか?…」


「え?…あっ…あぁ…そうだな…じゃあお願いしようかな?」


「分かりました!…では!…ほらリン!…いつまでそこでサボってるの!?

早くマサツグさんを馬車乗り場に案内しなさい!」


「ッ~~!……ひ、酷いですよ!…せんぱぁ~い…」


恐らく馬車はギルドの方で用意するのだろう…クラリスがマサツグへ直ぐに

出発するかどうかの質問をすると、マサツグがその質問に若干戸惑った様子で

返事をしてはお願いする。これでスプリングフィールドともお別れか…

そんな事を考えつつマサツグがクラリスの次の案内を待って居ると、クラリスは

笑顔でマサツグに返事をするなり、頭を抱えているリンを手荒に起こし始める。

肩か背中を叩いて起こすと起こされたリンは片手で頭を押さえながら起き出し、

クラリスに涙を浮かべて軽い文句を口にすると、外で用意されているであろう

馬車へとマサツグ達を案内し始める。


__ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!……ッ!…タッタッタッタッ…


「…ッ~~……あっ!…これです!…港町ラズベルズ行!…

これに乗って貰えば後はそのまま!…」


__ガチャッ!…ギイィィ!!…


「ん…そうか、ありがとな!」


「ありがとうございます!!!」


ギルドの外に出てギルドの馬車乗り場の方に移動すると、そこにはクラリスが

手配したであろう馬車が一台…リンがその馬車に乗っている御者の方へと

駆け出して軽く話し出し、確認を終えた所でマサツグ達を案内すると馬車の

扉を開けて中へと先導しする。その扉を開けて貰った事にマサツグとシロが

お礼を言って馬車の乗り込むと、後はリンが御者に対して合図を出せばそれで

仕事は終わりなのだが…リンは最後に何か言わないといけないと思ったのか

ある事を口にすると同時に御者へ合図を出す。


「……本当は行って欲しく無いんですが…冒険者ですもんね?…

仕方が有りません!!……

……ッ!!…もし向こうで私の妹に有ったら宜しく言っておいて下さぁ~い!…

それでは良い旅をぉぉぉ~~~!!!」


__パァン!…ヒヒィィン!!…ガラガラガラガラ!!…


「え!?…ちょっと待って!?…何か言ったぁぁ~~~~!?…」


リンは最後の最後までマサツグに行って欲しく無い的な事を言うのだが、

ちゃんと受付嬢の仕事として覚悟を決めると御者に手を振って合図を送る!…

その際馬車の中に居るマサツグ達はリンの叫ぶ声に苦笑いしては若干呆れた

様子で苦笑いしており、最期にリンの口から出て来た突然の気になる言葉に

驚いた様子を見せると、慌てて窓を開けては如何言う事かと尋ねる!…

この時馬車の中に居たせいかハッキリと聞こえていなかった様子も見せる

のだが、リンはただ無心にマサツグとシロの乗る馬車に対して全力で手を

振って、全然マサツグの叫び声が耳に入って居る様子は見せないで居た。


「良い旅をぉぉ~~~~~~!!!!…」


「バイバァ~イ!!…です!!!」


「……駄目だ全然聞こえてない!…まぁ然程重要そうでは無かったが?…」


__ガラガラガラガラ!!…


…結局分からず仕舞いのままギルドから遠ざかり…シロは後ろの方で手を振って

くれているリンに対して窓から顔を出して手を振り返す。そして態々馬車を

止める程の事でも無いだろうとマサツグが気になりつつも自己解決すると、

馬車はそのまま王都の玄関…そして大惨事大戦が有った大平原の方へと出て行く。

大平原の方では今日も今日とて数週間前のマサツグと同じ様に…レベル上げに

勤しむ駆け出し冒険者達がウサギやイノシシを追い掛け回し、そんな光景を

懐かしいと思いつつ…他に席が空いているにも関わらずシロがマサツグに膝の上に

乗っかって一緒になり窓の外の風景を眺めて居たが、ここでハッ!とマサツグが

ある事を思い出す。


「……ッ!…そうだ!…シロ?…」


「ッ!…はいです!」


「今度から自己紹介をする度にご奉仕を頑張るとか言わなくて良いからな?…」


「……ッ?…どうしてですか?…シロはご主人様に?…」


マサツグが徐にシロを呼ぶとシロはマサツグの方に振り返って笑顔で返事をし、

耳をピコピコと動かしてはマサツグの目を見詰めて居ると、マサツグがシロの

自己紹介について訂正をする様にある事を注意する。それはアムネスの入れ知恵で

自己紹介の度に「ご奉仕」と話す事であり、それを言われる度にマサツグは

在らぬ誤解を受けては周りから突き刺さる様な視線を浴びては辛い!…と言った

感情に襲われ、今の内に修正しておかないと今度からシロが自己紹介をする度に

精神的にダメージを負う!…と思ったからであった。そしてその事をそれと無く

シロに話しては何とか修正しようと企てるが、シロは逆に問い掛ける様に

疑問を持ち…そのシロの白さに心を締め付けられながらもマサツグはシロの両肩を

勢い良く掴むと、主従が逆転した様にお願いをし出す!…


__ガッ!…


「やめて!?…本当にやめて!?……色々と視線が辛いの!!…

シロはただ一緒に居てくれるだけで良いから!?…ね!?…ご奉仕要らない!!…

ご奉仕されたらご主人様死んじゃうから!?…」


「ッ!?……は、はいです!…」


マサツグが必死かつ情けない表情でシロに迫ってはその表情にシロが驚いた

表情を見せ、その間マサツグはシロに頭を下げてお願いをし続けると

その様子にシロは困惑する!…ただ教えて貰った事を実践しただけで

この様な事になるとは!?…そんな驚きをシロは覚えつつこの出来事を

きっかけに、無暗に教えて貰った事を試さない様にしよう!…と

マサツグのお願いを聞いた様子で返事をしては静かに心の中で誓い!…

当然その出来事に対して外に声が漏れて御者も気付いた様子を見せ、

中の様子を気にした感じで手綱を握っては何度も中を確認するよう

チラ見をする。そんな御者の挙動不審な様子にも戸惑いつつ…色々と

幻滅されそうなものなのだがシロは素直で良い子なのか、マサツグを

慕って大人しく馬車に揺られ続け…そうして何事も無いまま二日の

馬車の旅が突如として終わりを告げると、窓の外から第一の目的地である港町…

ラズベルズが徐々に見えて来るのであった!…


__ガラガラガラガラ!!…


「ッ!…ご主人様!!…町が見えてきました!!

何も無い原っぱじゃ無いのです!!」


「ッ!…もう直ぐ到着か!…じゃあ降りる準備をするぞ?」


「はいです!!!」


徐々に近づいて来る港町にシロは馬車の旅が退屈だったと言った様子で

興味を持ち、マサツグもシロの言葉を聞いて徐に馬車の窓から町の様子を

確認すると、さすが港町!…当然の事ながら目の前には海が広がっていた!

もう直ぐ新しい場所に辿り着く!…そんな好奇心にマサツグは駆られる

のだが同時にこの大陸とのお別れを意味し、物悲しさを覚えつつシロに

降りる準備を指示するよう声を掛けると、シロはそのマサツグの指示に

元気良く返事をしては今か今かと言った様子でウズウズし出す!そして!…


__ガラガラガラガラ!!………ヒヒィィン!!


「…ふぅ!…旦那方!!…着きやしたぜぇ!!

ここが!…港町ラズベルズでさぁ!!!」


__ガチャッ!!…バッ!!!…スタッ!…


「着いたで~~す!!!!」


マサツグ達の乗る馬車が港町ラズベルズの玄関を潜ると、そこは今までの

農村や王都とは違った雰囲気を見せる港町独特の街造りに変わって、

馬車の中に居ても分かる位にほのかな潮の香りがして来る!…その香りに

シロが興味を持った様子で尻尾をブンブン振っては馬車の窓を見詰め!…

馬車が漸く停留所に止まり御者が町に着いた事を報告すると、シロが馬車の

扉を開けては勢い良く飛び出して行く!地面に足を着けるなり両手を

天に向かって挙げては伸びをする様に体を動かし!…シロが喜ぶ様子を見て

マサツグが微笑ましく思いながら馬車を後にし始めると、ふと港の方に目を

向けて漁をする為の小船や大きな客船が泊まっているのを見つける。


__ギッ!…ギッ!…ギッ!…ギッ!…


「…ッ!…おぉ!…当たり前だけどさすが港町!!…船が泊まってる!!…

それにアレは?…市場か?…色々置いて有るのが見えるが?…かなり賑わって…」


今からあそこに泊っている船の内どれかに乗るのか!…と思うとマサツグは

年甲斐も無く興奮し、ただその場に立ち尽くして町の光景を眺めて居ると

港の近くで市場の様な場所を見つけ、その市場で売られている海産物や食べ物に

興味を持つ!…普通に見た事の無い魚や貝・甲殻類が置かれてはその他にも

異国からの野菜や果物が露店で売られており、ワイワイと賑わうその市場を

眺めつつ潮風を全身に浴びて呆けた様に立ち尽くして居ると、シロはマサツグの

手を取るなり引っ張っては急かし始める。


__ガッ!…グイグイ!…グイグイ!…


「ご主人様!!…早く!!…早く!!…」


「ッ!…あっ!…あぁ!…そうだな!…」


  ------------------------------------------------------------------------

           「南西の港町・ラズベルズ」

  スプリングフィールド大陸の南西に位置する唯一の港町。

  港町と言うだけあって豊富な種類の魚がリーズナブルに手に入ると

  あって料理人達に人気の町で、クランベルズでも手に入らない

  食材等も広く取り扱われている市場がこの町の観光名所となっている。

  そして港は各大陸に向かう為の客船が行き交っては一大ターミナルと

  なっており、冒険者達はこの町に辿り着いたら一人前と言われる程、

  重要な拠点となっている。今でも名のある冒険者が立ち寄るとあって

  異様な賑わいを見せ、有名人が来ようものならお祭り騒ぎに発展する!

  そんな賑やかさも兼ね備えており、その際クランベルズにも船を泊める

  事が出来る港が有るのだがあちらは主に商人達が商品を仕入れる・輸出

  する為に作った港で関係者以外の立ち入りを固く禁じており、一般に

  向けての客船等は入港を許さない…

  余程の事が無い限りは解放されない様になっている。
  ------------------------------------------------------------------------

シロが好奇心でキラキラの目をして笑顔でマサツグを見詰め、マサツグも

引っ張られる事でハッ!と意識を取り戻す様な反応を見せると、シロに

引っ張られるまま返事をして市場の方へと歩き出す。その際マサツグの

目の前にいつもの様に町の紹介文が表示され、シロに手を引かれながら

黙読し何が有るのかを確認して居ると、シロは市場では無く真っ直ぐに

港の方へ歩き出す。その際チラッと市場の方を見詰めて気になる様子で

凝視するのだが、首を左右に振って抗った反応を見せ…その様子に

マサツグが気付き後で市場に寄ってやろうと考えて居ると、マサツグ達は

港のチケット売り場へと辿り着いていた。


「ッ!…ようこそラズベルズへ!!…行き先は?」


「あっ!…えぇ~っと…サマーオーシャン大陸行きで…

大人と子供一枚づつ。」


「畏まりました!…では料金は大人一枚2000Gと子供一枚1000Gで…

3000Gとなります!」


__スッ!…ガサガサッ!……スッ…


チケット売り場のカウンターへ向かうとそこには水兵の格好をした従業員が

立っており、慣れた様子で挨拶をしてはマサツグ達に行先について尋ねて

始めると、その問い掛けにマサツグは若干戸惑いながらも答える。

サマーオーシャン行き大人と子供を一枚づつ!…と料金表を指差しながら答え、

その様子を従業員も確認しながら返事をすると料金を請求する。その要求に

マサツグは懐から財布を取り出すと料金を丁度で支払い、従業員もちゃんと

確認した様子で料金を受け取り待つ様に声を掛けると、マサツグとシロの

チケットを用意し始める。


「…ッ!…確かに丁度お受け取りいたしました!

…少々お待ちください?…」


__ガッ!…ガガッ!!…ガアアァァァ!!!…ポンポンッ!…


「……よし!…お待たせしました!!

こちらが大人と子供一枚づつ!…

サマーオーシャン連合国行きのチケットになります!…

船の出発までは後ぉ~…一時間位となっております!…

乗り遅れの無い様お気を付けください!…」


マサツグから料金を受け取ると従業員は後ろを向き、何やら後ろに置いて有った

機械を弄り出すと奇妙な音を立て始める!…まるで印刷機でも動かしている様な?…

偉く現代染みた機械を動かして従業員はハンドルを回しており、チケットが

印刷されたのか何かを手に取ると手動でハンコを押し始める。そうして最後の

確認をして出来たと言った様子で頷くとチケットをマサツグに手渡し、マサツグも

チケットを受け取った事で頷きシロの方に振り向くとある提案をし始める。


「……よし!…シロ!!…屋台を見に行こうか?」


「ッ!?…え?…良いのですか?」


「俺もちょっと気になってるしさ?…時間もチョイある!…

見て回る位はイケるだろ?…」


「ッ!!!……はいです!!!」


マサツグはシロの気持ちを汲み取って先程の市場を見に行こうと誘い出すと、

シロの手を引いては市場の方へと歩き出し…シロはシロで戸惑った表情を

見せて大丈夫かどうかの質問をすると、マサツグはシロの方に振り返って

大丈夫と笑顔で返事をする。その際時間は若干の余裕が有る!…

シロも行きたいだろ?…と尋ねる様に話し掛けると、その問い掛けにシロは

パアッ!と明るい表情を見せ、マサツグの顔を見詰めて元気に返事をすると

その表情にマサツグが更に二カッと笑い、二人揃って市場の方へと歩き出すと

船の出発時間になるまで食べ歩きをし始める。


__わいわい!…がやがや!…


「…ッ!…ご主人様!!…これは!?」


「ッ!…よぉし食ってみるか!!

オッチャン!!…これ一つ!!」


「おう毎度!!!…ついでに二つに切ってやるよ!…

ちょいと待ってな!!…ほら!!」


__……せ~の!!…シャクッ!!…ッ~~~~~!!!!!…


市場の方に歩いて来るとそこは人でごった返しており!…町の人だけでなく

他の冒険者プレイヤー達も露店に興味を持った様子で見て回って居ると、色々と買い食いを

している様子を見掛ける!…そんな人混みにマサツグは逸れないようシロを

肩車をすると一緒に市場を見て回り、シロが興味を持った果物等を買っては

一緒に食べるを繰り返して居ると、たまにハズレを引いては二人揃って渋い!…

酸っぱい!…と言った表情をして見せて居た。そうしてマサツグとシロが

それなりに市場を楽しんでいるその一方で!…マサツグ達が乗ろうとしていた

サマーオーシャン連合国行きの船では誰の記憶にも何故か残らない!…

ちょっとしたある事件が起きていた。


__カランッ!……コロンッ!……カランッ!……コロンッ!……


「ッ!…すいませんお客様?…チケットをお見せ願いませんでしょうか?……」


__……チラッ!……


「ッ!?……………

いえ…大丈夫です…お呼び止めして申し訳ありませんでした…」


__カランッ!……コロンッ!……カランッ!……コロンッ!……


時間内に船へ乗ろうとする乗客達に紛れて一人…ボロを着た妙な女性が

チケットを見せずにゲートを潜ろうとすると、当然の事ながら乗組員に

止めらてしまう!…そしてチケットを見せるようその乗組員に迫られるのだが、

その乗組員が女性の顔を覗き込んだ瞬間!…妙な反応を見せた後その女性に

対して謝るとそのままゲートを通してしまい…何事も無かった様に

業務へ戻り始めるとその様子に周りの乗組員や乗客達が疑問を覚え出す…

その際その女性の顔を覗き込んだ乗組員はと言うと、心ここに在らずと言った

様子で目からハイライトを失っては遠くを見つめており…先程の事について

尋ねるとただ譫言の様に大丈夫と繰り返すだけで詳しい話は一切話そうと

しないのであった…そうしてそんな奇妙な事件が有った事にも気づいていない

マサツグとシロはと言うと、そろそろ出発の時間が来たのか鐘の音を聞いて

その鐘の音が聞こえた方を振り向くのであった。


__ガラン!!…ガラアァァァン!!!…


「ッ!?…この鐘は!?…」


「ご主人様!!!…あの船からです!!!」


「そろそろ出発か!?…」


突如響く様に聞こえた鐘の音にマサツグとシロが驚いた様子で反応し、シロが

鐘の音の聞こえた方を指差すとそこにはデカい客船が一隻と、サマーオーシャン

連合国行きと大きく書かれている看板が立っている光景を目にする。それらを

見たマサツグはさっきの鐘の音はそろそろ出発すると言う意味で解釈すると、

シロを肩車したまま走り出し!…そこでチケットを確認している乗組員の元まで

走って見せると乗組員はマサツグに気付いた様子で挨拶をする。


__ダダダダダダダダ!!!……


「ッ!…ようこそフライングフィッシュ号へ!!…

この船はサマーオーシャン連合国行きで…」


__バッ!!!…ッ!?…


「ま!…間に合いましたか!?…ぜぇ!…ぜぇ!…」


良く有る事なのか慣れた様子で挨拶をしようとする乗組員にマサツグが

息を切らしながら!…何ならシロを肩車しながら乗組員にチケットを

突き出すと、その様子にはさすがの乗組員も戸惑った表情を見せる!…

マサツグのチケットを恐る恐る受け取っては合っているか如何かを確認し、

激しく息を切らすマサツグに無言で頷きゲートを通るよう身振り手振りで

伝えると、マサツグは理解したのかシロを肩車したまま船へと歩き出す。

こうして息を整えつつ自分達が乗る船を改めて見ると徐々に興奮を覚え!…

シロに興奮そのまま高めで話し掛け始めると、そのマサツグのテンションに

シロも乗っかり始める!


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「見ろシロ!!…

これが今から乗る船だぞ!?…大きいな!!!」


「はいです!!…大きいです!!!」


__ギッ!…ギッ!…ギッ!…ギッ!…


二人は見上げる様に自分達の乗る船の大きさに胸を躍らせ目を輝かせては

思い思いに言葉を口にし、一歩!…また一歩!と舟に乗る為の坂を踏み締め

この大陸との別れに改めて寂しさを感じ始めて居ると、マサツグ達は全身に

潮風を浴び始める!…いかにも新天地を目指す様な雰囲気にマサツグが

興奮冷めや間ぬ様子で、テンションそのままに坂を上り切り船の甲板へ

辿り着くと、マサツグ達で乗客は最後だったのかタイミング良く出発の鐘が

辺りに鳴り響く!…


__ガラン!!…ガラアァァァン!!!…ガラン!!…ガラアァァァン!!!…


「出航だあああぁぁぁ!!!…野郎共帆を張れぇぇ!!!!」


__バサァ!!!…オオオオオォォォォォォォ!!!!…


鐘が鳴り響くと次に船長らしき人物が指揮を取り出し、その指示に従い乗組員達が

慌ただしく動き出すと、辺りから返事をする様に野太い声が聞こえ始める!…

その様子にマサツグが一瞬で現実に帰って来ると間違って海賊船に乗ったのか?と

心配をし始め…辺りを見渡し普通の乗客も乗って居る事を確認するとホッと

一安心する。そんな確認をしている内にも船はドンドン沖の方へ出て行って

港町を離れて行き、海に出て行くと心地良い潮風がマサツグとシロに流れ込み!…

マサツグは次に行くサマーオーシャン連合国に改めて胸を躍らせるのであった!…


「さて、次は何が待っているのやら…

ある意味で楽しみで仕方が無いな!!!…」


「ッ!…楽しそうですね!ご主人様!!」


__ッ!……ワッシ!!…なでなでなでなで…ッ~~~~♪…


徐に振り返っては思い出に浸るよう遠ざかって行くスプリングフィールド

大陸を見詰め、マサツグが何の気無しに独り言を呟くと、シロが相槌を

入れるよう釣られて楽しそうに返事をする。その返事を受けてマサツグが

シロの頭に手を伸ばすと、ワシワシと撫でてはシロが喜び!…二人揃って

船の進む方向!…サマーオーシャン大陸の方へと振り向き直すと、次の

冒険に期待を込めてはジッと何処までも続く海の光景を見詰めるのであった!…

……ここまでにして約二週間!…マサツグ達は次の国サマーオーシャン

連合国へと旅立つのであったが!…この時のマサツグ達はまだ!…

「どうしてこうなった…」と言いたくなる事件がまだまだ出て来る事を!…

全く知る由も無いのであった!!…


第一章スプリングフィールド王国編  完

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現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

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ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
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2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

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