どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章四十五節 作戦説明と異名とクラスアップ-

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カルト教団の殲滅作戦に将軍とハイドリヒが参加、その事にマサツグとモツが

戸惑って居ると、クエストボードの前に即席で作られた壇上にそこそこ豪華な

鎧を身に纏った…この辺では見掛けないナイスミドルな男性が上がり始める。

その様子にマスターオーダークエストで集められた冒険者達が一斉にその男性を

見詰め、マサツグとモツも誰なんだ?…と言った様子で見詰めているとまずは

集まった冒険者達に対してお礼の言葉を口にする。


「…今回のカルト教団殲滅に当たる作戦に参加してくれる冒険者の諸君!!…

まずはお礼を言わせてくれ!…有り難う!!…私は今回の作戦に置いて

君達の指揮を執るギルドマスターの…

「フリード・バスクード」と言う!…よろしく頼む!」


__どよっ!?…がやがや!…


壇上に上がった男性にマサツグとモツだけでなく、他の冒険者達も誰なんだ?…と

言った様子で男性を見詰めていると、その男性は自身がギルドマスターである事を

話しては自身の名前を口にし、その言葉に集まった冒険者達が初めて見たと言った

様子でどよめき始めると、フリードが冒険者達を注意するよう咳払いをしては

クエストの説明に入り始める。


「オホン!!……今回、君達が幾度も相手をし…

逮捕して来た信者達を尋問した結果!…カルト教団の本拠点である場所が

特定された!…それは事前にマスターオーダーの巻物スクロールにも書いておいた

「旧・スプリング大聖堂」である!!!…彼らはそこに拠点を構え!!…

町や村から誘拐した人を監禁し!…その誘拐して来た人達を使って何やら

怪しい儀式をしているらしい!……残念だがその儀式の内容は不明だが…

今は儀式の内容より!…可及的速やかなる人命救助!!…及びカルト教団の

殲滅に当たって欲しい!!!…今回はギルドの方で見取り図を人数分用意した!…

もし何かあった場合は私の指示では無く!…各々が考えて動かなくなる為

役立てて欲しい!…そして今回の任務において一番の功労者には王国より

特別恩賞も用意されていると聞いている!!!…」


ギルドマスターのフリードが冒険者達の功績を称えるようまずは信者達を逮捕して

来た活動に感謝した様子で話し始め、続けて信者達を尋問した結果を話し出し

カルト教団の本拠点が在る場所を改めて冒険者達に伝えると、そのフリードの

雰囲気が一気に変わり始める!まるで歴戦の戦士の様な風格を醸し出しては

冒険者達に緊張感を与え出し、冒険者達が緊張した面持ちでフリードの話を聞いて

いると、フリードは鞭だけでは無いと言った様子で王国から特別恩賞が出る事を

話し出すと、それを聞いて冒険者達が歓喜した様子で声を挙げ始める!


__オオォォ!!……


「集合場所は大聖堂より少し離れた場所にギルドの隠密を就かせている!…

準備が出来た者から随時向かって集合場所で待機!!…

指示を受け次第一斉に総攻撃を掛ける手筈となっている!!…

出入口は正面の大門のみで窓からの闘争は無いと考えても大丈夫そうだ!…

恐らくは大聖堂での押し比べの様な戦いになると思うが…

諸君達の活躍に期待している!……以上!…説明が簡単で申し訳ないが…

諸君達の力を我々に貸して欲しい!!…最後にこの言葉を残して……

解散!!!」


__ワアアアアァァァァァァァァァ!!!……ドタドタドタドタ!!…


冒険者達が王国からの恩賞に対し期待に満ちた表情を見せる中、尚フリードの

説明は続く!…しかしその内容は簡単な物で、結局の処ゴリ押しでしか無く

大規模な作戦を考えようにも場所が悪いと言った様子で顔を渋らせては

冒険者一同の力を信じると口にし、その作戦に冒険者一同が困惑した表情を

見せるも、フリードが大まかな説明を終えて最後に解散と声を挙げて叫ぶと、

冒険者一同は釣られて声を挙げては一斉にギルドを後にしその集合場所へと

駆け出して行く!それに付いて行くよう将軍達も集合場所であるギルド職員の

元へと行こうとするのだが、ふと振り返るとマサツグとモツがギルドを

出る様子を見せず、その事に疑問を持った将軍が足を止めるとマサツグ達に

声を掛ける。


「よし!…では我々も行くとするか!!……ッ?…

如何したのだ?…冒険者殿達?…貴君らは行かんのか?…」


「え?…あっ!…いや!…行くのは行くけど…

その前にやっておきたい事が有ってさ?…

悪いけど先に行っておいてくれないか?…」


「……ッ?…まぁ、構わないが…

では行かせて貰う!!…

冒険者殿達が来る頃には終わって居るやもしれんぞ?…」


「あはははは…」


将軍が付いて来ないマサツグ達の方に振り返り不思議そうな表情で質問を

すると、マサツグ達はその将軍の言葉に若干戸惑った反応を見せては

先に行くよう返事をする。その返事に将軍はやはり不思議そうな表情を

見せてはマサツグ達を見詰めるも、マサツグ達の返事を聞いて理解は

出来たのか手柄は残っていないぞと笑いながら更に返事をし、先程の説明に

あった集合場所へとギルドを後にする。その将軍の言葉にマサツグとモツが

苦笑いをし、将軍を見送った所で受付カウンターの方へ歩き出すと

記憶水晶の前に立つ。


__コッ…コッ…コッ…コッ……ポン…ぱああぁぁぁぁ!…シュゥゥ…カコン!…


「…よし!……これで証拠の出来上がり!…」


「…後は…そのリンデの実とクエスト巻物を……

クラリス~!!…ちょっと良いかぁ?…」


「ッ!…はぁ~い!!…」


マサツグとモツがそれぞれ記憶水晶から自身の記憶水晶を作り出し、

アイテムポーチからリンデの実とクラスアップのクエスト巻物を取り出すと、

クラリスを呼び始める。そのマサツグの呼ぶ声にクラリスが返事をして

マサツグ達の居る方へと駆け寄って来る際…機嫌は落ち着いたのかいつもの

クラリスに戻っており、マサツグとモツがそれぞれクエスト巻物と

リンデの実を持って居る事に気が付いてはハッとした表情を見せて

クエスト完了の手続きをし始める。


「ッ!…あっ!…そう言えば…さすがです!…

では記憶水晶とクエスト巻物をこちらに…」


「え?…リンデの実は?…」


「あっ!…そっちは提出しなくて結構です!…持って来る事が依頼内容なので

納品の必要は無いと…マサツグさん達がクエストに出て行った後、

ギルドマスターに会いまして…その時に内容の詳しい説明を………ッ!?……」


クラリスがマサツグとモツからクエスト巻物と記憶水晶を預かり、前回同様…

自身の額に記憶水晶を当てて内容を確認し始めると、マサツグとモツが

困惑した様子でリンデの実を手にする。クエスト巻物にはリンデの実の事が

書かれており、必要だったのでは?…と質問をするのだが、クラリスは記憶を

確認しながらマサツグとモツの問い掛けに、詳しい詳細をギルマスから

聞いたと表情をコロコロ変えながら答えるのだが…表情が険しくなり徐々に

青ざめ始めると、マサツグ達は慌てて心配をし始める。


「うぅ~……」


「ッ!…ちょッ!…そんな青ざめながら確認しなくても!!…

まさか記憶を確認するのに体力使うとか!?…」


「い…いえ…違うんです…

記憶の確認に負担は全くないのですが…記憶の中身に抵抗が…」


体力を消耗する程の作業なのかとマサツグが慌てて止めに入るも、クラリスは

違うと答えてその青ざめている理由をマサツグ達に話し出し、その理由を

聞いたマサツグとモツは自身の記憶を探るよう思い出し始める。そして恐らく

記憶水晶に記憶されたであろう場面をコマ送りで思い出すのだが、

その見て来た物は色々な人の遺体に動物の剥製一歩手前の物…更に動く死体と

スプラッター祭りと来たものだからこれは不味いと二人が理解する。


「…あぁ~……絵面が美しくない…」


「と言うか圧倒的に汚い様な?……」


「うっ!!!…」


「ッ!?…これ以上は駄目だって!!…」


見て来た物が世紀末とSAN値チェックの嵐…マサツグとモツが駄目だと理解し

困惑して居ると、クラリスの様子は徐々に悪化するよう青い表情をして行き、

遂には嘔吐を我慢するよう口に手を当てる!如何やら冒険者プレイヤー側には

全年齢対策の視聴保護の影フィルターが掛けられてある様なのだが、NPCに

対しては全く掛けられておらず、諸直視の状態!…そんなクラリスにマサツグと

モツがもう駄目だ!と思い、クラリスの額から記憶水晶を取ろうとした瞬間!…

マサツグ達の後ろから聞き覚えの有る溜息が聞こえて来ては呪文の詠唱が

聞こえ始める!


「…はあぁ~…見て居られないな…

《病を癒す光りよ!…かの者の苦しみを除き給え!…リカバリー!!》」


「ッ!…え?…ハイドリヒ?…お前!…将軍と行ったんじゃ!?…」


__ぱああぁぁぁ!……ッ!…


突然の詠唱にマサツグが戸惑い後ろを振り返るとそこにはハイドリヒの姿、

将軍と共に集合場所へと向かったのでは?とマサツグが困惑するも、ハイドリヒは

治癒中級魔法のリカバリーを唱えるとクラリスに対して掛ける。するとクラリスの

体が優しい緑色の淡い光に包まれ、吐き気は取り除かれたのかピタッと嘔吐くのを

止めると徐々に顔色が良くなり始める。そしてモツがクラリスから記憶水晶を

奪い、カウンターの上に置くと若干フラ付いているクラリスを支えに掛かる。


「ッ!…おっと!……はぁぁ~…ギリギリセーフ!…」


「…あぁ…有難う御座います…モツさん……」


「ッ!…止めてくれ…今はスプリングフィールド王国騎士団長…ハイドリヒだ。

王女ではない!…それに改まる必要もない!…私は…当然の事をして居るだけだ。

…後その仕事は別の者にして貰うと良い!…誰にでも得意不得意はある…」


モツが受付カウンターを飛び越える様に体を乗せてクラリスを支え、クラリスが

受け止められ足元が覚束無い様子でまだ支えられながらも、モツとハイドリヒに

お礼を言い始める。その際クラリスはハイドリヒの事を王のご息女と知ってか

「王女様」と呼んでしまい、その一言にピクっと反応してはハイドリヒが

若干ムッとした表情でクラリスに訂正を求め始める。しかしクラリスの事は

心配しているのか「無理をするな」と直ぐに優しい表情で声を掛け、クラリスが

ポッと頬を赤くすると戸惑いながらも訂正をする。


「ッ!…し…失礼いたしました!…ハイドリヒさん…

ですが…」


「…ではその仕事は私が引き継ごう……」


「ッ!……ッ!?…ギ、ギルドマスター!!…」


「とにかく君は休息を…

後モツ君と言ったかね?…有り難う!…おかげで助かったよ…」


クラリスが訂正をしハイドリヒの言葉を了承したかのように見えたのだが、

仕事は仕事と言った様子でマサツグ達の記憶水晶を手に取り、改めて確認を

しようとすると、横から突如何者かの手が伸びては引き継ぐと言う言葉と

共に記憶水晶を奪われる。その目の前の出来事にクラリスが戸惑い…

奪い取った者の正体を確認をすると、そこには先程までマスターオーダー

クエストの説明をして居たギルドマスター・フリードの姿が有った。

自身の隣にギルドマスターが立って居る事にクラリスが驚き、慌てた様子を

見せて居るとフリードはクラリスを労わる様子で声を掛けてはモツに

お礼を言い、近くに居たギルド職員を呼ぶとクラリスを休憩室に連れて

行くよう指示を出す。


「…えぇ~っと…そこの君!…すまないがクラリス君を休憩室に…」


「ッ!…し…しかし!…」


「大丈夫だよ…後は任せて…

それに私も彼らに興味が有るんだ…ね?…」


「ッ!……は、はい…」


直ぐに職員がやって来てクラリスに肩を貸して休憩室に向かい始めようと

するのだが、クラリスはフリードに仕事を任せるのは恐れ多いと言った様子で

慌て出し、フリードはその様子を察してか大丈夫と答えると、マサツグ達に

興味を向ける。その際フリードの目はまるで我が子を見る様な優しい目を

しており、マサツグ達がそのフリードの視線に戸惑って居るとクラリスも

戸惑いながら了承し、ギルド職員の肩を借りて休憩室に向かい出すとフリードが

見送りマサツグ達に改めて自己紹介を始める。


「…では改めて…私の名は「フリード・バスクード」…

紹介は先程して居たが…この国のギルドマスターをしていて…

ギルドの管理をしている…よろしく…」


「よ…よろしくお願いいたします!……えぇ~っと…」×2


「マ…マサツグです…」


「モツです…」


ギルドマスターに改めて面と向かって自己紹介をされ…更に一礼されると

マサツグとモツが戸惑いながらも返事をし、フリードに釣られて頭を下げる。

そして自身の名前をそれぞれ名乗っては緊張した様子を思いっきり表情に出し、

その表情を見てフリードが軽く笑うとマサツグとモツの記憶水晶を手に取り、

内容を確認し始める…その際フリードは近くで見れば見る程ナイスミドルで

白髪のロングヘアーに白い髭を生やし、先程の自己紹介…作戦説明時に聞いた

ダンディーな声はまるで格好いい喫茶店のマスターの様に聞こえる。

どんなマダムでも落とせそうなその風貌と声にマサツグとモツが緊張した様子で

待っていると、記憶の確認を終えたのか記憶水晶をカウンターの中へと

仕舞っては若干戸惑った様な反応を見せるも、マサツグ達を突如二階へ案内し

始める。


「…これは?……ッ!…あぁすまない…確認はOKだ…

二人共クエスト完了おめでとう!…では、クラスアップの間へ案内しよう。

こっちだ…付いて来てほしい…」


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…君達の活躍はよく耳にしているよ……

御前試合であのハイドリヒ君から勝利を勝ち取ったマサツグ君に…

クランベルズ解放作戦で敵味方から[修羅]と恐れられたモツ君…」


「へ?…修羅?……」


二階に在ると言うクラスアップの間にマサツグとモツを連れて行く際、フリードが

マサツグとモツの事を知っていると話し出してはマサツグは御前試合…モツは

クランベルズ解放作戦と二人の活躍を聞いた時の出来事を交えて会話をすると、

マサツグは自身の事を言われた時戸惑った反応を見せモツは笑うのだが、直ぐに

モツの異名が出て来ると立場が逆転する。初めて聞くモツの異名にマサツグが

戸惑い交じり言葉を呟き、モツの方に振り返るとモツはそれを察知してか

マサツグから目線を逸らす。


__クルッ………


「…?……知らないのかい?…

向かって来る信者達をただひたすらに薙ぎ倒し…

手柄を横取りしようとする不埒な冒険者ですら一太刀に…

敵味方問わず…例えどんなに囲まれようとも己の力で

切り抜け勝利したスーパールーキー…それがモツ君なんだよ…」


「…へぇ~~~…」


__う~ふ~ふ~ふ~♪……


モツがマサツグから目線を逸らしマサツグが疑問の表情のままモツを

見詰めていると、フリードはマサツグの疑問の声をしっかり聞いたのか、

その疑問に答えるようモツの活躍ぶりをマサツグに話し始める。その際

フリードはまるでモツの戦いぶりを見ていたかの様に…驚かされた様子で

話し、その話を聞いてマサツグが一度フリードの方に視線を向け話を

聞いてはモツの方に視線を戻し、生暖かい目で笑みを浮かべてモツを

再度凝視し始めると、その様マサツグの背後からはまるでの〇代ver.の

ドラ〇もんの笑い声が聞こえて来そうになる。今迄笑われてきた分の

お返しとばかりにモツを見詰めて笑い、モツがばつの悪そうな表情を

見せて居ると、後ろから何故か付いて来たハイドリヒがモツに興味を

持った様子で話し掛け始める。


「……ほう…モツと言うのもやり手なのだな?…

では今度手合わせを願えないか?…モツとやら!…」


「ッ!!…謹んで遠慮させて貰います!…」


「えぇ~!!…良いじゃんよ~?修羅殿~?」


「グッ!!…ヤブにだけは知られたくなかった!!!……」


ハイドリヒがピーカブースタイルで目をキラキラとさせモツに手合わせを

願い始めるのだが、モツがそのお願いに戸惑いを覚えると慌てて断り出す。

苦笑いしながら両の掌をハイドリヒに見せるよう前に出して断るモツなのだが、

マサツグがここぞとばかりにモツの修羅と言う呼び名を弄っては、煽る様に

手合わせを受けては?と生暖かい目で笑みを浮かべ続ける。そのマサツグの

視線にモツがグッと苦虫を噛んだ様な表情をしてはあだ名を知られた事を

後悔し、そんな様子にフリードが楽しげに笑みを浮かべているとクラスアップの

間の前に辿り着いたのか、足を止める。


「…着いたよ、ここがクラスアップの間だ。

さぁ、入ってきたまえ!…」


__ガチャ!……


「ッ!?…す…すげぇ!!…」


「…いかにもって感じだな!……」


フリードが中へ招き入れるようマサツグとモツに扉を開いて見せ、

三人がそのクラスアップの間へと歩を進めるとそこには巨大な水晶球が

宙に浮いていた。丁度部屋の中央に大きさにして約直径5mの水晶玉…

宙に浮かんでは周りにまるで衛星の様な小さな水晶玉が高さバラバラに

浮かんでおり、更に星雲を現しているが如く金色の鉄輪までもがその巨大

水晶球を中心に浮かんでいた。まるで天体図の様な水晶の装置は眩い光を

それぞれ違う色で放ってマサツグ達を出迎え、それを見たマサツグとモツが

幻想的な光景に驚きを隠せないで居るとフリードが二人に指示を出す。


「…さぁ!…この水晶に手をかざしてみてくれ!…

中央の水晶に手をかざし…光が君達を包めばクラスアップ完了だ!…

それぞれジョブランクが更新され、能力ボーナスも付くだろう!…」


__……スッ……ぱああぁぁぁぁぁぁ!!!…


「うおッ!まぶし!!」


「うわッ!!」


マサツグとモツがフリードの説明に従い巨大な水晶玉に対して手をかざすと、

水晶玉の光が強くなりマサツグとモツを飲み込み始める。余りの光の強さに

マサツグとモツが目を瞑り、一言呟いて居るとそれを間近で見ていた

ハイドリヒが初めて見ると言った様子で戸惑い、フリードは新たに成長した

冒険者達の姿に若干の感動を覚えていると、光はマサツグ達を飲み込んだまま

収まる気配を見せない。そうしてマサツグは眩しいと感じながらも

何も変化を感じない事に違和感を覚え、何が起きているのか確認する為に

徐々に目を開くとそこには驚くべき光景が…


「ッ!!……ッ!……?……あれ?…え?…ここは?…」


__ふぁぁぁぁぁ……


「…え?…何処ここ?……バグってる?…何も無いんだが?…」


マサツグが目を明けるとそこに広がるは一面真っ白な世界…

辛うじて奥には影が薄い白で統一された歯車達がゆっくりと動いており…

先程までの天体図の様な水晶装置も部屋も無く…ハイドリヒにフリード…

隣で同じ様にクラスアップをしていたモツの姿も何処にも無い…

風も何も感じないただ広い真っ白な世界を見渡し、マサツグは何が起きたのかと

確認するも見えるのは恐らく何かの仕掛けであろう奥に見える歯車のみ…

自分が今何処に居るのかすら分からない状況にバグではと考えるも、とりあえず

マサツグは誰かいないかを叫び始める。


「……ッ!…すぅ~…おぉ~~い!!!

モツゥゥ~~~!!!…フリィィ~~~ドさぁぁ~~ん!!!…

ハイドリヒィィ~~~~!!!!…」


__…ゥゥ~~…ぁぁ~~ん~~…ィィ~~…


「…駄目そうだな?……えぇ~!!…まさかのここでバグ!?…

おいおいマジかよ!?…運営に連絡しないと駄目なのか!?………あれ?…

何で開かないんだ?…ちょっと待て!?…こんなのってアリかよ!?…」


試しにマサツグは自身の近くに居たモツ・フリード・ハイドリヒの名前を響く様に

叫ぶのだが、その三人からの返事は当然なく自身の声のみが反響して帰って来る。

何の反応も無い事にマサツグが戸惑い、本当のバグではないかと考えると運営への

連絡方法を調べ始めるのだが、何故かメニュー画面が開かない。メニュー画面を

開く事も出来なければログアウトする事も出来ない…その状況にマサツグが完全に

焦りを覚え始めていると、突如目の前に黒い靄が現れ始める。


__もわもわ…もわもわ…


「ッ!?…今度は何だ!?…ッ!…何だ?…あの湯気みたいな奴は?…

あからさまに怪しいんだが?…」


__もわもわ…もわもわ…


「……調べて見ねぇ事には分からないってか?…ったく!…

しょうがねぇ!!…」


__ガッ!…ジャコン!…プルプルプルプル…


突如現れた黒い靄にマサツグが警戒心を向けるも靄は何かアクションを見せると

言った事はせず、ただ宙に浮いてはモクモクと漂い続ける。そんな黒い靄に

マサツグが疑問を持つのだが他に手掛かりや調べる物が無い事を考えると、

その黒い靄を警戒しつつ調べ始める。いきなり靄から魔物等が出ても大丈夫な様に

右手に大剣を握り、へっぴり腰で徐々に左手を靄に向けて伸ばし始めるとその靄が

マサツグの手に触れた瞬間光を放ち始める!


__もわもわ…ぱああぁぁぁぁぁ!!!…


「ッ!?…また光!?…このゲーム毎回何かと光ってないか!?…

てかまた眩し!!……」


靄から光が溢れ始めまたマサツグを光りが包むとマサツグが目を閉じ、

怯んでいるとまた何も見えない…感じなくなる。その際マサツグが

やたら光物が多くないかと文句を口にするのだが、次第に今度は何か色々と

感覚を覚え始め、マサツグがハッ!と慌てた様子で目を覚ますとそこは

クラスアップの間であった。


「ッ!?…え?…えぇ!?…」


「ッ!?…ヤブ!!大丈夫か!?…」


「え?…あれ?…」


「マサツグ君!!大丈夫かい!?…

何か異常は!?…」


マサツグが戸惑いながら目を覚ますと何故か床に仰向けの状態で寝ており、

その寝ているマサツグを心配するようモツとフリードがマサツグの顔を

覗き込んでいる。先程の白い世界とモツとフリードの様子にマサツグが戸惑い、

二人の呼び掛けに対してマサツグが困惑しながら返事をし始めるとモツは

安心した様子で溜息を吐き、何が起きたのかをモツ視点で話し始める。


「…はあぁ~……あぁ~!!ビビったぁ~!!…

水晶の光が収まってクラスアップしたと思えば隣にマサツグは居ないし!…

数分経っていきなりリスポーンして来たら寝たまんまで動かないし!…

何かエラーでも出たのかって思ったぞ!?…」


「え?…そうなの?…」


「私も幾度と無くクラスアップに立ち会って来たが!…

今回の様な現象は初めてだ!……

本当に何も無いのかね!?…マサツグ君!!…」


モツの言葉にマサツグが戸惑ったまま上体を起こし始め辺りを見渡すと、

そこはクラスアップの間で先程の様な白一色の世界ではない…

そして扉付近ではハイドリヒが一応こちらの事を心配していたのか、

安心した様な威厳を保つ為に呆れた様な表情を見せては面白い顔になっている。

フリードもこんな事は初めてとマサツグに話してはただひたすらにマサツグの

身を心配し、マサツグが大丈夫と答えてステータス画面を開くと途端に

マサツグが驚いた反応を見せる!


「え?…えぇ…とくには……ッ!!!…」


__ガバァ!…プルプルプルプル!……


「ッ!?…やっぱり何か有ったのか!?…」


「何が有ったのか教えてくれ!!…」


急にマサツグが立ち上がりワナワナとステータス画面を見詰めたまま

震える姿に、モツとフリードが心配し戸惑った反応を見せ始める。

やはり異変が有ったのでは!?とその場の空気が緊張に包まれ、

モツ・フリード・ハイドリヒの三人が震えるマサツグに視線を向けている中、

マサツグが徐に自身のステータスを公開に設定するとその場の全員が見れるよう

スクリーンが投影され始め、マサツグの今現在のステータスが表示される。


__ピッ!…ピッ!…ヴウン!!…

 ----------------------------------------------------------------------

「マサツグ」

「型破りの上を行く者」

 Lv.25    「剣豪」

 HP 2850          TP 550          装備 

 ATK 255+90  DEF 235+80   E 武器 ライモンド卿の残傷の大剣 

 INT 95      RES 115+10            武器2 春風刀 壱式
                     
 AGI 200      LUK 999         ATK 345→330  DEF 315→285

                      MDEF 125→115  SPD 200→230

 MS [剣術Lv.7]            頭装 無し

 SS [鑑定LV.5]    [採取術Lv.3]     体装 トライアルメイル

      [技術向上]  [超幸運]                足装 無し 

        [中級剣術皆伝] [刹那Lv.5]         装飾 春王蜥蜴の腕輪

        [感知Lv.2]  [凄腕の魔物使い]

                    

  [術技]

    兜割り      TP 10   ダッシュ斬り TP 15   火炎斬り  TP 20

  氷結斬り   TP 20   雷撃刃    TP 25   天昇剣  TP 30

  絶・天翔剣  TP 60 

  [術技2]

  四季刀剣術・疾風の型 TP 55

 -----------------------------------------------------------------------

「ちゃんと更新されてる!!!…」


__ズデェェェ!!!…


「ッ!!!…馬鹿野郎!!!こっちは違う事で心配してんだぞ!?」


「わ…悪い!…でも剣豪だってよ!?…剣豪!!!…」


マサツグのステータスが投影されるも何処にも問題は無く、モツとフリードが

困惑した様子でマサツグのスタータス画面を見詰めていると、マサツグは

無事ステータスが更新されていると二人の心配を余所に喜び始める。

そのマサツグの反応にモツとフリードは何処かの新喜劇宜しくズッ転けるが、

すかさずモツが怒った様子でマサツグにツッコミを入れ出し、マサツグが

モツのツッコミに謝っては自身のステータスが剣豪へ変わった事に小躍りを

し始める。そんな様子にフリードも呆気に取られては笑うしか無く、マサツグと

モツのやり取りを見ては今後の二人の行動に期待を向けるのであった。

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

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