どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章一節 初めの一歩と初めの戦闘と初めの乱入-

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王都を出て直ぐ目の前には舗装された路に見事な緑の絨毯、頬を撫でる様に

心地の良い風が吹く大平原がそこにはあり、良く見るとマサツグ同様始めたばかり

らしき冒険者達が初のモンスターとの戦闘でてんやわんやと苦戦している様子が

伺えた。そんな様子を目にしてマサツグが軽い緊張と好奇心を覚えては草原を

見詰めて居るとマサツグの目の前にその大平原のエリアの名前と詳細が表示される。

  ------------------------------------------------------------------------

             「スプリング大平原」

            王都を出て直ぐの平原。

   清々しい風が常に吹き、初心を思い出させる冒険者にとって

   初めの草原。平原には花の他に薬草等もあり、今だ数多くの

   冒険者がお世話になって居ると同時に調合師や商人達の素材
  
   集めの場として活用されるスプリングフィールド大陸の中心に

   位置する大平原。…稀に巨大なトカゲを見たと言う報告が

   有るとか無いとか…

            初心者の最初の修行場。

  ------------------------------------------------------------------------

RPGらしいファンタジーなフォントで表記され、エリアの名前と簡単な説明文が

数秒後に消えるとマサツグは辺りを見渡す。説明文に有った巨大なトカゲと

言う言葉に疑問を持つもやはり何処を見渡してもそんな物は居らず、辺りでは

説明文通り他にも冒険者が居て薬草を取っていたり、モンスターと戦闘をして

いたりと賑わっている様子しか目に入らなかった。そしてそのトカゲが居ない事に

少しガッカリしながらも王都前のゲートでただ茫然とその風景にちょっとした

感動を覚え、マサツグは立ち尽くす。


「……本当に良く出来ているなぁ~…

さっきの町も凄かったけど…この草原と言い体感する感じと言い…

何とも言えないな…まさに冒険が始まるって感じがして良いな!!…」


「……ッ!!…か!」


「…え?」


ゲームに感動した様子でマサツグが王都のゲートの前に立ち尽くし、平原を

眺めていると突如として声が聞こえて来る。その声にマサツグが若干の戸惑いを

覚えてその声が聞こえて来た方向を確認すると、マサツグの目の前の方向から

誰かが慌てた様子で声を掛けて近づいて来るのが見え、声はハッキリとは

聞こえなかったものの妙に切羽詰まった様子で聞こえる。その様子にマサツグが

何事かと思い、声の聞こえて来た方を見詰めて居るとボロボロの冒険者が衛兵に

肩を借りながらこちらに近付いて来るのが見える。


「おい!!…大丈夫か!?

しっかりしろ!!!…」


「ッ!?…」


「クソ!!!…これでもう今月十件の被害が出て居るぞ!?…

討伐隊はまだ動かないのか!?…」


「早くあのオオトカゲを何とかしないと厄介な事になるぞ!!…

…チッ!!…とにかく今はこの冒険者を治療所に!!…」


明らかに誰かにやられたであろう冒険者は意識を失っているのかダランとした様子で

衛兵に王都へ運ばれ、衛兵が必死に声を掛けても冒険者が衛兵に返事をする様子は

一切ない。まるで死んだ様に運ばれる冒険者の姿にマサツグが戸惑いを

覚えていると、肩を貸している衛兵の一人が前から被害が出て居る事を口に出して

文句を言い、そのもう一方の衛兵も説明文に出て来たトカゲらしき話をしては苦虫を

噛んだ表情を見せて、冒険者を王都の中へと連れて行く。ボロボロの冒険者は恐らく

プレイヤーであり、頭の上にHPバーが表示されているのだが勿論の事ながら値は0、

運ばれて行った冒険者の様子にトカゲの話とマサツグは更に戸惑いを覚える。


{…もし、さっきの説明文通りにトカゲが出て来るとしてその影は?…大きさは?…

…てかまず勝てるのか?…今始めたばかりの俺が勝てる筈も無いだろうけど…

……えぇ~い!!…ウダウダ考えるのも面倒だ!!…出たとこ勝負!!…

それに…何か良く分からない[超幸運]ってのが付いてんだ!!…

どうにかなるだろ!!}


マサツグが先ほどの冒険者の様子と衛兵が話していたトカゲの話を聞いて、

臆した様子を見せては色々と考え始める。出会った時のシルエットに大きさ、

逃げる事が出来ずに戦闘になった場合勝てるかどうか?…それはもう出会う

前提で考え始めて一人王都のゲート前でモヤモヤと考え続けるのだが、

次第にマサツグの面倒臭がりが発動してか、考える事を放棄して出たとこ勝負と

意気込み出すと、改めて大平原に向けて歩き始める。マサツグが道なりに

歩いて行き、自分でも戦えそうなモンスターは居ないかと辺りを見渡して

居ると、近くの草むらから角の生えたウサギが飛び出して来る。


__ガサガサ!…ぴょん!…


「…ッ!…最初の相手には丁度良いかな?」


最初の戦闘とだけあってマサツグが自分でも戦えそうなモンスターを見つけると、

ギルドで受け取った剣を鞘から抜いて構え、そのウサギのシンボルと接触すると

自分とウサギを中心に円形の戦闘エリアが出現。

…さて、ここからこのゲームの戦闘システムについて説明するとまずこのゲームでの

戦闘はリアルタイムアクションで繰り広げられる。

プレイヤーも敵も常に動き回れる様になっており、戦闘自体も簡単でまず自分と

敵の間を中心に半径50mの円が生成されその円の中が戦闘エリアになる。

基本的に移動・攻撃・ガードの3つは何事も普通に出来るのだがここからが少し

変わっており、回避・特技・走る・ガードをした際の衝撃吸収時にTPテクニカルポイント

呼ばれる物が消費される。このTPはアイテムもしくは攻撃・特殊魔法を当てる事…

その他に時間経過で回復出来るのだが、TPが尽きると色々とデメリットを背負う事に

なり、勿論このTPが切れれば上記に書かれた行動は取る事が出来ずかなり制限された

戦いになり、あっと言う間に全滅なんて事も多々ある重要なポイントなのである。

更に細かい点を挙げるとするなら…

TPはプレイヤーが取った行動アクションされると

言う点が有り、もし普通に全力疾走・某一狩り行こうぜのゲームみたく

横っ飛び回避等をすれば大きく消費され、それでTPが尽きて次の反撃・行動等が

取れなくなる場合がある。

だが逆に…最小限の動きで紙一重の回避・ジョギング程度の走りだと

然程気にならない程度でTPが消費される程度で済むのである。

勿論に戦闘だけで無く日常生活でも必要とされる時が有るので管理には十分気を

付けないといけない数値なのである。

因みにもし戦闘から逃げたい場合は生成されたフィールドバリアに向かって逃げ、

フィールドバリアに一定時間触れて居るとバリアが崩壊して逃げる事が可能となる

らしい。ただし中には逃げる事が許されない強制戦闘エリアも有るらしいので

気を付ける様にと…事前に読んでおいた取扱説明書(電子版)に表記されて有る

のであった。そしてマサツグとその接触したウサギとの戦闘が始まり、武器を

構えた状態でウサギを調べようとマサツグが鑑定のスキルを試す。


鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「つのウサギ」  

 Lv.3

   HP 300 ATK 10    DEF 10

      MATK   0 MDEF   0


 NO SKILL

 -----------------------------------------------------------------------


「最初の敵には持って来いだな!」


マサツグがスキルの名前を口にし、対象物であるウサギを見詰めると鑑定結果が

マサツグの目の前に表示される。

その際分かったのはHP体力ATK攻撃力DEF守備力MATK魔法攻撃力MDEF魔法防御力の4つと何かスキルを

持って居れば下に表記されるらしい…幸い最初に相手したウサギは魔法攻撃力も

無ければ耐性も無く、スキルも持って居ないと初歩の初歩と言わんばかりの

某大作RPGに出て来るスライムに匹敵する弱さであった。腕試し程度に戦うなら

持って来いと言わんばかりにマサツグが意気込むとウサギに向かい剣を振るう!


「うおりゃ!!」


__ザシュッ!!…ッ!?…


「ピキィ!!…」


マサツグが振るった剣は真っ直ぐウサギに向かい振り下ろされ、ウサギの体を

斬った瞬間その手応えがマサツグに伝わって来る。その感覚にマサツグは若干

驚くがウサギは悲鳴を上げてその場に倒れ、ウサギの体が謎の光に包まれ

消えるとどんなゲームでも良く見かける毛皮等のアイテムに変わる。そして

不自然にその革袋が浮いたと思えば自動でマサツグの手元まで飛んで来ては

戦利品として獲得したとリザルト画面が出て来る。最初の戦闘だけあって

余裕の勝利であるのだが、斬った感覚が諸に伝わって来た事に驚いて自身の

手を見詰める。


「……驚いたぁ~…まさか斬った感覚まで伝わって来るのか!……

……ちょっと驚いたけど…よし!…この調子でレベルをあげるか!」


__ぴょん!…ぴょん!…


「…はあぁ~……襲って来た訳でも無いのに斬り掛かるのはやっぱり止めておこう…

…何か……心が…」


まさか自分が斬ったと言う感覚が直に伝わって来るとは思っても居なかった様子で

驚き、若干の抵抗を覚えるもこれはゲームと割り切るとマサツグはやる気を

再度漲らせて、バッ!と顔を上げて周りを見渡すのだが、辺りには先ほどと同じ

ウサギがピョコピョコと元気に跳ねているだけ。その様子にマサツグの心の中で

罪悪感が生まれると、もうウサギを斬るのは止めようと言った様子で溜息を吐き、

一度俯いては気を取り直し別の得物を探そうと顔を上げると次の瞬間突如背中に

衝撃を受ける!


__トットットットットット!…ドゴスッ!!…


「んご!!…あたたたた…

な…なんだ?…ってウサギ?…」


__ザッザッ!!…ヒョン!!…


「うあっぶな!?…」


マサツグが突然の出来事で弓なりに仰け反り、背中の痛みに耐えて振り返ると

そこには周りに居るウサギとは色も違えば大きさも違うウサギが鎮座しており、

そのウサギにマサツグが困惑の眼差しを送って居ると、ウサギはマサツグと

戦う気満々なのか地面を蹴ってはマサツグに飛び掛かる!勿論それを見ていた

マサツグは慌ててブリッジをする様に回避をするのだが、その際マサツグが

目にしたものは最初にその色違いのウサギにタックルを貰った事が原因なのか

いつのまにか戦闘エリアが形成される様子であった。


「え!?…これって…バックアタック!?…」


バックアタックとは…好戦的なモンスターに先制攻撃をされる事で有り、

このゲームに置いては格段大した事は無いのだが場合によっては一撃即死も

有り得る危険な状態なのである。尚、一撃即死と言ってもそれは即死攻撃の

スキルを持って居る者がスキルを使用して攻撃して来た場合であり、100%

成功する保証は何処にも無い。但しそれなりに補正は付くので厄介極まり

無い事には違いなく、更にクリティカルヒットの可能性も増大するのである。

そしてウサギにバックアタックを決められた事にマサツグが驚き、慌てて

体勢を立て直して剣を構えるも何かがおかしい…その色違いウサギは

フィールドに一匹しかいない筈なのにやたらと周りから足音が多く聞こえる…

それも一匹や二匹じゃない…群れで向かって来る様な……

そんな足音にマサツグが戸惑いながらも剣を構えては辺りを見渡して居ると、

突如としてその色違いのつのウサギとの戦闘エリアに、次々同じ様な色違いの

つのウサギが乱入して来る!


__ダダダダダダダダダ!!!…


「ちょっ!まっ!…

な!?…何だこれ!?…」


次々に色違いのつのウサギが戦闘エリアへ乱入して来ては瞬く間に戦闘エリアの

半分を色違いのつのウサギが占拠し、そのつのウサギ達はマサツグに敵意を向ける

よう見詰めては戦闘態勢を整える様に先程同様地面を蹴って、マサツグを威嚇する。

そして徐々に色違いのつのウサギの増援の足が止んだ所でざっと数を数えて見ると

約20匹は居る事を確認し、色違いのつのウサギ約20匹VSマサツグの…

初めて二回目の戦闘にしていきなり大規模集団バトルになると、マサツグが戸惑った

様子で逃げ腰になる。


「な!?…何だこれ!?…聞いてないっての!!!…」


__ザッザッザッザッ!!!…ヒョン!!…ヒョンヒョンヒョン!!!…


「ッ!!…うわあああぁぁぁぁぁ!?…」


ただ集まったウサギを前にしてマサツグが慌てて居るとウサギ達は地面を蹴って

マサツグに向かい飛び、頭の角を突き出す様にしてマサツグに飛び掛かり始める!

明らかに殺意の高いウサギ達にマサツグがバックステップを挟んで一回退いては

回避をするのだが、直ぐに次弾が飛んで来るとマサツグはウサギ達に背を向けて

戦闘エリアをグルグルと回りながら逃げ回り始める。


__ヒョン!!…ヒョンヒョンヒョン!!!…


「うわああぁぁぁああぁぁぁあああぁ!?…

さっきウサギを斬った事に対してお怒り!?…

だとしたら謝るから待ってくれないかぁ~!?!?」


__ヒョン!!…ヒョンヒョンヒョン!!!…


「待ってくれないんですね!?分かりました!!!コンチクショォォ!!!!…」


次々飛んで来るウサギ達にマサツグが逃げながら待つよう訴え掛けるが当然聞いて

貰える訳が無く、まるでウサギ達はテメェの命で償って貰うぞ?…と言わんばかりの

殺意マシマシの眼光でマサツグに飛んで来ては波の様に襲い掛かる!そんな様子に

マサツグが一人文句を言っては嘆き、逃げ回って居たが徐々にマサツグ自身も

ウサギ達に対して苛立ちを覚え始める。そしてそろそろTPが尽きそうになって来た

所でマサツグがある考えに至るとバッ!と振り返っては剣を構えて見せる!


__ダダダダダダダダダダ!!!……ッ!!!!…ザッ!!!…


「だあああぁぁぁぁぁ!!!!…こうなりゃとことん相手してやらぁぁぁ!!!!…

テメェら全員まとめて精肉してやるから覚悟しやがれ!!!!」


マサツグ…怒りのあまり、死を覚悟しての突貫敢行!…


「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」


__バシュッ!!…ザシュッ!!…ドシュッ!!………ブシュッ!!…


「グッ!!…まだまだぁ!!!…」


ウサギから逃げて居る事にマサツグの怒りが限界まで達したのか、それもともTPが

切れる事を考えての苦肉の策に出たのか…どちらとも取れる様子で逃げの一手から

一転、色違いのつのウサギに向かい剣で思いっきり斬り掛かる!その際斬った

手応えでビビった様子は無く、ただ向かって来るウサギを片っ端から斬り落とす様に

ひたすら剣を振り続け、それでも勿論完全には斬り落とし切れず何度も被弾するが、

怯まず我武者羅に戦い続けた。ただそんな中幸いな事にマサツグの攻撃の大半が

クリティカルヒットを叩き出し、面白い様にウサギが斬られては地面に

落ちて倒れる。


__ドサッ!…ドサドサッ!…


「ッ!…つつつ!…戦えない訳じゃ無い!…何とか一撃で仕留められてる!!…

これなら!!!…」


徐々に色違いつのウサギの数を減らし、それに伴ってマサツグも戦闘に慣れて来た

のか回避しながら戦える様になる。立ち止まっての判断では無く動きながら

判断出来る様になったので被弾も少なくなり、つのウサギの動きもワンパターン

なのでカウンターも織り交ぜて戦い始めると更に数を減らし、遂に約二十匹居た

つのウサギを残り五匹にまで追い詰める事に成功する。しかしその分の消耗も

激しく、マサツグがその場で固まり息を切らし始める。


「ぜぇ!…ッ!…ぜぇ!…ッ!…

な…何とかここまでやってやったぞ?…ざまぁみやがれ!…

…ぜぇ!…ぜぇ!…後…五匹!…」


__チャキッ!…ザッ…ザッ…ザッザッザザザザザザ!!!…


「うおおおおああぁぁぁぁぁぁ!!!!…」


マサツグがその場で膝に手を着き息を切らし、呼吸を整えようと肩で息をしては

残りのウサギを見詰め、後ちょっとで終わると意気込み勢い良く体を起こす。

しかしまだ完全には息を整える事が出来ず、今だ肩で息をする様に呼吸をするよう

体を動かしては武器を握り直し、最後の突貫をする構えをして見せる。漸く見えた

終わりにマサツグの闘志は更に燃え、残りのウサギに向かい歩く様に動き出し、

徐々に走り始めると長く感じたこの戦いを終わらせようと声を上げて自分を

奮い立たせる!これで一休み出来る!!…あとちょっと!!…そんな事を考えつつ

剣を構えて走り出すのだが次の瞬間、残りの五匹のウサギはクルっと突如マサツグに

背を向け、逃げ出し始める。


__ッ!!…クルッ!!…ダッ!!…


「ああぁぁぁぁぁ!!…って、あれ?…」


__ザザザァ!!…


「……逃げた?…さっきまでやる気だったのに?…何で?…」


ウサギが逃げ出しバリアの向こうへと姿を消して行くと、それを見たマサツグが

走るのを止めてブレーキを掛け、バリアの向こうに消えたウサギ達を不思議そうな

表情で見詰めてはウサギが逃げ出した理由について考え始める。先ほどまでは

五匹になろうがまだ戦うと言った様子で闘志を見せて居たウサギ達が、突如として

戦意を喪失し逃げ出した事…マサツグに恐れて逃げ出したにしては遅すぎる上に

先ほどのウサギの闘志が矛盾して居ると考えると更にマサツグを悩ませる。

そうしてマサツグが一人で考え事をして居ると何やら地面が

揺れて居る様な感覚を覚え始める。


__…~~……~~…


「う~ん…ん?…地震?…ゲームの中なのに地震が有るのか?…」


__ズン……ズン……


「ッ!…あれ?…地震が強くな……」


マサツグが地面の微かな揺れに気が付いて地震か?と疑問を持つ。ゲームの中で

地震と言うのはあまり聞かないなと思いつつも先ほどのウサギについて悩み直そうと

すると、更に揺れが強くなったのか先ほどより足元が揺れている様に感じる。

その様子にマサツグが再度気が付き、地面に目を向けるとまた振動が強くなっては

徐々に揺れを大きく感じ、そして次にマサツグがハッとした様子で戦闘エリアが

解除されていない事に気が付くと更に揺れが大きくなると同時に足音まで

聞こえ始める!


__ズシン……ズシン……


「ッ!?…違う!!…何かが近づいて!?…」


__ズシン!…ズシン!…ズシン!…ズシン!……ゴアアアアァァァァァァ!!!…


「なっ!?…」


得体の知れない何かが近付いて来る足音にマサツグが気付き、慌ててその足音の

聞こえる方を振り向き確認をすると、バリアの向こうから妙にデカい影が

マサツグの居る戦闘エリアに向かい歩いて来るのが見える。その様子にマサツグが

呆気に取られて立ち尽くし、デカい影はマサツグの居る戦闘エリアに侵入して来て、

その姿を現し始めると同時に、先ほどまでウサギと戦っていた戦闘エリアが更に

拡大された様子で範囲が広がりそのデカい影が完全に戦闘エリア内に入ると、

影が消えて本当の正体を現す。そこにはボロボロの冒険者がやられた元凶であろう

巨大なトカゲがギョロギョロと目を動かし、マサツグを見つけるや否や口を大きく

開けて一吠えし始める!体感・見た目と某三角形の伝説RPGに出て来る様な

キングサイズのオオトカゲに何処と無く似ており、それを見たマサツグが

驚きながらも手元に爆弾が有ればと考えてしまう。


「デッカ!?……ッ!…まさか…これ?…

さっきのボロボロの冒険者がやられたって言っていたトカゲってのは!?…

何処と無くアレに似て居る様な?…

でも爆弾も無いしそれ以上にこの状況は不味い!!!」


__ゴアアアアァァァァァァ!!!……ドッド!!…ドッド!!…


「ッ!?…突っ込んで来た!?…ちょちょちょちょ!!!…」


マサツグがただそのオオトカゲの風貌と状況に困惑し色々と考えていると、

オオトカゲは更に一つ吠えてはマサツグ目掛けて突進をし始める!地面を

大きく揺らしそこそこ速いスピードでマサツグとの距離を詰め始めると、

まるで目の前に何が有ろうとも止まる気無し!と言わんばかりの勢いで

突っ込んで行き、徐々にスピードも上げ始める!その様子にマサツグが

気付いては横っ飛び回避で難を逃れようとするのだがトカゲのヒット

ボックスは大きく、回避するのも困難であった。


「うおおおおぉぉ!?…」


__ンバッ!!…ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…ズサァ!…


「ぜぇ!…ぜぇ!…な!…

何なんだよアレ!?…まるでダンプカーじゃねぇか!?…

そらあんなのと戦えばボロボロに!…

…いや、あれはまだ運が良かった方なのでは?…」


__ゴアアアアァァァァァァ!!!……ドッド!!…ドッド!!…


マサツグが叫びながらもトカゲの突進をギリギリで回避するとトカゲはマサツグの

すぐ後ろを通り過ぎ、そして距離を取っては旋回し始める。その迫力と光景に

マサツグは驚愕し、少し前の冒険者の姿を思い出しては原型が残って居たのは

幸運なのではと、考えて居ると旋回したトカゲが再度マサツグに向かい突進を

仕掛ける!その様子にマサツグが再度慌てては如何するかと考えるのだが、

マサツグの今居る場所は戦闘エリアの中心で今からバリアに向かって走り出しても

トカゲの方が足が速い為逃げる事が出来ず、実質強制戦闘状態である事に気付く。


「ッ!?…また来るのか!?…

初心者マップに何てモンをスポーンさせてんだよ!?…

…とは言え如何する!?…ここからだとまずバリアの外側に行き着く前に

あのドド〇ゴモドキに轢かれて御陀仏!…ってのは目に見えている!!…」


__チラッ……ッ!……


「…勿論の事ながら外からの援軍は期待出来ない!…

となると…はあぁ~…」


__ンバッ!!…ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…ズサァ!…


「やる事はただ一つ!!!…」


更に悪い事は周りに助けてくれそうな他の冒険者プレイヤーは居らず、居たとしても

マサツグ同様の初心者…はたまた死にたくないと言う生存第一の冒険者だけで

わざわざこんな化け物に挑もうと考える冒険者が居る筈が無いと言う事…

マサツグの様子を見ては大変だと慌てた表情を見せるもマサツグが辺りを確認し、

その見ていた冒険者と目が合うと、不味いと感じてかその場を後にする様にして

離れて行く。それらを確認してマサツグが溜息を吐きながらオオトカゲの二度目の

突進を今度は余裕を持って回避し、体勢を立て直すと色々文句を言いたくなる…

このオオトカゲを相手に…まだ始めて間もないプレイヤーに…

トラウマでも植え付けに来たのかと文句を言いたくなるが、マサツグ自身も

このままやられる訳には行かない!と感じると、逃げると言った考えを放棄して

相手を見据えては剣を握り直し、まず相手のステータスを鑑定し始める!


鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

「スプリングキングリザード」

   Lv.30 「レアモンスター」

   HP 6600 ATK 270    DEF 290

        MATK   0 MDEF   0


 NO SKILL

 -----------------------------------------------------------------------


「ッ!?…おいおいマジかよ!…

いきなり中級ボスモンスターでしかもレアて!…

これの何処がレアなのか教えて欲しいもんだぞ!?…」


__ズザザザザァァァ!!!……ギョロッ!…


「ッ!…あぁ~あぁ~!そうかいそうかい!!…

やっぱりやる気なんだなこのドド〇ゴモドキ!!!

だったらお望み通り相手してやるよ!!!」


マサツグがオオトカゲの鑑定をするとそこにはマサツグより明らかに

高いステータスが表示されると同時に、レアモンスターと言うまるでこのトカゲが

希少と言いたげなアイコンを目にする。それを目にしたマサツグが更にトカゲに

対して驚いた反応を見せて居ると、オオトカゲは突如急ブレーキを掛けては突進を

止め、止まって見せるとマサツグを確認する様に目玉を動かし、マサツグの存在を

確認する。その時のトカゲの目はまるでまだ生きているのか…と言いたげな様子に

見え、そう感じたマサツグが少し苛立ちを覚えた様子で聞こえる筈の無い

オオトカゲに対して文句を言い始める。そしてオオトカゲがゆっくりと旋回し、

マサツグの方に向き直すと改めてに睨み合いになり、互いに動かない状態になると

先に動き出したのはオオトカゲの方であった。


__ゴアアアアァァァァァァ!!!……ドッド!!…ドッド!!…


「ッ!!…こいつもワンパなのか?…

だとしてもアレに轢かれたらお終いなのは間違いない!…

だとすれば!!…」


__ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…ドッド!!…


「…ッ!!…ここだ!!」


オオトカゲが仕切り直しと言った様子で吠えてはまたマサツグに向かい走り出し、

その様子にマサツグが突進しか無いのかとオオトカゲの行動パターンを覚え始める。

しかしそれでもあの巨体に攻撃力と、マサツグが轢かれたらほぼ一撃だと言う事には

変わらず、マサツグが緊張しつつも慎重に相手の動きを見ては剣を真っ直ぐに構え、

動きを観察する。徐々に近づいて来る巨体が真っ直ぐマサツグに向かい走って来て

相手が追尾して来ると言った様子を見せない事にマサツグが確認をし、オオトカゲが

真っ直ぐぶつかって来る寸前でマサツグが横に受け身を取るよう転がり回避しては、

走って来るオオトカゲの足に向けて思いっきり剣を振るうのであった。


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感想 63

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暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

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ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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