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-プロローグ-

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-プロローグ-

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どうしてこうなった……


ただ黙々と一人レベル上げに勤しんで居たらデカいトカゲに襲われ…

更にギリギリで勝ったと思ったらいきなりその国の騎士に喧嘩を売られ…

気が付きゃその国一番の騎士と一騎打ちに…


どうしてこうなった……


持っている装備は初期装備のトライアル装備。

何ら特別な能力も何もない…ただの初心者装備…


何が如何なってこんな展開に!?…一体どうやって戦えというのだ!?…

ワシャ恨むぞ!!…運営!!!……


このゲームを始めたきっかけは、友達から誘われたのがはじまりだった。

MMORPG「アルバスクロニクルオンライン」

良くあるヘッドギアを被って睡眠状態に入り、自身の精神をゲームの中に

投じて遊ぶと言ったものであり、キャラメイク・職業等の自由度が高く

オープンワールドのマップにグラフィックも綺麗、更に驚く事に全NPCが

AIで行動すると言うなかなかに面白そうなゲームで、これと言った固定の

ストーリー無く自分が歩いた軌跡が物語となる擬似的な異世界日常で

冒険者として商人として第二の人生を歩むと言ったゲームである。

更にそのゲームの特徴として発想力が鍵となっており、戦闘は勿論生産に

商業と自分のアイデア一つで場面が二転三転すると言う特徴もあった。

そしてその高いキャラメイクをを生かし、他のアニメやゲームのキャラを

造ったり、はたまたネタキャラを造ったりする者がいる。

例えば、某最終幻想の銀髪ロン毛の片翼天使や何かに付け興味ないと言う

主人公…ステ○ナイト、エク○トラ、アポ○リファと言った何処かで

聞いた事の有る様なタイトルの美少女剣士も居れば全身青タイツの槍使いも

居たり、完全に自分の趣味に走ってメイド・チャイナ・民族衣装にゴシックと

服飾関係のプレイヤーが挙って腕を磨き、中にはぼっちプレイで黒龍に

単身で挑んだり、はたまたこのゲームのシステムの限界を知りたくて限界に

挑戦すると言った集団まで現れる程、巷で大人気かつ話題のゲームであった。

そんなゲームを友達から紹介された何気無い退屈な日々を送るゲーム好きの

俺が勿論やらない筈も無く、誘われるままにそのゲームを購入すると

意気揚々とゲームを起動し、設定を軽く済ませるとキャラメイク画面に入る。


性別は男性、年齢は25才、身長は180cm位でガタイを少し良くして造る。

顔は平均よりチョイイケメンで髪型は良く有るクール系の主人公っぽく

黒髪ツンツンヘアーで凛々しくすると、人によっては某召喚騎士ゲームの

第三作目の男性主人公を連想させたり…某最終幻想七作目の二年後の主人公を

連想させたり…はたまた赤い格好をした白髪の男性で実の弟に難有りの

賞金首を連想させたりと、色々似ているキャラがポコポコと出て来る…

そんな見た事ある様な見た目に戸惑いつつ、最後に若干日本人寄りの現実リアルの自分より

格好良く作ると、カッコイイアバターが出来上がるのだが…やはりその見た目は

人によって左右する…そんなどっちつかずのキャラクターになっては色々と

若干考えさせられる……しかし自分が満足したので気にしない!…


だってゲームの中で位夢を見たって良いじゃん!!!!…


…と、心の中で叫んでは今度は自分のアバターが着る服を選び始める。

アバターの姿形表情が決まると直ぐに自分の意識はキャラに憑依され、

自分の視点が一人称視点に移行されるとそのアバターを動かす事が

出来る様になり、気が付くと目の前にはまるでアニメに出て来る自分を

中心に挟む様にして服がハンガーに掛けられたラックが現れ、前後ろ

縦一列に先が見えない程並べられていた。おまけに目の前には自動で

追尾して来る姿見付きと中々に優秀。


そんなラックの中から簡単に紺のTシャツに黒のカーペンター長ズボン、

そして靴は自衛隊が履いている様なコンバットブーツを選択し、それらを

確認した後姿見の上に表記されてある決定の文字に触れると一瞬にして

服の掛かったラックと姿見は光りとなって消える。その様子に自分が

驚いて居ると今度は目の前に何処か懐かしさを覚えるウィンドウ画面が

開かれ、職業選択場面に移行される。


職業は最初から戦士・剣士・騎士・僧侶・魔法使いとオーソドックスな

モノから、商人・鍛冶師・料理人と生産・販売の職業が選択画面に表記される。


そんな中自分は迷わず職業は「剣士」を選択。


そしてウィンドウ内に有る決定の表記に触れると、今度は最初から習得出来る

スキル選択画面に切り替わる。スキル画面にも色々と種類が掛かれており、

武器に関するスキルは当然ながら生産スキル・学習スキル・特殊スキルと

数多く表記される。スキルはメインスキル1つとサブスキル4つの計5つの

スキルを選択出来る様になっており、メインは主に自分が扱う武器または

職業に関してのスキル、サブはその他の自分が好きなスキルを選ぶのが良いと

選択画面には表記されていた。勿論その表記に従わず剣士なのに槍スキルを

習得しようと思えば出来るのだが…


勿論自分はメインスキルは無難に「剣術 Lv.1」を選ぶ。

何せ剣士だから…ここで無暗な冒険心を抱いてキャラメイクに

失敗したとしたら目も当てられない。そうなると一度削除して

また一からキャラの作り直しで色々と面倒な事になるのだから…


そうして無難に決めて次にサブスキルを選ぶ。選択画面には色々な

スキルが目の前に表記されており、それらに触れるとスキル名と

効果が同時に展開され、その二つの表記の下には習得するかどうかの

確認の文字も表記されていた。中には[調薬]に[鍛冶]…その他にも

[技術向上]等の特殊スキルがあり、自分はそれらを何度も開いては

切りの繰り返しをしてはスキルの吟味をしていた。何度もそれを

やっている内に運営から怒られるのではと思いつつも、漸くスキルを

四つ選び出す。


[鑑定 Lv.1]  [採取術Lv.1]

[技術向上]そして最後に[????]である。


[????]とはこのゲームの一つの醍醐味…

ガチャ要素で言わばランダムでスキルが決まると言う物であった。

スキル選択画面に表記されているもの…されていないもの…

つまりこのゲーム内の全スキルの中から一つが手に入ると言う物であり、

最初の選択肢以外のスキルが欲しい人、ギャンブル感覚で選ぶ人が好んで

選ぶガチャ要素なのであった。ちなみにこのスキル選択画面で[????]が

出て来るのは一アカウントに付き一つだけ、これでリセマラ等をすると

サーバーにそこそこ負荷が掛かるとかで制限を設けたらしい。勿論

選ばなかったら選ばなかったで次のキャラを作る時まで保留とされるので

安心して欲しいと説明には書かれていた。そんなガチャ要素に興味を持った

自分は間違う事無くこの[????]を選ぶのだが…

この時…このスキルを選んだ事によって自分の進む冒険に波乱が起きる事を

まだ知る由も無いのであった…


さて、話は戻りキャラメイク・職業選択・スキル選択と順々に決めると

最後にプレイヤーキャラの名前入力画面に移る。

「自分自身で冒険したい!」と言う考えと名前を考えるのが面倒臭いと

言う事の二つの理由から名前を自動的に自分の名前…


「マサツグ」と打ち込むとようやく長いキャラメイクが終了する。


そして名前の入力が終わり辺りが光に包まれると次に現れた画面は

最初のスポーンマップの選択画面であった。その選択画面はまるで

春夏秋冬を現して居る様に彩られ、それぞれどの町から始めるかと言う

国の名前と設定・難易度が表記されていた。

 -------------------------------------------------------------------------

「スプリングフィールド王国」 春風そよぐ麗らかな初心者向けエリア

「サマーオーシャン連合国」  夏の海、南の国初心者向けエリア

「オータムクラウド国」    紅葉色めく和風の中級者向けエリア

「ウィンタースノー連邦」   雪景色氷の世界の上級者向けエリア

 -------------------------------------------------------------------------


「……ここは無難にスプリングフィールド王国を選択っと…」


今までと同じ様にウィンドウの中の選択肢でスプリングフィールド王国を

選んで触れると、その名前だけが明るく表示され他の選択肢が暗くなる。

そして今まで通りに最後の確認画面が現れ、マサツグが軽く決意した様子で

決定の文字に触れると、漸くゲームが始まり出したのか長いプロローグが

流れ出す。森を駆け抜ける動物と共に森を駆け抜けたり…空を行く鳥や竜と

共に空を掛けたり…まるで体感して居る様な映像が一人称視点で流れ出すと

同時に風も感じ、一体どの様にしてこんな風に体感出来るのか?…等

マサツグが考えていると、気が付けば自身の飛んでいる高さに恐怖を覚える。

そしてふと視線を下に向けると眼下では他の冒険者達がモンスターと戦う等の

場面が見られ、その光景を目にして自身の中に有った高さに対する恐怖が

徐々に薄れると、マサツグは始まるゲームへの期待に胸を膨らませるのであった。

長いプロローグの映像は終わり遂に町に到着する!…そしてまだ自動で進んで

居るのか町の中を歩いて行き、自動のままギルドの前まで歩いて来ると扉を

開いて中に入り…活気付くギルドの内部がマサツグの目に映ると、漸く自身の

体を自由に動かせる様になる。


「グラフィックは綺麗だけど色々と長かったなぁ…」


先ほどのプロローグを思い出す様に一言呟いてはギルド内を見渡して居ると

ギルド内では他の冒険者プレイヤーが他の仲間と待ち合わせをしたり、お酒を飲んだり

色々楽しんでいるのが目に映る。

その様子にマサツグがまさに冒険者ギルドっぽい!と一人胸を躍らせて居ると、

BARのカウンターの様な場所でマサツグの事をジッと見詰めては手招きする

女性を見つける。そんな女性の様子にマサツグが気付き、辺りを見渡しては誰も

居ない事を確認し、不思議そうに恐る恐る自身を指差して相手に確認を取ると

女性は笑顔で頷き、再度マサツグを手招きする。その様子にマサツグが戸惑い

ながらもカウンターの方へと歩いて行くとそこに立って居た女性はギルドの

職員だったのか、ギルドの名札とオレンジ色のミニスカメイド服の受付嬢が

立っていた。


「いらっしゃいませ!!

彼方が新しい冒険者さんですね!!」


{あッ!…ギルドの受付嬢だったのか!……と言う事はまだチュートリアル?…

じゃあ、ここでチュートリアルを受ければ本当のゲームスタートなんだな?…}


「………。」


{………あれ?…進まない?…

さっきみたいに選択肢が出て来ると思ったんだが?…

…もしかして始まって早々にバグ!?…いやいやいやいや!!…

そんなまさか!…}


受付嬢に挨拶されマサツグが戸惑うもまだ自分がチュートリアルを受けて

いる状態を確認するとホッと一安心し、黙って進行を待つ。そしてこの後に

待って居るゲームに胸を弾ませ、先程の選択画面の様に選択肢が出て来るのを

待つのだが一向に選択肢が出てこない。互いがその場で固った状態で沈黙し、

徐々に二人の表情が曇り始めるとマサツグが始まって早々のバグか?…と

心配し、マサツグ一人ワタワタとし始めると受付嬢が慌ててマサツグに

話し掛ける。


「え~っと…

あの~…聞えますか?」


「え?…あ、はい!」


受付嬢が戸惑った様子で自分の声が聞こえて居るかをマサツグに尋ね、

その問い掛けに慌てているマサツグがリアルに大きな声で返事をすると、

周りの冒険者達が一斉にマサツグの方に振り返る。そしてマジマジと

マサツグの格好を見た後、妙に納得した様子で頷いては何事も無かった

かの様にまた仲間内で談笑を始める。その際マサツグは思わずリアルに

返事した事に対して若干顔を赤くして恥ずかしくなっていると、受付嬢が

ニッコリ笑いては安心した様子で再度マサツグに話し掛ける。


「なぁ~んだ!

聞えているなら返事してくださいよ!」


「……へ?」


「じゃあ、冒険者カードと登録をするのでちょっと待ってて下さいね!」


受付嬢がマサツグが返事をくれた事に安堵して笑みを浮かべて居ると、マサツグは

話が進行した事に驚いては戸惑い、気の抜けた返事をする。如何やらプレイヤー

だろうがNPCだろうが話を進めるには実際にキャラクターと会話をしないと

いけない様でその事を知らなかったマサツグはただ目を点にしては戸惑い…呆然と

カウンターの前に立ち尽くす。そんなマサツグの様子を他のプレイヤーは黙って

見ては俺達もそうだったと同意するよう頷き、受付嬢が一人手続きをすると

笑顔で告げるとマサツグに背を向け、一枚の何も表記されていないカードを

手にする。そしてそのカードを見た事の無いまるで顕微鏡の様な機械に居れて

スイッチを押すとその機械のレンズ部分からレーザーが放たれ、何やらカードに

刻印されて行くのが伺えた。その様子をマサツグが呆然としながらも見詰め、

ハッと意識を取り戻した所で慌ててゲームの仕様画面を開くと改めて会話に

関する仕様を確認する。するとそこにはこう書かれていた。


-プレイヤー間もしくはNPCとの会話について-

-このゲームには選択肢テキストは出てきません。

このゲーム内ではよりリアルに体感して頂く為、会話は基本的にいつもと同じ様に

お話頂ければそのまま会話となり、NPCキャラ・プレイヤー間での

コミュニケーションを取る事が可能となっております。

ですので不用意な発言をされると周りに誤解或いは危険な目に合うかもしれない

のでご注意ください。-


「……そう言う事かよ…

て言うかこの危険な目に合うって如何言う事?…」


改めて見直した取扱説明書(電子版)を開き、その内容を確認するとマサツグが

軽いショックを受ける。まぁ…ちゃんと確認して居なかった自分が悪いのだが、

如何にも釈然としない気持ちがマサツグの中で溜まって居ると最後の注意文に

書かれてある文章に疑問を持たされる。

危険な目に合う?…それって運営に消されるって事?…

等と闇を感じた気で居るとカードの印字が終わったのか嬉々とした様子で

受付嬢が振り向くとマサツグに話し掛け、それと同時に出来立てほやほやの

カードを手渡す。


「お待たせしました!!

これが冒険者カードです!

それと同時に彼方の身分証明書となります!!

…あっ!…後これが初心者の方に渡す事になって居る装備一式です!!」


   -----------------------------------------------------------------------

               冒険者カード
 
                レア度 A

            冒険者自身の身分証明証。

           大事な物なので捨てる事ができない。

               売却、廃棄不可。

   -----------------------------------------------------------------------

              トライアルソード

                レア度 F

                 ATK+10

       一番最初にギルドから手渡される初心者用の剣。

   勿論大した攻撃力は無い物の如何なる攻撃でも絶対に壊れないと言う

   奇妙なまでの頑丈さを誇る。誰もがこの剣から鍛錬を始めて英雄と

   なったのだが…誰一人としてこの剣を壊した者は居ないらしい…

               売却、廃棄不可。

   -----------------------------------------------------------------------

              トライアルメイル

                 レア度 F

                DEF+10

       一番最初にギルドから手渡される初心者用の軽装。

   勿論大した防御力は無い物の如何なる攻撃でも絶対に壊れないと言う…

   (ただしダメージは入る)奇妙なまでの頑丈さを誇る。誰もがこの鎧から

   鍛錬を始めて英雄となったのだが…誰一人としてこの軽装を壊した者は

   居ないらしい…

               売却、廃棄不可。

   -----------------------------------------------------------------------

「では、頑張ってくださいね!!」


「ッ!…は、はい…」


__パタパタパタパタ!!…


受付嬢から手渡されたカードは冒険者としての身分証明書であり、重要アイテムで

マサツグにとってまず最初に入手したアイテムであった。マサツグはそのカードを

見詰めては心成しか嬉しくなり、自然と笑みを零して居るとそのマサツグの表情を

見てか受付嬢がマサツグに笑顔でエールを送る。その受付嬢の反応にマサツグが

若干戸惑うも頷き返事をし、ギルドの出口に向かい歩き始めると後ろでは受付嬢が

手を振りマサツグを送り出そうとして居るのであった。そうして自分の足で

ギルドの外に出ると目の前には華やかな街並みと遠くに王城、活気の良い声が

聞こえて来ては異世界に来た気分になる。そんな光景にマサツグが漸く始まったと

一人興奮しては辺りを見渡す。


__ワイワイガヤガヤ!!…ワイワイガヤガヤ!!…


「…ッ!…おいおい!…これがゲームの中だって言うのかよ!?…

まるでラノベの主人公になった気分だぞ!?……ッ!!…

あっ!…お城まで建ってる!!…って、ファンタジーの世界じゃ当たり前か…

…まぁ…とにかく!…こういうゲームの鉄則はただ一つ!…レベル上げだ!!

…っとその前にステータスをば……ん?…何これ?…」


ゲームの中とは思えない程のリアルさに空気を感じ、味わった事の無い迫力に

一人胸をときめかせ、そしてまずRPGのお決まりと言った様子でレベル上げを

決意しては町の外へと向かい歩き始める。その際外の風景はどんなものなのかと

期待に満ち溢れた様子で歩き出すのだが、その前に自分のステータスが

気になったのかステータス画面を開く。しかしそこに有ったのは普通のプレイヤー

とは違うと異様な光景で、勿論それを目にしたマサツグは戸惑いの表情を見せる。

何故ならそこには…

 -----------------------------------------------------------------------

「マサツグ」

「駆け出し冒険者」
 
 Lv.1    「剣士」

 HP 250   TP 50

 ATK 25   DEF 20

 INT 10   RES 10

 AGI 15     LUK 999

 MS [剣術Lv.1]

 SS [鑑定LV.1]    [採取術Lv.1]  

        [技術向上]    [超幸運]

  -----------------------------------------------------------------------


「……LUKの値ってこれがデフォルトなの?…

にしては他の数値がお粗末の様な?……それに見た感じカンストしてない?…

え?…何これ?…やっぱりバグ?……それにこの[超幸運]ってのも何?…

弾丸で論破しちゃうの?…」


__ざわざわ…ざわざわ…


「ッ!…い、いかんいかん…

嫌な目立ち方をしている。」


一人自分のステータス画面を開いて困惑し…何が如何なって如何してこうなったと

考え始める。その際考えて居る事疑問を全部口にしているのか周りのNPCから

不審者を見るような目で見られ、マサツグがハッと気づいた頃には周りから

冷ややかな視線を集めると同時にNPCの一人が本当に危ないと感じたのか詰め所に

駆けて行く姿が見て取れた。その様子にマサツグが不味いと感じたのかそそくさと

その場を後にし町の外に通じる門の前に立つとギルドの受付嬢から受け取った

トライアル装備を身に着け、とりあえず王都の外に出る。王都の外には見事な緑の

絨毯が広がり風が心地よく吹いており、マサツグの他に始めたのか遠くで数名の

冒険者がモンスターと戦闘を繰り広げている様子が伺える。


「ッ!…やってますねぇ~!!…

んじゃま!…ぼちぼち始めて行きますか!!」


町の直ぐ傍の門で軽く体を動かしてはやる気を出し、独り言を口にしては目の前に

広がる大草原へと駆けて行く。まるで童心に戻った様にゲームを始めるのだが、

この先…マサツグは自分が全く予想して居ない事態に巻き込まれ、

苦難に立ち向かう事を強いられる事を…ほんの一ミリも感じていないのであった。

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