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入学式とターゲット
第四話
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《狐塚side》
入学式なんてだるい行事はなんのために存在するんだろうかと思っていた。そもそもほとんど持ち上がりだし本当にやる意味あるか?クラスも顔ぶれもどうせかわんねーじゃん。そう思って俺は式が始まって長ったるい校長の話を聞きながら爆睡した。
気持ちよく寝ていたら、誰かの声がした。声がしてしばらくは寝続けたけどだんだん意識がはっきりしてきた。ていうか、俺が寝てるのに起こすやつって何者?クラスのやつらはいつも遠巻きに見てるだけのはずだ。
「もしもーし!起きてー!!起きないとHR間に合わないよ!」
「んぁあ”…?なに?」
意識ははっきりしてきていたが、爆睡しているところを起こされてやや不機嫌に返した。
「いや、だから、式終わってもうみんな教室行ったよ。早く行かないと。」
しかしそいつは普通に返してくる。そこでよく見るとそいつの顔は見覚えのないものだった。さすがに3年過ごしたクラスメイトの顔くらいは分かる、はずだ。だがこいつは見たことがない。
「ん?あれ、君だれ?外部生?」
「はあ、そうですけど。」
「ふぅん、俺が誰か知ってる?」
「えっと…狐塚くん?ですか?」
あれ、俺のこと知ってるんだ。知ってて起こしたのね。
「ん、そうそう。知ってるんだ?」
「…?はい。」
「ふふ、きみ面白いね。」
「は?」
俺は新鮮な反応をするこいつを面白く感じた。大体のやつは狐塚って聞くと逃げるし、知らなくてもこの見た目と雰囲気で大体気圧されて話しかけては来ない。ましてやこんな態度をとられたのは初めてだ。
「あは、うん、面白い。きみ名前は?」「…白兎です。」
「あ、同室の子だ。そっか、きみが同室なら悪くないね。」
「はあ…。」
気のない返事を返す白兎。ていうか名前名字しか教えてくれないんだ。下の名前知りたかったんだけど。まあいいか、あとで名簿見よ。いや、それより同室なんだし聞けば良いのか。去年までは1人部屋を満喫してたのに学園の都合だとかで勝手に同室のやつ招かれて最悪だと思ってたけどこいつなら全然いい。面白いし。…まあまだ名前しか知らなくて、心当たりないからかもしれないけど。…狐塚ってそこそこ珍しいけどね。まあ、それにしてもこんな地味そうな子が普通に俺に声をかけて、全然動じない。やっぱり面白い。見た目は地味だけど。…あれ?
あることに気づいた俺は白兎の眼鏡を取ってみた。
「あ、やっぱり。前髪長いしメガネで地味にしてるけど、顔かわいいね。」
「は?」
眼鏡でわからなくなっていたが、白兎の素顔は絶世の美少年といって差し支えないほど整っていた。目は大きくて可愛いんだけど、鼻とか口とかは小さくて顎も細い。パーツひとつひとつが繊細な作りだ。可愛いは可愛いけど、綺麗って感じでもある。正直うちの学園でもかなり上位の顔だ。この顔だって分かれば抱きたいってやつも抱かれたいってやつも急増するはず。だけどこいつは前髪と眼鏡でよく顔が見えない。浮くほどではないけれど、これだと顔が良いと思われることはなさそうだ。どちらかと言えばどこにでもいるような感じに見える。俺はかなり近くで見たし、勘もいいほうだから気づいたけど…もしかして、意図的に隠してるのか?そこまで考えて俺は、白兎に眼鏡を返してやった。
「あはは、ほんとに面白いね、俺きみ気に入ったかも。」
「は?……あ、ちがうちがう、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ、えっと狐塚くん、早く行かないと!」
「えー、真面目だなあ。まあ、白兎くんが行くなら行くかあ。」
そう言って俺は白兎の後を追いかけた。これからの、全く期待していなかった学園生活に何かが起こる予感を感じて、口元に弧を描きながら。
入学式なんてだるい行事はなんのために存在するんだろうかと思っていた。そもそもほとんど持ち上がりだし本当にやる意味あるか?クラスも顔ぶれもどうせかわんねーじゃん。そう思って俺は式が始まって長ったるい校長の話を聞きながら爆睡した。
気持ちよく寝ていたら、誰かの声がした。声がしてしばらくは寝続けたけどだんだん意識がはっきりしてきた。ていうか、俺が寝てるのに起こすやつって何者?クラスのやつらはいつも遠巻きに見てるだけのはずだ。
「もしもーし!起きてー!!起きないとHR間に合わないよ!」
「んぁあ”…?なに?」
意識ははっきりしてきていたが、爆睡しているところを起こされてやや不機嫌に返した。
「いや、だから、式終わってもうみんな教室行ったよ。早く行かないと。」
しかしそいつは普通に返してくる。そこでよく見るとそいつの顔は見覚えのないものだった。さすがに3年過ごしたクラスメイトの顔くらいは分かる、はずだ。だがこいつは見たことがない。
「ん?あれ、君だれ?外部生?」
「はあ、そうですけど。」
「ふぅん、俺が誰か知ってる?」
「えっと…狐塚くん?ですか?」
あれ、俺のこと知ってるんだ。知ってて起こしたのね。
「ん、そうそう。知ってるんだ?」
「…?はい。」
「ふふ、きみ面白いね。」
「は?」
俺は新鮮な反応をするこいつを面白く感じた。大体のやつは狐塚って聞くと逃げるし、知らなくてもこの見た目と雰囲気で大体気圧されて話しかけては来ない。ましてやこんな態度をとられたのは初めてだ。
「あは、うん、面白い。きみ名前は?」「…白兎です。」
「あ、同室の子だ。そっか、きみが同室なら悪くないね。」
「はあ…。」
気のない返事を返す白兎。ていうか名前名字しか教えてくれないんだ。下の名前知りたかったんだけど。まあいいか、あとで名簿見よ。いや、それより同室なんだし聞けば良いのか。去年までは1人部屋を満喫してたのに学園の都合だとかで勝手に同室のやつ招かれて最悪だと思ってたけどこいつなら全然いい。面白いし。…まあまだ名前しか知らなくて、心当たりないからかもしれないけど。…狐塚ってそこそこ珍しいけどね。まあ、それにしてもこんな地味そうな子が普通に俺に声をかけて、全然動じない。やっぱり面白い。見た目は地味だけど。…あれ?
あることに気づいた俺は白兎の眼鏡を取ってみた。
「あ、やっぱり。前髪長いしメガネで地味にしてるけど、顔かわいいね。」
「は?」
眼鏡でわからなくなっていたが、白兎の素顔は絶世の美少年といって差し支えないほど整っていた。目は大きくて可愛いんだけど、鼻とか口とかは小さくて顎も細い。パーツひとつひとつが繊細な作りだ。可愛いは可愛いけど、綺麗って感じでもある。正直うちの学園でもかなり上位の顔だ。この顔だって分かれば抱きたいってやつも抱かれたいってやつも急増するはず。だけどこいつは前髪と眼鏡でよく顔が見えない。浮くほどではないけれど、これだと顔が良いと思われることはなさそうだ。どちらかと言えばどこにでもいるような感じに見える。俺はかなり近くで見たし、勘もいいほうだから気づいたけど…もしかして、意図的に隠してるのか?そこまで考えて俺は、白兎に眼鏡を返してやった。
「あはは、ほんとに面白いね、俺きみ気に入ったかも。」
「は?……あ、ちがうちがう、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ、えっと狐塚くん、早く行かないと!」
「えー、真面目だなあ。まあ、白兎くんが行くなら行くかあ。」
そう言って俺は白兎の後を追いかけた。これからの、全く期待していなかった学園生活に何かが起こる予感を感じて、口元に弧を描きながら。
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