【本編完結】ネコの慰み者が恋に悩んで昼寝する話

迷路を跳ぶ狐

文字の大きさ
165 / 174
番外編16.オーフィザン様とデート!

165.猫じゃらしじゃないよ!?

しおりを挟む

 色々あったけど、僕とオーフィザン様はデートを再開。

 ブレシーが教えてくれた通りには、キラキラしたお菓子のお店がいっぱいだ!!

 甘い匂いがする通りをオーフィザン様と二人で歩いていると、それだけで夢心地。オーフィザン様は、僕の手をギュッて握ってくれて、僕に微笑んでくれる。

「クラジュ、どれがいい?」
「え、えっと……」

 うう……通りを歩いているだけで甘い匂いがして、うっとりしちゃいそう。オーフィザン様と二人で歩いてるだけで、僕は嬉しい。
 甘い匂いに誘われてキョロキョロしちゃう。そしたら、オーフィザン様が立ち止まっちゃう。
 オーフィザン様は、じっと店のショーウインドーに立った猫のぬいぐるみを見ていた。

 そこは、猫カフェだった。中にはたくさんの猫さんがいるみたい。接客してる店員さんにも、猫耳と猫の尻尾がある。普通の猫さんと、化け猫さんがいるみたい。

 キュウテみたいな猫さんがいっぱいいる……みんな首や頭にリボン付けてて、すごく可愛い。中にはクッションの上で丸くなっている猫さんまでいて、日向ぼっこしてるみたいだ。

 いいなあ……気持ちよさそう。

 オーフィザン様、入りたいのかな? 猫さんに釘付けだ。オーフィザン様が猫を抱っこしてたら、ちょっと妬いちゃいそうな気もするけど……

「お、オーフィザン様!! 中に入りましょう!!」
「なに?」
「せっかくだから、寄って行きましょう! 猫さんと、僕も遊びたいです!」
「そうか……」

 そう言って、オーフィザン様は僕の頭を撫でてくれた。

 僕の頭をなでなでしてくれてたオーフィザン様の肩に、一匹の小さな子犬さんが走ってくる。普通の子犬じゃない。ガラスでできた使い魔だ。オーフィザン様は、それを抱き上げた。

「来たか……」
「オーフィザン様? そ、それ……」
「セリューからだ」
「セリュー様から? なにかあったんですか?」
「頼んでおいたことを調べ終わったらしい。その報告だ。さあ、中に入るぞ」
「へ!? え、えっと……」

 戸惑う僕を連れて、オーフィザン様は中に入って行った。







 中に入ると、人の姿をした化け猫さんと、猫さんでいっぱい。普通の猫さんもいれば、化け猫さんが猫の姿をしているのもいるみたい。

 オーフィザン様も、真っ黒な猫さんを抱っこして楽しそう。それはよかったんだけど……

「お前、仲間だと思われてるんじゃないか?」

 オーフィザン様がそう言って、猫を撫でながら笑ってる。オーフィザン様は猫さんを抱っこして楽しそうなのに、僕は猫さんに体に登られて、背中に猫さんが寝てる。おかげで僕は、ずっと蹲ったまま。

 ううう……僕、猫さんのベッドじゃないよ?

「ふあっ……!」

 尻尾の方がちくんってして振り向いたら、尻尾に猫さんがいっぱいじゃれついてる!! 僕の尻尾をまるで獲物みたいに狙って飛びついてくる!

「こ、こら! 僕の尻尾は猫じゃらしじゃないもん! ふあ!!」

 起き上がって尻尾を取り上げたら、せっかく遊んでたおもちゃを取られた猫さんたちが、僕に飛びかかってきた。
 僕が起き上がったせいで、せっかく見つけたあったかい寝床がなくなっちゃった猫さんまで飛びかかって来て、背中の上に乗られちゃう。

「ふええっ……っ! だ、ダメっ……降りてようっ!!」

 びっくりしたけど、どうしようもなくて、体を丸くして蹲る僕。尻尾は玩具にされちゃうし、僕はベッドにされちゃうし……

 おろおろしてたら、オーフィザン様が、僕の上に乗った猫さんを下ろしてくれた。

「……大丈夫か? クラジュ」
「ふええん……オーフィザンさまあ……」

 オーフィザン様は、僕の背中から抱きあげた猫さんに「悪ふざけがすぎるぞ」って言った。そしたら猫さんはクルンって回って、人の姿になっちゃう。化け猫さんだったんだ。

「ごめんなさい。可愛かったので、つい。あなた、オーフィザンですよね? 魔法使いの」
「知っているのか?」
「はい。ちょっとからかっただけでーす」

 そう言って、化け猫さんは尻尾を振って、僕に微笑む。

「あなたが、オーフィザンの飼い猫かー」
「か、飼い猫ではないです……」
「噂に聞いた通り、可愛い」
「ふえっ!?? う、噂って……?」

 化け猫さん、僕のほっぺとか顎の下あたりをくすぐってくる。ふええ……く、くすぐったい。でも、ちょっと気持ちいい。

「や、やめてください……」
「もうすぐ、猫たちのご飯の時間なんです。よかったら、食べていきませんか?」
「え? あ、あげるんじゃなくて、食べるの??」

 びっくりしていたら、オーフィザン様が僕を抱き寄せて「俺の猫だ」って言い出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

双子のスパダリ旦那が今日も甘い

ユーリ
BL
「いつになったらお前は学校を辞めるんだ?」「いつになったら俺らの仕事の邪魔をする仕事をするんだ?」ーー高校二年生の柚月は幼馴染の双子と一緒に暮らしているが、毎日のように甘やかされるも意味のわからないことを言ってきて…「仕事の邪魔をする仕事って何!?」ーー双子のスパダリ旦那は今日も甘いのです。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...