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番外編16.オーフィザン様とデート!
165.猫じゃらしじゃないよ!?
しおりを挟む色々あったけど、僕とオーフィザン様はデートを再開。
ブレシーが教えてくれた通りには、キラキラしたお菓子のお店がいっぱいだ!!
甘い匂いがする通りをオーフィザン様と二人で歩いていると、それだけで夢心地。オーフィザン様は、僕の手をギュッて握ってくれて、僕に微笑んでくれる。
「クラジュ、どれがいい?」
「え、えっと……」
うう……通りを歩いているだけで甘い匂いがして、うっとりしちゃいそう。オーフィザン様と二人で歩いてるだけで、僕は嬉しい。
甘い匂いに誘われてキョロキョロしちゃう。そしたら、オーフィザン様が立ち止まっちゃう。
オーフィザン様は、じっと店のショーウインドーに立った猫のぬいぐるみを見ていた。
そこは、猫カフェだった。中にはたくさんの猫さんがいるみたい。接客してる店員さんにも、猫耳と猫の尻尾がある。普通の猫さんと、化け猫さんがいるみたい。
キュウテみたいな猫さんがいっぱいいる……みんな首や頭にリボン付けてて、すごく可愛い。中にはクッションの上で丸くなっている猫さんまでいて、日向ぼっこしてるみたいだ。
いいなあ……気持ちよさそう。
オーフィザン様、入りたいのかな? 猫さんに釘付けだ。オーフィザン様が猫を抱っこしてたら、ちょっと妬いちゃいそうな気もするけど……
「お、オーフィザン様!! 中に入りましょう!!」
「なに?」
「せっかくだから、寄って行きましょう! 猫さんと、僕も遊びたいです!」
「そうか……」
そう言って、オーフィザン様は僕の頭を撫でてくれた。
僕の頭をなでなでしてくれてたオーフィザン様の肩に、一匹の小さな子犬さんが走ってくる。普通の子犬じゃない。ガラスでできた使い魔だ。オーフィザン様は、それを抱き上げた。
「来たか……」
「オーフィザン様? そ、それ……」
「セリューからだ」
「セリュー様から? なにかあったんですか?」
「頼んでおいたことを調べ終わったらしい。その報告だ。さあ、中に入るぞ」
「へ!? え、えっと……」
戸惑う僕を連れて、オーフィザン様は中に入って行った。
中に入ると、人の姿をした化け猫さんと、猫さんでいっぱい。普通の猫さんもいれば、化け猫さんが猫の姿をしているのもいるみたい。
オーフィザン様も、真っ黒な猫さんを抱っこして楽しそう。それはよかったんだけど……
「お前、仲間だと思われてるんじゃないか?」
オーフィザン様がそう言って、猫を撫でながら笑ってる。オーフィザン様は猫さんを抱っこして楽しそうなのに、僕は猫さんに体に登られて、背中に猫さんが寝てる。おかげで僕は、ずっと蹲ったまま。
ううう……僕、猫さんのベッドじゃないよ?
「ふあっ……!」
尻尾の方がちくんってして振り向いたら、尻尾に猫さんがいっぱいじゃれついてる!! 僕の尻尾をまるで獲物みたいに狙って飛びついてくる!
「こ、こら! 僕の尻尾は猫じゃらしじゃないもん! ふあ!!」
起き上がって尻尾を取り上げたら、せっかく遊んでたおもちゃを取られた猫さんたちが、僕に飛びかかってきた。
僕が起き上がったせいで、せっかく見つけたあったかい寝床がなくなっちゃった猫さんまで飛びかかって来て、背中の上に乗られちゃう。
「ふええっ……っ! だ、ダメっ……降りてようっ!!」
びっくりしたけど、どうしようもなくて、体を丸くして蹲る僕。尻尾は玩具にされちゃうし、僕はベッドにされちゃうし……
おろおろしてたら、オーフィザン様が、僕の上に乗った猫さんを下ろしてくれた。
「……大丈夫か? クラジュ」
「ふええん……オーフィザンさまあ……」
オーフィザン様は、僕の背中から抱きあげた猫さんに「悪ふざけがすぎるぞ」って言った。そしたら猫さんはクルンって回って、人の姿になっちゃう。化け猫さんだったんだ。
「ごめんなさい。可愛かったので、つい。あなた、オーフィザンですよね? 魔法使いの」
「知っているのか?」
「はい。ちょっとからかっただけでーす」
そう言って、化け猫さんは尻尾を振って、僕に微笑む。
「あなたが、オーフィザンの飼い猫かー」
「か、飼い猫ではないです……」
「噂に聞いた通り、可愛い」
「ふえっ!?? う、噂って……?」
化け猫さん、僕のほっぺとか顎の下あたりをくすぐってくる。ふええ……く、くすぐったい。でも、ちょっと気持ちいい。
「や、やめてください……」
「もうすぐ、猫たちのご飯の時間なんです。よかったら、食べていきませんか?」
「え? あ、あげるんじゃなくて、食べるの??」
びっくりしていたら、オーフィザン様が僕を抱き寄せて「俺の猫だ」って言い出した。
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