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あや様リクエスト
腰痛
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*駿里視点
「…………ん……。」
あれ…俺眠ってた。今何時だろう。
「……あ、寛也。」
俺が目を覚ますと隣に寛也が眠ってた。その近くに康二さんがいる…と志方さんも。でも…。
「海斗いない…。」
せっかく海斗に会えるってなったのにまだ俺会ってない。どうしよう。ここで抜け出したら寛也にバレるかな。
「そっと抜け出せば…気づかないかも…っ、」
待ってなにこれ。腰痛い…。
「けど早く行かなきゃ寛也起きる…。」
俺は寛也と康二さん、志方さんに気づかれないように忍び足で布団を抜け出した。
「よし。いいぞ。このまま静かに…。」
いい感じだ。誰も起きてない。俺才能あるかも。
「あと少し…。」
この扉を開けたら俺はこの部屋から出れる。それでまた海斗に会って戻ってくれば大丈夫。けど腰痛いなほんとに…。
「やったっ、出れた…!」
みんなはヤクザだから音とかには敏感なはずなのにみんなを起こすことなく俺部屋の外に出れた!さっすが!よし!海斗の所に行こう。
「えっと…海斗どこにいるんだっけ?」
「あっちの部屋だぞ。」
「あ、あっちか………え?」
俺は聞こえるはずのない人の声が聞こえて思わずその場に固まった。だってさっきまで部屋の中にいたはずの人だもん。ていうかで寝てたじゃん!
「何してんだ駿里。」
「こ、康二さん…。」
声のした方を振り返るとそこには康二さんがいた。てことは康二さんは俺がひっそり外に出ようとしてた時も起きてたってことだ。
「何してんだって聞いてんだ駿里。さっきお仕置きしたばっかりだぞ。つかあんなにイキ狂ってたのによく歩けるな。」
「そういうこと言わないでよ…っ!」
「こら。静かにしろ。組長が起きちまうだろ。」
「あ…そうだった。」
ってなんで俺の事庇ってくれるの…?康二さんは俺を連れ戻しに来たんじゃないの?
「お前海斗のことに行こうとしたのか?」
「…そう。」
「なら行くか。」
「え?」
「あ?なんだよ。」
「…行っていいの?」
さっきはあんなにお仕置きしてきて1人で出歩くなって教えられたのに…。俺の事見逃してくれてその上一緒に行ってくれるの…?
「何言ってんだ。当たり前だ。」
「…どうして?」
「そんな産まれたての子鹿みたいな歩き方したお前を一人で行かせられるか。」
「なっ…してないし!」
「それに一人で行ったらお前また組長にお仕置きされるぞ。けど俺と行ったら一人じゃないだろ?」
康二さん…。康二さんってほんとに…優しい。いつでも俺の見方をしてくれるかっこいい人。
「…ありがとう。康二さん。」
「いいよ。後でお礼してもらうから。」
「うん…うん?」
お礼って…まぁいいや。とりあえず海斗に会いに行こう。だから俺は康二さんの差し出された手を握って歩いて行った。
「康二さんってずっと寛也のそばにいるの?」
「なんだよ急に。」
「気になったの。お義父さんのことにも詳しそうだったから。」
「んーずっとってわけじゃねぇけどそうなるかもな。圷よりも志方よりも組長のそばにいる時間は長い。」
「そうなんだ。」
「それで、お前は何が聞きたいんだ?」
康二さんって怖いぐらい俺の思考分かってるよね。なんで分かるんだろう。
「…昔の寛也のこと聞きたい。」
「昔?あんま聞くもんじゃねぇぞそりゃ。」
「分かってて聞きたいの。」
「んーー。どうしようか。」
「お願い康二さん。」
「えぇーー。どうしよっかな。」
「…………っ。」
あ、これあれだ。俺が康二さんに何かしなきゃ康二さん言ってくれないやつだ。何しよう。どうしよっかな。
「…キスするから教えて。」
「どこに?」
「……………。」
「言ってくんねぇなら俺も教えねぇ。」
「…口に。」
「いい子だ。」
康二さんが分かりやすく機嫌よくなった。けどよく考えなくてもここ廊下だからね。バレないようにしなきゃ…。
「ほら、早くしろ駿里。」
「分かったってば。」
そう言って俺はそっと康二さんの唇にキスをした。よし。誰にも見られて…
「駿里?お前なのか?」
見られてた…。しかもこの声って…。
「…み、御子柴さん。」
「お疲れ様です。御子柴さん。」
「ああ。つーかお前ら何してんだこんな夜更けに。」
「散歩ですよ。な、駿里。」
「う、うん。」
やばいよ…。見られちゃまずい人に見られちゃったよ…。御子柴さん寛也に言うかな…?言うよね…。どうしようどうしよう…。
「散歩か。どこまで行くんだ駿里。」
「海斗の所までです…。」
「海斗?」
「あれですよ御子柴さん。圷の恋人です。」
「あーあの子か。」
「そうですそうです。駿里がそいつに会いたいって言うもんですからその我儘を聞いてやってるんです。そのついでにお話も。」
「なるほど。そういうことか。それなら俺も一緒に話をしてもいいか?」
御子柴さんとお話…!中々できない事だ…!それに康二さんよりも寛也のことを知ってそう…!
「もちろんです…!」
「駿里がそう言うならいいですよ。」
「康二。お前は本当に生意気になった。」
「え?そうですか?」
「そうだ。」
「御子柴さん。昔の康二さんはこんなんじゃなかったんですか?」
「おい駿里。こんなんとか言うなよ。」
って康二さんが言ってきたけど俺は気になって仕方がなかったから康二さんのことを無視して御子柴さんを見た。
「そうだ。まさに忠誠心の塊って感じだった。」
それって…今もそうじゃないの?康二さんは寛也のためなら何でもするって…今もそうな気がする。
「ちょっと御子柴さん。恥ずかしいんでやめましょうよ。」
「駿里が知りたがってんだから仕方ねぇだろ。んで話の続きだが康二はな、昔よく怪我をしていた。それはなんでか分かるか?駿里。」
「寛也のためですか?」
「そう。そうなんだ。こいつは命知らずでよく坊ちゃんは手を焼いていた。坊ちゃんのためなら何でもするからな。それがお前と出会って康二は康二自身を大切にするようになった。」
知らなかった…。けど確かに俺が康二さんと出会ったばかりの時は怪我よくしてた気もする…。
「けどそれは坊ちゃんも同じだ。」
「…寛也も?」
「ああ。昔の坊ちゃんは荒れててな。なぁ康二。」
「はい。ありゃもう大変でした。」
「そんなに…!?もっとお話聞きたい…!」
「いいぞ。こんな夜は中々ない。満足いくまで話そうじゃないか。な、康二。」
「そうですね。けどまぁそりゃ海斗に会った後で話しましょう。」
「そうだな。その後でお前の昔の話もいっぱいしてやろう。聞きたいだろ?駿里。」
「はい!」
「だってよ康二。」
「あはは…。程々にしてくださいね御子柴さん…。」
「…………ん……。」
あれ…俺眠ってた。今何時だろう。
「……あ、寛也。」
俺が目を覚ますと隣に寛也が眠ってた。その近くに康二さんがいる…と志方さんも。でも…。
「海斗いない…。」
せっかく海斗に会えるってなったのにまだ俺会ってない。どうしよう。ここで抜け出したら寛也にバレるかな。
「そっと抜け出せば…気づかないかも…っ、」
待ってなにこれ。腰痛い…。
「けど早く行かなきゃ寛也起きる…。」
俺は寛也と康二さん、志方さんに気づかれないように忍び足で布団を抜け出した。
「よし。いいぞ。このまま静かに…。」
いい感じだ。誰も起きてない。俺才能あるかも。
「あと少し…。」
この扉を開けたら俺はこの部屋から出れる。それでまた海斗に会って戻ってくれば大丈夫。けど腰痛いなほんとに…。
「やったっ、出れた…!」
みんなはヤクザだから音とかには敏感なはずなのにみんなを起こすことなく俺部屋の外に出れた!さっすが!よし!海斗の所に行こう。
「えっと…海斗どこにいるんだっけ?」
「あっちの部屋だぞ。」
「あ、あっちか………え?」
俺は聞こえるはずのない人の声が聞こえて思わずその場に固まった。だってさっきまで部屋の中にいたはずの人だもん。ていうかで寝てたじゃん!
「何してんだ駿里。」
「こ、康二さん…。」
声のした方を振り返るとそこには康二さんがいた。てことは康二さんは俺がひっそり外に出ようとしてた時も起きてたってことだ。
「何してんだって聞いてんだ駿里。さっきお仕置きしたばっかりだぞ。つかあんなにイキ狂ってたのによく歩けるな。」
「そういうこと言わないでよ…っ!」
「こら。静かにしろ。組長が起きちまうだろ。」
「あ…そうだった。」
ってなんで俺の事庇ってくれるの…?康二さんは俺を連れ戻しに来たんじゃないの?
「お前海斗のことに行こうとしたのか?」
「…そう。」
「なら行くか。」
「え?」
「あ?なんだよ。」
「…行っていいの?」
さっきはあんなにお仕置きしてきて1人で出歩くなって教えられたのに…。俺の事見逃してくれてその上一緒に行ってくれるの…?
「何言ってんだ。当たり前だ。」
「…どうして?」
「そんな産まれたての子鹿みたいな歩き方したお前を一人で行かせられるか。」
「なっ…してないし!」
「それに一人で行ったらお前また組長にお仕置きされるぞ。けど俺と行ったら一人じゃないだろ?」
康二さん…。康二さんってほんとに…優しい。いつでも俺の見方をしてくれるかっこいい人。
「…ありがとう。康二さん。」
「いいよ。後でお礼してもらうから。」
「うん…うん?」
お礼って…まぁいいや。とりあえず海斗に会いに行こう。だから俺は康二さんの差し出された手を握って歩いて行った。
「康二さんってずっと寛也のそばにいるの?」
「なんだよ急に。」
「気になったの。お義父さんのことにも詳しそうだったから。」
「んーずっとってわけじゃねぇけどそうなるかもな。圷よりも志方よりも組長のそばにいる時間は長い。」
「そうなんだ。」
「それで、お前は何が聞きたいんだ?」
康二さんって怖いぐらい俺の思考分かってるよね。なんで分かるんだろう。
「…昔の寛也のこと聞きたい。」
「昔?あんま聞くもんじゃねぇぞそりゃ。」
「分かってて聞きたいの。」
「んーー。どうしようか。」
「お願い康二さん。」
「えぇーー。どうしよっかな。」
「…………っ。」
あ、これあれだ。俺が康二さんに何かしなきゃ康二さん言ってくれないやつだ。何しよう。どうしよっかな。
「…キスするから教えて。」
「どこに?」
「……………。」
「言ってくんねぇなら俺も教えねぇ。」
「…口に。」
「いい子だ。」
康二さんが分かりやすく機嫌よくなった。けどよく考えなくてもここ廊下だからね。バレないようにしなきゃ…。
「ほら、早くしろ駿里。」
「分かったってば。」
そう言って俺はそっと康二さんの唇にキスをした。よし。誰にも見られて…
「駿里?お前なのか?」
見られてた…。しかもこの声って…。
「…み、御子柴さん。」
「お疲れ様です。御子柴さん。」
「ああ。つーかお前ら何してんだこんな夜更けに。」
「散歩ですよ。な、駿里。」
「う、うん。」
やばいよ…。見られちゃまずい人に見られちゃったよ…。御子柴さん寛也に言うかな…?言うよね…。どうしようどうしよう…。
「散歩か。どこまで行くんだ駿里。」
「海斗の所までです…。」
「海斗?」
「あれですよ御子柴さん。圷の恋人です。」
「あーあの子か。」
「そうですそうです。駿里がそいつに会いたいって言うもんですからその我儘を聞いてやってるんです。そのついでにお話も。」
「なるほど。そういうことか。それなら俺も一緒に話をしてもいいか?」
御子柴さんとお話…!中々できない事だ…!それに康二さんよりも寛也のことを知ってそう…!
「もちろんです…!」
「駿里がそう言うならいいですよ。」
「康二。お前は本当に生意気になった。」
「え?そうですか?」
「そうだ。」
「御子柴さん。昔の康二さんはこんなんじゃなかったんですか?」
「おい駿里。こんなんとか言うなよ。」
って康二さんが言ってきたけど俺は気になって仕方がなかったから康二さんのことを無視して御子柴さんを見た。
「そうだ。まさに忠誠心の塊って感じだった。」
それって…今もそうじゃないの?康二さんは寛也のためなら何でもするって…今もそうな気がする。
「ちょっと御子柴さん。恥ずかしいんでやめましょうよ。」
「駿里が知りたがってんだから仕方ねぇだろ。んで話の続きだが康二はな、昔よく怪我をしていた。それはなんでか分かるか?駿里。」
「寛也のためですか?」
「そう。そうなんだ。こいつは命知らずでよく坊ちゃんは手を焼いていた。坊ちゃんのためなら何でもするからな。それがお前と出会って康二は康二自身を大切にするようになった。」
知らなかった…。けど確かに俺が康二さんと出会ったばかりの時は怪我よくしてた気もする…。
「けどそれは坊ちゃんも同じだ。」
「…寛也も?」
「ああ。昔の坊ちゃんは荒れててな。なぁ康二。」
「はい。ありゃもう大変でした。」
「そんなに…!?もっとお話聞きたい…!」
「いいぞ。こんな夜は中々ない。満足いくまで話そうじゃないか。な、康二。」
「そうですね。けどまぁそりゃ海斗に会った後で話しましょう。」
「そうだな。その後でお前の昔の話もいっぱいしてやろう。聞きたいだろ?駿里。」
「はい!」
「だってよ康二。」
「あはは…。程々にしてくださいね御子柴さん…。」
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