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あや様リクエスト
緊張
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*駿里視点
ど、どうしよう…。槐さんと沢山お話できると思って普通に槐さんに言われるがまま着いてきたけど何を話せばいいんだ…?
「駿里?どうした?」
「え、あ、」
槐さんに何を話そうか…どんな話題にしようかと俺が考えていた時槐さんが俺の顔を覗き込んでそう言ってきた。だから俺は思わず変な声を出してしまった。だって緊張してんだもん…!この二人っきりの空間で…!
「な、なんにもないです!」
「はは、大丈夫だ。駿里。そう緊張するな。別に俺はお前を取って食ったりするわけじゃねぇんだから。だから安心しろ。ちょっとお前と話したいことがあったんだ。」
…槐さんってすごいな。俺は緊張してるのを出さないようにしてたのにそれに気づいた。ほんとに…なんていうか観察力がすごい。
「…話したいことですか?」
「ああ。」
「それってなんですか…?」
「まぁ言わなくても薄々気づいてるだろうが寛也のことだ。それとお前のことだ。」
「おれ、ですか…?」
槐さんは大抵寛也のことをこっそり俺に聞いてくるから寛也のことを話されるんだろうなとは思っていた。けど俺の事まで話すなんて想像してなかったから俺はちょっと身構えてしまった。
「そうだ。先に駿里の話からしよう。」
「は、はい。」
「そんなに緊張するな。別に悪い話じゃねぇから。悪い話どころかいい話なんだからよ。」
よ、よかった…。なんか勝手に色々想像してめっちゃ身構えてしまってた…。
「それなら良かったです。」
「そうだぞ。そもそもお前は悪いこと何もしてねぇんだから悪い話なわけねぇだろ。まぁそれはいいとして…話ってのがな…」
俺は槐さんの言葉が素直に嬉しかった。俺はまだまだ寛也を支えられてない部分があったり迷惑をかけてしまっていることが多い。この前もそうだ。俺が攫われちゃったから迷惑をかけた。多分その件には槐さんもお義父さんもかかわってくれてる。寛也は何も言ってないからあくまでこれは俺の勘だけどね。そんな俺にその言葉をかけてくれる槐さんは本当に優しい人だ…。
「ありがとうって伝えたかっんだ。その言葉だけじゃ足りねぇけどな。駿里、お前には本当に感謝してるんだ。」
「…そ、そんなっ、俺、何もしてないですよ。」
そんなにお礼を言われるほど俺は何をした訳でもない。なのに槐さんは俺の頭を撫でながら優しい笑みを浮かべてそう言ってくれたんだ。
「いいや。ある。寛也はお前と出会ってから変わった。碓氷も親父もだ。なんなら康二もだな。いや、一番は康二かもな。」
「康二さんですか…?」
「そうだ。あいつは寛也のためなら何でもするようなやつでな。困ったやつだったんだ。しょっちゅう怪我をしてはまだ完治してないのに次の怪我をしたりして寛也を悩ませていたんだ。その寛也も寛也で俺を悩ませていたけどな。」
なんか康二さんらしいかも…。今もちょっとそんな感じの名残が残ってるもん。
「確かに昔の寛也はちょっと怖かったです。」
「だろ?あいつは毎日毎日人を殺しては拷問してラットをすぐに処分してた。まぁけどそれもあって日本トップレベルまで登りあげたってのもあるだろうけどな。寛也が怖くて部下は段々と裏切れない環境になっていったらしいからよ。だがそのせいであまりにも寛也は恐れられていたんだ。なんなら俺も怖いって思うほどにな。」
「え!?槐さんがですか…!?」
「そうだ。手がつけられなかったんだ。その時に寛也がお前を見つけた。そんでまるで生まれ変わったように優しいやつになった。いや…違うな。元の寛也に戻ったって言った方がいいかもな。」
「元…?」
「ちょっと言いづらい話ではあるんだが本来なら俺が組を継がなきゃいけねぇはずなんだ。だが俺はそれを拒んじまってな。碓氷もだ。碓氷に至っては刺青を掘る仕事してるだろ?」
確かにそうだ…。碓氷さんは刺青を入れる仕事をしているだけでヤクザでは無いと本人も言っていた。
「はい。」
「だから寛也が拒否権もなく若頭になって組長になったんだ。それは相当辛かったはずだ。寛也は人を傷つけることすら嫌がってたような優しいやつだったからな。」
…え?そうなの…?それだったら…寛也すごい辛かったはず。だって俺と出会った時にはもう…普通に人を殺してた。それが普通になるぐらい耐えて耐えて…耐えてきたってことだよね。
「…そうだったんですね。」
「ああ。なのにあいつは俺らを恨まなかった。生まれた環境を憎むもんじゃないって言ってな。」
あれ…。その言葉誰かも言ってた気がする…。誰だったっけな…。けどもういいや。昔のことは思い出したくないから
「だから駿里、お前には本当に感謝している。寛也が本音で話せて心の拠り所になる存在が現れてくれたからな。」
そっか…。俺は知らないところで寛也の役に立ててたんだね。嬉しい。こんなに嬉しいことないよ。けど…。
「槐さん。それは俺の方ですよ。」
「ん?」
「俺の方が寛也に支えられてます。」
「そうか。お互い様だったんだな。」
「はい。」
「ほんっとお前らは運命って言葉が似合うやつだ。」
「そうですか?」
って俺は思わず恥ずかしくて言ったけどそうだったら嬉しいな。
「そうに決まってる。お前は実際に俺らの運命も変えてくれたんだから。ありがとうな駿里。」
「そんなっ…けど、槐さんたちのお役に立ててるのは嬉しいです。」
「ああ。役に立ちまくってるよ。」
「良かったです……あ、そういえば槐さん。俺も槐さんに聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「もちろんだ。なんでも言え。答えられる範囲のことなら答えてやる。」
「その、俺が攫われた事件についてなんですけど…」
ど、どうしよう…。槐さんと沢山お話できると思って普通に槐さんに言われるがまま着いてきたけど何を話せばいいんだ…?
「駿里?どうした?」
「え、あ、」
槐さんに何を話そうか…どんな話題にしようかと俺が考えていた時槐さんが俺の顔を覗き込んでそう言ってきた。だから俺は思わず変な声を出してしまった。だって緊張してんだもん…!この二人っきりの空間で…!
「な、なんにもないです!」
「はは、大丈夫だ。駿里。そう緊張するな。別に俺はお前を取って食ったりするわけじゃねぇんだから。だから安心しろ。ちょっとお前と話したいことがあったんだ。」
…槐さんってすごいな。俺は緊張してるのを出さないようにしてたのにそれに気づいた。ほんとに…なんていうか観察力がすごい。
「…話したいことですか?」
「ああ。」
「それってなんですか…?」
「まぁ言わなくても薄々気づいてるだろうが寛也のことだ。それとお前のことだ。」
「おれ、ですか…?」
槐さんは大抵寛也のことをこっそり俺に聞いてくるから寛也のことを話されるんだろうなとは思っていた。けど俺の事まで話すなんて想像してなかったから俺はちょっと身構えてしまった。
「そうだ。先に駿里の話からしよう。」
「は、はい。」
「そんなに緊張するな。別に悪い話じゃねぇから。悪い話どころかいい話なんだからよ。」
よ、よかった…。なんか勝手に色々想像してめっちゃ身構えてしまってた…。
「それなら良かったです。」
「そうだぞ。そもそもお前は悪いこと何もしてねぇんだから悪い話なわけねぇだろ。まぁそれはいいとして…話ってのがな…」
俺は槐さんの言葉が素直に嬉しかった。俺はまだまだ寛也を支えられてない部分があったり迷惑をかけてしまっていることが多い。この前もそうだ。俺が攫われちゃったから迷惑をかけた。多分その件には槐さんもお義父さんもかかわってくれてる。寛也は何も言ってないからあくまでこれは俺の勘だけどね。そんな俺にその言葉をかけてくれる槐さんは本当に優しい人だ…。
「ありがとうって伝えたかっんだ。その言葉だけじゃ足りねぇけどな。駿里、お前には本当に感謝してるんだ。」
「…そ、そんなっ、俺、何もしてないですよ。」
そんなにお礼を言われるほど俺は何をした訳でもない。なのに槐さんは俺の頭を撫でながら優しい笑みを浮かべてそう言ってくれたんだ。
「いいや。ある。寛也はお前と出会ってから変わった。碓氷も親父もだ。なんなら康二もだな。いや、一番は康二かもな。」
「康二さんですか…?」
「そうだ。あいつは寛也のためなら何でもするようなやつでな。困ったやつだったんだ。しょっちゅう怪我をしてはまだ完治してないのに次の怪我をしたりして寛也を悩ませていたんだ。その寛也も寛也で俺を悩ませていたけどな。」
なんか康二さんらしいかも…。今もちょっとそんな感じの名残が残ってるもん。
「確かに昔の寛也はちょっと怖かったです。」
「だろ?あいつは毎日毎日人を殺しては拷問してラットをすぐに処分してた。まぁけどそれもあって日本トップレベルまで登りあげたってのもあるだろうけどな。寛也が怖くて部下は段々と裏切れない環境になっていったらしいからよ。だがそのせいであまりにも寛也は恐れられていたんだ。なんなら俺も怖いって思うほどにな。」
「え!?槐さんがですか…!?」
「そうだ。手がつけられなかったんだ。その時に寛也がお前を見つけた。そんでまるで生まれ変わったように優しいやつになった。いや…違うな。元の寛也に戻ったって言った方がいいかもな。」
「元…?」
「ちょっと言いづらい話ではあるんだが本来なら俺が組を継がなきゃいけねぇはずなんだ。だが俺はそれを拒んじまってな。碓氷もだ。碓氷に至っては刺青を掘る仕事してるだろ?」
確かにそうだ…。碓氷さんは刺青を入れる仕事をしているだけでヤクザでは無いと本人も言っていた。
「はい。」
「だから寛也が拒否権もなく若頭になって組長になったんだ。それは相当辛かったはずだ。寛也は人を傷つけることすら嫌がってたような優しいやつだったからな。」
…え?そうなの…?それだったら…寛也すごい辛かったはず。だって俺と出会った時にはもう…普通に人を殺してた。それが普通になるぐらい耐えて耐えて…耐えてきたってことだよね。
「…そうだったんですね。」
「ああ。なのにあいつは俺らを恨まなかった。生まれた環境を憎むもんじゃないって言ってな。」
あれ…。その言葉誰かも言ってた気がする…。誰だったっけな…。けどもういいや。昔のことは思い出したくないから
「だから駿里、お前には本当に感謝している。寛也が本音で話せて心の拠り所になる存在が現れてくれたからな。」
そっか…。俺は知らないところで寛也の役に立ててたんだね。嬉しい。こんなに嬉しいことないよ。けど…。
「槐さん。それは俺の方ですよ。」
「ん?」
「俺の方が寛也に支えられてます。」
「そうか。お互い様だったんだな。」
「はい。」
「ほんっとお前らは運命って言葉が似合うやつだ。」
「そうですか?」
って俺は思わず恥ずかしくて言ったけどそうだったら嬉しいな。
「そうに決まってる。お前は実際に俺らの運命も変えてくれたんだから。ありがとうな駿里。」
「そんなっ…けど、槐さんたちのお役に立ててるのは嬉しいです。」
「ああ。役に立ちまくってるよ。」
「良かったです……あ、そういえば槐さん。俺も槐さんに聞きたいことがあるんですがいいですか?」
「もちろんだ。なんでも言え。答えられる範囲のことなら答えてやる。」
「その、俺が攫われた事件についてなんですけど…」
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