極道の密にされる健気少年

安達

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あや様リクエスト

気が抜けない

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*松下視点



「碓氷さんもお元気そうでなによりです。」



って俺は駿里の腕を掴みながら言った。なんでかって?そんなの決まってる。この馬鹿が何も考えず碓氷さんのとこまで走っていこうとしたからだ。たく…。碓氷さんは駿里によくちょっかい出すってのにむやみやたらに近づいていってんじゃねぇよ。



「お陰様で元気にやってるよ。親父はまだ帰ってきてないから中でゆっくり休むといい。」



そう言いながらも碓氷さんの視線は駿里だった。この人…隙あれば駿里を襲うつもりだな。まぁ俺がいる限りそうはさせねぇけど。って言っても碓氷さんも駿里を大切にしてくれているから駿里の嫌がることは絶対しない。だがまぁ俺が嫉妬しちまうから駿里を碓氷さんに近づけないに越したことはない。



「そうさせてもらう。兄貴達はこれからどこかに行くのか?」

「ああ。俺はちょっと外に出る用事がある。まぁすぐ終わる用事だ。碓氷は家にいるからなんか困ったら碓氷に言うといい。まぁ寛也の事だから碓氷には頼んねぇと思うけどな。」



なんてこった…。槐さんが外に行くのか…。せめて碓氷さんが行ってくれれば…。いやけどそれはねぇな。碓氷さんの仕事はヤクザじゃねぇから。



「おい康二。心の声がダダ漏れだぞ。」

「え…、え?な、なんのことでしょうか、碓氷さん。」

「たく、お前はわかりやすい奴だな。昔っからよ。まぁそこがお前のいいとこでもあるよな。」



それは褒めているのか…?俺はまだ碓氷さんの全てがわかっているわけじゃないから時々怖いと感じる時もある。けど俺は碓氷さんが嫌いなわけじゃない。むしろ尊敬しているほどだ。




「そうですね碓氷さん。まぁその分仕事でも失敗することもありますけど。」

「お、おい志方!」



なんてこと言いやがるんだ志方の馬鹿野郎…!馬酔木さんに聞かれたら俺怒られちまうじゃねぇか。まぁ今は家にいないみたいだけどよ!



「はは、相変わらずお前らは仲がいいヤツらだな。とりあえず部屋入れよ。腹減ったら言え。駿里、後でお前は俺んとこ来いよ。」



碓氷さんに笑われるようにそう言われて思わず言い返そうとした俺だが最後に碓氷さんが言った言葉を聞いて俺は固まった。駿里を…?碓氷さんのところに…?行かせませんよ…っと俺が言おうとした時…。



「兄貴…。」

「冗談だって寛也。そう怒るなよ。」



いいえ。碓氷さん。冗談では無いですよね。俺には分かります。だから俺は駿里の腕をまた掴んだ。こいつが馬鹿な真似をして碓氷さんのところに行かねぇように。



「冗談には見えねぇがな。」

「組長。俺もそう思います。」

「康二。お前までそんな事言うなよ。」

「碓氷さんがいつも駿里にちょっかい出すからです。絶対駿里を碓氷さんのところに行かせませんから。俺がついていっていいのなら行かせますけど。」

「はは、お前も言うようになったな。ヤクザらしくなったじゃねぇか。いいぞ康二。」



俺が強気に碓氷さんに言い返したのを見て槐さんが笑ってきた。俺は槐さんに褒められると正直とても嬉しい。だから思わず口角が上がった。



「ありがとうございます槐さん。」

「ああ。寛也、俺のとこには駿里を来させてもいいだろ?」



と、槐さんがいうと場が静まり返った。槐さんは安全だ。だから行かせてもいいが駿里がいないその間の寂しさは計り知れない。組長、頼みますよ。断ってください。



「どのくらいだ?どのくらいこいつを連れていくんだ?」

「そんな時間は取らねぇよ寛也。俺も外に行かなきゃいけねぇからな。少しの間駿里と話すだけだ。」

「それならいい。」



組長…!!!なんで許しちゃうんですかぁ!その間に碓氷さんが駿里のとこに来たらどうするんですかァ!



「よし、じゃあ駿里。俺と行こう。」

「はい。槐さん。」



お前も喜んで行ってんじゃねぇよくそ駿里。帰ったら抱き潰してやろうか…。



「おい駿里。兄貴との話が終わったらすぐ俺のところに来いよ。つか、兄貴。俺のとこまで駿里を送り届けろ。」

「へいへい。寛也は独占欲が強いやつだな。」

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