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非道
38話 身勝手
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「・・・・・・・寛也」
か細い声で寛也の名前を呼んだ。寛也はバッと顔を上げた。だが、駿里の手を握っていた寛也から出た言葉は思いもよらぬものだった。
「この中にパスポートと,金が入ってる。学費と住む所の家賃代とかにでも使え。余った金は生活費に回すんだぞ?じゃなあ、元気でいろよ駿里」
そう言い放つと寛也は立ち去ろうとした。
駿里は体を勢いよく起こし寛也の腕を力一杯掴んだ
「ちょっと待ってよ!」
「離せ汚らわしい、お前にはもう飽きた。それに俺はこういう人間だ。愛人を取っ替え引っ替えにして興味がなくなったら殺してんだよ」
「じゃあなんで俺は殺そうとしない!!なんでこんな短時間で助けに来てくれたんだよ!!俺の話も聞けよ!!!」
駿里は叫んだ。外にいる森廣達にも聴こえるぐらいに。
「俺は、寛也のことが好きだ。最初は怖くて仕方がなかったけど、俺を拉致した理由も俺を助けてくれるためなんでしょ?家族って言える存在がいない俺にとって森廣さんとか、康二さんとか他のみんなは家族みたいなもんだった。離れたくない。捨てないでお願い。大好きなんだ寛也のことが!それにまだオーロラ見てない、約束したじゃんか一緒に見るって」
駿里は思っていたことを全て寛也に伝えた。すると寛也の目から涙が零れ落ちた。それでも真っ直ぐ駿里は寛也のことを見つめていた。寛也が何かを言うのを待っていた。
「・・・・・俺と一緒にいたら、今日みたいな目に遭わせてしまう」
「それでもいい。おれは寛也といたい」
「もう離して欲しいって言っても離してやれねぇぞ?」
「そんな嬉しいことはないね!」
「たく、お前は。帰ってきてくれて良かった。愛してる駿里」
「うん。俺も愛してる」
2人の会話が終わり病室のドアが空いた。
「愛っすね~」
「俺、なんか目覚めそう」
「キモ、お前。次そんなこと言ったら、傷口殴んぞ、松下」
胸を撃たれ意識不明の重体のはずだった松下の名前が呼ばれ、寛也は勢いよく振り返った。松下と寛也は目があった。俺は元気です!と言わんばかりに満面の笑みを寛也に松下は向けた。その様子に寛也も釣られて微笑んだ。
「組長、駿里くん外に行きましょう。」
「おい森廣。今何時だと思ってんだ。」
現在の時刻は深夜の12:45だった。
「だから行くんじゃないですか」
「駿里が言ってたでしょう?今日はオーロラが絶対見れる予感がするって!その予感信じましょうよ!」
島袋も続けて言う。
「寛也!行こうよ!」
「お前はまだ…。」
「今日しか見れないかもしれないじゃん!」
「明日から休ませましょう。今日だけです」
「今日だけだぞ」
「はーい!」
天馬と駿里を含むその場にいた旭川組の者全員でオーロラを見に行った。駿里が心配だと、寛也は駿里を抱きかかえて車まで連れて行っていた。その短い間で愛しい人の温もりを感じ駿里は眠ってしまった。その場に着いてからのお楽しみにしようと駿里をそのまま寝かせた。
か細い声で寛也の名前を呼んだ。寛也はバッと顔を上げた。だが、駿里の手を握っていた寛也から出た言葉は思いもよらぬものだった。
「この中にパスポートと,金が入ってる。学費と住む所の家賃代とかにでも使え。余った金は生活費に回すんだぞ?じゃなあ、元気でいろよ駿里」
そう言い放つと寛也は立ち去ろうとした。
駿里は体を勢いよく起こし寛也の腕を力一杯掴んだ
「ちょっと待ってよ!」
「離せ汚らわしい、お前にはもう飽きた。それに俺はこういう人間だ。愛人を取っ替え引っ替えにして興味がなくなったら殺してんだよ」
「じゃあなんで俺は殺そうとしない!!なんでこんな短時間で助けに来てくれたんだよ!!俺の話も聞けよ!!!」
駿里は叫んだ。外にいる森廣達にも聴こえるぐらいに。
「俺は、寛也のことが好きだ。最初は怖くて仕方がなかったけど、俺を拉致した理由も俺を助けてくれるためなんでしょ?家族って言える存在がいない俺にとって森廣さんとか、康二さんとか他のみんなは家族みたいなもんだった。離れたくない。捨てないでお願い。大好きなんだ寛也のことが!それにまだオーロラ見てない、約束したじゃんか一緒に見るって」
駿里は思っていたことを全て寛也に伝えた。すると寛也の目から涙が零れ落ちた。それでも真っ直ぐ駿里は寛也のことを見つめていた。寛也が何かを言うのを待っていた。
「・・・・・俺と一緒にいたら、今日みたいな目に遭わせてしまう」
「それでもいい。おれは寛也といたい」
「もう離して欲しいって言っても離してやれねぇぞ?」
「そんな嬉しいことはないね!」
「たく、お前は。帰ってきてくれて良かった。愛してる駿里」
「うん。俺も愛してる」
2人の会話が終わり病室のドアが空いた。
「愛っすね~」
「俺、なんか目覚めそう」
「キモ、お前。次そんなこと言ったら、傷口殴んぞ、松下」
胸を撃たれ意識不明の重体のはずだった松下の名前が呼ばれ、寛也は勢いよく振り返った。松下と寛也は目があった。俺は元気です!と言わんばかりに満面の笑みを寛也に松下は向けた。その様子に寛也も釣られて微笑んだ。
「組長、駿里くん外に行きましょう。」
「おい森廣。今何時だと思ってんだ。」
現在の時刻は深夜の12:45だった。
「だから行くんじゃないですか」
「駿里が言ってたでしょう?今日はオーロラが絶対見れる予感がするって!その予感信じましょうよ!」
島袋も続けて言う。
「寛也!行こうよ!」
「お前はまだ…。」
「今日しか見れないかもしれないじゃん!」
「明日から休ませましょう。今日だけです」
「今日だけだぞ」
「はーい!」
天馬と駿里を含むその場にいた旭川組の者全員でオーロラを見に行った。駿里が心配だと、寛也は駿里を抱きかかえて車まで連れて行っていた。その短い間で愛しい人の温もりを感じ駿里は眠ってしまった。その場に着いてからのお楽しみにしようと駿里をそのまま寝かせた。
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