39 / 638
非道
38話 身勝手
しおりを挟む
「・・・・・・・寛也」
か細い声で寛也の名前を呼んだ。寛也はバッと顔を上げた。だが、駿里の手を握っていた寛也から出た言葉は思いもよらぬものだった。
「この中にパスポートと,金が入ってる。学費と住む所の家賃代とかにでも使え。余った金は生活費に回すんだぞ?じゃなあ、元気でいろよ駿里」
そう言い放つと寛也は立ち去ろうとした。
駿里は体を勢いよく起こし寛也の腕を力一杯掴んだ
「ちょっと待ってよ!」
「離せ汚らわしい、お前にはもう飽きた。それに俺はこういう人間だ。愛人を取っ替え引っ替えにして興味がなくなったら殺してんだよ」
「じゃあなんで俺は殺そうとしない!!なんでこんな短時間で助けに来てくれたんだよ!!俺の話も聞けよ!!!」
駿里は叫んだ。外にいる森廣達にも聴こえるぐらいに。
「俺は、寛也のことが好きだ。最初は怖くて仕方がなかったけど、俺を拉致した理由も俺を助けてくれるためなんでしょ?家族って言える存在がいない俺にとって森廣さんとか、康二さんとか他のみんなは家族みたいなもんだった。離れたくない。捨てないでお願い。大好きなんだ寛也のことが!それにまだオーロラ見てない、約束したじゃんか一緒に見るって」
駿里は思っていたことを全て寛也に伝えた。すると寛也の目から涙が零れ落ちた。それでも真っ直ぐ駿里は寛也のことを見つめていた。寛也が何かを言うのを待っていた。
「・・・・・俺と一緒にいたら、今日みたいな目に遭わせてしまう」
「それでもいい。おれは寛也といたい」
「もう離して欲しいって言っても離してやれねぇぞ?」
「そんな嬉しいことはないね!」
「たく、お前は。帰ってきてくれて良かった。愛してる駿里」
「うん。俺も愛してる」
2人の会話が終わり病室のドアが空いた。
「愛っすね~」
「俺、なんか目覚めそう」
「キモ、お前。次そんなこと言ったら、傷口殴んぞ、松下」
胸を撃たれ意識不明の重体のはずだった松下の名前が呼ばれ、寛也は勢いよく振り返った。松下と寛也は目があった。俺は元気です!と言わんばかりに満面の笑みを寛也に松下は向けた。その様子に寛也も釣られて微笑んだ。
「組長、駿里くん外に行きましょう。」
「おい森廣。今何時だと思ってんだ。」
現在の時刻は深夜の12:45だった。
「だから行くんじゃないですか」
「駿里が言ってたでしょう?今日はオーロラが絶対見れる予感がするって!その予感信じましょうよ!」
島袋も続けて言う。
「寛也!行こうよ!」
「お前はまだ…。」
「今日しか見れないかもしれないじゃん!」
「明日から休ませましょう。今日だけです」
「今日だけだぞ」
「はーい!」
天馬と駿里を含むその場にいた旭川組の者全員でオーロラを見に行った。駿里が心配だと、寛也は駿里を抱きかかえて車まで連れて行っていた。その短い間で愛しい人の温もりを感じ駿里は眠ってしまった。その場に着いてからのお楽しみにしようと駿里をそのまま寝かせた。
か細い声で寛也の名前を呼んだ。寛也はバッと顔を上げた。だが、駿里の手を握っていた寛也から出た言葉は思いもよらぬものだった。
「この中にパスポートと,金が入ってる。学費と住む所の家賃代とかにでも使え。余った金は生活費に回すんだぞ?じゃなあ、元気でいろよ駿里」
そう言い放つと寛也は立ち去ろうとした。
駿里は体を勢いよく起こし寛也の腕を力一杯掴んだ
「ちょっと待ってよ!」
「離せ汚らわしい、お前にはもう飽きた。それに俺はこういう人間だ。愛人を取っ替え引っ替えにして興味がなくなったら殺してんだよ」
「じゃあなんで俺は殺そうとしない!!なんでこんな短時間で助けに来てくれたんだよ!!俺の話も聞けよ!!!」
駿里は叫んだ。外にいる森廣達にも聴こえるぐらいに。
「俺は、寛也のことが好きだ。最初は怖くて仕方がなかったけど、俺を拉致した理由も俺を助けてくれるためなんでしょ?家族って言える存在がいない俺にとって森廣さんとか、康二さんとか他のみんなは家族みたいなもんだった。離れたくない。捨てないでお願い。大好きなんだ寛也のことが!それにまだオーロラ見てない、約束したじゃんか一緒に見るって」
駿里は思っていたことを全て寛也に伝えた。すると寛也の目から涙が零れ落ちた。それでも真っ直ぐ駿里は寛也のことを見つめていた。寛也が何かを言うのを待っていた。
「・・・・・俺と一緒にいたら、今日みたいな目に遭わせてしまう」
「それでもいい。おれは寛也といたい」
「もう離して欲しいって言っても離してやれねぇぞ?」
「そんな嬉しいことはないね!」
「たく、お前は。帰ってきてくれて良かった。愛してる駿里」
「うん。俺も愛してる」
2人の会話が終わり病室のドアが空いた。
「愛っすね~」
「俺、なんか目覚めそう」
「キモ、お前。次そんなこと言ったら、傷口殴んぞ、松下」
胸を撃たれ意識不明の重体のはずだった松下の名前が呼ばれ、寛也は勢いよく振り返った。松下と寛也は目があった。俺は元気です!と言わんばかりに満面の笑みを寛也に松下は向けた。その様子に寛也も釣られて微笑んだ。
「組長、駿里くん外に行きましょう。」
「おい森廣。今何時だと思ってんだ。」
現在の時刻は深夜の12:45だった。
「だから行くんじゃないですか」
「駿里が言ってたでしょう?今日はオーロラが絶対見れる予感がするって!その予感信じましょうよ!」
島袋も続けて言う。
「寛也!行こうよ!」
「お前はまだ…。」
「今日しか見れないかもしれないじゃん!」
「明日から休ませましょう。今日だけです」
「今日だけだぞ」
「はーい!」
天馬と駿里を含むその場にいた旭川組の者全員でオーロラを見に行った。駿里が心配だと、寛也は駿里を抱きかかえて車まで連れて行っていた。その短い間で愛しい人の温もりを感じ駿里は眠ってしまった。その場に着いてからのお楽しみにしようと駿里をそのまま寝かせた。
75
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる