極道の密にされる健気少年

安達

文字の大きさ
上 下
11 / 579
恐怖の世界

10話 限界

しおりを挟む
駿里がこの家に来て1週間が経った。短いはずの1週間がとても長く感じた。特に夜。寛也は朝方まで毎日のように駿里を抱き潰していた。




今日もいつものごとく抱き潰され寛也が仕事へ行った後も寝込んでいた。




「大丈夫か駿里?」



笑いながら松下が寝室に入ってきた。松下さんは本当に明るくて、この監禁生活で唯一気を抜ける。でもこーゆー時は寝かせてほしい。松下は俺を起こし朝ごはんを食べさせようとリビングへ運んだ。






「湿布貼っとこうな」





「ありがとう」





「監禁されてる奴の部下に礼なんか言ってんじゃねぇよ」





「松下さんが俺に良くしてくれてるのは事実だから。今日暇だからお話しよ」






駿里は松下にはタメ口でも平気で話せるぐらい心を開いていた。いや、そう見せたいた。この檻から出るために。






「見張りがいるときぐらい足枷外してよ」




「ダメに決まってんだろ。バカ」




「金属アレルギーかどうかわかんないけど、痒くなるんだよ」



怪しいと思ったが、本当にだったら組長に殺されるので一応足枷を外して痒いと言った部分を見た


「何もなってねぇじゃねぇーか」



「当たり前じゃん。この足枷が邪魔で掻きたくてもかけないんだから」




「……じゃあ俺がいるときだけだぞ」



まさか許しが出ると思ってなかったので、驚いた。でもまだだ、まだ逃げるのは早い確実に逃げれるようになるまでは。そんなことを思いながら松下にお礼を言った



「ありがとう」




「まあからとった所で玄関の鍵あかねぇからどっちにしろとってもいいんだけどな」



「逃げたいなんてもう思ってないよ」






そんな嘘をつきながら、松下と過ごしていると松下の携帯に着信が入った。











「駿里。組長3日ぐらい仕事が立て込んでて帰ってこれないみたいだからその間俺と島袋が交代でくる。でも明日は俺も島袋も仕事に行かなきゃ何ねぇーから下っぱのガキを見張り役にする。それでもいいか?」





「いいよ」 




「必要以上に下っ端と喋んなよ」




「うんわかってる」






       











チャンスだ。この気を逃してはいけない。
もし逃げ切っても捕まるかもしれない。酷い目に遭わされるかもしれない。不安はありすぎるほどあった。だがそれ以上にここから出たい。逃亡したい思いが大きくなっていった駿里にとって逃げないと言う選択肢はもうなかった。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

アダルトショップでオナホになった俺

ミヒロ
BL
初めて同士の長年の交際をしていた彼氏と喧嘩別れした弘樹。 覚えてしまった快楽に負け、彼女へのプレゼントというていで、と自分を慰める為にアダルトショップに行ったものの。 バイブやローションの品定めしていた弘樹自身が客や後には店員にオナホになる話し。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!)

冷酷組長の狂愛

さてぃー
BL
関東最大勢力神城組組長と無気力美男子の甘くて焦ったい物語 ※はエロありです

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

ヤクザと捨て子

幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子 ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。 ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。

BL 生徒会長が怖い

かのほ
BL
絶大な権力を持つ生徒会執行部。みんな怯えて生活をしている。主人公は大人しく生活してたのに目をつけられてしまって...

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

処理中です...