中二病少女

木下寅丸

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痛々しさ

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 夕食。
「今日はお兄ちゃんの大好きな海老だよ、海老!」
「はい。あ~ん」そう言って口元に海老。
「パクり。うん美味しい」美味しかった。
「わ~い。きゃっきゃ」何がそこまでお前を楽しませるだろうか妹よ。最近、より一層距離感が近くなった気がする。例えばこうだ。
 私が茶の間のソファーに座っている。どこからともなく妹が現れる。
「ぺた~」そう言いながら、隣に座ってペタリと引っ付く。私は面倒くさいので無反応に徹した。
「えへへ」何が嬉しいのやら。
 この前の話を思い出す。世界がロボットだらけか、辛いな。親友すらロボットの対象なんだなお前には。私は過去を振り返った。「私もまた同じか…」
 でもさ妹よ。この歳になったから分かったんだ。そうではない。そうではないんだよ。悲しい、悲しすぎるぞ。周りには色々な人生を歩む人がいるよな。酷い経験や事情を抱えた人がいるよな。その感情や、行動すらお前には分かってしまい、無機質な物に感じてしまうんだよな。分かる。分かるよ。でも、全員同じ人間なんだ。ロボットなんかじゃない。世界はそう怖いものではないんだよ。人間は測り得ることなんて出来ないんだ。
 私は隣にいる妹を撫でた。そして言う。
「プリン食べたい」妹は冷蔵庫に向かいプリンを持ってきた。
「偉いぞ!」そう言ってまた妹を撫でた。
 急にプリンを食べたくなった私の気持ちを予測出来たか? 妹よ。これこそが人間である証拠。それに他ならない。ロボットではないのだよ。私は感傷に浸りながら、プリンをスプーンですくう。
「うん、美味しい」
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