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ウソとハッタリ
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シュミット 女装して奈落より登場
ルックナー よし、発火装置作動!
上手近くで煙りが吹き上がる
シュミット きゃあぁぁぁっ!!助けてぇ!!!
ルックナー いいぞ、その調子だ、ジョセフィーナ!!
ルックナー カメラを構える
ロイデマン お~~いジョンブルども!別嬪さんが助けを求めてんだぞ!
キルヒアイス 紳士だったら気合入れるところだろが!金髪の若い美人なんだぞ!
シュミット うぅ、やだよぉ。
クリンチ 敵船、こちらに向かってきます。
ルックナー かかったな。
敵船と「ゼーアドラー」のセット重なる。
ルックナー よしキルヒアイス、一発お見舞いしろ。無線設備を狙ってな。今なら消火の準備で近くに誰もいない。
キルヒアイス 了解!
敵船セットに赤いスポットライトが当たったかと思うと、アンテナ線が切れ水柱が上がる。
敵船セット上の船員達 立ちすくむ。
クリンチ 見事だ、キルヒアイス!アンテナを切断したぞ!
キルヒアイス 任せてくださいな。
ルックナー こちらドイツ仮装巡洋艦「ゼーアドラー」。降伏を勧告する。
敵船船長 断る!ドイツ人に降伏できるか!野郎ども、根性見せろ!砲がやられた訳じゃねえ!戦うぞ!
ルックナー 動くな!狙撃手を配備している。動くと撃つぞ。
銃声 敵船セットに煙が幾筋が上がる。
敵船船長 怯むな、豆鉄砲で船は沈まねえ。
ルックナー そうか、ならば沈めてやる。取り舵一杯!魚雷戦用意!
敵船船員 魚雷だってぇ!!!!
クリンチ 艦長、本艦は魚雷を積んでおりませんが?
ルックナー ハッタリだ。舷側を開けて、黒く塗った筒を見せろ。魚雷を発射するよう声を出せ!
キルヒアイス 魚雷準備よぉぉしっ!!!
エルトマン スクリュー問題なぁぁぁし!!
ルックナー いいぞ、その調子だ。
クリンチ 大丈夫でしょうか?
ルックナー 潜水艦が魚雷で船を沈める時代だぞ。水上艦も搭載していると思ってくれるさ。やるんだ!
キルヒアイス 目標との距離、2000ヤード!!
エルトマン 魚雷、発射管に装填!!
クリンチ みんな、ウソがうまい。なんか艦長に毒されてないか。
ルックナー どういう意味だ?
クリンチ どういう意味でしょうな。
ロイデマン 発射管の偽装、外します!!!
セットの一部が倒れ、黒い筒が現れる。
敵船船員 げぇぇぇっ、魚雷だぁ!!
「ラ・ロシュフコー」号船長奈落より登場
「ラ・ロシュフコー」号船長 待て、落ち着くんだ!ハッタリだ!
ルックナー 貴様、戦闘の邪魔をするな!
「ラ・ロシュフコー」号船長 この船に魚雷は無い!
ルックナー 黙ってろ!
ルックナー 鉄拳を見舞う
船長、倒れる。
ルックナー この野郎、手間ばっかかけさせやがって。
船員達、取り出した白い布を振り回す。
クリンチ 降伏するようです。聞こえなかったようですな。
ルックナー 本当に帆桁に吊してやろうか。
敵船船長 貴様ら、降伏する気か?
敵船船員 魚雷は怖いです。
敵船船長 くっ、やむを得ん、降伏だ。
敵船船長、白旗を振る。
ルックナー よし、プライス、拿捕に迎え!
プライス 了解!準備はできております。
ルックナー 拿捕隊の隊員、今回はよく考えて連れていけ。砲を備えているくらいだ。戦意が高いと見ねばならん。
プライス 大丈夫です。レスリングのチャンピオンを連れていきます。
プライスの背後の二人の巨漢がポーズをとる。
拿捕隊員A わたしは、サクソニアのチャンピオン。
拿捕隊員B わたしは、ウェストファリアのチャンピオン。
ルックナーもポーズをとる。
ルックナー オレも、サンクト・パウリのチャンピオンだ。
ライス 艦長も参加しますか?
ルックナー 冗談だ。そう言って写真を撮ったことがあるだけだ。
プライス 艦長なら大丈夫ですよ、行きませんか?
ルックナー おいおい、いじめないでくれ。オレなんか役に立ちはしないよ。
プライス そんなことはないでしょう。いかがです?
ルックナー 勘弁しろ。
ルックナー プライスから逃げる。
プライス あらあら逃げられた。仕方ないですな。艦長抜きで行ってまいります。
拿捕隊 セットから出る
クリンチ 艦長も冗談がお好きですな。
ルックナー 冗談だけど、写真だって撮っているんだ。親父にそう言って親父に見せたら喜んでくれたな。取り上げて財布にしまい込んでずっと持っている。
ロイデマン 御父上はご存命ですか?
ルックナー あぁ、九十歳だけど「ワシを騎兵士官として現役復帰させろ」と言っている。「パトロールくらいならできる。若い者の模範として復帰させろ。」ってうるさいくらい元気さ。
観客席 そう手紙を受けとったな。参謀本部は拒絶したが、その思いうれしく思ったものよ。
ルックナー 恐れ入ります。父もあの世で喜んでおりましょう。戦後まもなく亡くなりましたが。
ルックナー 一礼する
ロイデマン 元気のいいお父上ですな。
ルックナー あぁ、オレも親父に負けてられん。劣勢でも、最期まで戦い抜く。
ルックナー よし、発火装置作動!
上手近くで煙りが吹き上がる
シュミット きゃあぁぁぁっ!!助けてぇ!!!
ルックナー いいぞ、その調子だ、ジョセフィーナ!!
ルックナー カメラを構える
ロイデマン お~~いジョンブルども!別嬪さんが助けを求めてんだぞ!
キルヒアイス 紳士だったら気合入れるところだろが!金髪の若い美人なんだぞ!
シュミット うぅ、やだよぉ。
クリンチ 敵船、こちらに向かってきます。
ルックナー かかったな。
敵船と「ゼーアドラー」のセット重なる。
ルックナー よしキルヒアイス、一発お見舞いしろ。無線設備を狙ってな。今なら消火の準備で近くに誰もいない。
キルヒアイス 了解!
敵船セットに赤いスポットライトが当たったかと思うと、アンテナ線が切れ水柱が上がる。
敵船セット上の船員達 立ちすくむ。
クリンチ 見事だ、キルヒアイス!アンテナを切断したぞ!
キルヒアイス 任せてくださいな。
ルックナー こちらドイツ仮装巡洋艦「ゼーアドラー」。降伏を勧告する。
敵船船長 断る!ドイツ人に降伏できるか!野郎ども、根性見せろ!砲がやられた訳じゃねえ!戦うぞ!
ルックナー 動くな!狙撃手を配備している。動くと撃つぞ。
銃声 敵船セットに煙が幾筋が上がる。
敵船船長 怯むな、豆鉄砲で船は沈まねえ。
ルックナー そうか、ならば沈めてやる。取り舵一杯!魚雷戦用意!
敵船船員 魚雷だってぇ!!!!
クリンチ 艦長、本艦は魚雷を積んでおりませんが?
ルックナー ハッタリだ。舷側を開けて、黒く塗った筒を見せろ。魚雷を発射するよう声を出せ!
キルヒアイス 魚雷準備よぉぉしっ!!!
エルトマン スクリュー問題なぁぁぁし!!
ルックナー いいぞ、その調子だ。
クリンチ 大丈夫でしょうか?
ルックナー 潜水艦が魚雷で船を沈める時代だぞ。水上艦も搭載していると思ってくれるさ。やるんだ!
キルヒアイス 目標との距離、2000ヤード!!
エルトマン 魚雷、発射管に装填!!
クリンチ みんな、ウソがうまい。なんか艦長に毒されてないか。
ルックナー どういう意味だ?
クリンチ どういう意味でしょうな。
ロイデマン 発射管の偽装、外します!!!
セットの一部が倒れ、黒い筒が現れる。
敵船船員 げぇぇぇっ、魚雷だぁ!!
「ラ・ロシュフコー」号船長奈落より登場
「ラ・ロシュフコー」号船長 待て、落ち着くんだ!ハッタリだ!
ルックナー 貴様、戦闘の邪魔をするな!
「ラ・ロシュフコー」号船長 この船に魚雷は無い!
ルックナー 黙ってろ!
ルックナー 鉄拳を見舞う
船長、倒れる。
ルックナー この野郎、手間ばっかかけさせやがって。
船員達、取り出した白い布を振り回す。
クリンチ 降伏するようです。聞こえなかったようですな。
ルックナー 本当に帆桁に吊してやろうか。
敵船船長 貴様ら、降伏する気か?
敵船船員 魚雷は怖いです。
敵船船長 くっ、やむを得ん、降伏だ。
敵船船長、白旗を振る。
ルックナー よし、プライス、拿捕に迎え!
プライス 了解!準備はできております。
ルックナー 拿捕隊の隊員、今回はよく考えて連れていけ。砲を備えているくらいだ。戦意が高いと見ねばならん。
プライス 大丈夫です。レスリングのチャンピオンを連れていきます。
プライスの背後の二人の巨漢がポーズをとる。
拿捕隊員A わたしは、サクソニアのチャンピオン。
拿捕隊員B わたしは、ウェストファリアのチャンピオン。
ルックナーもポーズをとる。
ルックナー オレも、サンクト・パウリのチャンピオンだ。
ライス 艦長も参加しますか?
ルックナー 冗談だ。そう言って写真を撮ったことがあるだけだ。
プライス 艦長なら大丈夫ですよ、行きませんか?
ルックナー おいおい、いじめないでくれ。オレなんか役に立ちはしないよ。
プライス そんなことはないでしょう。いかがです?
ルックナー 勘弁しろ。
ルックナー プライスから逃げる。
プライス あらあら逃げられた。仕方ないですな。艦長抜きで行ってまいります。
拿捕隊 セットから出る
クリンチ 艦長も冗談がお好きですな。
ルックナー 冗談だけど、写真だって撮っているんだ。親父にそう言って親父に見せたら喜んでくれたな。取り上げて財布にしまい込んでずっと持っている。
ロイデマン 御父上はご存命ですか?
ルックナー あぁ、九十歳だけど「ワシを騎兵士官として現役復帰させろ」と言っている。「パトロールくらいならできる。若い者の模範として復帰させろ。」ってうるさいくらい元気さ。
観客席 そう手紙を受けとったな。参謀本部は拒絶したが、その思いうれしく思ったものよ。
ルックナー 恐れ入ります。父もあの世で喜んでおりましょう。戦後まもなく亡くなりましたが。
ルックナー 一礼する
ロイデマン 元気のいいお父上ですな。
ルックナー あぁ、オレも親父に負けてられん。劣勢でも、最期まで戦い抜く。
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