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デートなんていつぶりだろう。久しぶり過ぎて、気持ちが変になっているらしい。あまり寝付けなかったというのに、空が白み始めた頃に目を覚ました茉歩は、布団の中で呆然と天井を見上げた。
茉歩よりも小さくて、後ろをちょこまかとついて来ていた葉一が。茉歩姉ちゃん、と高い声音で呼んでいたあの葉一が。茉歩の手にキスをして、熱い眼差しで「デートしよう」なんて。
「デートって……デート……?」
脳内で再び再生された単語を繰り返し、はたと気付く。お見合いも断られると思っていたのに、デートって。葉一はその気があるのか? いやいや、からかってる? でも、あの子は人をからかったり、嘘つくような子じゃないし。
うんうん唸っていると、唐突に部屋のドアが叩かれる。
「茉歩、葉一くんが来てるわよ」
「ふぇ⁈」
慌てて布団から出て、窓から外を見る。すると表にこちらに背を向けて立っている男性の姿を見つけた。葉一だ。
時計を見ると、いつの間にか約束の時間の十分前。
「さっき、郵便屋さんが来て気付いたのよ。声かけてくれればいいのにね。あんた支度出来てるの?」
「も、もうちょっと!」
「じゃあ上がっててもらうわ。お母さん出かけるから、戸締りよろしく」
母の言葉を聞きながら、茉歩は急いで身支度を整える。早めに起きたというのに、これでは意味がない。
茉歩よりも小さくて、後ろをちょこまかとついて来ていた葉一が。茉歩姉ちゃん、と高い声音で呼んでいたあの葉一が。茉歩の手にキスをして、熱い眼差しで「デートしよう」なんて。
「デートって……デート……?」
脳内で再び再生された単語を繰り返し、はたと気付く。お見合いも断られると思っていたのに、デートって。葉一はその気があるのか? いやいや、からかってる? でも、あの子は人をからかったり、嘘つくような子じゃないし。
うんうん唸っていると、唐突に部屋のドアが叩かれる。
「茉歩、葉一くんが来てるわよ」
「ふぇ⁈」
慌てて布団から出て、窓から外を見る。すると表にこちらに背を向けて立っている男性の姿を見つけた。葉一だ。
時計を見ると、いつの間にか約束の時間の十分前。
「さっき、郵便屋さんが来て気付いたのよ。声かけてくれればいいのにね。あんた支度出来てるの?」
「も、もうちょっと!」
「じゃあ上がっててもらうわ。お母さん出かけるから、戸締りよろしく」
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