俺様ボスと私の恋物語

福山ともゑ

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 「ボス。マサ1人だと無理でしょ。」
と、軽い調子で言ってくれるソイツは、一樹(カズキ)。

 「ボス。こういう時は、皆に声かけるべきでしょ。」
と、悟らせようと言ってくるソイツは、貴匡(タカ=タカマサ)。

 「ボスを狙おうなんて、100年早いよ。」
と言ってくるのは、冷静沈着な香港人の王(ワン)。

 「ボス。夜は出歩かないことだな。」
と言ってくるのは、普段はあんまり喋らない優馬(ユウマ)。

 「ボス。アイツは誰?」
と、すぐにツッコミを入れてくるのは、大学内で唯一のモデル、潤也(ジュンヤ)。


それらに答える事はないと思いつつも、頭を押さえつつ答えてやる。
 「今日がバイトの最終日だ。
アイツは、そのバイト先の客であり、このところ私をストーキングしてくれるヤツだ。」 


 「でも、ボロボロになったよ。」
と、少し誇らしげに言ってくれる、おしゃべり好きな自称右腕の洋一(スズメ=ヨウイチ)。

 「だね。」
と相槌を打つ、日米のハーフな自称左腕の悟(サトル)。

数歩遅れてやってきては「捨ててきた」と、言ってくるのは社交界プリンスの豊(ユタカ)。

脱力に脱力を重ねては、
 「役目を仰せつかったのは自分なのに…」と、呟いてるのは正孝(マサ=マサタカ)。


はは…。
あー…、もう苦笑もんだな。


以上9名が、いつも私を取り巻いてくれている。
私を含め10人とも同じ大学の医学部4年であり、同じゼミを取ってる。


何故なのかは大体の予想が付く。だが、勝手に声が出ていた。
 「なんでお前らがここに居るんだっ?」


そしたら、8人が見事にハモってくれる。
 「「 ボスを守るために決まってるでしょ! 」」



でも、まあ・・・、あれだな。
店の中ではなく外だったので、まだ良かったが・・・。

本当に、こいつ等は。

店長、最後の最後まで、ごめんなさい。
店長は悪くないです。
悪いのは勝手にストーキングしてくれた今田さんです。

今田さん。
貴方は本当に、はた迷惑な人ですね。
私は好かれようとは思わないし、第一、大学生なんだ。
勉強の邪魔をして欲しくない。



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