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或いは夢のようなはじまり
55 鵺の首
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「……ふぅ。想定外のゲストありだなんて、久し振りだったわね」
香月らの姿が通路奥の闇に完全に溶け込んでから十数秒が経ち、黒髪の少女がやれやれと肩を回した。
ぱきぽきと音が響くが、聞かれて恥ずかしいような相手はこの場にはいない。
少女自身は目立った活躍こそしていなかったが、不測の事態に備えて目を光らせ続けるというのは結構な労力である。
矢面に立って好き放題に暴れていた方が、どれほど気楽であるか。
「……」
玲怏は香月らの去った通路の奥に視線を向けたまま、商店街での邂逅を思い起こしていた。
香月に注目した少女と、直樹に注目した自分。
結果としてどちらが見誤ったという事でもないのだが、未だに釈然としない思いは心の片隅に残っている。
その様子を見て取った少女は小さく笑う。
「玲怏ってば心配性ねえ。二人とも予想を上回った逸材だったからこそだわ。蒸し返すような事じゃないわ」
そうだな、と相槌を返す。
戦力になりそうな人物と災禍をもたらしそうな人物であれば、少女は前者を、玲怏は後者にこそ注意を向ける。それだけの話だ。
果たして、商店街で二人の背を見送った時、あの時は何回目だったのだろうか。
「災禍か…」
自分で考えた言葉を改めると、直樹の今後が懸念された。
死して生き返った者の実例など、玲怏は見た事も聞いた事もない。御伽噺が精々だ。
だが、『魂魄珠』の有様を見るに、信じない訳にもいかない。
魂魄珠が神の御業とも言える現象を顕現させたのだとなると、その恩恵を一番に受けている直樹の身に変化が無い筈がない。
実際、直樹の身を不吉な影が覆うに至っているのだ。
あの影が、更なる災いを呼び寄せるのは間違いない。
その程度如何によっては、自分達が直樹に手を下す事も考えなければいけないだろう。
「とりあえずは、ここの後始末だな」
優先度としては、直樹の今後よりも現状の確認だ。
鵺が張った結界は既に消えている―――正確には、消えつつある、だが。
状況や環境によって残滓の出来やすい場所もあるが、時間の経過と共に中心部である鵺から末端へ向かって消滅する。
物理的に損壊している箇所は放置の方向だ。
学園関係者によって発見されれば騒ぎになるだろうが、その原因が判然としないとなれば、多少の気持ち悪さを残しつつも風化していくだろう。
最大の問題は、鵺の存在だ。
人間の常識で言えば、こんな合成生物の如き生物は存在しない。
知っている者もいるかもしれないが、知識を有している者は決して声高に吹聴したりはしない。人の世を混乱させないための不文律というものだ。
もっとも、そういった知識をひけらかしたのだとしても、現実と空想の区別がつかない人間だと思われるのがオチだ。
鵺の存在を指し示すようなものが残されていれば、回収・処分の必要がある。
そして何も残っていない事を確認して、撤退の運びとなる。
そもそも、今回の鵺は本物であったのかどうか。
鵺という存在は文献にその名が出てくる事はあるが、姿形については諸説ある。
人間の世界だけでなく、玲怏が属する側でも正確なところは知られていない。
詰まるところ、誰にとっても正体不明の存在であり、前後の状況から判断するしかないのだ。
憶測や空想が一人歩きし過ぎてしまい、鵺というものは元々存在していない、という可能性も否定できない。
そういった意味では玲怏は偽物だと思っているが、実際に今回のような騒ぎが起きている以上、暴れていたものの正体を見届けねばならない。
「あら……」
少女の声に振り返った。
「な…っ!?」
そこには首を落とされ、横たわったままの鵺の躯。
結界の消失は順調に推移しており、残された躯も萎みつつあったが、その速度は随分と緩やかだ。これは躯を構成する霊力の密度が、相当に高い事に起因している。
だが、問題があった。
「首が……ない!」
玲怏が己の爪をもって確実に落とした筈の首が、そこに転がっていなかった。
「…くそっ!!」
即座に腰を落とし、戦闘態勢をとる。
完全に絶命していたのであれば、躯同様に頭部もいずれ消失する。若しくは、霊力で固めた鎧が削げ落ち、その正体が衆目に晒される事となる。
どちらにせよ、頭部が先に消えるという事はない。
躯の体積がはるかに勝っているのだとしても、密度と質は比べるべくもないからだ。
これは動物の形態をとっている以上、頭部の防護を最優先にする本能ともいうべき部分に由来する。
現状から判断できるのは、鵺は頭部だけで生きているという事だ。
もちろんそれは可能性のひとつであり、この場から逃れたものの、こちらの目が届かない場所で力尽きているという結末もある。
いくつもの可能性が思い浮かび、頭部のみとなった鵺が瓦礫の物陰からこちらの喉元を狙っている、という状況を選択した。
「………」
結界が消えた今、学園敷地外からの喧噪が届くようになっている。
学園近辺には繁華街に類する施設はないため、主に道路を行き交う乗用車の音だ。
時折、雑多な笑い声が聞こえてくるのは、近隣の民家が窓を開けたままでバラエティ番組でも視聴しているのだろう。
(どこだ……。どこに潜んでいる!)
平素であれば、ある程度の雑音は心地良さすら感じるものだが、姿を隠している存在の気配を探ろうとすればどうしても邪魔に感じてしまう。
もっとだ。もっと意識を集中させなければ。
「ねぇ、玲怏?」
たっぷりと30秒は経ったろうか、少女がいかにも退屈そうに声を掛けてきた。
気を抜き過ぎだぞ。そう叱責しようとして、はたと気付く。
「もう、近くには居ないみたいよ?」
「……そのようだな」
襲おうという意思があったのであれば、首が消えている事に気付く前にそうしていたに違いない。
実際、首を落とした事で絶命させたと思い込んでいた背は、さぞかし隙だらけだったろう。
「どうしたと思う?」
「…多分、彼らを追って行ったんじゃないかしら」
推量ではあったが、少女はそうであると確信しているようだった。
玲怏としてもそれ以上の可能性を示せない以上、少女の言葉を指針として動くほかにない。
幸い…と言って良いのかどうか、頭部のみとなった鵺の戦闘力は著しく低下しているだろう。
香月の助言が無いのだとしても、直樹ならば十分に撃退可能の筈だ。
「…あ、いや。あいつ、得物を持っていなかったな」
玲怏らが介入するまでの戦闘によって、直樹は手持ちの全ての武器を投入していたようだった。
使い物にならなくなった木刀などはこの場に遺棄しており、丸腰の状態である可能性は高い。
加えて、今夜の件は解決したものと安心しているとすれば、容易く背後を取られてしまいかねない。
そうなってしまっては武器の有無など関係ない。
「ふむ、追わない訳にはいかないか」
追ってくるなと香月は言っていたが、状況がそれを許さない。
なに、声を掛ける位置にまで近付かずとも用は足せる。
頭部だけとなった鵺の移動速度がどれほどのものか、過大に見積もってみても今から追いつく事は容易であろう。
「今ならそんなに時間は経って……」
講堂に設置されている時計を見上げ、少女は言葉を失った。
少女と同じく時計を見上げた玲怏も、まさかと己が目を疑った。
「時間が……」
直樹らを見送ってから数分程度の体感であったが、時計の長針はゆうに半回転を越えていた。
「これは、してやられたわね」
鵺は去り際に、躯に時間経過を誤認識するような術を仕掛けていったのだろう。二人はまんまと、この場に足止めされてしまったという訳だ。
自身が逃げ果せるまでの時間稼ぎのつもりか、それとも―――
「ともかく、追いましょう」
少女が黒髪を翻し、玲怏もその背を追った。
手遅れにならなければ良いのだが―――
香月らの姿が通路奥の闇に完全に溶け込んでから十数秒が経ち、黒髪の少女がやれやれと肩を回した。
ぱきぽきと音が響くが、聞かれて恥ずかしいような相手はこの場にはいない。
少女自身は目立った活躍こそしていなかったが、不測の事態に備えて目を光らせ続けるというのは結構な労力である。
矢面に立って好き放題に暴れていた方が、どれほど気楽であるか。
「……」
玲怏は香月らの去った通路の奥に視線を向けたまま、商店街での邂逅を思い起こしていた。
香月に注目した少女と、直樹に注目した自分。
結果としてどちらが見誤ったという事でもないのだが、未だに釈然としない思いは心の片隅に残っている。
その様子を見て取った少女は小さく笑う。
「玲怏ってば心配性ねえ。二人とも予想を上回った逸材だったからこそだわ。蒸し返すような事じゃないわ」
そうだな、と相槌を返す。
戦力になりそうな人物と災禍をもたらしそうな人物であれば、少女は前者を、玲怏は後者にこそ注意を向ける。それだけの話だ。
果たして、商店街で二人の背を見送った時、あの時は何回目だったのだろうか。
「災禍か…」
自分で考えた言葉を改めると、直樹の今後が懸念された。
死して生き返った者の実例など、玲怏は見た事も聞いた事もない。御伽噺が精々だ。
だが、『魂魄珠』の有様を見るに、信じない訳にもいかない。
魂魄珠が神の御業とも言える現象を顕現させたのだとなると、その恩恵を一番に受けている直樹の身に変化が無い筈がない。
実際、直樹の身を不吉な影が覆うに至っているのだ。
あの影が、更なる災いを呼び寄せるのは間違いない。
その程度如何によっては、自分達が直樹に手を下す事も考えなければいけないだろう。
「とりあえずは、ここの後始末だな」
優先度としては、直樹の今後よりも現状の確認だ。
鵺が張った結界は既に消えている―――正確には、消えつつある、だが。
状況や環境によって残滓の出来やすい場所もあるが、時間の経過と共に中心部である鵺から末端へ向かって消滅する。
物理的に損壊している箇所は放置の方向だ。
学園関係者によって発見されれば騒ぎになるだろうが、その原因が判然としないとなれば、多少の気持ち悪さを残しつつも風化していくだろう。
最大の問題は、鵺の存在だ。
人間の常識で言えば、こんな合成生物の如き生物は存在しない。
知っている者もいるかもしれないが、知識を有している者は決して声高に吹聴したりはしない。人の世を混乱させないための不文律というものだ。
もっとも、そういった知識をひけらかしたのだとしても、現実と空想の区別がつかない人間だと思われるのがオチだ。
鵺の存在を指し示すようなものが残されていれば、回収・処分の必要がある。
そして何も残っていない事を確認して、撤退の運びとなる。
そもそも、今回の鵺は本物であったのかどうか。
鵺という存在は文献にその名が出てくる事はあるが、姿形については諸説ある。
人間の世界だけでなく、玲怏が属する側でも正確なところは知られていない。
詰まるところ、誰にとっても正体不明の存在であり、前後の状況から判断するしかないのだ。
憶測や空想が一人歩きし過ぎてしまい、鵺というものは元々存在していない、という可能性も否定できない。
そういった意味では玲怏は偽物だと思っているが、実際に今回のような騒ぎが起きている以上、暴れていたものの正体を見届けねばならない。
「あら……」
少女の声に振り返った。
「な…っ!?」
そこには首を落とされ、横たわったままの鵺の躯。
結界の消失は順調に推移しており、残された躯も萎みつつあったが、その速度は随分と緩やかだ。これは躯を構成する霊力の密度が、相当に高い事に起因している。
だが、問題があった。
「首が……ない!」
玲怏が己の爪をもって確実に落とした筈の首が、そこに転がっていなかった。
「…くそっ!!」
即座に腰を落とし、戦闘態勢をとる。
完全に絶命していたのであれば、躯同様に頭部もいずれ消失する。若しくは、霊力で固めた鎧が削げ落ち、その正体が衆目に晒される事となる。
どちらにせよ、頭部が先に消えるという事はない。
躯の体積がはるかに勝っているのだとしても、密度と質は比べるべくもないからだ。
これは動物の形態をとっている以上、頭部の防護を最優先にする本能ともいうべき部分に由来する。
現状から判断できるのは、鵺は頭部だけで生きているという事だ。
もちろんそれは可能性のひとつであり、この場から逃れたものの、こちらの目が届かない場所で力尽きているという結末もある。
いくつもの可能性が思い浮かび、頭部のみとなった鵺が瓦礫の物陰からこちらの喉元を狙っている、という状況を選択した。
「………」
結界が消えた今、学園敷地外からの喧噪が届くようになっている。
学園近辺には繁華街に類する施設はないため、主に道路を行き交う乗用車の音だ。
時折、雑多な笑い声が聞こえてくるのは、近隣の民家が窓を開けたままでバラエティ番組でも視聴しているのだろう。
(どこだ……。どこに潜んでいる!)
平素であれば、ある程度の雑音は心地良さすら感じるものだが、姿を隠している存在の気配を探ろうとすればどうしても邪魔に感じてしまう。
もっとだ。もっと意識を集中させなければ。
「ねぇ、玲怏?」
たっぷりと30秒は経ったろうか、少女がいかにも退屈そうに声を掛けてきた。
気を抜き過ぎだぞ。そう叱責しようとして、はたと気付く。
「もう、近くには居ないみたいよ?」
「……そのようだな」
襲おうという意思があったのであれば、首が消えている事に気付く前にそうしていたに違いない。
実際、首を落とした事で絶命させたと思い込んでいた背は、さぞかし隙だらけだったろう。
「どうしたと思う?」
「…多分、彼らを追って行ったんじゃないかしら」
推量ではあったが、少女はそうであると確信しているようだった。
玲怏としてもそれ以上の可能性を示せない以上、少女の言葉を指針として動くほかにない。
幸い…と言って良いのかどうか、頭部のみとなった鵺の戦闘力は著しく低下しているだろう。
香月の助言が無いのだとしても、直樹ならば十分に撃退可能の筈だ。
「…あ、いや。あいつ、得物を持っていなかったな」
玲怏らが介入するまでの戦闘によって、直樹は手持ちの全ての武器を投入していたようだった。
使い物にならなくなった木刀などはこの場に遺棄しており、丸腰の状態である可能性は高い。
加えて、今夜の件は解決したものと安心しているとすれば、容易く背後を取られてしまいかねない。
そうなってしまっては武器の有無など関係ない。
「ふむ、追わない訳にはいかないか」
追ってくるなと香月は言っていたが、状況がそれを許さない。
なに、声を掛ける位置にまで近付かずとも用は足せる。
頭部だけとなった鵺の移動速度がどれほどのものか、過大に見積もってみても今から追いつく事は容易であろう。
「今ならそんなに時間は経って……」
講堂に設置されている時計を見上げ、少女は言葉を失った。
少女と同じく時計を見上げた玲怏も、まさかと己が目を疑った。
「時間が……」
直樹らを見送ってから数分程度の体感であったが、時計の長針はゆうに半回転を越えていた。
「これは、してやられたわね」
鵺は去り際に、躯に時間経過を誤認識するような術を仕掛けていったのだろう。二人はまんまと、この場に足止めされてしまったという訳だ。
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