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翔太は早朝に転校生の夢で飛び起きたら黒ずくめの男を見つけたので、その男の所に向かいました
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結局何度も確認したが、堀田の住所は本当にマンション工事現場だった。
少し前までその地に古いアパートが建っていたそうだが、今は完全に更地になっていた。
「うーん、ここにあったアパートって昔から幽霊アパートって呼ばれていたのよね。幽霊が出るって噂になっていて」
「それで、建て直したんか」
結衣の言葉に上野が頷いていた。
「でも、そんなところを住所にして、実際はどこに住んでいたっていうの?」
莉子が不思議そうに呟いていた。
「それは学校に寝泊まりしていたんちゃうんか?」
「そんな訳無いでしょ」
莉子が上野に反論していた。
「先日、我が家に来たときは、朝倉さんと一緒に帰っていったわよね。あの二人結構仲良さそうに見えたけれど……」
結衣の言葉に翔太は少し心が痛んだ。
「堀田の野郎、ひょっとしてまどかちゃんと同棲していたんか!」
「んなわけないだろう! 俺が家に行った時はそんな感じはなかったぞ」
上野の言葉に翔太は否定した。
「俺も認めたくないけど、じゃあ堀田の奴はどこに住んでいたんや?」
「それは判らないが、絶対に朝倉さんと一緒には住んでいない」
翔太はそう、断言した。
「ふーん、翔太はえらく朝倉さんの肩持つんだ」
からかうように結衣が言った。
「絶対にまどかと堀田は同棲していないはずだ」
翔太は再度断言した。勢い余って呼び捨てにしたことも気付いていなかった。
なんか結衣とギスギスした感じになるけれどそこは翔太には譲れなかった。
「ま、まどかって……」
結衣は翔太の呼び捨てに呆然としていた。
「ええええ! 翔太君って朝倉さんと付き合っているの?」
「う、嘘や。翔太がまどかちゃんと付き合っているなんてありえないわ」
莉子が囃し立てて、上野が唖然としていた。
「いや、そんな事は」
「だって翔太君、結衣以外の女の子呼び捨てにしたことないじゃない!」
莉子が興味津々で聞いていた。
「そうか、翔太君と朝倉さんか。お似合いだね」
莉子が言うが、
「ふんっ、その翔太のことが嫌になって、まどかちゃんは家出したんや。堀田と一緒にな」
上野の言葉に翔太の胸はズキンと音を立てて痛んだ。
「いや、それはないから」
「でも、二人揃って行方不明なのは事実よ」
莉子の言葉に翔太は何一つ反論できなかった。
結局何も判明したことはなかった。
上野は怒って帰っていくし、ムッとした結衣は莉子と一緒に帰っていった。
その後でその日は莉子の家に泊まると連絡が来た。
でも、翔太は他の者のことについて考える余裕はなかった。
傷ついた結衣の顔が頭の片隅にはあったが、今はまどかのことが優先だ。
まどかはどこに行ったんだろう?
昨日はいなくなる素振りなんてまったくなかった。
何故いきなり転校生の堀田といっしょに消えてしまったのか?
堀田に強引に連れ去られたんだろうか?
その割にまどかは堀田を全く警戒はしていなかった。
一緒に変える時も仲間と一緒に帰るような感じだった。
それにまどかは翔太に何の助けを求めていたんだろう?
自分にできることなんて高々しれているけれど、匿うくらいは出来たはずだ。
守ってほしいと思っていたんだろうか?
翔太にはよく判らなかった。
翔太はまどかのことが心配でほとんど寝れなかった。
でも、その翔太がうつらうつらした時だ。
翔太は夢を見た。
「助けて!」
夢の中でまどかが翔太に手を広げて助けを求めて来たのだ。
「まどか!」
翔太はそのまどかに手を伸ばそうとした。
そこではっと目が冷めた。
自分の部屋だった。
空はそろそろ白みだしていた。
翔太は外を見た。
電柱の影に男が隠れるのが見えた。
「誰だ?」
そっと様子を見ると黒尽くめの男だった。
こちらを探っているようだ。
翔太は慌てて着替えると男の所に向かったのだ。
少し前までその地に古いアパートが建っていたそうだが、今は完全に更地になっていた。
「うーん、ここにあったアパートって昔から幽霊アパートって呼ばれていたのよね。幽霊が出るって噂になっていて」
「それで、建て直したんか」
結衣の言葉に上野が頷いていた。
「でも、そんなところを住所にして、実際はどこに住んでいたっていうの?」
莉子が不思議そうに呟いていた。
「それは学校に寝泊まりしていたんちゃうんか?」
「そんな訳無いでしょ」
莉子が上野に反論していた。
「先日、我が家に来たときは、朝倉さんと一緒に帰っていったわよね。あの二人結構仲良さそうに見えたけれど……」
結衣の言葉に翔太は少し心が痛んだ。
「堀田の野郎、ひょっとしてまどかちゃんと同棲していたんか!」
「んなわけないだろう! 俺が家に行った時はそんな感じはなかったぞ」
上野の言葉に翔太は否定した。
「俺も認めたくないけど、じゃあ堀田の奴はどこに住んでいたんや?」
「それは判らないが、絶対に朝倉さんと一緒には住んでいない」
翔太はそう、断言した。
「ふーん、翔太はえらく朝倉さんの肩持つんだ」
からかうように結衣が言った。
「絶対にまどかと堀田は同棲していないはずだ」
翔太は再度断言した。勢い余って呼び捨てにしたことも気付いていなかった。
なんか結衣とギスギスした感じになるけれどそこは翔太には譲れなかった。
「ま、まどかって……」
結衣は翔太の呼び捨てに呆然としていた。
「ええええ! 翔太君って朝倉さんと付き合っているの?」
「う、嘘や。翔太がまどかちゃんと付き合っているなんてありえないわ」
莉子が囃し立てて、上野が唖然としていた。
「いや、そんな事は」
「だって翔太君、結衣以外の女の子呼び捨てにしたことないじゃない!」
莉子が興味津々で聞いていた。
「そうか、翔太君と朝倉さんか。お似合いだね」
莉子が言うが、
「ふんっ、その翔太のことが嫌になって、まどかちゃんは家出したんや。堀田と一緒にな」
上野の言葉に翔太の胸はズキンと音を立てて痛んだ。
「いや、それはないから」
「でも、二人揃って行方不明なのは事実よ」
莉子の言葉に翔太は何一つ反論できなかった。
結局何も判明したことはなかった。
上野は怒って帰っていくし、ムッとした結衣は莉子と一緒に帰っていった。
その後でその日は莉子の家に泊まると連絡が来た。
でも、翔太は他の者のことについて考える余裕はなかった。
傷ついた結衣の顔が頭の片隅にはあったが、今はまどかのことが優先だ。
まどかはどこに行ったんだろう?
昨日はいなくなる素振りなんてまったくなかった。
何故いきなり転校生の堀田といっしょに消えてしまったのか?
堀田に強引に連れ去られたんだろうか?
その割にまどかは堀田を全く警戒はしていなかった。
一緒に変える時も仲間と一緒に帰るような感じだった。
それにまどかは翔太に何の助けを求めていたんだろう?
自分にできることなんて高々しれているけれど、匿うくらいは出来たはずだ。
守ってほしいと思っていたんだろうか?
翔太にはよく判らなかった。
翔太はまどかのことが心配でほとんど寝れなかった。
でも、その翔太がうつらうつらした時だ。
翔太は夢を見た。
「助けて!」
夢の中でまどかが翔太に手を広げて助けを求めて来たのだ。
「まどか!」
翔太はそのまどかに手を伸ばそうとした。
そこではっと目が冷めた。
自分の部屋だった。
空はそろそろ白みだしていた。
翔太は外を見た。
電柱の影に男が隠れるのが見えた。
「誰だ?」
そっと様子を見ると黒尽くめの男だった。
こちらを探っているようだ。
翔太は慌てて着替えると男の所に向かったのだ。
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