悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
上 下
296 / 309
第五部 小国フィーアネンの試練編

【『つぎラノ』ノミネート記念】婚約者からお菓子をもらって喜んでいたら、ピンク頭は首輪をもらって喜んでいました?

しおりを挟む
「いやあ、本当に今回もフランの活躍はすごかったんだって」
アルマンがオーレリアンに聞いてきた。

「俺も聞いただけなんだけど、フランの言うエクちゃんが飛んできた勢いでバイエフェルトの大軍を殲滅したそうだよ」
「そうか、自分の愛剣を呼ぶだけで、2万の大軍を殲滅するなんて。本当にフランは凄いよな」
オーレリアンの言葉にアルマンが頷いていた。

「感心ばっかりしていられないわよ。その後のバエフェルトの処理が大変だったそうだから」
メラニーが言うと、
「判る判る、まだ、殿下お二人とフランの弟が現地でいろいろと雑用をやっているんだろ」
「そうみたい」
「で、フランはなんで落ち込んでいるんだ」
アルマンが聞くが、
「さあ、どのみち愛する殿下が居ないから落ち込んでいるんじゃない」
メラニーが私の心を代弁してくれた。

「まあ、それは仕方がないんじゃないかな。フランが居ても邪魔なだけだからな」
アルマンが平然とフェリシー先生みたいなことを言ってくれるんだけど……

「なによ。アルマンも私が役立たずだっていうの?」
「まあ、フラン、適材適所という言葉があるだろ。書類の処理とかややこしい利害関係の調整とか、そんなのは得意な殿下らに任しておけばいいんじゃないか。お前は敵との戦闘で十分に役に立ったんだから」
「大半はエクちゃんが勝手にやってくれたけれどね」
私はむっとして言った。

「いや、それでも凄いって、俺やオーレリアンや殿下が呼んでもこうはいかないからな。という飛んでなんか来ないし」
「そうですよ。フラン様。フラン様が来るのが遅いって思われたから、宝剣も音速超えて飛んできて、ソニックブレードで殲滅してしまっただけですから。全てはフラン様のお手柄ですよ」
アルマンとオーレリアンが私を慰めてくれるけれど……

「私も書類仕事は出来ると思うのよね」
私が言うと、

「適当に判子押すことは出来るとは思うわよ」
「複雑な要件については止めた方が良いんじゃないか」
メラニーとアルマンが言ってくれるんだけど。

「だって、あなたの弟の次期公爵様がおっしゃっていらっしゃったわよ。風邪で寝込んだ時に姉が適当に押してくれたお陰で、仕事が倍になっていたって」
「うーん、あの時は私もレポートで忙しくって」
「それ言い訳にならないわよね」
「それならフランが何もやらなかった方が良かったんじゃないのか」
私の言い訳は二人にあっという間に否定されてしまった。

「もう良いわよ」
私がぶすっとしていった。

「まあ、でも、フランソワーズ様のところの婚約者の殿下はお優しいから良いじゃありませんか」
ジャッキーが言ってくれるんだけど。

「そうかな。でも、役に立たないって返されたんだけど」
ブスッと私が言うと

「殿下は危険な所にいつまでフラン様を置いておきたくなかったんですわ」
「そうかな」
私が半分喜んだ時だ。

「まあ、あんたが居なければ、殿下も遊び放題だからじゃない」
そこにいきなりピンク頭が来てくれたんだけど。

「そんな事ありませんわ。なにしにいらっしゃったのですか? ローズさん」
「そうよ。あんた何しに来たのよ」
折角いい気分になれたのに!

「まあ、これはご挨拶だこと。せっかく預かってきた殿下からあんたへのプレゼントを持ってきてやったのに。いらないのなら私がもらっておくわ」
ピンク頭がそのまま持っていこうとするのを

「そう言う事は早く言いなさいよ」
私がピンク頭から取り上げた。

紙袋を開けるとお菓子だった。

「あっ、美味しそう」
私は一つ取り出して食べてみた。

「普通は花とか衣装とか宝石とかなのに、食い物で機嫌治すなんて、本当にあんたは安上がりでいいわね」
ピンク頭が言ってくれるんだけど。

「煩いわね。あんたは何かもらったことがあるの?」
「私は首飾りをとある方から頂いたのよ」
私はその言葉に驚いた。

「本当に?」
「見せてよ」
私達は興味津々にピンク頭を見た。
まあ、見た目はこいつは良いのだ。

「これよ」
これみよがしにピンク頭は出してくれたんだけれど……

「えっ」
「それ?」
私達は絶句した。
たしかに物はダイヤモンで出来ているようだったが、ピンク頭が言う首飾りはどう見ても首輪だった。

「やはり分かる人には私の価値が判るのね」
私達は一人で悦に浸るピンク頭を残して皆で固まった。


「おい、あれどう見ても首輪だよな」
「1年前にシルヴァン殿下がピンク頭に首輪つけて仕事させていたよな」
「その続きなんじゃないか?」
「まだまだこき使うっていう意味なのか?」
私達は目を見合わせた。

「どうしたのあなた達、皆して固まって」
不審そうにピンク頭が言ってきた。
「いや、それって首、痛い!」
口を滑らせようとしたアルマンの足を思いっきり私は踏んだ。
「いや、あなたの首飾りが羨ましいなって」
私がそう言って誤魔化す。

「フラン、何も本気で踏まないでも」
涙目にアルマンがなっているんだけど。それは無視する。

「そうよね。羨ましいでしょう!」
ピンク頭が喜んで皆に見せびらかせている。

「これもらって、私はまた頑張ってお仕事するわ。まあ、あの方には聖女様の私の力がいるものね」
そう言ってその首輪? を愛おしそうに見ているんだけど……

「まあ、ピンク頭も喜んでいるから良いんじゃないかな」
私がピンク頭に聞こえないように言うと
「そうよね。殿下にも何かお考えがあるのかもしれないし」
私達は頷きあったのだった。
***************************************************************************

ここまで読んで頂いて有難うございます。
なんとこのお話が『次にくるライトノベル大賞2023』に約2000冊の中からノミネートされました。
これも応援して頂いた皆様方のおかげです。本当にありがとうございました。
リンクはこの下10センチくらいの所に張ってあるので、本投票して頂いたら嬉しいです!

また、そのつぎラノ・ノミネート記念として、この話に出て来たフランやアドピンク頭、メラニーらの子供時代のお話【小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』王子様に執着された無敵少女、魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……】https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/824823048
絶賛更新中です。

こちらも読んで頂ければ嬉しいです。
この下に書籍のリンクと一緒にリンク張っています!



しおりを挟む
感想 334

あなたにおすすめの小説

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか

あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。 「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」 突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。 すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。 オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……? 最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意! 「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」 さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は? ◆小説家になろう様でも掲載中◆ →短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します

青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。 キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。 結界が消えた王国はいかに?

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

伯爵令嬢が婚約破棄され、兄の騎士団長が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。