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第五部 小国フィーアネンの試練編
アドに抱きつかれて茹で上がってしまいました
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エクちゃんは自らの飛んでくる時に出来るソニックブレードでバイエフエルト軍を殲滅してくれた。
私はエクちゃんを地面に叩きつけて、怒りのあまり足蹴にしたかった。
今まで、魔力を封じてくれた糞ばばあへの恨み辛みや、これから折角暴れられると思って期待してたのに、出来なかった怒りをぶつけたかった。
でもルブランにとっては剣は命なのだ。
更に宝剣エクスかリバーは国の宝だ。我が先祖が、この国を興す時に使った宝剣なのだ。
これを足蹴にしたなんて歴史の先生に知られたらどれだけ怒られることか……
そんなことを考えると、粗末にすることなど、出来なかった。
でも、この怒りをどうしたら良いのよ!
私が怒りにぶるぶる震えていた。
メラニーに言ったら絶対にそりゃあ、エクスカリバーを手元に呼んだあんたが全部悪いんじゃない!
って馬鹿にされるのは確実だった。
でも、こんなに遅くに、私がこれからやろうって時にやってきて、私の邪魔をするなんて呼んだ時は全く思ってもいなかったわよ。
私は忸怩たる思いだった。
さすがのエクちゃんも私の怒りを感じたみたいだ。
さっきまで偉そうに輝いていたのに、なんか心持ち青くなっている。
そんな事されてももう遅いのだ。
怒りに震える私を見て、さすがに誰も近寄って来なかった。
君子危うきに近寄らずなのだ? 自分で言ってどうするのよ!
私が切れかけた時だ。
後ろからアドがそっと抱きついてくれた。
「えっ?」
私は驚いた。
というか、この怒りをどうしようかと思ったときに抱きついてこられたのだ。私の頭がとっさの事に真っ白になった。
「フラン、大丈夫だよ。たまにはこういうこともあるさ」
そう言うと私のほっぺにキスしてきたのだ。
ええええ!
ここでキスする?
私は真っ赤になった。
久しぶりのキスのような気もする。
最近はいろんな事がありすぎて、余り、アドと一緒にいられなかった。
「フラン」
アドがさらにぎゅっと抱きついてきた。
「アド、皆が見て」るわよと私がアドの方を向いて注意しようとした時だ。
私の唇をアドの唇が塞いだのだ。
ええええ!
余りの事に私はエクちゃんを思わず落としてしまった。決してわざとじゃない。
皆が見てるからダメだって!
私がアドを引きはなそうとするが、アドの舌が強引に私の唇を割って入ってくる。私の頭がぼうっとして、手に力が入らない。こんなキスは生まれて初めてだった。
今まで舌を差し入れられたことなんてなかったのに!
私の舌をアドが絡め取ろうとしているんだけど……
もう私はゆでダコのようになって限界だった。
「兄上、何してるんですか!」
「姉上、そんな不埒な奴、引き離して!」
ヴァンとジェドの叫び声が聞こえるが、私の体は熱くなって言うことを効かずに、アドに身を任せてしまったんだけど……
しかし、次の瞬間、バシンッと言う大きな音ともに、エクちゃんが思いっきり、アドの後頭部に激突していたんだけど……
私が落としてしまったから怒ってしまったんだろうか?
「良くやった。エクスカリバー」
「もっとやれ!」
ヴァンらの声が聞こえる。
でも、私はそれどころではなかった。アドの力が抜けて、こちらに倒れてきたのだ。
「えっ? アド! ちょっと!」
私が慌てて支えようとするが、そのまま、気絶したアドが私にのし掛かってくるんだけど。
それも何故か気絶しているのに、私をギュッと抱きしめてくれる。
もうだめだ。私はゆでダコみたいに茹で上がってしまったのだ。
そのままアドに押し倒されてしまった。
「ちょっと、兄上」
「どさくさに紛れて何しているんですか?」
弟たちが、慌てて駆け寄ってきたがアドは力いっぱい私を抱きしめていて、私は恥ずかしくて真っ赤になって意識を飛ばしていたのだった。
************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
次回最終回です。
明朝更新予定です。
お気に入り登録等まだの方はしていただいたら嬉しいです。
この第一巻がレジーナブックスから全国の書店で絶賛発売中です。
詳しくはここから10センチ下を御覧下さい!
私はエクちゃんを地面に叩きつけて、怒りのあまり足蹴にしたかった。
今まで、魔力を封じてくれた糞ばばあへの恨み辛みや、これから折角暴れられると思って期待してたのに、出来なかった怒りをぶつけたかった。
でもルブランにとっては剣は命なのだ。
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これを足蹴にしたなんて歴史の先生に知られたらどれだけ怒られることか……
そんなことを考えると、粗末にすることなど、出来なかった。
でも、この怒りをどうしたら良いのよ!
私が怒りにぶるぶる震えていた。
メラニーに言ったら絶対にそりゃあ、エクスカリバーを手元に呼んだあんたが全部悪いんじゃない!
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でも、こんなに遅くに、私がこれからやろうって時にやってきて、私の邪魔をするなんて呼んだ時は全く思ってもいなかったわよ。
私は忸怩たる思いだった。
さすがのエクちゃんも私の怒りを感じたみたいだ。
さっきまで偉そうに輝いていたのに、なんか心持ち青くなっている。
そんな事されてももう遅いのだ。
怒りに震える私を見て、さすがに誰も近寄って来なかった。
君子危うきに近寄らずなのだ? 自分で言ってどうするのよ!
私が切れかけた時だ。
後ろからアドがそっと抱きついてくれた。
「えっ?」
私は驚いた。
というか、この怒りをどうしようかと思ったときに抱きついてこられたのだ。私の頭がとっさの事に真っ白になった。
「フラン、大丈夫だよ。たまにはこういうこともあるさ」
そう言うと私のほっぺにキスしてきたのだ。
ええええ!
ここでキスする?
私は真っ赤になった。
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最近はいろんな事がありすぎて、余り、アドと一緒にいられなかった。
「フラン」
アドがさらにぎゅっと抱きついてきた。
「アド、皆が見て」るわよと私がアドの方を向いて注意しようとした時だ。
私の唇をアドの唇が塞いだのだ。
ええええ!
余りの事に私はエクちゃんを思わず落としてしまった。決してわざとじゃない。
皆が見てるからダメだって!
私がアドを引きはなそうとするが、アドの舌が強引に私の唇を割って入ってくる。私の頭がぼうっとして、手に力が入らない。こんなキスは生まれて初めてだった。
今まで舌を差し入れられたことなんてなかったのに!
私の舌をアドが絡め取ろうとしているんだけど……
もう私はゆでダコのようになって限界だった。
「兄上、何してるんですか!」
「姉上、そんな不埒な奴、引き離して!」
ヴァンとジェドの叫び声が聞こえるが、私の体は熱くなって言うことを効かずに、アドに身を任せてしまったんだけど……
しかし、次の瞬間、バシンッと言う大きな音ともに、エクちゃんが思いっきり、アドの後頭部に激突していたんだけど……
私が落としてしまったから怒ってしまったんだろうか?
「良くやった。エクスカリバー」
「もっとやれ!」
ヴァンらの声が聞こえる。
でも、私はそれどころではなかった。アドの力が抜けて、こちらに倒れてきたのだ。
「えっ? アド! ちょっと!」
私が慌てて支えようとするが、そのまま、気絶したアドが私にのし掛かってくるんだけど。
それも何故か気絶しているのに、私をギュッと抱きしめてくれる。
もうだめだ。私はゆでダコみたいに茹で上がってしまったのだ。
そのままアドに押し倒されてしまった。
「ちょっと、兄上」
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