上 下
231 / 309
第四部 第四部 古の古代帝国公爵家の野望

魔人をやっつけました

しおりを挟む
ピカッ
とエクちゃんは金色に輝くや、私にまとわりつこうとしたおどろおどろしい黒い巨大な闇を弾き飛ばしてくれた。

エクちゃんは天下無敵なのだ。

「グウォー」
それを見て魔人は顔を振って喚いていた

「フランソワーズさん、その剣はひょっとして、ルブランの宝剣エクスカリバーでは」
すぐ校舎のそばで隠れていた歴史の先生が叫んでくれた。

「な、なんじゃと! ルブランの初代にわが王家から贈られた宝剣か。このエルグラン王国の守りの剣。確か、ルブランの正当な当主が持ち、悪を退治するルブランの家宝、いや、このエルグラン王国の国宝だぞ。
それを何故フランソワーズ嬢が……」
陛下が何か言っている

「えっあのぼろぼろの剣がですか? 何時もフランがチャンバラごっこで振っていた」
「な、何と初代の銅像の腕を折ったというあの古びた剣がそうだったのか」
陛下とアドがなんか言っているがよく聞き取れない。陛下が何か頭を抱えているけれど、何でだろう?

「そんな。また、国の宝を粗末にするなんて、信じられませんぞ」
歴史の先生まで、また、怒っているみたいだ。

でも、まあ、このぼろぼろの剣は父から贈られた私の大切な剣なのだ。

いくらボロボロでも、この身になれた剣だ。それが王国一のいや世界で一番の剣だなんて知らなかったのだ。

まあ、この剣は私が使ってもびくともしなかった。傷が増えたくらいで。
他の剣はすぐに折れてしまったんだけど。
父からもらったいろんな剣はすぐに使い物にならなくなったんだけど。決して乱雑に使った記憶がないのに、大体真っ二つに折れてしまうのだ。
この剣ならいくらフランでも壊さないだろうと言って父からもらった剣だ。
確かに切れ味も抜群だった。私の無茶な扱いにもちゃんと応えてくれたし。

現に魔人の闇の一撃も光り輝いてあっという間に弾いてしまった。

魔人は再度闇の一撃を繰り出すが、それを一瞬でエクちゃんで弾き飛ばした。

うーん、これならいけそうだ。

私は正眼にエクちゃんを構えた。

魔人め、どこからでもかかってこい!

私は魔人を睨みつけた。

「グォーーーー」
魔人が咆哮して今度はそのでかい黒い腕で殴りかかってきた。

それをエクちゃんで受ける。

ガキッ
と音がしてまともに魔人のパンチを受けていた。

今度は大丈夫だ。剣もびくともしない。

更に、もう一発殴ってきたがそれも受ける。

「ようし、そろそろ行くわよ」
私が叫んで魔人に斬りつけようとした時だ。

視界の片隅に倒れ込んでいるトルクレールのおじさんが見えた。
いつも父とラクロワ公爵の間に立って苦労してくれているおじさんだ。
そのおじさんがクラリスの事を頼むって土下座したのを思い出したのだ。
クラリスにしても私が確かに無茶振りしすぎた様に思う。中等部をダンジョンに連れて行ったのは間違いだった。まあ、魔物の大半は私が倒したけれど。
私とグレースが自分勝手にしてたから、その被害を一人で被っていたのだ。
その闇を旧帝国の呪いの兵器に付け込まれたのだろう。
私にも責任の一部は確かにある……

私は斬りつけるのを躊躇してしまった。

そのすきを突かれたのだ。

「グウォーーーー……」
咆哮とともに魔人は超音波兵器で私に襲い掛かってきたのだ。

「しまった」
一瞬障壁を張るのが遅れた。

私は弾き飛ばされてしまったのだ。

そのまま地面に叩きつけられる。

「グォーーーー」
そこに魔人が咆哮を上げながら飛び込んで来た。

もうやるしかない。幸いなことに体の動きは戻りつつあり、叩きつけられた被害はほとんどない。

私はエクちゃんを握り直した。

魔力をエクちゃんに集める。

エクちゃんが光り輝いた。

「いっけーーーーー」
私の叫び声とともにエクちゃんが光って、光の奔流が魔人に襲い掛かった。

「グウォーーーー」
魔人が悲鳴を上げる。

光の奔流は魔人の体を次々に削っていく。

「ギャーーーー」
そして、その悲鳴がクラリスの声に代わった時だ。

私は一瞬見えたクラリスに向かって飛び込んだのだ。

そして、右手をクラリスの顔面に炸裂させたのだった。
しおりを挟む
感想 334

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

断罪されたので、私の過去を皆様に追体験していただきましょうか。

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が真実を白日の下に晒す最高の機会を得たお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

この誓いを違えぬと

豆狸
恋愛
「先ほどの誓いを取り消します。女神様に嘘はつけませんもの。私は愛せません。女神様に誓って、この命ある限りジェイク様を愛することはありません」 ──私は、絶対にこの誓いを違えることはありません。 ※子どもに関するセンシティブな内容があります。 ※7/18大公の過去を追加しました。長くて暗くて救いがありませんが、よろしければお読みください。 なろう様でも公開中です。

契約破棄された聖女は帰りますけど

基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」 「…かしこまりました」 王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。 では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。 「…何故理由を聞かない」 ※短編(勢い)

ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。 ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。 そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。 「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。 冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。 皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。 小説家になろう、カクヨムでも連載中です。

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。