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第三部 ルートン王国交換留学編
遠足で皆と仲良くなるいい案を考えました
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何とか、プリンで釣る作戦はうまくいったはずだ。
少なくとも平民の皆はフランと呼んでくれたのだ。
でも、准男爵家の皆はなかなかうまくいかなかった。
もともと生意気な礼儀知らずの平民だと思っていた私を皆毛嫌いしていたし。
それでなくてもルートン王国は歴史の長さだけが自慢なのだ。そう言うとまた角が立つんだけど・・・・
我が国は建国してまだ300年くらい、1000年の歴史のルートンに比べるとまだまだなのだ。当然貴族たちは我がエルグランの貴族ですらよく思っていない。ましてや平民なんか歯牙にもかけていないのだ。
その平民がいきなりでかい態度で接して来て、彼らは許せなかったはずだ。
そして、許せなかった私に、一番強いはずの騎士団長の息子が剣術でこてんぱんにやられて、立つ瀬も無かったのだ。
そんな憎き平民の女が実は公爵令嬢だったなんて判って、彼らは唖然としたはずだ。
貴族世界では基本は爵位が全てだ。今までひどい態度を取っていた相手が、実は公爵家の令嬢だったとなると、イネみたいにパニックになるのも仕方がいなと思う。
イネなんか、結局、「フラン様」止まりだった。
「あなた、フランって呼ばないとプリンあげないわよ」
って言ったら、イネはとても悲しそうな顔をしたのだ。
「はいっ、私は良いんです。フラン様にとても酷いことをしてしまったので、フラン様から物を頂けるような資格はございませんから」
しおれ果てて言うのだ。
そして、その目はプリンを食べている皆をとてもうらやましそうに見るのだ。
私は下位貴族を虐めている悪役令嬢になった気分になってとても良心の呵責を感じてしまい・・・・
「はい、これ」
思わずイネに渡してしまったのだ。
「えっ、フラン様、宜しいのですか?」
「せめてフランさんって、さん付けで呼んで欲しいんだけど・・」
「はい、有難うございます。フラン様」
こいつ全然わかっていない・・・・
でも、そのプリンを食べるイネの顔の嬉しそうな顔を見たら何も言えなかった。
「フラン、優しいところあるじゃない」
メラニーが横から言ってきた。
「当たり前でしょ」
私が胸を張って言うと、
「せっかく、ゲームの世界、『エルグランの薔薇』の悪役令嬢フランソワーズそのまんまに見えたのに!」
メラニーの言葉に私は固まってしまった。
そうだった。私は元々悪役令嬢なのだった。
危ない危ない。
危うく、危険な橋を渡るところだった。もう断罪イベントは終わったけれど、いつ何時、また断罪されるか判らないし・・・・何事も強制は良くない。
結局、泣き虫シルビアの乱入で、私は貴族の子らにはほとんどプリンで買収作戦を実行できなかった。
そして、翌日、
「フラン様、おはようございます」
教室に入ると、イネが私に声をかけてきた。
「おはよう。イネス、フラン様は止めて」
そうお願いする私を無視して、
「フラン様、おはようございます」
と挨拶してくる貴族子女の取り巻きたちと
「フランさん、おはよう御・・・・」
中途半端に口を閉じる騎士の息子たちと
「フラン、今日は何のお菓子を持って来てくれたの?」
私にたかってくるテオドラたち平民という構図になってしまったんだけど・・・・
これじゃ、全然よくない!
「うーん」
どうしようかと私が悩んでいる時だ。
「ルフィナは今度の遠足、何を着ていくの?」
私の前の席のテオドラが隣のルフィナに聞いてきたのだ。
「うちのおしゃれ作業着を着ていこうと思うわ」
「ちょっとテオドラ、遠足ってなあに?」
私は二人の会話に割り込んだ。
「ああ、留学生のあなたは知らないわよね。毎年この時期に遠足があるのよ。一年生は裏山のルートン山に登るのよ」
「ルートン山?」
「後ろに聳え立っている山で、頂上からは港が一望出来るの。標高は五百メートルくらいなの」
「二時間くらいの登りなんだけど、大変な登りなのよね。毎年落伍者が結構出るって話よ」
二人が教えてくれたのだ。
「よし、良いこと思いついた!」
私は頭にいい案を思いついたのだ。
「えっ、フラン、あんたのいい案て碌でもないようなきがするんだけど」
メラニーが余計な一言を言ってくれるんだげと。
「何言っているのよ。あんた達、絶対に私を見直すに違いないわ」
私は自信満々に言い切ったのだ。
*****************************************************
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
フランの案は何なのか?
まともな案なのか?
それとも、メラニーの言うようにとんでもない案なのか?
明朝更新します!
少なくとも平民の皆はフランと呼んでくれたのだ。
でも、准男爵家の皆はなかなかうまくいかなかった。
もともと生意気な礼儀知らずの平民だと思っていた私を皆毛嫌いしていたし。
それでなくてもルートン王国は歴史の長さだけが自慢なのだ。そう言うとまた角が立つんだけど・・・・
我が国は建国してまだ300年くらい、1000年の歴史のルートンに比べるとまだまだなのだ。当然貴族たちは我がエルグランの貴族ですらよく思っていない。ましてや平民なんか歯牙にもかけていないのだ。
その平民がいきなりでかい態度で接して来て、彼らは許せなかったはずだ。
そして、許せなかった私に、一番強いはずの騎士団長の息子が剣術でこてんぱんにやられて、立つ瀬も無かったのだ。
そんな憎き平民の女が実は公爵令嬢だったなんて判って、彼らは唖然としたはずだ。
貴族世界では基本は爵位が全てだ。今までひどい態度を取っていた相手が、実は公爵家の令嬢だったとなると、イネみたいにパニックになるのも仕方がいなと思う。
イネなんか、結局、「フラン様」止まりだった。
「あなた、フランって呼ばないとプリンあげないわよ」
って言ったら、イネはとても悲しそうな顔をしたのだ。
「はいっ、私は良いんです。フラン様にとても酷いことをしてしまったので、フラン様から物を頂けるような資格はございませんから」
しおれ果てて言うのだ。
そして、その目はプリンを食べている皆をとてもうらやましそうに見るのだ。
私は下位貴族を虐めている悪役令嬢になった気分になってとても良心の呵責を感じてしまい・・・・
「はい、これ」
思わずイネに渡してしまったのだ。
「えっ、フラン様、宜しいのですか?」
「せめてフランさんって、さん付けで呼んで欲しいんだけど・・」
「はい、有難うございます。フラン様」
こいつ全然わかっていない・・・・
でも、そのプリンを食べるイネの顔の嬉しそうな顔を見たら何も言えなかった。
「フラン、優しいところあるじゃない」
メラニーが横から言ってきた。
「当たり前でしょ」
私が胸を張って言うと、
「せっかく、ゲームの世界、『エルグランの薔薇』の悪役令嬢フランソワーズそのまんまに見えたのに!」
メラニーの言葉に私は固まってしまった。
そうだった。私は元々悪役令嬢なのだった。
危ない危ない。
危うく、危険な橋を渡るところだった。もう断罪イベントは終わったけれど、いつ何時、また断罪されるか判らないし・・・・何事も強制は良くない。
結局、泣き虫シルビアの乱入で、私は貴族の子らにはほとんどプリンで買収作戦を実行できなかった。
そして、翌日、
「フラン様、おはようございます」
教室に入ると、イネが私に声をかけてきた。
「おはよう。イネス、フラン様は止めて」
そうお願いする私を無視して、
「フラン様、おはようございます」
と挨拶してくる貴族子女の取り巻きたちと
「フランさん、おはよう御・・・・」
中途半端に口を閉じる騎士の息子たちと
「フラン、今日は何のお菓子を持って来てくれたの?」
私にたかってくるテオドラたち平民という構図になってしまったんだけど・・・・
これじゃ、全然よくない!
「うーん」
どうしようかと私が悩んでいる時だ。
「ルフィナは今度の遠足、何を着ていくの?」
私の前の席のテオドラが隣のルフィナに聞いてきたのだ。
「うちのおしゃれ作業着を着ていこうと思うわ」
「ちょっとテオドラ、遠足ってなあに?」
私は二人の会話に割り込んだ。
「ああ、留学生のあなたは知らないわよね。毎年この時期に遠足があるのよ。一年生は裏山のルートン山に登るのよ」
「ルートン山?」
「後ろに聳え立っている山で、頂上からは港が一望出来るの。標高は五百メートルくらいなの」
「二時間くらいの登りなんだけど、大変な登りなのよね。毎年落伍者が結構出るって話よ」
二人が教えてくれたのだ。
「よし、良いこと思いついた!」
私は頭にいい案を思いついたのだ。
「えっ、フラン、あんたのいい案て碌でもないようなきがするんだけど」
メラニーが余計な一言を言ってくれるんだげと。
「何言っているのよ。あんた達、絶対に私を見直すに違いないわ」
私は自信満々に言い切ったのだ。
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ここまで読んでいただいてありがとうございます。
フランの案は何なのか?
まともな案なのか?
それとも、メラニーの言うようにとんでもない案なのか?
明朝更新します!
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