悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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第一部

聖女視点1 悪役令嬢に邪魔ばかりされていますが、今度こそうまくやってやります

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私はローズ・デボア、今はデボア伯爵家の令嬢なのよ。そう、周りがなんと言おうとこのエルグラン王国2000万人の0.1%未満の頂点のお貴族様なのよ。
元々孤児だった私が、伯爵家の養女になって成り上がれて良かったかって?
ふん、そんなのまだまだよ。何しろ私はこのゲーム『エルグランの薔薇』のヒロインなんだから。
目指すはこの国の女性の最高峰の王妃様になるに決まっているわ。

私は14歳の時に熱病で三日三晩うなされて、その時に前世の記憶が戻ってきたのだ。

前世、私は引きこもりだった。何故引きこもりになったのかよく判らなかったけど、ずうーっとゲームをやっていたのだ。その中でもお気に入りがこのゲーム『エルグランの薔薇』だった。私の一番の押しはその中でもアドルフ王子だった。黒髪碧眼で端正な顔立ちのイケメンにもう夢中だった。
そう、そのゲームの世界に転生できたと知ったのは、その病気が治って、ひょっとした拍子に癒やしの魔術が使えることがわかった時だった。癒やしの魔術が使える人は殆どいない。私は直ちに聖女として祭り上げられることになったのだ。そして、ローズという名前が、ゲームのヒロインのローズだと知ったのだった。

やった!ヒロインに転生できたのだ。私は歓喜に震えた。この世の春だった。もう孤児のくせにとか、穀潰しとか、やれ引きこもりだとか、学校に行きなさいとか言われることはないのだ。それよりもゲームのヒロインなのだからすべてが私のためにあると言っても良かった。


そして、聖女として教会で振る舞っているうちに予定通りデボア伯爵家の養女になったのだ。伯爵はやり手で、出来たら私を高位貴族に嫁がせたいみたいだった。まあ、私は王妃になる以外の選択肢はないのだが。

そして、多くの貴族が通う学園の入学式で、私は初めて生アドルフを見た。ゲームなんか比べられないくらい素敵だった。私はあっという間にアドルフに夢中になった。もうこうなったら絶対に悪役令嬢から王子様を奪うしかない。

でも、入学式が終わってAクラスの教室に入って、そこに悪役令嬢が居ないのに気付いた。私を助けてくれるグレースはいるのに、私を虐めまくる悪役令嬢のフランがいないのだ。何故いない? 私は焦った。

でも、食事の後、国王陛下にお会いしてその理由が判った。なんと悪役令嬢は平民の友達を作るのだとEクラスにいたのだ。

えっ、こいつ変なの? 私はこいつの考えがよく判らなかった。だってせっかくこの貴族のトップの位置に生まれていて、なおかつ王子の婚約者なのに、何トチ狂って、平民の友達なんて作ろうとするんだろう?

平民なんて見下すだけの存在でしか無いのに。

こいつは伊達と酔狂で生きているのか?

その上、クラスが違うからか、この悪役令嬢は全く私を虐めてこないのだ。王子を見るたびに仲良くなろうと色々やっているのに。構えていた私は肩透かしを食らってしまった。
それに思っていたほど性格も悪くないみたいだ。

何故だ?

それになんとあの王子様が悪役令嬢に邪険にされているんだけど。

なにこれ?

でも、これは考えようによってはチャンスではないか。

私は目一杯王子に甘えてみた。

しかし、王子は中々こちらに振り返ってくれないが、それならばこちらから悪役令嬢に王子が更に嫌われるように動けばいいだけだ。
悪役令嬢の前で目一杯くっついてみたし、王子が花束送った時もわざわざ邪魔しに行ってやったのだ。

王子の悪役令嬢と仲よくなろうとする作戦を潰すのは大成功だった。

でも、王子はそれに飽き足らずに、今度はハッピ堂プリンをわざわざ並んで買ってきたのだ。何でそこまで悪役令嬢に拘る。

私は更に邪魔しようと王子の前に出たのに。

なんと、王子に冷たく拒絶されてしまったのだ。王子命の私にはショックだった。これも全部あのカッコつけの悪役令嬢が悪い。
私はまず、手なづけた伯爵令嬢に王子からの花束をグチャグチャにさせたのだ。

流石にこれは効いたみたいで、悪役令嬢は泣いていたそうだ。

ふふふ、ざまーみろだ。私に逆らう奴はこうなるのだ。

そして、今度はグレースと協調して、花束をメチャクチャにしたのは悪役令嬢が王子の気を惹くために自作自演したのだと噂を流させたのだ。
これは予想よりもうまく行った。なんかそれに怒ったEクラスの面々が私がやったとかいう噂を流させたみたいだったが、これを私は更に利用することにしたのだ。

伯爵に泣きこんだのだ。悪役令嬢に身に覚えのない噂を流されて虐められていると。
伯爵もこれをチャンスだと見たのだろう。早速ラクロワ公爵と組んで陛下に泣きこんでくれたのだ。
これで一矢報いられると思ったのだ。私は。

でも、私の目論見はもろくも崩れ去ってしまった。悪役令嬢の笑みで逆襲され、攻略対象で2番人気のシルヴァン王子まで出てきて、私が「悪役令嬢が自作自演したと噂を流せ」と指示する所を見たとバラされてしまったのだ。

な、なんで、第二王子まで悪役令嬢の側に付いているの?

もう私には判らなかった。

1週間の謹慎期間、私は教会に閉じ込められてしまった。
そして、ただ、ひたすらお祈りさせられたのだ。

当然、私はお祈りは振りだけしてしなかったけど。お祈りどころではなかった。私は何故ヒロインが失敗ばかりしているのかひたすら考えていた。
だって、おかしいじゃない。私がヒロインなのに、うまくいかないなんて。

でもその理由が判らなかった。ただわかったのはあの悪役令嬢が悪役令嬢になっていないということだけだった。こうなったらもっと積極的に動くしかない。

でも、王子は私にくっつくなって言っているし、この手は使えない。

でも、反省したので、聖女の仕事についてきてもらって、本当に反省したかどうか見てほしいというのはどうだろう。聖女の癒やしの仕事を王族が見学するというのはよくあることだ。
悪役令嬢と同じクラスにいるオリーブからの情報だと、この土曜日悪役令嬢らは女性だけでケーキバイキングに行くらしい。意味分かんないけど。ならその日は王子は空いているはずだ。

私は今度は私に良くしてくれる教会の枢機卿から王宮に依頼してもらうことにした。そして、オリーブには悪役令嬢らをバイキングの終わった後にこの教会につれてくるように頼んだのだ。

私と王子の仲むつまじい姿を悪役令嬢に見せつけてやるのだ。

ふふふ、覚えていろよ。悪役令嬢め。今度こそぎゃふんと言わしてやるんだ、と私はやる気満々になっていた。
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