理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました

ぺきぺき

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第二章 無計画な白い結婚

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「そうか…、しかし、クラウスも姉と慕っていたクラウディアと婚約とは、戸惑うだろう?」

「いえ。俺は昔からクラウディアと結婚できないなら結婚はしないと義父上に言い続けていましたので、殿下のおかげで本望が遂げられて幸せです。」

「あ、ああ。」

クラウスの明け透けな告白にヨーゼフはぎょっとする。


「しかし、側近を辞める必要はないんじゃないか?クラウスはこれまでもよくやってくれていたし、私もいてくれるとありがたい。」

「…本気で仰っていますか?」

「え?ああ。もちろん、本気だ。」

「クラウディアと婚約破棄しようとしておいて、そんな方に喜んで仕え続けるはずがないでしょう。我がヘルムフート家を馬鹿にしているのですか?」

クラウスに鋭い目ですごまれてヨーゼフは押し黙る。

「令嬢にとって婚約破棄がどのような傷をもたらすか、殿下がご存じではないとは言わせませんよ。もし、あの場でクラウディアが泣き寝入りしていたら、傷物のレッテルを貼られて過ごすことになっていたでしょうね。どちらにしろ俺がもらいましたけど。」

「それは…。」

確かに、あの時は自分とクラウスの関係まで考えて婚約破棄を言い渡したわけではなかった。ヨーゼフにとってクラウディアはクラウディアで、クラウスはクラウスだ。そこにヘルムフート公爵家のことは考えていなかった。
クラウディアと縁が切れても、クラウスとは当然縁が続くと思っていたのだ。

それは、クラウスがマリアとの仲を積極的に取り持ってくれていたからでもある。


「クラウスは私とマリアの仲に肯定的だったじゃないか。」

「ええ。クラウディアを散々あなたが振り回してきたのを見ていましたから。運命の姫の実態に早く気づいてくれれば、姫探しをやめてくれると思っていたんですよ。」

クラウスは肩をすくめた。

「俺は卒業後はエアハルト殿下に仕えることになりました。ダミアン殿だけでは側近は大変でしょうから、殿下も新しい人脈を持つことをお勧めします。」


クラウスは「それでは。」と言って退室していった。


「ダミアンはクラウスがクラウディアを好きだと知っていたか?」

「ええ、まあ。」

「そうか…。」

ヨーゼフは、なら婚約解消も悪いことではなかったのかもしれない、と思ったが胸に釈然としない思いが残った。クラウスは前向きにマリアとの仲を応援してくれていたわけではなかったのか、と。



ーーーー



マリアは貴族学園を退学することになった。このまま在籍していても、一年で留年してしまうほどなのだから、卒業まで何年かかるかわからない。それに愛人でいいのなら、貴族学園を卒業している必要もない。

マリアとともにタウラー男爵家を訪ねると、男爵は厳しい顔をしていた。

「娘は廃嫡いたします。」

「廃嫡…ですか。」

その可能性は考えていたが、こうもはっきりと迷いなく言い切られてしまえば動揺する。

「貴族学園も卒業できない娘など、我が家の恥です。それに縁づいたままでいてはヘルムフート公爵家から慰謝料を請求される可能性もあります。」


そうして、あっさりとマリアはタウラー男爵家を追い出された。ヨーゼフはマリアは家族に愛されていると思い込んでいた。なので、迷いなく捨てられる様は想定外だった。

しかし、よくよく考えれば愛人の子が正妻のいる家で愛されて暮らしているだなんておかしなことなのだ。

「これから…どうしましょう、ヨーゼフ様。」

震える声で尋ねられてはっとする。家族と縁を切られ、マリアに頼れる人は自分しかいなくなってしまったのだ。そして、マリアをこの状況に追い込んだのは自分だ。


とりあえず、ヨーゼフはマリアを自分の居住区になるはずだった一画に住まわせていたが、城に置いておくことはできず、城下に一軒家を借りてそこにマリアを住まわせた。

「ヨーゼフ様は一緒ではないの?」

「仕事を終えたら会いに来るよ。」

家の位置は城から馬車で30分ほどだ。治安のいい場所で使用人も城から二人ほどつけた。


こうしてマリアを城下で愛人として囲い、自分は城で働く生活が始まった。


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