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しおりを挟むどこか遠くで俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。この声は、俺が大好きな、ずっと聞いていたいと思っていた声だ。
「乃海君!」
夢の中でノエルが立っていた。
白のオーバーサイズのニットにスキニージーンズを履いている。
スキニージーンズって、いいよなぁ…。
俺、女の子のこういうシンプルな格好って好き。ノエルに似合ってるなぁ…。
ノエルは添い寝する為に来てくれたのかな?
俺は布団をはぐって腕を差し出した。
「どぞ。」
俺は言った。
「何寝ぼけてんの!一緒におじいちゃんのとこに行くって言ってたじゃない!」
ハッ!夢じゃなかった。
「ロビーで待ってるね!」
ノエルはそう言うと部屋を出て行った。
夕べ遅くまで石田さんと盛り上がっていたので、次の朝はかなり遅くまで寝てしまっていたのだ。急いで顔を洗って服を着替えた。
ロビーへ行くと、ノエルは外のテラスの椅子に座って待っていた。
「ごめんなさい。遅くなりました。」
俺はノエルにペコリと頭を下げた。
「朝ごはんまだでしょ?クロワッサン買ってきたよ。」
ノエルが袋を開けると甘いにおいが立ちこめた。
「ここのクロワッサン、有名なんだよ。いろいろ種類があるんだけど、私はチョコとさつまいもが好きなの。」
ノエルはニコニコしながら俺にクロワッサンを見せた。
そしてミルクティーも一緒に買ってきてくれていた。
「…うまい!」
「そう?よかった。」
「ここって、支店とかあるのかな?俺の街にもあったらいいのに…。」
「どだろ?食べたくなったら私が持っていくよ。旭ちゃんと類君にも食べさせてあげたいし。」
「…旭に見せたら、全部食われてしまう気がする…。食い物に関してあいつは危険だ。」
「いいなー、旭ちゃん!あのビジュアルでその性格!ギャップ萌えだよね!」
「萌えなのか…?萌えかぁ~?」
「あ、そういえば、旭ちゃんと言えば、安藤先生がお礼したいから連絡先教えてほしいって言ってた…。」
「は?安藤が?アイツなんかまた俺たちを陥れようと画策してんじゃねーだろな?」
「ん…そんな感じでは無かった気がするけど…。でも、個人情報だし、乃海君、旭ちゃんに教えていいかどうか聞いてみてくれないかな?」
「ん…じゃ、明日にでも言っとくわ。」
日当たりのいいテラスで海を眺めながら食べるクロワッサンは格別だった。
横でノエルが笑ってるし、幸せってこんな事なんだなって思った。
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