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5 赤い月が昇る頃、オッドアイの瞳は見つめている。トンネルの向こうに開かれた世界で私を待っているのは誰?
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しおりを挟む「時間ガ アリマセン カラ 大事ナ 事ダケ 言イマス。アチラ ノ 世界ハ コチラ ト 少シ 違ウト 思イマス。デモ 心配シナイデ。真子サンガ シナケレバ ナラナイ 事ハ タダ 一ツ………」
…そう言えば、ナビは「あちらの世界」って言っていた。
ここは私がいた所とは別の世界なの?
そんな事って、有り得る?
「…あの…今までの事…教えてもらえる? その…私と神崎君は…そういう仲なんだよね?」
「本当に何も覚えて無いの?」
神崎君は信じられないような顔で私を見た。
そして私の左手を取ってじっと見つめた。
「指輪…してない。」
「指輪?」
「俺が真子にあげた指輪。ほら、海岸で真子が俺の後ろから抱き着いて…その時指輪あげたでしょ…」
…それって!
あの白昼夢?
私が大学の教室で見た…あの光景?
それが現実だったってこと?
「就職したらもっといいの買うからって…言ってた?」
「そうそう! よかったー。真子、記憶が戻って来たんだ!」
「違う! そうじゃないの!」
頭がおかしくなりそうだった。
私がよく見ていた神崎君の白昼夢や夢は、こちらの世界で実際に起こっていたことだったんだ!
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