良心的ＡＩ搭載 人生ナビゲーションシステム

4 愛する妻、可愛い子供たち、パパは頑張るよ～！ あれ？ 僕は何がしたかったんだっけ？ 自分を見失いそうになっていた僕の前に現れたのは…

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「心配ゴ無用デス！　私ハ　最新ＡＩ搭載ノ　ナビゲーションシステム　デスカラ！　サア、サア！　目的地ヲ　言ッテ　下サイ！」

「…はぁ…、じゃあ、僕のうちまで…」

「了解シマシタ！」

あっけに取られている僕をよそに、ナビはまた話し出した。

「５ルート　検出シマシタ。ゴ希望ルートヲ　オ選ビ　下サイ。」

うちまでの距離って大したことないのに、そんなに沢山ルートあんの？　

どれどれ…


１． 家庭顧みずルート

２． 金の亡者ルート

３． 仮面夫婦ルート

４． 夢挫折ルート

５． 平安京ルート


…なんだよコレ…。

「アラユル情報カラ計算シテ　予測ヲ立テマシタ。サァ、オ選ビ　下サイ！」

「どんな情報だよっ！」

何なんだ、このナビ！　

人をからかってんのか？　

どのルートも最悪じゃないか！

「サア！　サア！　オ選ビ　下サイ！　オ選ビ　下サル　マデ　車ハ　発進デキマセン！」

「はぁ？　勘弁してよ、まったく。疲れてるっていうのに…。ん？　何だコレ。平安京ルート？」

「平安京ルート　デスネ！　本日ノ　オススメ　ルート　ト　ナッテオリマス。デハ！」

「ちょ、ちょっと！　俺、まだそれにするとは…」

うろたえる僕を無視するかの如く、ナビは画面に平安京ルートなるものを出した。

まいったな…。

平安京って…京都の事？　

まさか今から京都まで行かされるんじゃないだろうな？　

勘弁してくれよ～！