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4 愛する妻、可愛い子供たち、パパは頑張るよ~! あれ? 僕は何がしたかったんだっけ? 自分を見失いそうになっていた僕の前に現れたのは…
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しおりを挟むそもそも僕が美容師になろうと思ったきっかけは姉だった。
僕の姉は背が高くモデル体型で、キリっとした切れ長の目のクールな美しい人だった。
と僕は思っていた。
その姉が、中学になったころから自分に対するコンプレックスに苛まれるようになっていった。
学校でモテるのは、たいてい二重の目が大きくて可愛い系の子だ。
姉は自分の一重を気にしだした。
何人かの同級生の男子から、キツネ顔とか大女とからかわれたりしていた。
姉は少しでも背を低く見せようと猫背になって、髪形もいわゆる可愛い系に徹し、アイプチで二重になるようにがんばっていた。
しかしそれは全く彼女に似合わなくて、むしろ滑稽に見えた。
次第に男子だけでなく女子からもからかわれるようになっていった。
高校に上がる頃には、子供の頃の明るかった姉とは想像できないくらい、暗く内にこもるようになっていった。
僕は悲しかった。
姉がからかわれることももちろんだけど、それ以上に自分で自身の美しさを否定して、世間の基準に合わせてそれを消し去ろうとしていることが悲しくて堪らなかった。
弟の僕が姉のコンプレックスに触れるのは許されないような気がしていたけど、でも我慢の限界だ。僕は意を決して姉に改造させてくれと頼み込んだ。
姉はこの狭い日本の価値観の中に囚われるべきじゃない!
海外のアジア系モデルを目指すべきだ!
僕は姉をミステリアスかつゴージャスな女へと変身させた。
そうだ…。
今思えばあの時からだったな…。
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