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こんなのってない!!
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「婚約者殿。いるか?」
懲罰塔の最上階にある唯一、扉の締まっている部屋の前に、コンラッドは立っている。
だが中から返事はない。
ノックをしてみたが、物音ひとつしなかった。
しばし間を置いてから、彼は躊躇なく扉のドアノブに手をかける。
「なんだ。もう寝たのか」
寝台の上で丸くなって眠っているシャーロットを一瞥し、コンラッドはつまらなそうに片眉をあげた。
「まぁ、良いだろう」
今はその方が都合が良いだろう。
口で説得するより、行動に移してしまった方が早い。
コンラッドは大股でシャーロットの寝台に近づくと、彼女の肩を掴んで仰向けに転がした。
乱暴な手つきではあるが、彼女は目を覚ます気配を見せない。それすら今のコンラッドには都合がよく、彼は寝台の上に足を乗せると、シャーロットの身体を跨ぐようにして圧し掛かった。
そして彼女が着ている寝巻の腰紐を解き、合わせ目を大きく左右に開く。
ふるんっ、と大きな胸と赤い茂みに隠れた性器が露わになるが、コンラッドは眉一つ動かさず、婚約者の裸体を見下ろした。
「マリア以外の女に触れるのは気が進まないんだがな……」
手始めに彼女の胸の粒をギュッと摘まみ上げる。
「ん……、ぐ……」
シャーロットは眉根を寄せて、明らかに嫌そうな顔をしている。
だがコンラッドはお構いなしにもう片方の胸も同様に引っ張り上げ、胸の粒をしこり立たせるために指で押しつぶしたが、彼女の身体は全く反応しなかった。
それどころか、無意識に彼女の腕がコンラッドの手を振り払おうとして動いている。
「まったく、胸では感じないか」
仕方ない、と赤い茂みに手を伸ばし、乾いた場所を指で擦るが、一向に濡れる気配を見せず、嫌がって足をばたつかせるだけだ。
「身体すら可愛げがないとは面倒だな」
マリアンヌならすぐに濡れて、中を掻きまわしてほしいと、泣きながら強請ってくるというのに、とコンラッドは嘆息する。
「手間をかけさせる女だ」
言いながら、コンラッドは乾いたままの蜜壺に指を突き入れた。
「ひっ!?」
その瞬間、シャーロットの瞳が大きく開いた。
「なんだ。起きたのか」
「ちょ!? なに、を……!?」
身を引こうとするシャーロットの胸を乱暴に鷲掴み、コンラッドは固く口を閉ざしている蜜壺に二本の指を無理やり捻じ込んだ。
「痛い! 痛ぁあああああ!!!」
「中を擦っても濡れないのか」
無理やり内壁を擦られ、シャーロットは激痛に悲鳴を上げた。
「やめてぇ! 痛いぃぃ!!!」
涙を流してやめろと訴えても、手の動きは止まらなかった。
身体が裂けてしまうのではないか、という激痛に、ボロボロと生理的な涙が溢れて止まらなくなる。
「嫌ぁぁぁぁ! 誰かぁ!! 誰か、助けてぇ!!!!!」
必死に悲鳴を上げるが、頭の冷静なところから「どうせ誰も来やしない」という声が聞こえた。
ここは昼も夜も関係なく人通りもなく、見張りの兵すら見回らない懲罰塔だ。
どんなに助けを求めても、誰かが来るはずもない。
「でん、かぁ! どう、してぇ……!!」
「そのまま良い声で啼いておけ」
グリグリと指を根元まで捻じ込まれ、シャーロットは絶叫した。
手を伸ばしてコンラッドの手首を掴んで抜こうとするが、腕力では太刀打ちできない。
(なんでマリアンヌにしか興味がないこの男が私を!? まさか、これで私に魔法を使わせて、罪を押し付ける気じゃ……)
まだ利用価値があると言っておきながら、もう業を煮やしたのだろうか。
この第一王子はマリアンヌ以外には、とことん残酷になれる男でもある。
まさかこんな方法で陥れようとしてくるなど、それこそ全く予想すらできなかった。
「ん? お前、処女膜がないな。やはりもうしたんじゃないか」
「ぃやぁああああああああああ!!!!」
コンラッドの言葉は、シャーロットの耳には届いていなかった。内壁を擦られ、広げられる激痛でそれどころではなかった。
涙を振り乱して激しく抵抗していると、いきなりバンッと扉が開き、誰かが入ってきた。
「シャーロット嬢!!!」
レオンの声がしたと思った瞬間、ずるっ、と蜜壺の中から指が抜かれ、シャーロットは悲鳴を上げ、太ももの上に圧し掛かっているコンラッドを突き飛ばした。
「なんだ、レオン。何か用か?」
「コンラッド様……!? これは、一体……」
「シャーロット・バレリア嬢は俺の婚約者だ。夜伽も、義務の内だろう?」
コンラッドはすんなりシャーロットの上から退くと、挑発気味にレオンに言い放った。
「あなたには、マリアンヌ嬢がいらっしゃるではありませんか!」
「何。婚約者殿が寂しい思いをしているのではないかと、急に思ってな。相手をしていた」
そんなふたりの会話を、シャーロットは泣きながらガタガタと震え、寝台の隅に蹲って聞いていた。
「まったく。ちょっと啼かせたくらいで、お前が血相を変えるとはな」
そうは言っているものの、コンラッドはとても愉快そうに唇を吊り上げている。まるで、「思っていた通りだ」とでも言いたげな表情に、レオンの表情が険しくなっていく。
「まあいい。あとはレオン。お前に任せる」
「コンラッド様!!」
「そう怒鳴るな。ちょっと指で中を弄ってやっただけだ。だがまったく濡れないせいで、中を傷つけてしまったようだな」
ほら、とコンラッドは自分の指についた血をレオンに見せつけた。
「あなたという人は……!!!」
ギリッ、とレオンが歯を噛みしめる。腰に佩いた剣の柄に手をかけたが、コンラッドはまったく動揺をしていない。
「俺に怒りをぶつける前に、やることがあるんじゃないのか?」
にやりと笑いながら、コンラッドはレオンの真横に歩み寄り、高い位置にある肩にポンッ、と手を置く。
「お前がハッキリしないせいだ。俺を責めるより、己の行動の遅さを呪うんだな」
コンラッドの囁きに、レオンの額に青筋が立ち、剣の柄を握る手は血管が浮き出ていた。
「じゃあな」
ヒラヒラと背中越しで手を振り、コンラッドが部屋を出ていく。
パタン、と閉められた扉の音が、虚しく響く中、レオンの怒りを鎮めるような息を吐く音が混じった。
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