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四度目の人生

今度の敵は王太子?

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 どうやら、平民の聖女である今回のレティーナは、真面目で細かい性格だったみたいで、びっしりと書かれた日記が出て来た。

 書かれているのは、聖女の力に目覚めてから。

 ものすごく、几帳面な性格だったのだと思う。

 朝何時に起きたから始まり、誰に会ったか、誰に何を言われたか。何を食べ、何をしたか。事細かに書かれていた。

 だから私は、彼女な何が起きたのか全てを知ることができた。

 聖女として目覚めたのは、平民である彼女に下位貴族の男が目を付け、手を出そうとしたことが原因だった。

 娘を守ろうとした父親を、男は殴る蹴るした。
 自分を守って傷ついた父親を助けたいと強く願ったことで、聖女として目覚めたのだ。

 その強い力で父親の傷は癒えたが、レティーナはそのことで家族と引き離され、教会に引き取られることになった。

 そして、その力を他国に奪われたくない王家は、レティーナと王太子の婚約を王命として決めた。

 その王太子の酷い言動。
まるでレティーナの聖女の力を盾にして、王太子の婚約者の座を奪ったかのように責められる日々。

 今回の敵は、王太子ということね。
もしかして、前回のアズリル殿下のように、他に好きな人がいるということ?

 今回は私は平民なんだから、王太子の婚約者にしなくても、他に手段はあるんじゃないかしら。

 アズリル殿下とキャス様・・・
私が殺されたあと、大丈夫だったのかな。
命は助かったみたいだけど、ふたりは幸せになれたのかしら?

 お父様やお母様を悲しませてしまったけど、ふたりならきっとキャス様を庇ったことをほめてくれるわ。

 教会で私付きのお世話係をしてくれているのが、さっきのリリ。孤児で、ずっと教会のお世話になってたらしい。

 他にも聖女はいて、でも全員が貴族のご令嬢。
 聖女の力は微々たるものらしいけど、貴族の自分たちを差し置いて、平民が王太子の婚約者になったということで、私を敵視してるみたい。

 イジメまでには発展してないみたいだけど、それも時間の問題かしら。

 そんなに王太子が欲しいなら、喜んで婚約者の座を代わってあげるのに。

 司祭様や司教様と呼ばれる人たちは、私のことを大切にしてくれているみたい。

 家族と引き離したことを申し訳なく思ってるみたいだと書かれていた。

 ただ・・・
レティーナの発現させた力はあまりにも大きくて、国にとってとても有益なもの、みたい。

 家族といることで、また家族に危険が及ぶ可能性が高いから、教会で保護するしかなかったみたい。
 
 



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