ラスボス魔王の悪役令嬢、モブを目指します?

みおな

文字の大きさ
11 / 107

王太子として

しおりを挟む
「お待たせいたしました、アザリウム王国の輝く太陽、レオナルド王太子殿下」

 カーテシーをしたまま、レオナルドの声がかかるのを待つ。

 セニヨン公爵家で、私はお祖母様たちの恥にならないよう、必死で淑女としての勉強をしている。

 まだまだ知識は至らないけれど、最低限の、人との接し方、食事のマナー、歩き方、振る舞い方は身に付けれたと思う。

 とりあえずマナーの先生は、合格点をくれたし。

 ローズマリアからそんな、正式な挨拶をされたことがないからだろう。

 なかなかレオナルドから顔を上げる許可が出ない。

 カーテシーって、中々の重労働なんだけど?

 見かねた護衛が、レオナルドに声をかけた。

「殿下」

「あ、ああ。顔を上げてくれ、ローズマリア」

 相当、動揺しているのだろう。
がかつて呼んでいたように「レオナルド様」ではなく「王太子殿下」と呼んだのに、その王太子殿下が婚約者でもない令嬢のことを、家名ではなく名で、しかも呼び捨てにするなんて。

 そんな、ちょっとダメな部分も、ローズマリア好きだった。

「レオナルド殿下。私の孫は、何か殿下に呼び捨てにされるようなことをいたしましたか?」

 すぐにお祖母様の、厳しい声がかかる。

 お祖母様は、先代国王陛下のお姉様、つまり元王女殿下だ。

 数代前のセニヨン公爵家と王家との縁組とは、お祖母様と亡くなられたセニヨン公爵様とのことだ。

 もちろん降嫁した時点で、王族ではないけれど、レオナルドにもお祖母様は厳しい。

「え、あ、いや、だが、ローズマリアは幼馴染で・・・」

「国王陛下は、王太子としての振る舞いすら息子に教えていないのかしら?私の孫は、あなたに正式な挨拶をしたと思うけど?それに対して、幼馴染だからと返すのは正しいのかしら?」

 お祖母様は、本当にマナーには厳しい。

 私のことを可愛がってくれるけど、だからってなんでも無条件で受け入れてくれるわけではない。

 お祖母様は、元王族として、そして前公爵夫人として、キチンとした線引きが出来ている人だと思う。

 前世が日本人の私としては、少し窮屈な気もするけど、テレビで見ていた皇族や他国の王族とかは『公』と『私』をちゃんと分けていた、と思う。

 『私』の時のお祖母様は、ちゃんと優しい。

 もちろん、マナー違反をすれば『私』の時でも叱られるけど。

「・・・いえ、申し訳ない。セニヨン公爵令嬢も失礼した」

 レオナルドは、手を左胸に当てて目を伏せた。

 彼は王太子。王族がむやみやたらに謝罪をするのは正しくない。

 彼が首を垂れるべきは、国王陛下だけなのだ。

 レオナルドの対応に、お祖母様は納得したように頷かれた。

しおりを挟む
感想 81

あなたにおすすめの小説

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

悪役令嬢の断罪――え、いま婚約破棄と?聞こえませんでしたわ!

ちゃっぴー
恋愛
公爵令嬢アクア・ラズライトは、卒業パーティーの最中に婚約者であるジュリアス殿下から「悪役令嬢」として断罪を突きつけられる。普通なら泣き崩れるか激昂する場面――しかし、超合理的で節約家なアクアは違った。

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

いいえ、ただ私は婚約破棄されたいだけなんです!

鏡おもち
恋愛
伯爵令嬢ロニエ・エヴァンズには、ささやかな野望があった。それは、ハイスペックすぎて重すぎる愛を持つ婚約者、第一王子アレンから「婚約破棄」を突きつけられ、実家の離れで一生ダラダラと昼寝をして過ごすこと。 ロニエは学園入学を機に、あの手この手で「嫌われる努力」を開始する。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

処理中です...