はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第九十六話

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 ドロシー王女殿下が何を考えていらしたのかは私には分かりませんが、誰かを・・・呪おうと考えていたのかもしれません。

 ドロシー王女殿下は、国王陛下たちには溺愛されていましたが、お兄様方や王弟殿下たちには厳しい目を向けられていましたから。

 もちろん、ドロシー王女殿下はその呪いを実行はしていません。

 ご自分の手を汚したくなかったのか、それとも呪うほどの思いではなかったのか。

 理由を今さら知ることは叶いませんが、ドロシー王女殿下が何か思うところがあって禁書庫から呪いの本を持ち出し、侍女の子爵令嬢に渡したことは間違いありません。

 婚約者の子爵令息は、彼女の言った事実に酷くショックを受けたそうです。

 生きていれば、綺麗な感情だけでいることは出来ません。

 人を羨むこともあるでしょう。

 憎く思うこともあるでしょう。

 ですが、それを実行に移すのは人として正しいことではありません。

 私も・・・

 イーサン・ブレンディ侯爵令息様のことを、快く思っていませんでした。

 当然ですよね。

 婚約者に暴言を吐き、婚約者として交流すらしない相手を好ましく思うわけがありません。

 そして、アルバート様との婚約を壊したクレメンタイン王国の国王陛下たちにも、思うところはあります。

 ですが彼らに罰を与えたのは、決して憎しみや恨みからではありません。

 自分たちのしたことの罰を受けるのは当たり前のことで、あくまでも私怨ではないのです。

 もちろん私も、聖人君子ではありませんから、彼らの罰を「もっと軽いものに」なんて優しいことは言いませんけど。

 もっともそれは、優しさではないのでしょうけど。

 彼らが本当に自分のしたことを悔やみ、更生しようとしていたならともかく、あの様子では・・・

 話が逸れましたが、人を陥れる行動に子爵令息様は嫌悪感を持たれ、婚約の解消を願われたそうです。

 破棄ではなく解消だったのは、子爵令嬢様のご両親が同じく娘の愚行に嫌悪感を持たれ、彼女を一生幽閉すると決められたから。

 子爵令嬢様は、それだけは嫌だと懇願したようですが、包帯まみれの姿で部屋から飛び出た時、両親と婚約者様の自分を蔑む目に何も言うことが出来なくなったそうです。

 しかも婚約者様に「呪い返しなどでなく怪我でのその姿なら、僕は君と添い遂げたのに」と言われたのだとか。

 その後、ぼう然とした娘を格子窓と外鍵の付いた部屋で幽閉することになったそうです。
 
 自分のしたことに後悔して、もしものことがあるかもしれません。

 でも、ご両親はそれも覚悟の上での幽閉だそうです。

 彼女のしたことは許されることではありません。

 それでも、自分の罪と向き合って生きていて欲しいと思います。
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