はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

文字の大きさ
75 / 126

第五十九話

しおりを挟む
 セルコム様がジェレミーの側近になるべく、カリスタ伯爵家に通い始めました。

 まだ学園もありますから、週末だけですけど、長期休暇の際は泊まりがけでお父様やお父様の側近の方から指導を受けることになります。

 うちは多くの商会を運営していて、それぞれに商会長は置いていますが、その全てを束ねるのがお父様とお母様で、いずれはそれをジェレミーとジェレミーの選んだ方が継ぐことになります。

 もちろん直接的な運営は、商会長がするのですが、大きな取引や責任は最終的にはカリスタ伯爵家が持つことになります。

 ジェレミーは伯爵としての勉強もありますから、セルコム様には商会のことを含めて多くのことを学んでいただく必要があります。

 来年学園を卒業されたら、本格的に勉強が始まるそうですわ。

「ごきげんですわね、お父様」

 今日のお父様は、とてもごきげんですわ。

 夕食後のお茶の席で、思わず尋ねてしまうくらいにはご機嫌がよろしかったのです。

 お父様は、ニコニコと笑顔を浮かべて答えてくださいました。

「いや、ラリーは本当に掘り出し物だったよ。勘もいいし、その上に勤勉で素直だ。だからといって、愚直ではなく、清濁併せ呑むこともできる。ジェレミーが学園を卒業するまでには、立派な補佐になれるだろう」

 私が女当主になる予定だった頃は、補佐には私よりもっと年上の既婚の男性を就ける予定でした。

 夫となる予定が、あの元婚約者様でしたので、お父様が婚約者様には家業や伯爵家の経営には関わらせないという判断をされましたの。

 まぁ、融資を受けてもそれを返済する能力がなかった侯爵家の方ですから、大切な商会に被害が出ては困りますものね。

 ですが、私がアルバート様の婚約者になり、ジェレミーを養子縁組したことで、新たな側近や補佐を探すことになりました。

 私の年代では女性しか探していなかったので、セルコム様が目に留まらなかったのは仕方ないことです。

 でも、お父様がこれほど絶賛なさるほどの方でしたのね。

 良かったですわ。
これで、ジェレミーも少しは安心できるかしら?

 あの子は真面目だから、気負いすぎているところがあるもの。

「あとは、側近の方と婚約者ですわね。良い出会いがあると良いですけど」

 ジェレミーの婚約者は、もうしばらく決めないことになっています。

 まだ十一歳ですし、この先出会いもあるでしょうから、様子見というところですわ。

 カリスタ伯爵家に権力は必要ありませんから、ジェレミーと思い合える方と婚約させたいと私たちは考えていますの。
 
しおりを挟む
感想 383

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務

ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。 婚約者が、王女に愛を囁くところを。 だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。 貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。 それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

さようなら、わたくしの騎士様

夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。 その時を待っていたのだ。 クリスは知っていた。 騎士ローウェルは裏切ると。 だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ

ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」 ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。 「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」 何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。 都合のいい女は本日で卒業。 今後は、余暇を楽しむとしましょう。 吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。

《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから

ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。 彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜

矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』 彼はいつだって誠実な婚約者だった。 嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。 『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』 『……分かりました、ロイド様』 私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。 結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。 なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。

処理中です...