はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第二十六話

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「お嬢様。先触れもなくブレンディ侯爵令息が訪れているそうです」

 はい?
何かおかしいことを聞いた気がするわ。

 聞き間違いかしら。

「お嬢様。聞き間違いではございません。私もまさかと思い確認しましたが、本当にあの阿呆が門のところに来ておりました」

「ミリア、駄目よ。一応は侯爵令息なのだから、阿呆だなんて言っては」

「申し訳ございません。つい本音が」

 頭を下げるミリアですが、悪いとは思っていませんわよね?本音と言っていますもの。

 私もお馬鹿さんだとは思っていますから、本音としては同意しますけど、ミリアが不敬だと言われて罰せられたら困りますから注意はしますわ。

 ダイアナ・カタロニア公爵令嬢様に、ドロシー王女殿下とイーサン様が絡み、王弟殿下である学園長から叱責されてから一週間。

 どうやら二人は、Cクラスの一部の生徒には、避けられているようです。

 ダイアナ様情報ですわ。

 当然ですわね。
格上の公爵家に喧嘩を売り、学園長に睨まれたような人たちと仲良くすれば、家が傾きますわ。

 いくらドロシー様が王女殿下で、陛下たちの寵愛を受けているといっても、喧嘩を売った相手が第二王子殿下の婚約者の筆頭公爵家のご令嬢。

 第二王子殿下は、第一王子殿下とも仲が良いこと。

 文句を言っていた侯爵令息の婚約者、つまり私がクレメンタイン王国筆頭の資産家で多くの商会を運営している伯爵令嬢であること。

 そして、それを咎めた学園長が王弟殿下であること。

 どう考えても、彼らとは距離を取りたくなりますよね。

「それで、何をしに来られましたの?」

 定期的なお茶会の日でもありません。

 まぁ、イーサン様がお茶会に来られたことなどありませんけど。

 仲の良い婚約者同士なら「会いたかったから」という理由で交流もあるのでしょうけど、私たちは完全な政略結婚です。

「喚いている声を聞く限り、王女殿下に挨拶に来ないのが気に入らないとか何とか」

「はい?」

 何故、私がドロシー王女殿下に挨拶に行かなくてはいけませんの?

 学園では、身分を振りかざすことを良しとしていません。

 もちろん礼儀の一環として、身分の上の者に敬意を払いますし、学園から一歩外に出れば身分格差の世界ですから、あの日のイーサン様のように公爵令嬢に怒鳴りつけるような真似をする人はいません。

 私がイーサン様の婚約者として、結婚する間柄ならご挨拶もさせていただきますけど、もうすぐ婚約は解消されますし、学園でお会いすることもないのに、ご挨拶する必要ありませんわよね?

 でも、門のところで騒がれたらご近所迷惑ですわね。
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