91 / 108
15歳
90ページ:報告します
しおりを挟む
「お父様とお母様に大切なお話があります」
お部屋でくつろがれていたお父様たちの元へ向かった。
本当は、こんな時間にお話したくなかったけれど、事情が事情だ。許してもらおう。
「どうしたの?シエルちゃん」
「大切な話とはなんだい?」
「ええと、突然で申し訳ないのですが・・・」
さすがに言いにくい。
いや。女は度胸だ。
「結婚します」
「は?」
「え?」
「「結婚?」」
お父様もお母様も驚きのあまり、ポカン!としている。
そりゃそうよね。全くそんなそぶりもなかったのに、婚約をすっ飛ばして結婚だものね。
「し、シエル?誰とだい?」
「いきなり結婚って・・・え?まさか、子供が?」
「違います、お母様。まだキスすらしてません」
妊娠したから結婚するのだと思われたら、さすがに相手がかわいそうだ。
キスどころか、まだプロポーズもされてないし。
指輪は作ってたみたいだけど、私相手じゃなかったなんて言われたら、どうしよう。
「相手は、ノワールです」
「の、え?精霊王様かい?」
「どうしてそんな話になったの?」
そうですよね。
5年間、それなりに交流はしていましたけど、それっぽい雰囲気はありませんでしたものね。
「実は、私がマズルの中にいた魔王を倒したことで、精霊の国に魔族が攻め入っているそうなんです。でも、精霊の国には、精霊の伴侶でないと入れないそうで」
「もしかして、そのために結婚するのかい?」
「当人・・・というか精霊王様は?それに結婚って、どうやるの?」
私はポケットから漆黒の指輪を取り出した。
「それは?」
「アポステリオリ・・・無魔法の精霊王がどうやらノワールに内緒で、彼のところから取って来たみたいなんです。この指輪に私が血をささげると、2つに分かれてそれぞれの指に宿るらしくて」
「当人は?」
「魔族と戦っているみたいです。もちろんこの指輪を私がしても、ノワールから拒絶されるかもしれません。この指輪からはノワールの力を感じるから、ノワールが作ったと私は思ってますけど、誰のために作ったのかは分かりませんし」
私はノワールとならと思ったけど、ノワールもそうとは限らない。
それなりに良い関係だとは思うけど、恋愛関係かというと、ちょっと微妙なのよね。
ノワールは、私を主人として接するから、彼の気持ちはわからない。
まぁ、魔族を倒すためだと諦めてもらうしかないよね。
ノワールのことだから、それならそれで義務として大切にしてくれるとは思う。
その場合は、別居としてここで暮らすのもアリかな。
お部屋でくつろがれていたお父様たちの元へ向かった。
本当は、こんな時間にお話したくなかったけれど、事情が事情だ。許してもらおう。
「どうしたの?シエルちゃん」
「大切な話とはなんだい?」
「ええと、突然で申し訳ないのですが・・・」
さすがに言いにくい。
いや。女は度胸だ。
「結婚します」
「は?」
「え?」
「「結婚?」」
お父様もお母様も驚きのあまり、ポカン!としている。
そりゃそうよね。全くそんなそぶりもなかったのに、婚約をすっ飛ばして結婚だものね。
「し、シエル?誰とだい?」
「いきなり結婚って・・・え?まさか、子供が?」
「違います、お母様。まだキスすらしてません」
妊娠したから結婚するのだと思われたら、さすがに相手がかわいそうだ。
キスどころか、まだプロポーズもされてないし。
指輪は作ってたみたいだけど、私相手じゃなかったなんて言われたら、どうしよう。
「相手は、ノワールです」
「の、え?精霊王様かい?」
「どうしてそんな話になったの?」
そうですよね。
5年間、それなりに交流はしていましたけど、それっぽい雰囲気はありませんでしたものね。
「実は、私がマズルの中にいた魔王を倒したことで、精霊の国に魔族が攻め入っているそうなんです。でも、精霊の国には、精霊の伴侶でないと入れないそうで」
「もしかして、そのために結婚するのかい?」
「当人・・・というか精霊王様は?それに結婚って、どうやるの?」
私はポケットから漆黒の指輪を取り出した。
「それは?」
「アポステリオリ・・・無魔法の精霊王がどうやらノワールに内緒で、彼のところから取って来たみたいなんです。この指輪に私が血をささげると、2つに分かれてそれぞれの指に宿るらしくて」
「当人は?」
「魔族と戦っているみたいです。もちろんこの指輪を私がしても、ノワールから拒絶されるかもしれません。この指輪からはノワールの力を感じるから、ノワールが作ったと私は思ってますけど、誰のために作ったのかは分かりませんし」
私はノワールとならと思ったけど、ノワールもそうとは限らない。
それなりに良い関係だとは思うけど、恋愛関係かというと、ちょっと微妙なのよね。
ノワールは、私を主人として接するから、彼の気持ちはわからない。
まぁ、魔族を倒すためだと諦めてもらうしかないよね。
ノワールのことだから、それならそれで義務として大切にしてくれるとは思う。
その場合は、別居としてここで暮らすのもアリかな。
101
お気に入りに追加
3,199
あなたにおすすめの小説
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!
naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』
シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。
そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─
「うふふ、計画通りですわ♪」
いなかった。
これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である!
最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。
【完結】神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました
土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。
神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。
追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。
居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。
小説家になろう、カクヨムでも公開していますが、一部内容が異なります。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる