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15歳

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 生身のままでは、精霊の国に行くことは出来ない。

 ならどうすれば行けるのか。
選択肢は3つある。

 まずは、人間としての生を捨て、精神体になること。
 2つ目は、魔王となるか、神格になること。
 そして3つ目は、精霊と婚姻を結ぶことだ。

 えーと。
ちょっと意味がわからない。

 まず、死ぬのはなし。
そんなことをしたら、お父様とお母様を悲しませてしまうし、せっかく転生したのだから、長生きしたい。

 次に、魔王になるとか、神になるとかの方法が分からない。

 魔力的に魔王になれないこともないだろうけど、ノワールたちに害を成そうとする魔族の王になるなんて、ごめんだ。

 神様になる方法は分からないし、なりたいとも思わない。

 最後に、精霊と婚姻?
何故に婚姻?

 どうやら、婚姻すると、精霊の眷属になる、らしい。
 その関係で精霊の国に入れるようになるとか。

 ただ、どの選択をしても、普通の人間の理からは外れてしまうとのこと。

 だからこその土下座のようだ。

 まぁ、既に普通の人間の理からは外れている気がするから、いいんだけど。

 転生者のせいか、思い切りチートだし、精霊王たち全員にマスターと呼ばれてるし。魔王は瞬殺しちゃったし。

 選択肢的には、精霊との婚姻かなぁ。
死ぬのはなしだし。
 魔王も神もなりたくないし。
となると、残るの結婚しかないのよね。

 選択肢が少な過ぎる。

 とりあえず、その精霊と婚姻する方法とは、相手の精霊が力を込めた指輪に血を捧げると、その指輪は2つに分かれてそれぞれの指に宿るらしい。

 結婚。
もしすることがあるなら、って相手がいないわけでもない。

 まだ、そこまで強い想いじゃないからお父様たちにも話してないけど。

 アポステリオリが、漆黒の指輪を私に差し出した。

「これは?」

『マスターのことを、想っている者が作った指輪でございます。当人はこのようなことに使いたくなかったと思いますが、保管してあったのを、我が勝手に持ち出してきました』

 えー。勝手に持ってくるのは良くないんじゃないかな。
 緊急事態なのはわかるけど。
こんなことで婚姻を結んだら、もショックだと思うんだけど。

「分かってると思うけど、私はこれでも一国の王女です。国王陛下の許可なく婚姻するわけにはいかないの。お父様たちに話してきます。一刻だけ待って」

『かしこまりました』

 まさか、本人と話もしないうちに、結婚報告をすることになるとは思わなかったわ。

 これで、相手に拒否られたら、私は魔王になっちゃうよ?



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