気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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お母様が最強!

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「ほほほほは。わたくしの可愛いアイリーンを困らせるなんて、その小娘は死にたいのかしら」

 鈴を転がすような、と言われそうな声なのに、一瞬で部屋の空気がピシリと凍った気がした。

 おそるおそる振り返ると、お母様がニコニコとした笑顔で立っていた。

 ん?笑顔だ。
じゃあ、さっきのは空耳?

 ・・・って、目が、目が笑ってない!

 怖っ!お母様、美人さんなだけあって、めっちゃ怖いんだけど!

「お、お母様?」

 私にその怒りが向いてるわけじゃないけど、あまりの迫力に目に涙が浮かんだ。

 まぁ・・・
中身はともかくアイリーンは十歳だし、感情のコントロールが出来ないのは仕方ないと思う。

「アイリーン!」

 エリーゼが私の手をギュッと握ると、ホワホワとした温かい何かが流れ込んでくる気がして、そうしたら怖いって思った気持ちが落ち着いた。

 これって・・・
エリーゼの聖女の力?

 泣きそうな私のために、聖女の癒しの力を使ってくれたの?

「お姉様、ありがとうございます」

「ごめんなさい、アイリーン。そしてエリーゼもありがとう。ちょーっと腹立たしくて我慢ができなかったわ。アイリーン、大丈夫?アイリーンに怒ったわけじゃないのよ?」

「平気です。お姉様が癒してくれたので」

 本当、エリーゼって天使だわ~。

 ランディが好きになるのも、分からないわけでもないわ。

 ま、ランディにエリーゼはもったいないけどね。

 しかし、お母様ってこんなに怒ったら怖い系だったんだ。

 この世界では、アイリーンのことを家族みんなで可愛がってくれてるけど、小説ではお母様はあんまり出てこなかったからな~。

「アスラン、すぐにシェリエメール王国の王家に知らせなさい。それから旦那様とイグニス、その小娘を捕まえてらっしゃい」

「母上、すぐに」

「「すぐに」」

 アスランとお父様、イグニスが部屋からすぐに出て行く。

「奥様、騎士から報告を受けております。その令嬢を拘束した上で、客室に軟禁してあるそうです」

「まぁ!よく出来た騎士だこと。後で、褒美をあげなくてはね」

 え?ちょっと待って。
拘束したって言った?え?マジで?

 家令のホルスの言葉にお母様がご満悦だけど、いやいやいや。なんで捕らえたの?

 私にイチャモン付けてきただけじゃん。

 あ。エリーゼを叩こうとしたっけ。そのことは許せんけど、捕えるほどかぁ?

 そもそも他国の令嬢を勝手に捕らえて、問題にならないの?

 別に第二王子殿下との婚約がなくなっても、私はかまわないんだけど。

 だってまだ会ってもないし。

 そもそもこの婚約は、ランディとの婚約を避けるためのものだしね。
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