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何をおっしゃってますの

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「なんで『1』の悪役令嬢がここに・・・」

 相変わらず意味のわからないことを、コストナー様はおっしゃいますわね。

 でも『悪役令嬢』というからには、悪者ということですわよね。

 アンナに聞いた、市井で流行っているという舞台や本の、主人公たちの前に立ち塞がる悪者、と同じ意味かしら。

 わたくしは確かに未婚の令嬢ですから、悪者の令嬢という意味でなら『悪役令嬢』というのも納得できます。

「何故わたくしがここにいるか、ですが、このパーティーが・・・」

「何言ってるの、エリサ。アリスティアの兄であるライアン様の結婚披露だからいても普通でしょ」

「え?でもだって、アリスティアって家族にも疎まれてなかった?だから余計に婚約者エリックに縋ってたんでしょ」

 どうして、ユリア様もコストナー様も勝手に話し始めますの?

 ユリア様は他国の来賓ではありますけど、わたくしは公爵令嬢、おふたりは男爵家のご令嬢ですのに。

 身分制度というものをどうお考えなのかしら。

 ローゼンタール王国もそうですけど、セオドア王国でも身分の下の者が上の者に話しかけることは良しとされません。

 学園では一応、平等を謳っていましたけど、公の場でそれは・・・

 ほら、ユリア様。
お隣に立つセオドア王国王太子殿下も、顔をしかめられていましてよ。

 そして、わたくしが殿下に縋った記憶はありませんが?

 そんな変な発言はやめていただけますかしら?
 ジーク様に誤解されたくありませんわ。

「ジーク様。わたくし、誰かに縋ったことなどございませんわ」

「うん?ああ、分かってるよ。でもこれからは僕に縋っても良いよ?」

「まぁ!でもそうですわね、頼らせていただきますわ。ありがとうございます」

 良かったですわ、誤解されてなくて。
 チラリと周囲に視線を向けると。

 あ。お母様とお兄様がとてつもなく黒い笑みを浮かべてらっしゃるわ。

 わたくしはとても家族に愛されておりますのに、そんな疎まれてなんておっしゃるから。

 わたくし、知りませんわよ?
怒ったお母様たちは、そのとても容赦がないと思いますわ。

「ちょっと待て、アリスティア!ローゼンタールの王太子殿下の名を親しげに呼んでるんだ!僕の

「ちょっと!ユリア!あなた、エリックの攻略できてないの?え?今からアリスティアの断罪をここでやるの?」

「だ、断罪する前にアリスティアが国から出て行っちゃったのよ!そ、それに、王太子妃の教育とか、マジで無理っ。エリック様も何か冷たいし。だから私、推しのジークハルトを狙うことにしたの。エリサ、あなたって攻略できてないわよね?ジークハルトを譲ってよ」

 ユリア様は何をおっしゃってますの?

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