2度目の人生は好きにやらせていただきます

みおな

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悪役・・・令嬢?ヒロイン?頭は大丈夫ですか?

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「なっ、何よ!偉そうに」

「断罪されて処刑されるはずの悪役令嬢が、何でローゼンタールここにいるのよ!」

 コストナー様の偉そうというのにも反論したいですが、今はユリア様ですわ。

 何でしょう?その悪役令嬢というのは。

 それに、何故わたくしが処刑されなくてはなりませんの?

 婚約者がいながら不貞をしたのは、セオドア王国王太子殿下。
 そのお相手が、男爵令嬢のユリア様。

 わたくし、全く関係ありませんわよね?

「あー!どっかで見た顔だと思った。『姫巫女1』の悪役令嬢じゃない!え?なんでみんなここにいるの?ここは『2』の世界でしょ?」

「アリスティアを断罪出来なかったから、ストーリーがバグったのかも。あなたって『2』のヒロインのエリサよね?ジークハルトは攻略したの?」

「ッ!も、もちろんよ。ジークハルト様は私の婚約者なんだから!」

 コストナー様の発言に、周囲の貴族の方々がざわめきます。

 それはそうですわよね。
ジーク様とわたくしの婚約披露だと、コストナー様やセオドア王国の方は知っていらっしゃいます。

 それなのに、自分が婚約者だと、ギラギラした銀色のドレスを着たご令嬢が言うのです。

 もっとも、皆様へお送りした招待状には、少しばかりのがあると書いてあるそうですわ。

 王太子殿下の婚約披露パーティーで、断罪をするんですもの。
 周知しておくのは当然ですわ。

 そういえば、夢の中でセオドア王国王太子殿下に冤罪をかけられて婚約破棄の上に殺されましたけど、いくら夢でもアレは無理がありますわね。

 あれは卒業パーティーでのことでしたけど、成人となるその場で、成人貴族として相応しくない言動を、しかも時代を担う王太子殿下がされたのです。

 婚約破棄にしろ、断罪・・・冤罪でしたけど、にしろ、人前でするのではなく、王家と我がイングリス公爵家当主とで、内々に話すべきことです。

 あんな、国のトップに立つに相応しくない言動をするなど、自分は常識不足だと周囲に言っているようなものですわ。

 あんな夢を見るほど、わたくし王太子殿下のことを常識不足だと思っていましたのね。

「アリス?」

 ジーク様の声にハッとしました。

 あまりの意味不明さに、現実逃避している場合ではありませんわ。

「すみません。つい現実逃避してしまいましたわ」

「ああ、分かる。僕にも脳の構造が理解出来ないよ。僕も諦めは悪いと自分でもわかっているけど、あそこまで意味不明な自信は持てない。大丈夫?話が通じなさそうだけど」

「ふふっ。大丈夫ですわ。わたくしはわたくしの役目を果たしますわ」

 ジーク様が心配してくださいますけど、大丈夫ですわ。

 だって、お父様もお母様も見守っていてくださいますもの。
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