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婚約のご報告ですわ
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「お父様、お母様、お兄様、キャスリーン様。ジークハルト様から婚約を申し込んでいただきました」
国王陛下と王妃殿下、つまりはジークハルト様のご両親には、ジークハルト様がお話してくださるそうです。
婚約の申し込みは、改めて明日我が家に来てくださるそうですけど、先にお父様たちにはご報告いたしますわ。
「え?アリスティア、今なんと?」
「ジークハルトが?」
「「良かったな(わね)」」
もう!お兄様とキャスリーン様はお祝いの言葉を下さるのに、お父様とお母様は信じられないというお顔をされていますわ。
もしかして、わたくしが婚約を嫌だと思っていると勘違いされてるのかしら?
「お父様、お母様。わたくしからジークハルト様に婚約をお願いしたのです。わたくし、その・・・ジークハルト様をお慕いしているのです」
「そ、そう、なのね。ジークハルトを・・・アリスティア。私の可愛いお姫様。初めて自分の望みのために踏み出したのね」
「アリスティア、おめでとう。心から愛せる相手と出会ったんだね?嬉しいよ」
「お父様、お母様!ありがとうございます」
少し気恥ずかしいですが、大切な家族に祝われて嬉しくないわけではありません。
「ごめんなさいね、アリスティア。私が王命での婚約に異議を唱えたりしたから」
「いいえ、お母様。遠回りしたからこそ、わたくしは自分の気持ちに気付けたのです。それに、ジークハルト様のお気持ちも知ることが出来ました。きっと、あの時王命での婚約を受け入れていたなら、気付けなかったことだと思います」
きっと、わたくしにはこの時間が必要だったのです。
婚約者としてでなく、お互いの気持ちを知り合う時間が。
それに、お母様たちのお気持ちは理解しています。
セオドア王国で、何ひとつ自由のなかったわたくしを気遣って下さったのでしょう?
あの頃のわたくしは、自分が何を望んでいるのかすら知らずに、人形のように生きていました。
エリック殿下のおっしゃる通り、わたくしにはエリック殿下への愛情も何もない、ただの王太子妃になるためだけの人形でした。
あの時間が、家族の愛が、ジークハルト様のお気持ちが、わたくしに人として生きる術を教えてくれました。
「おめでとう、アリスティア様」
「ありがとうございます、キャスリーン様。いいえ、お義姉様。わたくしの大切なお父様やお母様、そしてお兄様のことをよろしくお願いします」
「・・・っ!もちろんよ。貴女もジークハルト殿下も、私の家族になるのですもの」
ええ。
新しい家族が増えるのです。
国王陛下と王妃殿下、つまりはジークハルト様のご両親には、ジークハルト様がお話してくださるそうです。
婚約の申し込みは、改めて明日我が家に来てくださるそうですけど、先にお父様たちにはご報告いたしますわ。
「え?アリスティア、今なんと?」
「ジークハルトが?」
「「良かったな(わね)」」
もう!お兄様とキャスリーン様はお祝いの言葉を下さるのに、お父様とお母様は信じられないというお顔をされていますわ。
もしかして、わたくしが婚約を嫌だと思っていると勘違いされてるのかしら?
「お父様、お母様。わたくしからジークハルト様に婚約をお願いしたのです。わたくし、その・・・ジークハルト様をお慕いしているのです」
「そ、そう、なのね。ジークハルトを・・・アリスティア。私の可愛いお姫様。初めて自分の望みのために踏み出したのね」
「アリスティア、おめでとう。心から愛せる相手と出会ったんだね?嬉しいよ」
「お父様、お母様!ありがとうございます」
少し気恥ずかしいですが、大切な家族に祝われて嬉しくないわけではありません。
「ごめんなさいね、アリスティア。私が王命での婚約に異議を唱えたりしたから」
「いいえ、お母様。遠回りしたからこそ、わたくしは自分の気持ちに気付けたのです。それに、ジークハルト様のお気持ちも知ることが出来ました。きっと、あの時王命での婚約を受け入れていたなら、気付けなかったことだと思います」
きっと、わたくしにはこの時間が必要だったのです。
婚約者としてでなく、お互いの気持ちを知り合う時間が。
それに、お母様たちのお気持ちは理解しています。
セオドア王国で、何ひとつ自由のなかったわたくしを気遣って下さったのでしょう?
あの頃のわたくしは、自分が何を望んでいるのかすら知らずに、人形のように生きていました。
エリック殿下のおっしゃる通り、わたくしにはエリック殿下への愛情も何もない、ただの王太子妃になるためだけの人形でした。
あの時間が、家族の愛が、ジークハルト様のお気持ちが、わたくしに人として生きる術を教えてくれました。
「おめでとう、アリスティア様」
「ありがとうございます、キャスリーン様。いいえ、お義姉様。わたくしの大切なお父様やお母様、そしてお兄様のことをよろしくお願いします」
「・・・っ!もちろんよ。貴女もジークハルト殿下も、私の家族になるのですもの」
ええ。
新しい家族が増えるのです。
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